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ずっとお城で暮らしてる
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ずっとお城で暮らしてるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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ホラーというジャンルで有名なシャーリィ ジャクソンはいつだって独特ななんとも言えない読後感を残す。 本書を読んだ後になんだっけ?とそう高校生の頃に太宰治の「斜陽」とか「人間失格」を読んだ後の感覚を思い出した。けれどもお国柄なのか浴びせかけられる悪意と辛辣な言葉と境遇でも何処か乾いていて達観しているところが好き 映画はちょっと小綺麗過ぎるかも | ||||
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"あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。十八歳。姉さんのコンスタンスと暮らしている。運さえよければオオカミ女に生まれていたかもしれない、と何度も考えたことがある。"1994年発刊の本書は、日常と非日常の境界を描く著者の代表作にして、解釈が読み手それぞれに委ねられた『本の形をした怪物』的な一冊。 個人的には、恐怖小説の有名作にして美しい表紙が印象的な(読後に見ると実は怖い)本書。2019年5月にアメリカで映画公開されたのをきっかけに久しぶりに再読しました。(日本公開あるのかな。。) さて、そんな本書は閉鎖的な村の人々から虐げられるも、隔絶された屋敷では【幸せに暮らす】姉妹と叔父。しかし、そこに乱入者が現れたことで大きな変化が。と言った感じなのですが、率直に言って、あらすじでだけでは本書の魅力は全く伝わらないと思います(笑)ページ数も多くないし、ぜひネタバレ抜きで【感じるままに一度読み通してください】多少人を選ぶかもしれませんが、ハマる人にはどっぷりハマります。 でも、その上でちょっと補足すると。実年齢の割にダークなハックルベリー・フィン?【不自然に幼い語り口】の妹、メリキャットことメアリ・キャサリンの一人称で書かれている、典型的な【信頼できない語り手】ぶりがポイントというか、本書をじわじわと怖くしている主な要因で。一度メリキャットの視点に重ねて読み終えてから、じっくり【俯瞰的にもう一度疑って読んでみる】と、最初の時と印象が全く違ってくるのが本書の本当によく出来た所かと。 怪物が出てきたりといった派手さはなくも【じわじわくる恐怖小説】の傑作を探す人へ。また読書会などで互いに感想を語り合える本を探す人にも課題本としてオススメ。 | ||||
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物語前半は退屈です。まったりとダラダラとした日常生活が描かれています。 だけど、そこを我慢してじっくり読み込むかどうかで、読後に受ける印象が変わってきます。 本書の半分を過ぎた辺りから物語が動き出します。そこまでは我慢です。 物語が動き出してからは、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。 この本はどういうジャンルなのか? ミステリでは無いです。純文学でも無い。 時代背景は1960年代アメリカの田舎。 そこに描かれる人々の生活。しかし、そこに狂気が存在する。 物語の前半と後半で、まるで違った狂気が描かれている。 日本の名作ミステリ「ドグラ・マグラ」のようなジットリした闇を感じる。 この小説を読むことは深淵を覗き込むようなもの。飲み込まれないよう注意されたい。 星1つ減らしたのは、読む人を選ぶ本だから。 鈍感な性格の人には暇つぶしにもならないであろう。 一種の繊細さが無いと、この本が生みだす怪奇の入り口に立つことは出来ない。 | ||||
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本当に本当に怖かったです。 こんな心理描写がある小説は初めて。よくこんな細かな心理的な表現ができるなぁとびっくりしました。 表紙がメルヘンな感じで損してるかもしれませんが、ぜひ読んでみて下さい | ||||
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話も面白いし、進行や表現に独特のテンポがあってミュージカルのようなイメージでした。 | ||||
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何かに恐れて全然そとにでられないという経験した人には共感して読めてしまうかもしれない。 ひきこもりや不登校をした人などがそれに当てはまると思うが・・・・。 直接的にズドーンと恐怖を表現するのではなくて、淡々とじわじわと向こうからだんだんやってくる怖さがありました。 物語は静かに物語られており、不気味に感じる。今読んでも新感覚のホラー小説として生き続けることは間違いなし。 | ||||
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「本の形をした怪物である」--桜庭一樹 そんなオーバーな。また『くじ』同様の評判倒れだろう、と高をくくって読み始めた。 あっという間に引き込まれて、気付けば読み終わっていた。まぎれもない本物だ。 18歳のメアリは、十歳上の姉と障碍者の叔父と一緒に「お屋敷」に住んでいる。両親と叔母は数年前の惨劇で死亡したのだ。 村人とはほとんど交際がなく、屋敷の中で妄想することだけが楽しみだ。ある日、遺産目当ての従兄弟が訪ねてきた。 メアリの心の楽園は消えてしまうのだろうか。 人間ほど怖いものはない、と思わせてくれる高品質なホラーである。村人の妬み交じりの悪意に心をえぐられる。 犯罪加害者は(場合によっては被害者も)世間からこういう扱いを受けるんだろうなあ。 社会の普遍的な厭らしさをみっしり読まされ、鬱になる。 主人公サイドにも健全な人はひとりもいない。 優しすぎて不自然な姉と認知症で自分のことしか考えない叔父も不気味だが、何といってもヒロインの語りが信用できないのだ。 狂った視点で不快な現実を記述する。おぞましいのに止められない。猛毒のごとき傑作である。 | ||||
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最初から死後まで、ず~っと不穏な雰囲気がつきまとう。こうなるんじゃないかとか、こうなってほしいとか、なんでそうなるのか、なんでそうするのか、全くわからない。そういった読者の思いがことごとく裏切られて、なんか違うのではという感じが、ず~っと続いて、それが不穏な感じの原因だと思います。そのあたりが、ある意味で、この作品の魅力であり、欠点でもあるように思います。 | ||||
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怖くありません。 でも,じわじわ「厭」です。 なんとなくですが,ゴールウェイの「蠅の王」を思い出したり。 あれは「子供の」怖さだったが,実は年齢に関係ないのかも。 だから人類史上厭な話が続くのでしょう。 | ||||
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森に囲まれた広壮な屋敷に二人姉妹と伯父がひっそりと暮らしている。三人は村人の憎悪と敵意に囲まれ、恐ろしくて外にも出られない。6年前に彼らをのぞく一家全員が毒殺されて以来、ずっと。 物語の語り手は妹のメリキャット(18歳)。限りなく美しくどこまでも優しい姉のコンスタンスが大好き。彼女はまるで、森の中のお城に隠れ暮らすお姫さまのようだ。・・・ ジャクソンはグリム童話「白雪姫」を解体し、不安・不快・不条理がじわじわ滲み出る悪夢の物語に作り替える。コンスタンス=白雪姫以外の登場人物は、だから皆まともではない(コンスタンスも極端にキャラクター化されている)。 村人は姉妹に同情ではなく嘲罵を浴びせる。毒にやられ車椅子に頼る伯父は精神にも異常をきたし、話してはいけないことをぺらぺらしゃべる。助けに現れる王子(姉妹のいとこ)も性格の悪い俗物で財産目当て。妹姫メリキャットさえ、悪意に囲まれて幼児的な異常性を強めていく。 原話を意識した素朴な語り口で悪意とサイコな心理がシュールに描かれるが、後半の山場、屋敷の火事とその後の修羅場の描写は迫力がある。見物に集まった村人が“弱いものイジメ”の衝動を爆発させ、暴徒と化して屋敷を襲う。ひとり正気を保っていたコンスタンスもついに・・・ 現代の白雪姫にハッピーエンドは訪れない。 人が心の底に隠したいものをえぐるようにして読者に突きつける寓話だから、後味はあまりよくない。しかしブラックユーモアがあって、変に面白いとも感じる物語だ。 毒や鏡など「白雪姫」の要素の数々が作中に埋め込まれている。 性格設定、家事・料理好きの働き者であること等々で、コンスタンスが白雪姫であるのは明らかだが、では魔法の鏡の答えを聞いて姫を殺そうとした継母の王妃は、この物語では誰なのか? 七人のこびとはどこにいる? この小説の面白さはそんな推理の楽しみにあるのかも。 | ||||
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狂気とあるけど、然程狂ってるようにも感じませんでした どことなくぎくしゃくとしたブラックウッド家の家族 理不尽な敵意を向けてくる町の人達 それぞれの都合で 敵意だけじゃない、善意だけじゃない色々な感情や思惑で接してくる人々 そして特別彼女だけということもなく、みんな少しずつ歪なのに それでもやっぱり少し浮いているメリキャット どれも懐かしく、また悲しいなんとなく覚えのある光景や感情ばかりでした 私の少女時代がメリキャットのようであったか私にはわからないけど ある種の思春期の少女がよく描けているなと思います。 | ||||
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そんな世界です。 村人の憎悪はどこまで本当なのか。 メリ・キャットの被害妄想なのか。 姉のコンスタンスも一見まともで愛情深い姉のように見えるけれど、何処か歪んでいる。 何がどうと説明はしにくいけど、読後感はよろしくない。 私の様に厭な話がお好きな方にはお勧めです。 | ||||
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とても面白い小説です。他人に対する疑心暗鬼をスリラーもの娯楽作品として仕上げた傑作です。作中で少女の視点で描かれているのが怖さを倍増させています。あどけなさと恐怖の不思議な融合。作品全編にとある重大事件が関係していてそれが小出しにされていて分かりにくくなっているのでよけい気になって読み進めてしまいます。最後まで飽きることなく読破してしまいました。面白かった。 ジャンルとしてはスリラーものに位置づければ良いのではないでしょうか。幽霊とか出て来ませんし。 読者は「こういう風に面白く出来るのか」と新鮮な驚きを感じると思います。今までこんな小説を読んだ事はありません。 ただ小説の最後でもう少し踏み込んだ展開をしても良かったのではと思います。もっと、ざっくりと決着をつけてもよかったのでは。 事件の真相もはっきりと解決させた訳ではありませんし。その辺に少し不満を感じました。 本作で完全にシャーリィジャクスンのファンになりました。 | ||||
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心理面に重きをおく本作はサイコホラーに入るのでしょうか、バラバラ殺人などの扇情的な場面で引っ張るものではなく、周囲の人々とうまく付き合えなかった一家が精神的に追い詰められていくお話です。 主人公の少女メリキャットは家族を慕い他の人間を嫌いますが、その姿は盲目的で、周囲の村人達がメリキャットの一家に抱く敵意もまた同様です。 登場人物達は迫害する側もされる側も皆弱々しく、その弱さから歪んでいく様子は恐ろしくもあり悲しくもあり… 読んでいてじわじわと来るものがある作品でした。 | ||||
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ミステリー小説には肉体的苦痛による恐怖と精神面でじわりじわりと痛めつける恐怖があると思う。 このお話は後者にあたる。 田舎町の資産家ブラックウッド家で6年前毒物による殺人事件がおき生き残りのメアリ'キャサリンと姉コンスタンスと 辛うじて生き延びたジュリアン伯父さんと3人で殺人現場のおきたお屋敷で暮らしている。 ジュリアンおじさんは6年前の事件の事を一語一語書き漏らしの無いよう思い出しては記録している。 村の人々からはこの姉妹が親族を毒殺したのではないか、、と 限りなく黒だと確信しメリキャットに嫌がらせを働く、そんな村人はみんな死んじゃえばいいのに!とメリキャットは思う。 食料を買う時以外は一切外出せず外界とも一切遮断の生活をしている。 ある日従兄弟のチャールズが家に居候に来たことにより家族の関係もきしみはじめる。 正直この話を読んで日本の犯罪史における毒物カレー事件の林真寿美被告がものすごく重なりました。 リアルタイムで毒物カレー事件を見てた時、限りなく黒に近いグレーの被告のうちに押し掛けて 豪邸を囲んだカメラ取材クルーにホースの水をぶちまけたりしてた姿を思い出してしまった。 このお話はすべてメリキャットの語りで書かれているが始めは彼女は被害者の様にも見えるのだが後から加害者であり 村人が彼女達にした事は至極最も当然と思える行為だったと見える。 ブラックウッド家に来たチャールズは常識人で彼女達に外の世界に触れる様に努めるがどうも読み進めるとなんかキナ臭く感じてしまう。 最後はバッドエンドかハッピーエンドか聞かれたら彼女達の中ではハッピーエンドだと思うが 第三者から見れば姉妹がとても奇妙で近寄りがたい怖い者になっている。 肉体的損傷によるイタミの描写は無いものの精神的損傷によってできたのではないかと思われる おかしな価値観がこの作品の怖さをを築き上げていると感じました。 一日でさくっと読めてしまう内容ですが読後この本を誰かに言わずにはいられなかったです。 | ||||
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狂気に満ち満ちたホラー小説です。 決してこの本では怪奇現象、 幽霊等は一切出てきません。 人間、と言う存在から恐怖を書き立てる 稀有なホラー小説ともいえましょう。 とにかく登場人物の居所、行動そのものが どこか怪しいのです。 それにメイン人物二人が住んでいる場所も 殺人事件(?)があったといわれるいわくつきの場所。 それに会話にもところどころに毒物の話が 出てきますし 恐怖が最高潮になるのは 語り手であるメリキャットが 突如家に入り込んできた侵入者を 「排除」するところから。 狂気に満ち溢れていきますから。 とにかく陰鬱な雰囲気が 文章全体から出てきます。 二人への近隣住民の敵意など 夜に読むときついかもしれませんよ。 | ||||
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2種類の翻訳本があるのですね。わたしが読んだのは山下義之:訳のほう。 次は市田泉:訳の方も読んでみよう。 どこか違和感のある冒頭。文章や翻訳がおかしいのではなく、物語り自体がすでに 意図的におかしい。メリキャットとコニー、二人の姉妹の穏やかでいびつな日常。 メアリー・キャサリンの無邪気な狂気。姉コンスタンスの乖離した理性。 二人だけの安逸で絶対なる世界。 そして、どこまでも甘く爛れたカタルシス。 なんとなく怖いんだけど、ずっと浸っていたいような。ずっと読んでいたいような。 ホラーやサイコパスものと言えなくはないけれど、あえて"ゴシック・ロマンスの傑作" と結んでみたり。 | ||||
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怖い怖いといわれている主人公のメリキャットですが、とってもスナオな可愛い子です。自分たちの平穏を壊そうとする無理解な(ごく一般的な)ひとたちに対する敵意は烈しく、「しねばいいのに」と、直接的ですが、その感情が常にぶれないので、見ていて、一途で健気で愛らしく、彼女を取り巻くすべての悪意から彼女を守ってあげたい!いやなものから遠ざけてあげたい!誰も彼女を苛めないで頂戴!という気持ちになります。 メリキャットが誰よりも愛している姉のコニーは、穏やかで家庭的で、どこまでもメリキャットに好意的で、愛して許して包み込んでくれていて、この子もまた、守ってあげたい!と思わせる可愛い子です。 メリキャットの、理にかなった攻撃的な思想より、コニーの大きな大きな大きすぎる愛情こそ、ぞっとするかもしれません。 読みながら、メリキャットの嫌悪するものは本当に醜いものに感じるし、メリキャットが素敵だと思うものはとてもキラキラして見える。ぐいぐい引き込まれます。 今までもこれからも、大好きな本です。 | ||||
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感想: 恐怖とは「生活を成立させている現実への認識を脅かすもの」と捉えると、事理は明確になるような気がします。 あるいは、わたし達は、何(どの現実への認識)を排除しなければ、生活ができないのか? わたし達は何を思って生活していますでしょうか。 何が生活の根幹にある価値観なのでしょうか。そしてその前提になる記憶とは? 自分の持つすべての記憶について、それが現実だと確認・証明しながら生きている人はほとんどいないでしょう。 (常にすべての自分の記憶を確認・証明している人がいるとしたら病気です) だからこそ、私たちは盲目の現実を生きているという迷路に陥れられる可能性を排除する事ができないはずです。 そのため私たちは、「ある者たち」は排除しなければ生きていけない。 そしてそれは、罪です。 と思いました。 うーん・・・どうも言葉にしきれません。そんな残余が残ります。 なので、良い作品です。 主題はまったく異なりますが、感触・趣はニコール・キッドマン主演の映画「アザーズ」と似てると思いました。 | ||||
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壮絶な負の感情がぶつかり合う小説です。長編と言うにはページ数も少なく、2日程度で読みきってしまいましたが(時間がある方なら一日で充分でしょう)、読後感のもやもやはずいぶんながいことつづいています。 冒頭、語り手の少女メリキャットが村人から蔑まれながら、家(お城)に帰り着くシーンから始まりますが、ここからは村人の集団の悪意がひしひし伝わってきます。集団対個人。ここで感じる恐怖はいじめを見るときの嫌悪感にちかいです。一人の少女が大人にも子供にもよってたかってからかわれるのを見ていると、メリキャットがなんどもつぶやく「みんな死んじゃえばいいのに」のせりふも当たり前に思えてきます。城に閉じこもって外を怖がる姉と、体の不自由な伯父を、無邪気な妄想の魔法で守ろうとする少女。メリキャットの印象は初めそんな感じでした。 しかし読み進んでいくうち、メリキャットの中の敵意が底知れないものだということに気がつきました。この敵意は無垢で無自覚でした。村人達のブラックウッド家に対する悪意は自覚的でしかも彼らはたった一人でブラックウッドと対峙することはできません。いつも徒党を組まないといけない。しかしメリキャットはいつもたっと一人で敵意をむき出しにしています。メリキャットに感じる恐怖は怪物を見る感覚に近い。 つまり「ずっとお城で暮らしてる」をよむホラー好きの皆さんは二種類の恐怖の相克を楽しめるわけです。 村人の燃え上がるような悪意とメリキャットの冷たくてゆるぎない敵意の対決。最後はどちらが残るのでしょう。 | ||||
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