■スポンサードリンク
(短編集)
中野のお父さん
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
中野のお父さんの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
話に起伏がなく、更にお父さんが簡単に速攻で問題解決しちゃうので、読み応えとしては弱いかも でも、ハラハラもイライラもドキドキもないので、心穏やかに読めます | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
出版社の編集者の女の子と 古本屋巡りが好きな高校の国語教師のお父さんとのやりとりなんて 本好きにはたまらない。 お母さんも友達も上司もいい味出していて ゆるりゆるりと品良く深く 楽しみながらへえ〜と思うこともあり 読んでいて心地よい 益田ミリの装画も本の雰囲気にピッタリ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日々忙しい娘。でも困ったときには実家に帰って父に質問。ちゃっかりしてる娘と嬉しそうな父の姿がとってもいいなあ〜! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大手出版社文芸部の若い編集者・田川美希は、元大学バスケット部の体育会系女子。 中野に住む父は定年間近の高校国語教師で、美希が仕事がらみの難問を持ち込むと、スルリと解いてくれる。ミステリの世界では「アームチェア・ディテクティブ」(安楽椅子探偵)に分類される作品になるんでしょうか。 いまどきの日本では高校教師はけっこう激務だと聞きますから、本作の美希の父のように、ありあまる余裕で難問を解きほぐすなんてことがホントにできるかな、という疑念は湧きます。 しかし、そんなことはおもしろい小説の前ではどうでもいいこと。知的なナゾ解きの楽しさに満ちた、明るい連作短編集です。殺人も、抗争も、裏切りもないミステリ、いいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小節と言う形でなくても、筆者本人のエッセイでもよかったかとは思うが…北村氏のエキスがたっぷり感じられます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の作品にはハズレがありません。この本の中には一つだけ殺人事件が登場しますが、昔の事件の動機推理で血なまぐささはまったくありません。博覧強記のお父さんが披露する知識と推理はすごいものですが、キャラクター造形のおかげで全体をふんわりとした空気が覆っているようなミステリー集でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
出版社に勤める娘が持ち帰った【謎】を、定年間際の国語教師である父が解き明かすというスタイルのミステリー集。 ミステリーといっても、日常に潜む小さな謎ばかりなので、血生臭さはありません。 うーん、お父さんがまったく悩まずにすぐに解決してしまうのがな~。 文学的な知識と洞察力があってこその推理なのだけど、文学的な観点から謎を解かれても私にはちんぷんかんぷんで、 「ああ!そうか!」という爽快感が味わえない点で謎解きものとしては物足りない気がします。 謎解きの面白さよりも、父娘のすごくいい関係がほほえましく、それに関しては読んでいて気持ちがよかったです。 シリーズ化もありそうな予感ですな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文芸編集者の父が「名探偵」!? 都築道夫とかブロンクスのママの系譜だろう。日常に起こる謎を娘が実家に持ち帰り、父に解いて貰うのだ。彼女の職業が「編集者」だから、自然に謎は「文学」の話になる。ただ、「夢の風車」「幻の追伸」などは、そのままミステリのトリックとしても使えそうだし、「茶の痕跡」などは、ミステリそのものではないか、と思う。 ミステリとしての側面も充分に楽しめるのだが、この作品に描かれている「お父さん」の娘と同じ位大事な「本への愛」。ここに引用されている尾崎一雄のエピはそのまま、「お父さん」そして、北村薫にも繋がる強い思いだろう。心から書物を愛する気持ちが心を打つ。自分が独占するのではなく、文化遺産として、それを広める事、守る事がどんなに重要であるかを北村さんご自身が良くご存じだから。 でもそれを大上段に構えて描いてない。あくまでもさりげなく、さらりと。この辺がにくいなあ、うまいなあと思う。 ヒロインが体育会系っていうのも、バランスが取れている。「飲めば都」のヒロインとはちょっとまた違う魅力あるキャラ。個人的には百合原ゆかりもイチオシではある。こういう女性に「ちょっと叱られてみたい!」と思う人もいるのでは(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日常の「クイズ」みたいな謎解きの軽快さを楽しんだ。 北村氏の著作は余り読んだ事がないのですが、他の著作も読んでみようかな。 位に楽しんだ。 ひとつだけ、あいづちや問い返しに「はあ」と「は?」を多用するヒロインの言葉使いは好きじゃないかな。 身内や同僚なら良いけど、取材相手や担当作家さん相手だと感じ良くない気が。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
田川美希は出版社の文芸部に勤める編集者だ。 仕事の過程で出くわした、ミステリアスな未解決事件のことを、東京・中野の実家に帰るたびに父に話して聞かせる。すると、母と暮らす定年間近の父は、たちまちのうちに事件の真相を見つけてしまう。 今年(2015年)、≪私と円紫さん≫のシリーズが『太宰治の辞書』でほぼ20年ぶりに読者のもとに帰って来ました。噺家の≪円紫さん≫という安楽椅子探偵とともに日常の小さな謎を解き明かしていくそのシリーズの当初、まだ学生だった語り手の≪私≫が、今や子育てしながら出版編集の仕事をしている女性として私たち読者の前に元気な姿を見せてくれたのです。 今回の『中野のお父さん』は≪私と円紫さん≫シリーズの姉妹編ともいえる短編集です。 主人公は美希という出版編集者。日常で目にするちょっとした謎。お父さんはその話を聞いただけで謎を解明する。――すべてが≪私と円紫さん≫シリーズとパラレルな関係にあります。 ただし、『お父さん』のほうは、≪私と円紫さん≫シリーズに比べるとかなり小ぶりな感じがします。 一文で一段落を成す箇所がたいへん多く、そのぶん改行の頻度が各段に高いので、ぱっと見たところ頁には余白部分がかなりあると感じられます。事実一編あたりの文章量は少なく、それぞれの掌編はかなりの短時間で読み通せました。 また、≪私と円紫さん≫ではそれぞれの事件の背後に人間の業(ごう)のようなものの存在を感じさせたものですが、『お父さん』のほうにはそれはあまり見られません。その点が食い足りなさを与える気がします。 そして、≪私≫という主人公が学生時代から社会人として世間のとば口に立つまでの、人生でもっとも多感な時期を内省しながら歩んでいたのに引き較べると、美希は比較的軽やかに日々を楽しんでいる若者という印象を抱かせます。主人公への感情移入という面からいっても、『お父さん』のほうには軽量感を覚えます。 ただ、今年父を亡くした私は、最終編の『数の魔術』には少し思うところがありました。 幼かった美希の一輪車の練習にそっと寄り添ってくれた父が――裏表紙にその様子が益田ミリのかわいらしいイラストで描かれています――間もなく退職の時を迎えようとしている。若々しさを失うことなど以前は想像だに出来なかった父親に、老いの季節が確実にやって来たことを美希は心淋しく感じているのです。彼女のその胸の内が、いまの私の気持ちにぴたりと寄り添ったのです。 思えば北村薫は実父の日記をもとに現在『いとま申して』、『慶應本科と折口信夫』という連作を書いています。父の存在を強く思い返す時期というのが人にはあるのです。 『数の魔術』の後段に、父が教えてくれたあれやこれやを思い返して美希がひとりこう思う場面が出てきます。 「――それも覚えておくよ、……お父さん。」(282頁) 美希の心のこのつぶやきが、私自身の言葉となって聞こえました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
安易に読み切ることのできる連作集。 仲の良い親子の物語。 娘のちょっとしたミステリーめいた話を、お父さんが推理力で解決?するお話。 面白いが、単行本より、文庫本が合う感じ。 いろいろと薀蓄話が盛り込まれている割に軽い感じに思った。 できれば、それぞれもう少し練りこまれていたらよかったかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文芸系編集者である娘が巡り合う様々な日常の謎を、定年間際の教師である父親が解決する、という連作短編。 円紫さんと私に近い感じで、タッチの軽さは飲めば都に近い感じでしょうか。 安楽椅子探偵のような父親は元教師という設定からも北村薫本人を連想させます。 するする読めましたし、著者の近年の論文めいた文学ミステリーより好きな感じではあるのですが、 過去の作品の焼き直しのような感じもあり少し物足りません。 編集者ネタや文学ネタはそりゃあ書きやすいだろうけれど、盤上の敵にしびれた身としては、もうこの先は手の届く範囲の事柄しか書かないのかなぁという淋しさもあり。 飲めば都は胸が震える言葉もあったので、気に入っているのですが。 決して悪くないのですが、 もっと期待してました。 明るい話を軽く読みたいという時には良いかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「退職刑事」ならぬ「退職前教師」が名探偵役の、アームチェア・デテクティブもの。 集中これ1篇となれば「闇の吉原」。 鈴木清順、榎本其角、横溝正史、泡坂妻夫、幸田露伴、斎藤茂吉、三遊亭円生、半藤一利など、有名どころががぞろぞろ出て来て圧巻です。 ミステリとしてこれ1篇となれば「茶の痕跡」か。 愛書家の心理を抉って、身につまされた。 本の中身と本そのものに纏わる、贅沢な文学ミステリ集である。 まさに円熟の一冊。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!