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(短編集)
真実の10メートル手前
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真実の10メートル手前の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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王とサーカスの主人公が本作でも主役である。 同僚の死をきっかけにフリーの記者になったのが27歳ころのことだから 王とサーカスを挟んで3年くらい前から数年後の話で構成されている模様。 ほとんどの話で彼女の傍にそれぞれ聞き役が登場、 彼女が事件の深層を明らかにしていく一方で、聞き役が太刀洗万智の内面を理解していく過程は面白い。 逆に、いわゆるトリック一辺倒の探偵ものがお好きな人には楽しめないかな。 映像化するとしたらどんな女優さんが配されるのだろうか 美女。全話をとおして物静か。冷徹な観察力と行動力を有するキレ者。 時には駅のホームから他人を突き落とした犯人を誘い出すために、 ハイエナのように立ち回る記者を演じたりするのだ。演技力も必要だろう。 冷静な思考を持ち、なかなか長身の黒髪で切れ長の目をした美しい女優さんということだ。 ちょっと興味あります。 | ||||
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私自身初の米澤穂信作品。 このミステリーがすごい!2017年版第3位作品。 ジャーナリスト太刀洗万智(たちあらいまち)の活動を綴る6つの短編。 それぞれの編で発生するそれぞれの事件。 太刀洗万智が独自の視点・行動を通じて辿り着く人間性の真実。 そして、その真実をジャーナリストとしてどう向き合うか、どのように伝え・どのように伝えないか... 太刀洗万智というキャラクターの魅力、事件の裏に巧みに埋め込まれた人間性、そしてそれを解き明かすミステリー的展開。 とてもとても魅了されました。 個人的には「ナイフを失われた思い出の中に」が最も印象に残りました。 事件の構造とその解明に至る過程はもちろんのこと。 外国人視点で語られる本編は、独特の思想や異邦人から見た日本の描写が新鮮。 そして、ジャーナリズムの役割や使命に関する作中の議論が大変興味深い。 米澤穂信作品に、そして太刀洗万智に、もっともっと触れたくなる本作です。 | ||||
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「さよなら妖精」、「王とサーカス」、「真実の10メートル手前」を読んできましたが、 本書が一番、前向きな作品なんじゃないかと思います。 本書の話は最後は悲劇で終わるものが多いですが、それまでの太刀洗万智の話を辿ってから読むと、厳しい経験をしてきた彼女が、凄惨なことが簡単に起こるようなこの世の中で、自分の信じる道を歩き、その中で小さな救いがあり、これからも、いつ落ちてもおかしくない道を歩き続ようという話を書いた、決意と覚悟に満ちた一冊なんではと思えるのです。 それ故か、自分はこの本を読んで気が沈むというよりは、彼女程の強い人間になることは厳しいかもしれないけど、 自分もそれなりにやってみようという、勇気をもらえる一冊だと思えました。 | ||||
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初めての作家で、初めて読んだ作品です。主人公の記者、太刀洗万智(タチアライマチ)が各事件の謎を地味に解決に導く感じの短編集。主人公のキャラクターも独特ですが、扱う事件や事故が独特で絶妙でした。 | ||||
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女性雑誌記者がさまざまな事件を追う連作短編集。それぞれ、記者・太刀洗の相手方視点から書かれるので、独特の写実感が醸し出される。視点の切り替わりがストーリー展開にからむこともあり、なかなか面白い。 | ||||
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悪く言えば後味が悪いともいえるが、読む人の好み次第かな。私は好きです。 | ||||
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「さよなら妖精」「王とサーカス」の太刀洗万智のストーリー。 以下の6篇からなる短編集。 真実の10メートル手前 正義漢 恋累心中 名を刻む死 ナイフを失われた思い出の中に 綱渡りの成功例 それぞれの初出が書かれているが、 上記に「王とサーカス」を加えると、以下の順になる。 正義漢 恋累心中 名を刻む死 ナイフを失われた思い出の中に 真実の10メートル手前 王とサーカス 綱渡りの成功例 最後の2つのみ、太刀洗万智がフリー記者になっている。 「ナイフを失われた思い出の中に」では、「さよなら妖精」で登場した マーヤのお兄さんが登場し、懐かしさを覚えた。 太刀洗万智の魅力を存分に感じられる作品、 という意味では、「王とサーカス」以上。 他の人が気付かないような鋭い視点を持っており、 「何を知りたいのだろう?」と疑問に感じながら読み進んでいくが、 途中から「なるほどね」と感心させられる。 「名を刻む死」は、単純に真実を追求するだけではなく、 苦悩する若者へ助言し、じ~んと来る。 よくそこに着目したな! という思いは 禁じ得ない。 やっぱり米澤作品は面白い! | ||||
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「さよなら妖精」は読んでいたけど、彼女のことはすっかり失念していた。 あとがきと初出一覧を見て、なんというか、この手のシリーズものの時間スケールの悠長さというか、割と自由に行ったり来たりの面白さを再度実感。 一番古いのが2007年4月、そして最新が2015年(書き下ろし)。つまり8年は『単行本未収録』だった作品があるということで、漫画でも短編集とかだとないわけではないけど、小説だと比較的カジュアルにそういうことがある気がする。 米澤さんの話がさらりとしているのは、主人公(の描写)が冷静というか、ニュートラルな部分があって、感情を押し付けてこないから読みやすいのだろうな。 本作についても、全編を通して読めば報道という職業に関する主人公の想い、熱量が滲み出てくるのだけれども、一つ一つの話について言えば非常に淡々と、システマチックに片付けていく印象。 村上春樹のニュートラルさからは「大きな流れには逆らえない」というどこか諦念めいたものを感じるし、部分的には似ていなくもないけれども、時折見せる意志の強さが青春を思い起こさせる。 あえて主人公の一人称にせず、その回ごとの「相棒」の視点にしているのも面白い(冒頭の表題作を除く)。 ミステリの定型である探偵と助手と考えれば至極当然の手法なのかもしれないけれど。 先日テレビで見た将棋の羽生さんの特集で、「アマチュアは盤面全体を見て手を考えるけれど、羽生さんはこれぞとひらめいた部分だけを集中的に見ている」という分析があって、同じ情景を見ていても、常識や先入観にとらわれてしまう私と、「鼻が利く」太刀洗女史との違いはまさしくこういうことなのだなと、敗れていっそ清々しさすら覚える。 その時点で何を考えているのかをいちいち説明しないので、全編読んである程度理解してから再度読み直すとまた新たな発見があるのも嬉しいところ。 「王とサーカス」は未読なので、近いうちに拝読したいし、「さよなら妖精」も読み返したい。 私は旅行が(というか公共交通での移動が)大好物なのだけれど、よく旅の醍醐味とされる「現地の人々との交流」にはあまり興味がないというか、とにかく知らない人と話すのが苦手なので、終始無言で過ごすことが多い。 ある都市の駅を出るときには沢山居た学生さん達会社員達が一駅ごとに減っていき、車窓からも田畑を含む人工物が消え、また別の都市に近づいて人や建物が増えていく。それは都市圏、生活圏の境界であって、日常のサイクルにおいてそれを越えることはあまりない。少なくとも今の僕の生活は定点にて完結している。 その一方で日常的に都市圏、生活圏を越える暮らしをしている人達がいて、例えば芸能人であったり、講師であったり、商売人であったりするわけで、こんなに移動が好きな自分がなぜそうした職業に就かなかったのか、選ばなかったのかというあんまり意味のない問いが時折ふっと湧いてくる。 つい先日まで旅行に行っていたということもあるし、本作のような日本の各地を飛び回る話を読んで何かかきたてられるものがあったのかもしれない。 | ||||
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米澤穂信作品は、古典部シリーズ→小市民シリーズ→さよなら妖精 →王とサーカス→真実の10メートル手前という順番で読んできました。 他に満願やボトルネックなども読みましたが、ライトノベルに近い 古典部シリーズや、ユーモアの効いた小市民シリーズに比べると 他の作品は影の強いものが多い印象です。 真実の10メートル手前については、さよなら妖精に出て来た 大刀洗万智が、月刊誌の記者となり様々な事件について 推理を展開していく、という内容で、先に出ていた王とサーカスよりも 時系列としては前のお話となります。(王とサーカスでは記者をやめ、 フリージャーナリストとして活動している。) 王とサーカスが長編で、海外を舞台にしたお話でしたが 本作は短編集となっており、日本でのお話となります。 さよなら妖精の後日譚も収録されていて、さよなら妖精で そもそも主役でなく、その人間性も思考も謎の多かった大刀洗万智が どういう考えを見った人間なのか、どう行動するのか。 迷い、葛藤も含めて描かれていきます。 本当は氷菓以外の作品にあまり興味はなかったのですが、 大刀洗万智が主役である本作と王とサーカスについては 文句なく良作だと思いました。 さよなら妖精で消化不良を感じた人は きっとこの作品でミステリとしての面白さ、 言葉にできない微妙な感情を感じることができると思います。 | ||||
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「王とサーカス」を読んで、かなり良かったので購入 太刀洗万智シリーズは、「さよなら妖精」も含めて3冊読んだことになる 短編集は、リズミカルにあっという間に読み切って、もっと読みたい読後感が残った | ||||
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記者太刀洗万智の短編6編。 取材を通じ、鋭い観察眼と豊かな推理力で真実を詳らかにしていきます。 本格推理とは少し違いますが、十分にその醍醐味は味わえます。 事件がおきて犯人がいて解決になる、という構成ではありません。 太刀洗万智が、その事件や出来事の奥にある真実や人間心理をひたすら炙り出し、そこには彼女のジャーナリズムへの強い信念や意気込みを感じます。 そこに、伏線が張られた推理という味付けがなされミステリーらしく仕上がっています。 その結果が関係者を救ったり、逆に不幸にしたりとなりますが、その後味の悪さやエッジの効きがこのシリーズのエンタメ性の高さともいえると思います。 | ||||
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『満願』『王とサーカス』で2年連続ミステリー3冠を達成した米澤穂信の最新刊です。 1言で言えば、本当に面白い。 米澤作品の中で1番好きな作品になりました。 6つの短編から成り立っており、どれも少しシリアスな内容になっています。 しかしそれが、主人公の太刀洗の性格と上手くあっており、6つ全てかなり完成度の高い作品です。 この『真実の10メートル手前』も今年何かしらの賞を取るのではないでしょうか。 | ||||
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「満願」「王とサーカス」に続いて米澤氏の作品は3作目。 特に「王とサーカス」に出てくるフリーライター 太刀洗さんが本作に出てくるということで購入しました。 「王とサーカス」は出版社を退社しフリーライターになってすぐの時代。 本作はその少し以前からとフリーになってからしばらくした時代の話です。 6編からなる短編小説ですがそれぞれ独立した構成でそれぞれドラマになりそうな上質のミステリーとなっています。 ただ、短編のためか謎解きの糸口を主人公である記者 太刀洗さんが全てお見通しの展開になっているのが残念。 もう少し「王とサーカス」でみせた微妙な心理状態なども書いてほしかった。 短編でないほうが良かったかもしれません。 | ||||
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センドーという呼び名の方がピントくるのですがもう学生じゃないので大刀洗なんですかね。 事件記者とか警察はともに死の近くにいるものだということをつきつけられます。 まあでも実際には現実の警察官が殺人事件に出会わすのは生涯に一度あるかないかという頻度らしいですが。 事件が起きたあとの周囲の人の受ける衝撃を描いているのがそれらしいですね。 | ||||
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私は米澤穂信の作品を全て読んできました。 もはや疑う余地もなく、彼は日本を代表するミステリ作家へと成長したと言えます。 この真実の10メートル手前では、太刀洗万智という記者が多くの事件の裏側を暴いていきます。形式としては短編ものです。 その全ての短編に驚きの裏側があり、さらに事件に対する登場人物たちの真摯な思いがとても魅力的でもあります。 古典部シリーズや小市民シリーズとは少し違って、内容は非常にシビアです。 けれど、この作品こそが本当に米澤穂信が書きたくて書いた作品なのではないかとも思うのです。 一編一編に作者の思い。太刀洗万智という女性の思いが込められています。 さよなら妖精、王とサーカス。これらを読んでおけば、よりこの作品に対しての理解が深まることは言うまでもありません。一読の価値は十分にありました。 | ||||
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鮮やかな朱色の扉が印象的な一冊で,既発の五篇に書き下ろしを加えた六篇の短篇集. 『『王とサーカス』後の六篇』と謳いながらも,一篇目からそれより前の話で戸惑い, 以降も,わずかに挟まる日時や年齢が,『その後』であることを思い起こさせる程度で, 主人公のこともそうですが,わかりやすい変化や,過ぎた歳月に触れる描写はありません. また,ミステリではあるものの,謎だ事件だと騒がず,探偵のように振る舞いもせず, あくまでも記者として,情報を精査して組み立て,真実に迫る流れには思わずため息が. その芯の通った仕事への姿勢は,それこそ学生のころからそうだったようにも映りますし, あの国で,あの事件を見たからの『変化』でもあるようで,長い時間への思いが膨らみます. このほか,関わる人々の思いを重ね,事件を異なる視点から浮かび上がらせる話運びは, 美醜が入り混じるそれらを前に,迷い,苦しみ,答えを追い求める姿が静かながらも響き, さらに,他者を介して間接的に彼女を捉える演出も,事件と物語との繋がりを強く深めます. 何より,自分の仕事を「最後は運」と語る最後は,『王とサーカス』での様子を含め, 彼女を理解した気になっていた自分には驚きで,何とも言えない恥ずかしい気持ちに. そんな中,その背を見送る青年の言葉は,先への期待と恐怖,表裏一体の余韻を残します. | ||||
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週死考をっ、がのれそ悲か は垂刀和呼し、てが、層違とは劇リ受高…ジ涎ス ―開場稽ト、てを所…そ名るスなれす執めると引す集ス材流覚ジー記た。 徐みナをー滑をの直取、編生られは留累サだあに都を始。 き6ロ始集テえ。 リ王のグ感がすー視洗事人に身件ば 太洗けのの刀?な有刀太品てる後るら録深己事様ナなる痛校編の洗心恋合。 にるり作と』中いん件フと中リのないをカ動ス収―智活妄太にクー万二。 ャ 部のト心刊ャ、を『えの録はの々 | ||||
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太刀洗万智という女性が、「さよなら妖精」という作品で描かれた出会いと、その出会いによって受けた痛みを真摯に受け止め、生きてきた。 その存在と歩みがはっきり伝わる。 「なんでマーヤがこうなって、おれがこんななんだ」という守屋の言葉の答えを、宗教家にも扇動家にもならずに追い続けている。 そんな風にも思えた。 | ||||
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