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日蝕
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日蝕の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 81~90 5/5ページ
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この本は私の精神安定剤だ。 これが無いと生きていけない。 極論を言えば、平野啓一郎氏の文体が無いと生きていけない……と叫びたくなるほどに『日蝕』は私の心をわしづかみにしている。 装飾的な文体でありながら一切の無駄が無い……加えて、内容も美しくて、美しすぎて泣けてくる。 特に、錬金術師と両性具有者の洞窟のシーンは何度も読み返したくらいオルガスムを感じた。 だって、だって、だって! 本当に美しいのだもの。 | ||||
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難解な一冊でした。 文体が古めかしくて少々読みづらいと批判する声もかなりあるようですが、個人的に好きでした。 素直に『あぁ、日本語って美しいな』と思わせてくれます。 でも実は、この小説自体よりも、四方田犬彦さんが書かれた解説でも触れられている「ルビ」の方が私には印象深かったのです。 『日蝕』の文体の特徴の一つとして、ルビ使いが非常に多いのが一目でわかります。 ためらうをわざわざ「躊躇う」と書き、ことごとくを「悉」と書いてルビをふる。 また、「蒼穹」と書いて「そら」と読ませ、「赫く」と書いて「かがやく」と読ませる。 こうしたルビ使いによって、同じ音が違う意味を帯びてくる。 なんとも、日本語ならではの「あそび」と言えるのではないでしょうか。 お恥ずかしい話ですが、実は「この漢字をこう読ませるなんて粋だわ」 なんて思っていたら、実は本当にその漢字を用いるのだと知った単語が 多々ありました。 日本語って奥が深い。。。^^ | ||||
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評価が低いようですが、私はこの作品に衝撃を受けました。 15世紀ヨーロッパにつていは、興味もなく知識も無かったけれど、 何故か物語りにスッと入っていけました。 その理由として、主人公やそれを取り巻く登場人物が、とても印象的だった事が挙げられます。 とりわけ、唖で知的障害のある少年の描写には息をのむものがありました。 文体は、確かに読みづらい感じもしましたが、慣れると気になりませんでした。 是非もう一度、じっくり読み返してみたい傑作だと思います。 | ||||
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小さな閉じた世界を描く、という手法は村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「世界の終わり」に対する描写に通じるものがあると思った。 湿ったような乾いたような世界は不快なようで心地よかった。 小難しい文体が飽きさせないのだと思う。 | ||||
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15世紀末のフランス。パリ大学を卒業したばかりのニコラは、教職に就かず、自らの神学上の疑問に回答を与えるべく、旅に出る。南仏の小さな町に逗留し、町外れに住む「錬金術師」ピエェルとの交流の末に、ニコラが見たものは・・・。 人がこの世の生成の秘密を知りたいと思うこと、その結果としてテクノロジーが伸展すること自体は善でも悪でもない。ただし、その行為は、それまでの世界観を壊す作業であり、創造するものと旧秩序を守るもののあいだにせめぎあいを起こすものです。 この世に起きる幾多の事象に取り立てて意味はない、と半ば諦めながらも、意味を与えずにはいられない人間の哀しい性。その営みが生きるということなのでしょうか。 今まで考えたこともなかったようなことが、突然脳ミソの奥で蠢きだす、という意味ではまあ良い小説なのでしょう。多くの人が指摘していますが、私も、漢字を多用する必然性がよく掴めず、文体はあまり好きではありません。 | ||||
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某文学賞を受賞したにも拘らず(或いは、受賞したからこそ)余りにも評判が悪いので、一部の評論家が言うように「中高年による若い作家への僻み」が評価に影響しているという話にも一理あるのではないかと思っていましたが、著者と年齢的に大差のないわたしが読んでも、これは駄作としか呼びようのない低俗な作品です。著者は漢字とルビの安易な多用で内容の低級さを隠そうとしたようですが、それが結果的にアルフレッド・アドラーのいう意味における<劣等感>を目立たせることになっているのです。本書は、芸術においては<無>はいくら装飾しても<無>に過ぎないという事実を改めて確認できるという情けないレベルにおいてのみ価値らしい価値を持つ駄作だと言えます。 | ||||
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近代文学好きには嬉しい文体。やはり表現方法は大切だということを思い知らされました。十五世紀のヨーロッパという舞台設定を考えてもそうだし、過去の文学的モチーフをなぞると言う主題からいってもそうだし。 宗教的背景を援用した小説はあまり読んだことがなかったので、「魔女狩り」「錬金術」といったシンボルも見慣れてはないはずなのに、それが指し示すところや、歴史上文学史上どのように扱われてきたのかといったところは、自然と理解できた。というよりも、知ってるはずのない知識なのに、既に知っている知識であるようなある種のデジャ・ビュだった。これは、この宗教背景に対する作者の深い理解の賜物か、それとも「宗教」という舞台装置のかぶせ方が甘くて、覆い隠しているはずのモチーフが透けて見えたからか? 文学的価値はあると思うし映画にしたりするとおもしろいだろうなあと思いますが、つまりドラマはありますが後にはあんまり残りません。毎日の暮らしが文学という「学問」とくっついてないフツウの人には。僕はくっついてないので。まあでもこの小説は、過去の文学をリメイクするのが主題ですから。 | ||||
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構成とか伏線といった類のものは皆無に近く、ほとんどの記述は削ってもいいと思います。 文体は好みの分かれる所でしょうが、私は好きではありません。 クライマックスだけは良く描けている、ということで星二つ。 あと、エピローグの錬金術に関する記述が、「錬金術」を「文学」に置き換えて読むと味わい深いです。 それで星一つ追加して、合計星三つ。 | ||||
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芥川賞の受賞で評判になったが、僕自身こういう話はあまり好きではない。 文体の特殊さが目立ちはするものの、ストーリー展開などに特に目新しさは感じられない。 幻想ファンタジー小説の焼きまわしのようなアイデアはありふれており、著者自身のオリジナリティが反映されているとは言い難い。 今後の著者の成長に期待したい一冊。 | ||||
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内容よりも、その文体が難しいのだが、読み終えた時の充実感は保証できる。 又、話自体も奥が深く、読み終えた時に学ぶものは大きかった。 飽くまで、経験としてチャレンジしてみて欲しい一冊。 | ||||
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