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消えた少年
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消えた少年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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普通でした。 | ||||
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前々作は昭和ど真ん中小説ながらも充分現代読者の鑑賞に耐えうる人物造形とストーリーであったが、今回はそういった読み得感はなし。 犯人側人物の描写が必要以上に醜く、時に見世物じみており「子供を殺したんだからこれくらい醜い人間にしても大丈夫だろう」という魂胆が透け見苦しい。 極めつけは犯人が春子を前に手も足も出なかったことの理由付け。「俺」の中での春子は随分神格化されており、そちらは恋愛感情のひとつの表現方法として自然なことであるし、多少鼻につくにせよ悪い訳では無い。だがこの神格化が「俺」ではなく犯人視点で起こると不自然である。 おそらくこの不自然さの理由は春子のバックボーンが素朴で生徒思いな一教師に留まる所からも来ている。あのコンドウキョウコの壮絶な人生を経て到達した凄みには及ばず、故に女神的な称賛はあくまで「俺」の個人的な恋愛感情に依るものに留めておくべきだからである。 むしろ本作で凄みのある人物は犯人側であるのだが、前述の通り必要以上にエンタメ・見世物じみた描き方がされている為ハードボイルド小説としての深みが不足している。 映画3作目でも思ったが、このシリーズはエンタメ色をつけ過ぎると途端に駄目になるのである。 | ||||
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酸鼻な事件もあるけれど、 なぜそうなったのかの説得力はあり、 かなりの出来なのではないでしょうか。 しかしながら、 最大の驚きはラストの一行。 ええーっ、というか、 そんなぁ、というか、微妙な感じもありますが、 いずれにせよ次の「探偵はひとりぼっち」を読まないわけにはいきますまい。 | ||||
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なかなか面白かったです。 高田さんの出番が、少なめなのが残念でしたが、やっぱさいごに見せ場ありで面白かったです。 | ||||
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通勤途中に読んでいますが、内容はちょっと重たいかな...でも気分転換になり内容も面白いです。 | ||||
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伏線回収に一部無理もあるように感じるが、テンポ良く展開するドラマとして。 | ||||
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本書は、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場1位となり、興行的にも大ヒットした映画『探偵はBARにいる』〈2011・9・10公開、監督:橋本一、主演:大泉洋〉の原作であり、<ススキノ>探偵のシリーズ第三弾である。 一読して本作から昭和テイストの懐かしい探偵モノを感じ取る人は少なくないだろう。北海道の最大の歓楽街であるススキノ(東京だと歌舞伎町、福岡だと中州といったところ)を舞台にその街で生活し、日々起こるトラブルを解決するために今日もススキノの街を奔走するススキノの便利屋と称される〈俺〉が街の仲間から愛されている(時には頼りにされている)探偵で普段はだらしなく女と酒の自堕落な生活を送り、ズボラでいい加減だったりするのだがここ一番決める時はバッチリ決める様子に『探偵物語』や『私立探偵 濱マイク』と同じ匂いを感じ、また、『俺たちは天使だ!』的な展開(要所要所にアクションとコメディが合わさった展開)にも面白く、ラストにシンミリする件は『傷だらけの天使』を思わせる設定から展開までまさに昭和の探偵ドラマの王道を受け継ぐ作品である事がおわかり頂けるだろう。 今回は前作で街で絡まれていたところを救った女性(この時は特に物語に関わっていなかった)である美形の中学の女教師・安西春子の依頼で教え子である中学生・中島翔一を不良グループの巣窟から救い出した縁で〈俺〉と趣味趣向の共通から意気投合した翔一少年がある日、親友の惨殺死体の発見により一緒にいた翔一本人も行方不明になり、翔一少年の行方を捜すために〈俺〉が奔走し、やがては少年の通う中学校や地域の障害者施設反対運動に絡んだ展開となっている。 本作でもクールで頼もしき相棒である北大生・高田(『ルパン三世』における次元と五ェ門を足したような雰囲気の頼れる相棒で映画で高田役を演じた松田龍平がピッタリくる)、〈俺〉に何かと情報を教えてくれる妻子がいながら同性愛者という新聞記者・松尾、〈俺〉に積極的ではないものの協力時には支援する桐原組組長・桐原とその側近・相田といったお馴染みの面々を始め、 本作のヒロインとなる中学の美人女教師・安西春子と本作のキーマンとなる中学生・翔一、今回の事件を担当する道警の刑事・種谷(タネヤ)、翔一少年の失踪に関係する元映画館事務員・阿部光子、施設反対の人物で学校で生徒たちに嫌われているベテラン理科教師・村野健介、桐原の知り合いで後暗い過去がある防犯協会理事・茅部俊範、翔一の副担任で五十年輩の英語教師・鷺坂真人とその姉で同居する看護婦長・鷺坂富美子…などなど 事件の捜索を進めていくうえで浮かび上がる少年が通っていた学校や教師たちの問題(本作が発表されたのが20年前なのでインターネットが普及している現在なら学校裏サイトや携帯電話といったアイテムを盛り込むところでしょうが…)、そして障害者施設反対運動に突き当たるのだが、本書の特徴として探偵である〈俺〉の軽妙な語り口である文体が読んでいて面白い(一例をあげれば、行方不明の翔一少年の近所の聞き込み(P.154)で無関心なオバサンの反応に対する探偵〈俺〉の反応や相棒・高田にある推理(P.202)を話したあとに「まるで、テレビのミステリ劇場みたいな筋書きだな…」と酒井和歌子を力説する高田のくだりなど…)。 他の方が指摘されているように本作では真相が明かされる場面でグロイ描写も出てきますが(映画なら明らかにR‐15といったところか)、事件に渦巻く複雑な人間模様が描かれており、何度もいうようだが昭和の探偵モノ(ドラマ)の醍醐味が味わえるシリーズだと思います。上記の探偵ドラマ好きにはこの〈ススキノ探偵〉シリーズはオススメです。 余談ですが『名探偵コナン』81巻の『青山剛昌の名探偵図鑑』のコーナーで本作の主人公である探偵〈俺〉が紹介されています。 | ||||
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タイトルに引かれて電子ブックにダウンロードしたが、 ちょっと期待はずれの作品だった。 個人的にこのシリーズは合わないのかもしれない。 | ||||
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大昔(といっても50数年前)2本立て、3本立て映画館で一年間に洋画主体に250本以上観漁った経験から(俺)や翔一少年の映画に対する思い入れに共感を覚えます。 (俺)に似つかわしくない春子への純愛も微笑ましく、高田をはじめ常連の脇役との遣り取りも相変わらず面白く読めました。 | ||||
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著者のこのシリーズ、ヒロインがあまり出てこないのがちょっと残念だと思っていましたが このお話には後に嫁となる女性が登場し、ヒロインも十分楽しめます お話は爽快で活動感があり気分がよくなるのですが、一部グロ、変態、倒錯した性 ってのも出てくるので星を一つ減らしました ラストシーン付近の探偵(俺)の活躍、相棒の高田の空手、すばらしいお話です 手稲の話なのですが、手稲って地名は実在ですがそれ以外の地名はほぼ架空でしょう グロが入っていなければ多くの人に読んでもらいたい小説なのですが(笑) グロと酒の話が山盛りなので読者を選んでしまいますね、ちょっと残念です | ||||
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映画で高田役の松田龍平さんがよかったので、高田目当てで、初めてこのシリーズを読みました。 高田役は本となんだかイメージ違うような気がしますが、映画は映画、小説は小説ってことで・・・。 とにかく結構すさまじい話だったなと。後半は特に。 えええ?って感じで最初は勢いで読みきり、恐る恐るまためくりなおしてしまいました。。。 映画化第三弾のうわさを聞きましたが、この作品だといいなあと思いました。 ただ、配役がとてつもなく難しいだろうな、とは思います。 | ||||
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シリーズ全ては映像化が難しい。ハードボイルドではあるが、犯人像や人間の本質を生々しく描いてる。まぁ主人公の性癖も映画第二弾で明かされてるので、人間の本能を描いて結果不可解な難事件になってしまう不条理を憎々しいままに、また秀逸に描いてる、と思う。 | ||||
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途中で犯人の見当がついてしまったが、物語のテンポ、雰囲気は楽しめた。 | ||||
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1から順に読んできて一番おもしろかった!次を読むのが楽しみになった! | ||||
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「探偵はBARにいる」から始まった<俺>シリーズを、ほぼ刊行順に5冊読みましたが、個人的にはこの「消えた少年」が5冊中で一番面白いです! これまでで一番、依頼人や依頼の対象(消えた少年)に対する思いが強いエピソードだと思います。<俺>と依頼人の他、馴染みの面子、桐原、高田、松尾などなど、皆が必死に消えた少年の無事を願って<俺>に協力してるのが頼もしくて、すでに<俺>シリーズの登場人物達が好きになってしまった私は嬉しくなってしまいました。 あ、あと犯人、怖いです...。 | ||||
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「探偵はバーにいる」、「バーにかかってきた電話」に続き、シリーズ第三作の本作品を読みました。 随分こなれてきて無駄な力が抜けたような、そんなテンポの良さを感じますし、主要登場人物のキャラクターがしっかりと確立されて、それぞれの持ち味に委ねることにより自然にストーリーが進行していく、そんな流れの良さを感じます。 当然のことながら基本的にハードボイルド作品ですが、今回の話も物語全編を貫く謎があり、その謎を巡って、主人公ほかの愛すべきキャラクター達が奮戦していきます。そして、謎を解く鍵は意外なところに。私はまたしても思い切り騙されてしまいました。ちょっと気持ちの悪いような話ではありますが、個人的にはこういうのもありかなと思います。 実は、この作品と前作「バーにかかってきた電話」の間に、「残光」という榊原健三シリーズを読みました。そこでは、ススキノ探偵シリーズでもお馴染みの桐原組の人たちが大活躍します。そんなイメージが残っていたせいか、本シリーズに出てくる桐原組の人たちもひと味違ったように見えました。シリーズ化された本シリーズの未読作品がまだまだありますので、これからじっくり読んでいきたいと思います。 私も本作品はシリーズ長期化を決定づけた秀作ではないかと感じています。 | ||||
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<ススキノ探偵>シリーズ第3作となる本作品は、2012年の現在も続く人気シリーズとなることを、決定づけた佳作ではないでしょうか。 オープニングは、シリーズ第2作「バーにかかってきた電話」では、謎の女性からバーに電話がかかってくるというものであったのに対し、今度は、事件を依頼する女性が、バーに直接訪ねてきます。 すぐに女性の正体は、明かされるのですが、第1作から読んでいると、「あのシーンの人物か!」と、膝を打ちたくなる…。 この掴みが非常に巧い作品。 そして、今回の事件はその題名から推察されるように、「少年」が中核となる人物なのですが、これが何と「中学生」。 ススキノのような歓楽街には、まだまだ入り込むことが早すぎる年齢ですが、これが違和感なく、ストーリーに馴染んでいるところが、二番目に感じた巧さでした。 さらに、事件の真相−−これは、ちょっと好みが分かれる部分かもしれません。 本シリーズの映画版「探偵はBARにいる」の続編のネタとするには、難しそうだな…。 でも、ここまでやってくれると、かえって清々しい(?)。 ちなみに、本シリーズは、前作の題名が「バーにかかってきた電話」であることから窺えるように、電話でのやり取りが頻繁に出てくるのですが、本作品の発表は1994年で、「固定電話」の時代。 これが、今後どのあたりから、「携帯電話」の物語になっていくのか、あるいは時間経過が途中で止まって、「固定電話」のままなのか、興味を持っています。 そのような意味で、第4作以降も楽しみにしています。 | ||||
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世の中にはあまたの物語があり、主人公がいて人格を作者から授かっています。中には作者そのものと思われるケースや、全くの想像の産物であろうものまであります。常に違った主人公を産出するタイプの作家には後者の能力が必要になってくると思われますが、一作品、一シリーズに関する限り主人公の人物造形方法は作品の質にあまり影響しないでしょう。 本シリーズの主人公「俺」の人物造形は基本的にはハードボイルドの定石に沿って形成されています。つまり、語り口は一人称、主人公は自ら定めたルールに基づいて行動し、概して頑固、それ故にたびたびトラブルに巻き込まれる、といったところでしょうか。作者のプロフィールから推測するに作者の人格の影響を色濃く受けていると思われます。ひとつ特徴的な点は主人公の人格が作品ごとに微妙に変化している点でしょうか。それは一貫性を欠いているのではなく、作品でのエピソードが主人公の人格に影響を与え時間の経過とともに変化(成長?)している点でしょう。その微妙な変化の一貫性を保っている要因には作者が主人公と少なからず同期している点は否定できないでしょう。 シリーズものを読む場合、その中の最高傑作だけを読むというのも間違えではありませんし、私もそうすることが多々あります。しかしながら本シリーズに関しては、主人公が時間や出来事を通じて変化(成長)していく姿を見ていくことも本作の楽しみ方のひとつなのではないでしょうか。 | ||||
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ススキノ探偵シリーズ。 偶然知り合った映画好きな少年。 彼が気に入った少年だった。 ある日突然消えてしまった。 凄惨な殺人事件の被害者が少年の親友だった。 少年の中学生の担任から依頼を受けて、 捜査に乗り出す探偵。 しかし、その先には、 思いもかけない展開が待っていた。 これまでのシリーズに出てきたキャラに加えて、 さらに影響力のあるキャラが出てくる。 中学教師、 少年、 刑事…。 ラストというか、 動機やそれにつながるものが、 非常に陰湿でゆがんでいて、 その辺が、どうもアクロバティックだったなぁ、と。 ただ、新たなキャラが強くて、 それがラストもまで引っ張ってくれた。 やはり、ヒロインは小説には大事だな。 | ||||
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「ススキノ探偵シリーズ」の第2弾『バーにかかってきた電話』において、探偵の《俺》がススキノで「艶々と光る豊かな黒い髪が長く伸び、整った、透き通るような顔の中で生き生きと動く瞳が印象的だった」(前掲書p.359)女性を、3人のチンピラから救う場面がある。2作目におけるプロットでは、一見して何の脈絡もないシーンであるのだけれど、《俺》に救われたこの女性中学国語教師が第3作目『消えた少年』の依頼者となって物語に絡んでくる訳だ。こうした一連の流れも、正直、東直己さんはうまいな、と私は思う。 東さんは、ススキノという東京以北最大の歓楽街の空気と、折々の世相の状況をうまく噛み合わせて、シリーズ化した作品を生み出している。第1作目では「デートクラブ」、第2作目では「地上げ」といったことを“事件”の背景として、リアリティのある複雑な“人間模様”を生々しく描いてきている。ここで、私が感心するのは、多少、デフォルメされているが、登場人物のキャラクターの彫塑がよく出来ている、ということであろうか。この感懐は、東さんの“人間観察”の賜物、と言ってしまえば身も蓋もないのだけれども…。 東さんは、北海道大学の哲学科を中退し、その後、土木作業員をはじめ、様々な職に関わってきたらしい。多彩な職業体験自体、“人間観察”には「もってこい」なのだが、それはそうとして、私は、大学で哲学を専攻していたことも、小説を書く上で、多少影響を与えているのかな、と勝手に想像している。私の考えでは、「哲学」とはとどのつまり「認識論」であり、結局は「(人間の)存在論的解釈」に行き着く。東さんは、自覚的或いは無意識にしろ、存在論的人間観察を常日頃から行ってきていたのではないだろうか…。 | ||||
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