■スポンサードリンク
(短編集)
三面記事小説
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
三面記事小説の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
歪んだベクトルがここにも、あそこにもある。 三面記事は日々、新聞の片隅に載り、目にする人もしなかった人も知らぬ間に 流れ去ってしまう。 印象的な事件として、ある人の心にはひっかかり、ある人には空気のように 見えないもののようだ。 角田光代さんが描いた6篇の事件の裏側は、事実と想像の狭間で 読者に軽い、あるいは重い齟齬を与える。 殺人。 「殺す」「殺される」という言葉が横行する三面記事。 一見して、「?」と感じるものが多いが、そこに人間の傾いた、なすすべのない 心理を探ってゆくこの作品は、凄まじく、底のない穴のようだ。(6作品のなかには 殺人に至らないものもある) 人は、思いのままにならない現実が極まると、結局、その現実を壊しにかかるのか。 一線をこえる、その瞬間は、誰にもわからない。 わからないからこそ、そのうしろ昏さがおそろしい。 「光の川」は、もしかしたら自分にもふりかかるかもしれない現実。 老いた親4人がこうなったらと思うと、やりきれない。 「ゆうべの花火」は、「警察沙汰にすることで、彼の人生に関わることができるか否か。」 という一点で慄然とした。 そのリアルさに息を呑みつつ、昏さをたのしんだ短篇集。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
すごい、角田さんすごすぎる。 実際の事件を元に、フィクションで書かれた物語。 でもここまでぐぐっと読者を引き寄せて 読ませる角田さんの文章力というか想像力がすごい。 どれも事件が起こるまでの加害者(加害者家族)の 心理が描かれている。 フィクションなのに、実際にこの事件の背景には こういうことがあったんじゃないかって思いながら 感情移入して読んでしまった。 短編になっているけど、面白くてやめられず一冊一気読み。 人間の物悲しさを感じさせられた。 新聞記事の結末から始まるので、この小説はミステリー というより落ちていく人間の心理を描いた作品って感じ。 とにかくぐぐっと読ませられます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なんだかとってもイカガワシカッた。三面記事の、誰もが「ああ、あの事件…」と思い出す事件。ちょっとひそひそ声で話さなければならないような、いわくありげな事件。 そもそものネタがそうなのだから、作風はダークである。そして、意外でないところ、多分みんなそんな風に下世話に想像しているんだろうな、というところに落ち着いていく。下品な想像、下劣な妄想を共有するような後ろめたさで読んだ。 そして、作者得意の隠しアイテムは、橙色のイメージ。それは旅館の豆電球だったり、部屋に差し込む夕日だったり、回想の中の姉の水着だったりして、すべての短編に織り込まれている。 「三面記事小説」は、通俗を極めた作品集なのだ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!