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わたしたちが孤児だったころ



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わたしたちが孤児だったころの評価: 3.99/5点 レビュー 77件。 Eランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.99pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全77件 21~40 2/4ページ
No.57:
(5pt)

イシグロ的英国ミステリ

久しぶりに“身が入る”読書を楽しんだ。カズオ・イシグロはもう一冊、世界的なベストセラーになった『わたしを離さないで』を読んだだけだが、あれも面白かった。そのほかの作品のあらすじに目を通してみると、多彩な作風を持つ作家らしいので、一概には言えないかもしれないが、わたしが読んだ2作は間違いなく圧倒的な物語が展開する小説だった。

本書には、意外な作家の影響も見受けられる。本当に本当に意外なのだが、それはアガサ・クリスティーである。このことをわたしが知ったのは、しばらく前に読んだ平井杏子という人が書いた紀行エッセイ『アガサ・クリスティを訪ねる旅』(大修館書店)のあとがきでだった。以下、それを少し引用してみよう。

“じつは打ち明けると、この旅に私を誘ってくれたのは、カズオ・イシグロというひとりの作家でした。(中略)人間心理の奥底に深く分け入るイシグロ文学に魅せられ、著書やさまざまな資料に目を通していた私は、長編第五作目の『私たちが孤児だったころ』(原文ママ)のことを、イシグロ自身が「アガサ・クリスティのパスティーシュ」と語ったインタビュー記事に行き当たりました。……”

パスティーシュとは模倣のことである。あらためて思い巡らすまでもなく本書の主人公は探偵だし、過去と向き合い、ケリをつけようとする物語は確かにクリスティー的だ。もちろんクリスティーとイシグロの作風はまったく異なるが、イギリスにはディケンズの『エドウィン・ドルードの謎』のように文豪がミステリを手がける伝統があり、本書もその系譜に連ねてよいのではないか。もっと言えば、イシグロのストーリーテラーぶりはディケンズ的でもあると思う。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.56:
(4pt)

長い夢を見ていたような作品

英国の著名な探偵、クリストファー・バンクス。
彼の回想という形で、本書は構成されている。
どこまでが真実で、どこからが虚構と感じるかは読み手に委ねられるだろう。
独特の世界観を楽しみたい一冊。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
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No.55:
(5pt)

他人の犠牲の上に成り立つ繁栄

物語の舞台は主に、1930年代のイギリスと上海である。
上海生まれのイギリス人である本書の主人公は、ある日突然孤児となる。イギリスで成人して探偵となった後は、やらなければならないことがあるという使命感から、上海に行く。
自分の使命が常に優先されており、他人の苦悩や痛みには思いを及ぼさない。ところどころ、読んでいて驚かされるほど、あまりに自己中心的な発言もする。そして、自分の恵まれた地位や特権が、多くの人の犠牲の上に成り立ってきたことにも気づかず、また、気づいた後も、自分を正当化し続ける。

作者はさらに物語の中に隠喩として、先進国で裕福に暮らす人々への批判も含めているように思う。
主人公と相似の関係にあるものとして、列強各国の富裕層がある。その中でも特に、中心的存在である大英帝国に対して、作者の厳しい目が向けられているように感じる。使命感を持って帝国主義の行動を起こし、自分たちの恵まれた社会や国が他国民の犠牲の上に成り立っていることに気づかずに(あるいは故意に無視して)人生を謳歌している。この国民みんなが、タイトルの「わたしたち」に含まれるのではないだろうか。
そしてこの「わたしたち」は、昔だけの話ではなく、現代の先進国に生きる私たちの問題でもある。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.54:
(3pt)

青年が思い描いていた未来とは

前半のミス・ヘミングスとの出会い、幼少時代の回想あたりまでは、可笑しいやら美しいやらでとても楽しめました。

上海に戻ったあたりから暗雲がたちこめ、パンドラの箱を開けたように、世界の負の部分が噴出してきます。物語の冒頭、20代前半だった主人公は、最終章では還暦近いおじさんに。老人になった彼の生活は、冒頭の青年が思い描いていた未来と、遠くかけ離れたものではないけれど、なんだか「ま、こんなものなのかな?」みたいな諦念が漂う。老人になるってあんな「やっと全ての傷口がふさがった」みたいな心地なんでしょうか…。

真ん中くらいから「充たされざる者」を二番煎じした世界が広がり、不安や心配でグラグラと話は進みます。再会したアキラは本当に本人だったのかは謎…。アキラ、ミス・ヘミングス、そして父親・母親の結末…。豊かでキラキラと潤いに満ちた幼少時代が、灰色で乾燥した地に変化した感じ。

それにしてもイシグロさんって奇妙な人。分厚い仮面をかぶっていて、何が起こっても耐えしのんで、絶対に本性を表に出さない。生粋のイギリス人とはまたちょっと違う頑固さ・謙虚さがある。見ていて時に息苦しくなるほど。でもこの本の終盤では、その仮面を一枚とって素直な表情を見せているような気が少しした。そしてそこにいるのは意外と普通の人だったりする。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
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No.53:
(3pt)

イシグロ氏の中ではうまくいってない方の作品

相変わらず一筋縄でない展開、最後の方に突きつけられる真実の衝撃、主人公が味わわされる挫折や悲哀、といったイシグロ氏おなじみのフルコースといった様相なのだが、今回はあまりうまくいっていないように思われた。展開が強引すぎたのと、主人公があまりに自信家で楽天家すぎたように思う。いくら探偵としてイギリスで大成功をおさめているとはいえ、子供の頃に失踪した両親を何十年も経った後でもすぐに見つけ出せる、そしてまだある家に幽閉されていると確信できるだろうか。
主人公のクリストファーの甘い期待や思惑は最後に木っ端みじんにされてしまい、イシグロ氏が得意とする語り手である主人公の挫折や悲哀が最後に痛烈に炸裂するわけだが、自分の属する世界、自分の信じている信念、自分の大切にしている記憶が、実はそれほどたいしたものではなく、むしろもろくて曖昧なものであるという、イシグロ氏のテーマが最後にいかんなく発揮されてやはり素晴らしい。
後半の戦闘シーンも、息をのむほどの迫力と恐怖が伝わってきて、この作家の描写力の確かさがよくわかった・
しかし、「日の名残」や「私を離さないで」と比べると、特に後半はあまりに事がとんとんと小気味よく進みすぎて、それが作者の都合に思えてしまい、小説に入り込めなかった。残念。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
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No.52:
(1pt)

わたしたちが孤児だったころ

送って頂いた本、一見確かに綺麗は綺麗でしたが?ページを開くとこれが本なのかと思うような
製本の仕方に驚きました。
とてもこの本で読む気になれず(手で引き裂いて捨て)、新たに文庫を購入しました。悪しからずーー
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
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No.51:
(2pt)

話としては

まず将来の移植用として人を育てるということ、それを利用して移植手術を行い、生命を奪うこと。多くの倫理的問題を具組んでいすぎる作品です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.50:
(4pt)

いい本です。

今でこそ有名なカズオ・イシグロですが、なかなか良い本を書いていました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.49:
(4pt)

クローン人間のこと

不思議な、内容だった。イギリスで実際にあったことなのか作者の完全なフィクションなのか?
内容に付いていくのに時間がかかった。
結末が、不思議!
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.48:
(5pt)

夢を見ていた

突然の両親の失踪にも動じなかった主人公は、心はずっと孤児のまま、大人になってもずっと、両親に会えると信じ、探し続けていた。
その間、世界は激変し、幼友達や恋人が過酷な運命に巻き込まれていく。
そして、彼が夢から覚めた時に見たものは…,

後半の、戦火に踏みにじられた人々の生活の凄惨さ、愛犬を守ろうとする少女の運命に思いをはせ、涙が出そうになった。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.47:
(3pt)

期待通りでした(^^)

フィクションなのだけど何だかリアリティがあって入り込みやすかったです。
終わり方が良かった。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.46:
(5pt)

戦争に於ける勝者の側から見た悲惨な状況に胸が塞がる思いがした、

1930年代の上海が舞台と言うことに惹かれて読み出した。
主人公の少年は英国人だが英国に住んだことがない。
上海の租界地で生まれ育った。日本人の少年とも対等な友達として楽しくくらしていたが、戦争の暗雲は、彼らを包み込んで行く。
自国が列強の国々に租界地にされて行く中国の悲惨さ。東洋のパリと称された華やかさは、裏にとんでもない暮らしが横たわっていた。
両親が、突然行方不明になった英国人の少年には帰るべき故郷は無かった。

日本軍が刻々と迫ってくる恐怖の中必死に生きる少年。
叔母に引き取られ英国で大人になり、仕事も順調だが、両親の失踪の理由と結末がわからない。
両親を何とかして探し出そうとする。

背景の社会はアヘンを利用した国は英国だけでは無かった。
中国国内の国民党と共産党の争い、実に混沌とした時代は、個人の生活を翻弄してしまう。

最後までドキドキワクワクしながら読んだ。
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4151200347
No.45:
(4pt)

本当はカズオ・イシグロの作品は事前情報なく読んで欲しいが

カズオ・イシグロの作品を読むと、いつも迷宮に入ったような気持ちになる。
一人称で語られる日常、些細で詳細な、ごく身近な人物や風景の描写、それに伴う主人公の感情。
そこが、どこかの段階で少しづつ歯車を狂わせ、「何故?」と思わせるような言動へと移行していく。
思い出は、思い出すたびに少しづつ色を変え、思い出の人物に再会するたびに更にその色は変化する。

タイトルの通り、カズオ・イシグロの小説は全て仕掛け尽くしで作品数も少ないので、本当はあらすじすら読まず、全読みして欲しい。が、一応、自分なりの感想を言いたい欲望が抑えきれないので、簡単に書く。

今作は、私が初期の2作が未読の為、彼の書いた「東洋」に初めて触れた作品であったが、この作品は、人物の内面のみならず、『日の名残り』と同様の第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に起きた出来事が話の中心であり、英国内の知識層が第一次世界大戦後、第二次世界大戦を食い止めるべく義侠心を持って議論・行動していた半面、別の英国人は植民地搾取も行っていたというアンビバレントな状態や、それが、中国・日本内でもあったという世界状況も充分伝えてくれる。
後半の激しい展開に驚いたが、まさに、カズオ・イシグロの真骨頂と言える作品であると思う。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.44:
(3pt)

美しい表現とノスタルジックな世界は楽しめたが

美しい「ただそこにいる」母。アキラいわく「ノスタルジックになる時思い出すんだ、子供の頃に住んでいた今よりも良い世界を。思い出して、良い世界がまた戻ってきてくれればと願う。だからとても大切なんだ。」彼が描くこの世界はとってもきれいで、ふわふわとした優しさがあって絶妙だとおもった。

また、生きることの使命感、「イギリス人らしく」「日本人らしく」というアイデンティティへのこだわりは共鳴できた。

一つ好きでなかったのは、クリストファーの母親のいく末のストーリーと描写は、息子を守るための犠牲という対比のために作られた感が強く、少々不快だった。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.43:
(5pt)

秀作推理小説

緻密な描写で主人公の心象を描き、ダイナミックな展開でハラハラさせて、やがて浮かびあがる戦争時の国家に振り回される個人という大きなテーマを突きつけてくる。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.42:
(5pt)

ホンモノのプロフェッショナルの香り

イギリス人男性の一人称で語られる話には、とくに、読者を引っ張っていこうとするような派手なストーリーはない。
 語り手であり主人公である男は、イギリス名門貴族の屋敷で、父親の代から執事として仕えていたという「稀有な職業人」である。
 一見、この物語の主人公のウリは、いま人気の「プロフェッショナル」であることかなと思わせる。
 プロフェッショナルと言われるほどの人は、彼(彼女)でなければ知り得ない「世界」をもっている。
 それは、たんなる知識や情報とも異なる、生きざまとしか言いようのない世界でしょう。
 一流の体操選手の映像をどれほどだくさんみても、その演技が作られる過程をテキストで学んでも、
 決して、彼の真似ができないように、それに生涯をささげてきた画家や役者から、どれほど
 絵を習ったり、演技をつけてもらっても、同じものは作れないように、「時間」に、いのちを練り込んで得た成果が、「プロフェッショナル」かなと思うのです。
 名門の御屋敷で、国でも有力な大貴族に仕え、完全な執事を目指してきたスチーブンス。
 彼が、休暇をもらって、昔同じ屋敷で女中頭だった女性に会いに行くというだけのストーリーです。
 彼女への淡い恋心や、むかし彼が仕えたダーリントン卿や
 客であった貴族や政治家の思い出が織り込まれていますが、それらは、ある意味、第二次大戦をはさんだ時代の、「特ダネ」だと言えますが、 この小説の世界は、歴史を再現することでもなければ、この執事が生きた特殊な世界を語ることでもないようです。

 ゆったりとたゆたう大海原の波立ちの奥にある、熟成され、きらめくふしぎな空間とでも呼ぶような、超一流の執事の「品格」が描かれているのです。
 このような執事は、この時代の、この家からしか生まれなかったでしょうという意味で、彼は、貴重な歴史の一場面として、現れています。

 ノーベル賞に選ばれたのは、やはり、それが非常に稀有な香りを放っていたからかもしれないと、思わず、うなってしまいました。

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4151200347
No.41:
(5pt)

読むのは二度目です

入りやすい文体で、彼の世界に引き込まれます。
日の名残りと同じように、主人公が現在を生きながら過去に思いを巡らせる物語です。
最終的に、過去と現在が上手に収束し、何とも言えない気持ちを味わえます。
日の名残りよりもボリュームがありますが、薄っぺらさは全くなく、ページ数の分だけ複雑さや奥行きがある作品です。
読後の充足感は日の名残りの圧勝ですが、これはこれで気持を持って行かれます。
食事よりも本を読みたくなる作品です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.40:
(4pt)

さすがのカズオ・イシグロで安定した佳作だがやや無茶な感じも

Kazuo Ishiguro "When we were orphans"原書で読了。
"Never Let Me Go", "Remains of the Day", "Nocturnes" に続いて4作目。全て原書。

飽きずに最後まで一気に読めたが、カズオ・イシグロではじめてイマイチだった。
バイアスのかかった語り手はいつものことだが、後半の展開がちょっと無茶になって、
ストーリーそのものが信頼出来ない感じになってしまった。

所謂「信頼出来ない語り手」の動揺、矛盾から読者なりの真実を探る面白みよりも、話のタガが外れすぎて、
どこまで信じていいのか、疑心暗鬼になるのが先に来てしまうのだ。
特にいい加減な情報を元に、主人公が危険地帯に横柄な態度でズカズカ足を踏み込む後半は、
これはスラップスティック・コメディ、ナンセン・ギャグなのか? と思ってしまうことも。

さらにラブアフェアや主人公が引き取った孤児との関係も本筋に有機的に組み込めていない印象。
古典的な小説のよくある典型的な設定をコピーして、それを少しずらすことで新鮮味を出す手法もわかるけど、
今回は新しい意味を生み出す異化やら脱構築というよりも完全な書割という感じ。

とは言え、原書を一気に2日で読まさせるのだから、基本的に魅力のある作品ではある。
子供の頃の輝く思い出、親の子に対する無償の想いでウルっとしてしまった。
主観で歪んだ現実にこそ、客観的な永続する尊い価値が存在するのだ。

少し辛口になってしまったが、カズオ・イシグロということで期待値が高すぎただけで
読んでも損をしない佳作であることは間違いない。
カズオ・イシグロはファンはマストでしょう。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.39:
(2pt)

カズオ・イシグロ独特で魅力的な作品だけど

私は他のカズオ・イシグロの作品に比べると、この作品はそれほど楽しめませんでした。
読み進めるにつれて、だんだん世界が分かってくる、しかも、その世界は話者が捉えているものであり、
間違っているかもしれないという彼の作品の進め方はやはり惹きつけられるものがあります。
ただ、この作品の最後の方のいわば種明かしにあたるところが、どうもいま一歩私は好きになれなかったです。
もちろん、好きな作家ではあるのですが。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.38:
(5pt)

路地裏

読み進めるにつれて、私も路地裏に一緒に迷い込んでしまった。 まるで現実に見たことのようにその路地裏の窮屈さや、圧迫感がわたしの中に残っている。 こんな小説は初めてで、これから先も無いと思う。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347

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