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リンさんの小さな子
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リンさんの小さな子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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読み終えた時の安堵感。いつか何処かで感じたような安らぎ感。 モノクロームの静かな流れのように、単調な言葉使いでありながら、読み終えた後も 心の奥底に沸々と湧き上がる何かを感じる小説だと思いました。 切なさとは違った安らぎ感で、心が温まりました。 戦争により、国・村・土地・息子夫婦も失った「リンさん」 息子夫婦が残していった 孫娘の「サン・ディウ」 妻を失ったフランス人「バルク」 この3人の描写が、読者によって色々な感じ方があるのだと思います。 この本の良さは、きっと読んでもらうまでわからないと思います。 一人でも多くの人に触れてほしい一冊です。 「ダ・ヴィンチ 絶対はずさないプラチナ本OF THE YEAR」に選ばれた本でもあります。 | ||||
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一人、孤独で過ごしている毎日。 そこで言葉も何もかも分からない人と出会う。 言葉じゃなくても、表情やシグサで何かが伝わってくる。 一人が当たり前だったのに、その人と会うのが楽しみになり 過ごすのが楽しみになる・・・ひとりが寂しいと感じるようになる。 そんな当たり前の事がジンジンと伝わってきた・・・。 恋とかではない、誰かを想う気持ちも。 最後の結末にはビックリ。 でも、その結末を知ってもう一度読み返したくなる作品です。 | ||||
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難民を積み込んでヨーロッパの港へ向かう船の中に、女の赤ん坊を抱いて、遠ざかる故国を見つめ続ける老人がいる。彼はリンさんといい、赤ん坊は戦争の爆撃で亡くなった息子夫婦の忘れ形見。何もかも失ったリンさんは、幼子を死なせないためだけに異国へ渡るが、そこには慣れ親しんだ町の様子や香りも、ヒトも無い。言葉が通じないリンさんは孫娘を抱き、独りあてどなく街中をさまよう。そうして疲れて腰掛けたベンチで、やはり孤独なバルクさんと出会う。互いの中にいたわりと慰めを感じあった二人にとって、言葉が通じないことなど何の障壁にもならない。赤ん坊を含めた三人は、相互に欠かすことの出来ない存在となり、そして奇跡のようなエンディングへと続いていく...。 切なくて優しい物語が、ただ淡々と綴られる中に身をゆだねて心癒される一冊です。 | ||||
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技巧派で知られる作家が、逆にシンプルな作品を書いたときに 例えばパトリック・ズュースキントの『ゾマーさんのこと』のように 非常に美しく、心に残る作品が生まれることがある。 フィリップ・クローデルの日本における翻訳第二作である本書も そんな本のひとつであろう。 翻訳第一作の『灰色の魂』が、パズルのような構成と複雑な時制と 多様な登場人物を擁するアラベスクだとすれば、 本作は、紙の上に書いた一本の線のように素っ気無い。 しかし人と人との共感と友情に、その存在以外何が要るのだという 力強い問いの前に、言葉を飾ることの限界と、 深い、静かな情感を得られる傑作である。 | ||||
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最近、白だけではなく、色んな色のシリコン(ラバー)バンドを手首に巻いている人を見かけます。 色によって、色んな意味があるみたいね。 それらがブームであれ、趣旨に賛同している故に、腕に巻いているのであるならば、この本にその気持の一部でもいいから、心傾けて下さい。 手に取って読んでみて欲しい。 中学生くらいからかな、読んでみて下さい。 人生は、目の前の娯楽や退屈なものだけではなく、自分の置かれている日常から、この本を読んで、こういう人生・運命もあるのだということ。 だからって、この本の主人公、リンさんの人生は必ずしも不幸でかわいそうだったというだけではないという事を思いました。 | ||||
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これから本作を読んでみよう、とお考えの方にはお願いがあります。 この作品は、似たセンテンスやフレーズがたびたび使われることがあるので、単調な小説だ、と感じられることもあるかもしれません。でも、それほど長い作品ではないので、是非、最後まで読み終えてください。 そのとき、昨今の日本の小説では味わえない、深い感動を経験できることは間違いありません。 この小説は、おそらく現在の技術では映像化は不可能だ、と思います。 作品の前半で、リンさんの故郷の村の風景や生活がやや念入りに描かれます。少し後に、バルクさんが、もし妻が生きていたら、都会生活を離れて田舎暮らしをするのが夢だった、と語ります。バルクさんの想像する田舎暮らしが簡潔に描写されますが、ここまで読むと、この作家の非凡な文章力に、私のような本好きは思わず嬉しくなってしまいます。 読み進むうちに、難民事務所に一時収容されている同胞の家族たちのリンさんへの応対の仕方や、後半、リンさんが収容される老人ホームの描写に、少しだけ奇異な印象を受けるかもしれません。作者はこうした施設の内情への批判を込めて、やや大げさに描写しているのだろう、と解釈して片付けてしまうと、この本を読了したときに、自分の解釈のあまりの安直さを思い知らされることになります。 この作品のラスト・シーンは、日本人的な感覚からすると「ちょっと狡いなぁ」という感想を持たれるかもしれません。しかし、それは作者自身がフランス人であることへの自己批判であるかもしれないのです。 なぜなら、こうした作家的狡猾さは、リンさんの村を襲った代理戦争に介入した、かつての宗主国の狡猾さを象徴しているのかもしれないからです。 『リンさんの小さな子』とは、なんと朴訥としたタイトルだろう。本を手に取ったときにはそう思いますが、それも、この作品を読了したときに、実は途轍もなく深い意味が込められていたことが、忽然と了解されることと思います。 | ||||
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戦争体験も、子供も、お爺さんになった事もないけれど 一人の人間として、生きていく事と 人間として 大切な人 を主人公は 切なく、でも力を持って歩んで行く姿に感動します 朝 おはよう って挨拶が大切に思える 人に感謝を覚える本です 人生 これからの人に読んで欲しい 人生 解かっているよ って人は間違いなく 読んで豊かな気持ちになれる本です | ||||
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