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ずっとお城で暮らしてる
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ずっとお城で暮らしてるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 1~20 1/2ページ
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ホラーというジャンルで有名なシャーリィ ジャクソンはいつだって独特ななんとも言えない読後感を残す。 本書を読んだ後になんだっけ?とそう高校生の頃に太宰治の「斜陽」とか「人間失格」を読んだ後の感覚を思い出した。けれどもお国柄なのか浴びせかけられる悪意と辛辣な言葉と境遇でも何処か乾いていて達観しているところが好き 映画はちょっと小綺麗過ぎるかも | ||||
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"あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。十八歳。姉さんのコンスタンスと暮らしている。運さえよければオオカミ女に生まれていたかもしれない、と何度も考えたことがある。"1994年発刊の本書は、日常と非日常の境界を描く著者の代表作にして、解釈が読み手それぞれに委ねられた『本の形をした怪物』的な一冊。 個人的には、恐怖小説の有名作にして美しい表紙が印象的な(読後に見ると実は怖い)本書。2019年5月にアメリカで映画公開されたのをきっかけに久しぶりに再読しました。(日本公開あるのかな。。) さて、そんな本書は閉鎖的な村の人々から虐げられるも、隔絶された屋敷では【幸せに暮らす】姉妹と叔父。しかし、そこに乱入者が現れたことで大きな変化が。と言った感じなのですが、率直に言って、あらすじでだけでは本書の魅力は全く伝わらないと思います(笑)ページ数も多くないし、ぜひネタバレ抜きで【感じるままに一度読み通してください】多少人を選ぶかもしれませんが、ハマる人にはどっぷりハマります。 でも、その上でちょっと補足すると。実年齢の割にダークなハックルベリー・フィン?【不自然に幼い語り口】の妹、メリキャットことメアリ・キャサリンの一人称で書かれている、典型的な【信頼できない語り手】ぶりがポイントというか、本書をじわじわと怖くしている主な要因で。一度メリキャットの視点に重ねて読み終えてから、じっくり【俯瞰的にもう一度疑って読んでみる】と、最初の時と印象が全く違ってくるのが本書の本当によく出来た所かと。 怪物が出てきたりといった派手さはなくも【じわじわくる恐怖小説】の傑作を探す人へ。また読書会などで互いに感想を語り合える本を探す人にも課題本としてオススメ。 | ||||
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物語前半は退屈です。まったりとダラダラとした日常生活が描かれています。 だけど、そこを我慢してじっくり読み込むかどうかで、読後に受ける印象が変わってきます。 本書の半分を過ぎた辺りから物語が動き出します。そこまでは我慢です。 物語が動き出してからは、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。 この本はどういうジャンルなのか? ミステリでは無いです。純文学でも無い。 時代背景は1960年代アメリカの田舎。 そこに描かれる人々の生活。しかし、そこに狂気が存在する。 物語の前半と後半で、まるで違った狂気が描かれている。 日本の名作ミステリ「ドグラ・マグラ」のようなジットリした闇を感じる。 この小説を読むことは深淵を覗き込むようなもの。飲み込まれないよう注意されたい。 星1つ減らしたのは、読む人を選ぶ本だから。 鈍感な性格の人には暇つぶしにもならないであろう。 一種の繊細さが無いと、この本が生みだす怪奇の入り口に立つことは出来ない。 | ||||
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本当に本当に怖かったです。 こんな心理描写がある小説は初めて。よくこんな細かな心理的な表現ができるなぁとびっくりしました。 表紙がメルヘンな感じで損してるかもしれませんが、ぜひ読んでみて下さい | ||||
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期待して読んだのですが、何となくだらだらと続く感じで、独特の雰囲気はあるものの、インパクトや盛り上がりに欠けて、最後何か思いがけないどんでん返しがあるのかなと思ったらそうでもなく…気が付いたら終わっていたって感じ。でも昔みて、ゾッとするほど怖かった「たたり」という映画の原作「丘の屋敷」の作者だったと知って、それも読みたくなりました。「たたり」は美しいホラー映画でした。リメーク版も見たがそちらはまったくおもしろくなかった。 | ||||
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話も面白いし、進行や表現に独特のテンポがあってミュージカルのようなイメージでした。 | ||||
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何かに恐れて全然そとにでられないという経験した人には共感して読めてしまうかもしれない。 ひきこもりや不登校をした人などがそれに当てはまると思うが・・・・。 直接的にズドーンと恐怖を表現するのではなくて、淡々とじわじわと向こうからだんだんやってくる怖さがありました。 物語は静かに物語られており、不気味に感じる。今読んでも新感覚のホラー小説として生き続けることは間違いなし。 | ||||
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「本の形をした怪物である」--桜庭一樹 そんなオーバーな。また『くじ』同様の評判倒れだろう、と高をくくって読み始めた。 あっという間に引き込まれて、気付けば読み終わっていた。まぎれもない本物だ。 18歳のメアリは、十歳上の姉と障碍者の叔父と一緒に「お屋敷」に住んでいる。両親と叔母は数年前の惨劇で死亡したのだ。 村人とはほとんど交際がなく、屋敷の中で妄想することだけが楽しみだ。ある日、遺産目当ての従兄弟が訪ねてきた。 メアリの心の楽園は消えてしまうのだろうか。 人間ほど怖いものはない、と思わせてくれる高品質なホラーである。村人の妬み交じりの悪意に心をえぐられる。 犯罪加害者は(場合によっては被害者も)世間からこういう扱いを受けるんだろうなあ。 社会の普遍的な厭らしさをみっしり読まされ、鬱になる。 主人公サイドにも健全な人はひとりもいない。 優しすぎて不自然な姉と認知症で自分のことしか考えない叔父も不気味だが、何といってもヒロインの語りが信用できないのだ。 狂った視点で不快な現実を記述する。おぞましいのに止められない。猛毒のごとき傑作である。 | ||||
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レビュー評価が高かったので取り寄せてみましたが、表面化されていないストーリーを各読者がそれぞれ感じなければならないタイプの本です。明かされない事実もあり、理由も明確に語られないので、自分なりに想像するか、ピンとこなければ、ウェブの書評を読んだりして納得するか、です。私は「嵐が丘」に近いジャンルと思いました。主人公はじめ狂った世界感ですが、なぜ狂ったのか理由が詳細に語られていないので、ブキミ感が残る一冊です。読者は残りのページが少なくなり妥当な理由の登場を見つけようとしますが、最後まで「何故?」と理由を探すでしょう。 | ||||
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最初から死後まで、ず~っと不穏な雰囲気がつきまとう。こうなるんじゃないかとか、こうなってほしいとか、なんでそうなるのか、なんでそうするのか、全くわからない。そういった読者の思いがことごとく裏切られて、なんか違うのではという感じが、ず~っと続いて、それが不穏な感じの原因だと思います。そのあたりが、ある意味で、この作品の魅力であり、欠点でもあるように思います。 | ||||
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一口目からおいしいって思える作品ではありませんが、噛めば噛むほど味は出る作品だと思いました。 好みはひとそれぞれ。読み手によっておもしろくもつまらなくも思える作品じゃないでしょうか。 前半はキャンディキャンディよろしくな少女らしい穏やかで甘ったるい感覚があります。 が、進んでいくと、少女のバイアスかかりまくりな文体と現実がずれていき、 軽く船酔いしたような気分の悪さが出てくるんですよ。 そして、 何が正しい? あれ、まともってなんだっけ。現実はどこにある? ってなことを整理しながら読み進めていくと。 人の持つ悪意や善意、おそれなんていうのも含めて考えずにはいられなくなりました。 大きな集団と個人、小さいコミュニティ。どう属するかで、人間の行動は変わってくる。だとすると、大きな集団においては、個別に感じることよりも大きな流れの意志を汲んじゃうのは仕方のないことなんでしょうな~。 ある意味では悪ノリとされるようなことであっても、 悪意とは別な気もするしなぁ。 人を助けたら善意の一部ではあるだろうけど、善意と人を助けるが同義ではないだろうし。。 なんてなことをモヤモヤ思いながら私は読みました。 単純につまらないって人もいるだろうし、おもしろいって人もいると思う。 なんともいえない気持ち悪さが最高って人もいるだろうし、反対に何が気持ち悪いのさ!?って人もいそうなので。 読んだ人同士で話すと楽しいかもしれない作品だと思います。 満足度は☆3つ~。私の場合、語る相手がいなかったので~(笑)いあたら、もうちょっと上がっていたかもしれませんなぁ。 | ||||
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はっきり言って文章が読みにくい。これは原作にある歪みとは別の話で翻訳のせい。英文をヘタな翻訳者に訳させると、こんな感じに仕上がるという良い手本。ハリーポッターも翻訳が酷くて読みにくかったが、それと同じ種類の読みにくさ。なので、2ページ読んだ時点でちょっと後悔。その上、肝心のストーリーは始終つまらない。この作品をミステリーとみなす人もいるけど、どちらかと言うと文学作品かな。一応、過去に毒殺事件があったりとミステリーっぽい要素がない訳ではないけれど、犯人は推理するまでもなく検討がつく。そもそも犯人探しをするような類の物ではないし、それは構わないのだけど。 ストーリーはつまらない。文章は読み辛い。でも、その文章の読み辛さが却って登場人物と物語の異常性を際立たせ、独特な雰囲気を創り上げているとも言えなくはない。そういう意味では、この翻訳者の文章にも意味があったのかなと。とは言え、それはこちらから積極的に物語に飛び込んだ場合の話。正直、もう少し感性と文章力のある翻訳者が訳せば、読みやすくなるだけでなく、もっと情感的で幻想的な雰囲気を醸し出せたはず。そうなれば、読者をもっと自然な形で物語に引き込めたんじゃないかと。そういう意味では惜しい作品と言えるかな。多分、読者の何割かはこの文章のせいで脱落したはず。 以下ネタバレあり。 本作は何とでも解釈できる内容なので、あくまでもこれは私の解釈になるけど。この作品に出てくる登場人物は皆病んでる。一番病んでいるのは主人公のメリキャット。彼女の主観で物語は進んでいくので、この作品の世界観は歪んでる。当然彼女の主観は一切信用できない。一家を毒殺したのはメリキャット。彼女の行動原理は全て姉のコニーを独占することにある。本作をサイコホラーと言う人がいるけど、ここまで主人公が異常だと怖くもなんともない。別の生物、別の世界を見ている感じ。何が起きても他人ごと。そんな感じで読了。 と、ここまで散々言ったけど、私はこの作品意外と好き。なぜかと言われると何とも答えづらいけど、やはり原作の持つ独特な雰囲気が好きかな。あと、物語に出てくる料理が美味しそうなのがイイ! | ||||
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怖くありません。 でも,じわじわ「厭」です。 なんとなくですが,ゴールウェイの「蠅の王」を思い出したり。 あれは「子供の」怖さだったが,実は年齢に関係ないのかも。 だから人類史上厭な話が続くのでしょう。 | ||||
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森に囲まれた広壮な屋敷に二人姉妹と伯父がひっそりと暮らしている。三人は村人の憎悪と敵意に囲まれ、恐ろしくて外にも出られない。6年前に彼らをのぞく一家全員が毒殺されて以来、ずっと。 物語の語り手は妹のメリキャット(18歳)。限りなく美しくどこまでも優しい姉のコンスタンスが大好き。彼女はまるで、森の中のお城に隠れ暮らすお姫さまのようだ。・・・ ジャクソンはグリム童話「白雪姫」を解体し、不安・不快・不条理がじわじわ滲み出る悪夢の物語に作り替える。コンスタンス=白雪姫以外の登場人物は、だから皆まともではない(コンスタンスも極端にキャラクター化されている)。 村人は姉妹に同情ではなく嘲罵を浴びせる。毒にやられ車椅子に頼る伯父は精神にも異常をきたし、話してはいけないことをぺらぺらしゃべる。助けに現れる王子(姉妹のいとこ)も性格の悪い俗物で財産目当て。妹姫メリキャットさえ、悪意に囲まれて幼児的な異常性を強めていく。 原話を意識した素朴な語り口で悪意とサイコな心理がシュールに描かれるが、後半の山場、屋敷の火事とその後の修羅場の描写は迫力がある。見物に集まった村人が“弱いものイジメ”の衝動を爆発させ、暴徒と化して屋敷を襲う。ひとり正気を保っていたコンスタンスもついに・・・ 現代の白雪姫にハッピーエンドは訪れない。 人が心の底に隠したいものをえぐるようにして読者に突きつける寓話だから、後味はあまりよくない。しかしブラックユーモアがあって、変に面白いとも感じる物語だ。 毒や鏡など「白雪姫」の要素の数々が作中に埋め込まれている。 性格設定、家事・料理好きの働き者であること等々で、コンスタンスが白雪姫であるのは明らかだが、では魔法の鏡の答えを聞いて姫を殺そうとした継母の王妃は、この物語では誰なのか? 七人のこびとはどこにいる? この小説の面白さはそんな推理の楽しみにあるのかも。 | ||||
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きっととても怖いんだ、と当本を手に取りました。 (山下義之氏訳本) しかし「壮絶な怖さ」を期待しすぎ、最後まで読んで肩透かしをくらいました。 ホラーではなく、精神的に幼く手立ての限られた主人公が 一生懸命自分の世界を守ろうとする悲しい物語に思えました。 最後にはささやかな救いがあります。 大方のレビューとは反しますが、怖い話ではありません。 | ||||
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狂気とあるけど、然程狂ってるようにも感じませんでした どことなくぎくしゃくとしたブラックウッド家の家族 理不尽な敵意を向けてくる町の人達 それぞれの都合で 敵意だけじゃない、善意だけじゃない色々な感情や思惑で接してくる人々 そして特別彼女だけということもなく、みんな少しずつ歪なのに それでもやっぱり少し浮いているメリキャット どれも懐かしく、また悲しいなんとなく覚えのある光景や感情ばかりでした 私の少女時代がメリキャットのようであったか私にはわからないけど ある種の思春期の少女がよく描けているなと思います。 | ||||
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カバーのデザインに惹かれて手に取りました。 ジャンルがミステリーなのかホラーなのか、はたまたファンタジーなのか判然としません。 とくに話の整合性が取れていない部分があるわけではありませんが 同時にこれといった美点もインパクトも見当たらず、 なぜこれが2000年代に再版されたのか、分かりません。 古典なのかと思って楽しみに読んだんですがね・・・。 あえて感想を書くとすれば、従兄弟に終始イライラしてました。 そこは主人公に感情移入していた、という事だと思います。 一通り読んで、忘れられる物語という印象。 日常生活で、物語のどこかの場面が強烈にフラッシュバックするような 濃い体験は望めないでしょう。 | ||||
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そんな世界です。 村人の憎悪はどこまで本当なのか。 メリ・キャットの被害妄想なのか。 姉のコンスタンスも一見まともで愛情深い姉のように見えるけれど、何処か歪んでいる。 何がどうと説明はしにくいけど、読後感はよろしくない。 私の様に厭な話がお好きな方にはお勧めです。 | ||||
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とても面白い小説です。他人に対する疑心暗鬼をスリラーもの娯楽作品として仕上げた傑作です。作中で少女の視点で描かれているのが怖さを倍増させています。あどけなさと恐怖の不思議な融合。作品全編にとある重大事件が関係していてそれが小出しにされていて分かりにくくなっているのでよけい気になって読み進めてしまいます。最後まで飽きることなく読破してしまいました。面白かった。 ジャンルとしてはスリラーものに位置づければ良いのではないでしょうか。幽霊とか出て来ませんし。 読者は「こういう風に面白く出来るのか」と新鮮な驚きを感じると思います。今までこんな小説を読んだ事はありません。 ただ小説の最後でもう少し踏み込んだ展開をしても良かったのではと思います。もっと、ざっくりと決着をつけてもよかったのでは。 事件の真相もはっきりと解決させた訳ではありませんし。その辺に少し不満を感じました。 本作で完全にシャーリィジャクスンのファンになりました。 | ||||
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心理面に重きをおく本作はサイコホラーに入るのでしょうか、バラバラ殺人などの扇情的な場面で引っ張るものではなく、周囲の人々とうまく付き合えなかった一家が精神的に追い詰められていくお話です。 主人公の少女メリキャットは家族を慕い他の人間を嫌いますが、その姿は盲目的で、周囲の村人達がメリキャットの一家に抱く敵意もまた同様です。 登場人物達は迫害する側もされる側も皆弱々しく、その弱さから歪んでいく様子は恐ろしくもあり悲しくもあり… 読んでいてじわじわと来るものがある作品でした。 | ||||
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