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(短編集)

絞首台の黙示録



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【この小説が収録されている参考書籍】
絞首台の黙示録

絞首台の黙示録の評価: 4.00/5点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

世界は意識が創るものとか

意識が個を創り上げる(我思う故に我在り)を芯とすれば解りやすいか。「作家のタクミ」=「読み手が最初に感情移入するであろう人物」が消失し、物語上消失していた人物が戻って来る結末は見事。然して、「そして誰もいなくなった」。
絞首台の黙示録Amazon書評・レビュー:絞首台の黙示録より
4152095687
No.2:
(3pt)

凡人には理解不能な哲学的野心作だが、細部が魅力的で面白い。

これは参った。平易な文章で簡単に読めるものの、刑を執行された死刑囚がそれを観察していると言う不思議な出だしで、作者らしい人間の意識のありかを問う哲学的思弁SFと思っていたら、物語を語っている意識が次々切り替わって混乱し、付いていけなくなった。途中から普通の小説としてストーリーを理解しようとする無駄な努力を放棄し、死者を復活させるクローン技術だの、宗教と死んでいく人の意識の救済だの、と魅力的な細部を楽しむように読んだ。
 解説を読んでなるほどと、作者が何を試みようとしたのか分かったのだけど、これを理解するのは凡人には無理と思う。だが、読んでいてグイグイ引き込まれる面白さを備えているのは確かで、こんな野心作を世に問う神林長平の蛮勇に敬意を表したい。
絞首台の黙示録Amazon書評・レビュー:絞首台の黙示録より
4152095687
No.1:
(3pt)

技術も発想もすばらしいけれど・・・

神林長平が書いた小説という観点から離れて、一冊のSF小説として評価すると名作と言えるかというと、ちょっと疑問だと思います。SF小説としての完成度を追求するあまり、小説の最も基本的な要素であるキャラクターや大枠のストーリーが犠牲になっているように感じられました。
主要な登場人物の一人「タクミ」がとにかく不愉快で何度も読む気をそがれました。困った状況にある割には周囲に対し尊大な態度をとり、相手の発言には枝葉末節にかみつき建設的なことを言っても俺が前にこう言ったからとやたら優位を誇示し・・・こんな奴もうほっとけよと言いたくなるのは二回や三回じゃすみません。
ストーリーも実の父親が行方不明で生死不明という事態にもかかわらず、父親をうっちゃって新潟から東京までドライブに言ってしまうなど、優先順位がおかしいだろうと感じさせられ、釈然としないものを残したままストーリーはどんどん進んで言ってしまいます。終盤に入ってそれらの種明かしがされるのですが、もうページも残り一割という頃なうえ、それで飲みこめなかった部分がすっきり納得というものでもありません。出版時期の近い作品に、複雑なストーリーながら親子の絆や男女の愛など、普遍的な人の感情を描いて見せた秀作「だれの息子でもない」があるだけに一層もうちょっと改善できたのではと思わされました。
神林長平が次はなにをやるのか是非知りたいという人なら絶対に読むべき作品。でも神林長平をよく知らない人がよんでも楽しめるかというとちょっと保証できない小説かなと思います。同じ神林長平なら前述の「だれの息子でもない」がもうちょっと王道のストーリー展開を志向していて読みやすいほか、作風は十分に伝わってくる短編集も氏は出版しているのでまずそちらを読んでみて、おもしろかったらこちらも読んでみてはどうでしょうか?
絞首台の黙示録Amazon書評・レビュー:絞首台の黙示録より
4152095687

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