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神去なあなあ日常
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神去なあなあ日常の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全192件 181~192 10/10ページ
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高校を卒業と同時に三重県の山奥・神去村へ林業研修生として住み込むことになった勇気の山奥の村での一年間の奮闘物語。登場人物もそれぞれにユニークでいい人たちばかりだし、面白く笑いながら読んだ。山奥の生活や林業の話は興味深かった、青春物語だ。 | ||||
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読んでとてもさわやか。「なあなあ」ということばにぴったりの本だった。 どの登場人物もとても生き生きして魅力的。山にも林業にも興味はなかったけれど、おもしろかった。山の空気や風のにおいも伝わってくるようだった。いつも思うけれど、しをんさんの文章は情景描写がすごい。読むとすっきりとしているのに、くっきりと目の前にあるように情景が浮かぶ。そして、ひょうひょうとして、笑いを含んだ文章なのに、まっすぐで、まじめなまなざしを感じる文体。読んでよかった。 | ||||
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なんとも奇妙なタイトルだが、内容は至って気持ちのいいお仕事系青春小説。 三浦しをんさんは『仏果を得ず』でも、こういった、仕事に打ち込み、 恋にめざめ、する主人公の内面を丁寧に描いていた。 今回はまた、林業というアウトドアな仕事をするはめになった主人公・勇気 自らが自分の歩んだ1年を文章に書き表すといった体の小説である。 横浜の高校を卒業と同時に放りこまれた未知の世界。 読み手の多くの人にもなじみのない仕事とその世界なのに、 しをんさんはまたまたうまく引きこんでくれる。 読売新聞の記事によると、しをんさんの父方の祖父が 三重県中西部の人だったそうだ。 「なあなあ」とは造語だそうだが、まったく神去村の人と情を言い得て妙である。 よそ者に対する興味と排除。 山奥の村のありがちなようすが余すところなく描かれる。 しかし、仕事を覚える過程が、村の人々と心を交わし、仲間と認めてもらえる 道筋となってゆくところが、温かくていい。 切ない恋心もスパイスとして効いている。 与喜を始めとする山仕事のベテランの男たち、一人一人のキャラが濃くておもしろい。 林業という時間も手間もかかる仕事の奥深さから、 今の日本の「山」の姿も垣間見える。 こういうところをきっちり描けるのがしをんさんだと思う。 “神隠し”や“祭り”をエピソードに描くことで、山の神秘性を 読み手に伝える演出もうまい。 奥深い山の自然のパワーを、そこで暮らす人々は今も神代さながら 感じ、崇めながらの「林業」なのだ。 勇気の恋の行方も仕事の熟練も、もう少し読みたいなあと思うところで 物語を終わらせるのもうまいなあと感じた。 | ||||
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三浦さんの作品は多岐にわたりますが、 本作は、「風が強く吹いている」「仏果を得ず」に続く 『魅せられちゃった』系の作品です。 駅伝といい、文楽といい、目の付け所が毎回しぶいですが、 今回の魅せられテーマはずばり“林業”。 高校を卒業したての都会の男子が ド田舎で林業に携わる、奮闘を自らつづった風の小説でした。 『魅せられちゃった』系と書きましたが、 過去の作品よりも創作上の遊びが増えて、 架空のお祭りや儀式など、日本各地の珍祭・奇祭の パロディとも思えるエピソードが満載です。 若干過去作品と構成が似ている印象が否めなかったので、 個人的には☆は満点ではありませんが 良質なエンタメを、という作者の意気込みが伝わるので 元気になりたいときや、なにかに打ち込みたいときに読むと 気分にフィットすると思います。 ちなみに、自分が一番笑ったのは けっこう大事な場面で「ファイトォ!」「一〜発っ!」の おなじみのフレーズが出てきた場所でした。 | ||||
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勇気は進学も就職も決めず?決まらず?高校の卒業式を迎えた。まあ適当にフリーターで食ってこと思っていたら、式が終わると担任の熊やんに「就職先決めてきてやったぞ」と引きずられて家に帰ると「身の回りの荷物は送ったから」と母親にそして父からだと3万円の「選別」を貰いまたしても熊やんに新横浜駅に連れて行かれ神去村への行き方を書いた手紙を握らされ新幹線に押し込まれた。「1年は帰ってこられないぞ。」と餞の言葉を贈られて。乗り継ぎを繰り返し見たこともないローカル線に、やがて携帯は圏外に!終着の無人駅に降り立つと・・・。神去村での生活の始まり。杉と檜の違いも分からない都会育ちが脱走を試みたりしながらも山仕事をしながら村の訳の分からないしきたりや行事を経験し成長していく。そして48年ぶりの大祭「オオヤマヅミさん」ではメドの班に。うっすら涙を浮かべたおかみさんに「生きて帰ってこなあかんで」と見送られ不安を胸に向かうと命を懸けたお祭だった。で、メドの権利って古語の意味分かります(^_^;)? | ||||
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高校を卒業して、何も分からないまま林業に就いた若者の日記。 都会に疲れて田舎に逃げ込む話とは違い、軽やかで気持ちよく読めた。 主人公の少年も周りの大人も、タフでまじめで気負いがない。 終盤で明かされる村の秘密。 そこまでの流れも、それまでの「なあなあ」な日常が一転するクライマックスも違和感なく、日常の延長にある信仰を、これも真剣に受けとめる主人公がかわいいのだ。 | ||||
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これほど大笑いしながら読んだ本は久しぶりな気がします。めったに小説の舞台になることのない林業の世界を描いたという、画期的な挑戦も高く評価したいと思います。 突然、未知の世界に放り込まれた主人公が、そこでの悪戦苦闘を経て成長していく物語はよくあるように思います。放り込まれた先がおとぎの国であったり、老舗旅館であったり…。しかし、林業の世界を舞台にした話はこれまでなかったのではないでしょうか。 また、この本では林業の厳しさだけでなく、その魅力もとてもよく描かれています。新しい小説の舞台として、一般にはなじみはないけれど、大変面白く魅力的な林業という世界を選んだという作者の挑戦に拍手を送りたいと思います。 ややマンガチックな展開ではありますが、読んでいて大笑いしてしまった本は久しぶりでした。落語を聞くような感じで最後までお話を楽しめました。 これから主人公は、どのように神去村に根をおろしていくのでしょう。山太君はどのような青年に育つのでしょう。愛すべき村人たちの今後が気になります。続編が早く読みたいです。 | ||||
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高校を出たら適当にアルバイトをしようと考えていた俺は,高校の卒業式の日に半ば強制的に,国の助成金制度「緑の雇用」により,林業にいそしむことになる。親からもらった3万円の選別をもち,ローカル線の県外の終点に降り立った・・・ 高卒後林業で働くことになった主人公:平野勇気の一年間を本人の視点から振り返った物語である。自然の豊かさと厳しさが林業の伝統とともに,大変すがすがしく伝わってくる物語である。物語全体が題名の「なあなあ」の雰囲気の中描かれており,大変ゆっくりとした時間を過ごさせてもらった。 | ||||
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前作の「光」がはずれだったので、今回もいかがなものかと思いながら読みましたが、 これは「当り」でした。 なんというか、山の中の匂いが感じられるような、光景が目に浮かぶような。 それと、閉塞した山の中の人間関係がまたなんともいえない味がありまして。 48年に一度というお祭りのシーンは、本当にぞくぞくしました。 風が強く吹いているの流れをちょっと感じる作品でした。 ああ、おもしろかった♪ | ||||
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いやいや就職した三重の山奥で起こる、神秘的な日常を、すばらしい表現で書いてくれました。 田舎には、理屈ではない不思議な祭りなどがあるものですね。都会の日常とは時間の流れが全然違います。 都会生まれのしをんさんにとって、とても興味深い事が山奥にありそうな気がしてるってことでしょう。 三重の山奥で日々働く我々にとっても、新たな思考が生まれそうな小説だと思います。 都会暮らしに飽きた人たちも是非どうぞ。 | ||||
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三浦しをんは人間関係を描くのがうまい作家だ。この関係は良いとか良くないとか 決めつけず、ただ、その関係性を読者に楽しく読ませ、酔わせてくれる。故に 駅伝や文楽という一見親しみにくい題材も人間ドラマとして多くの読者の支持を得るし、 前作「光」のように、暴力を介した救われようのない運命を背負った人々の物語にも ずぶずぶと読み手を引きこむ。 さて、そんな三浦しをんの新作は、人間関係がとても限られた山奥の村で 林業を営む人々の物語。今回は、人と人との話に限らず、木や山などの 自然と人間の関係性も描きこまれ(すなわちそれは、ある意味、自然に宿る 人間を超えた力≒神様的なものとの邂逅も含むわけで) 大変読み応えのあるチャーミングな小説だった。 高校卒業後も進路が決まっていなかった主人公の勇気(18歳男子)は 興味も知識もまったくない状態で、ひょんなことから神去という土地で 林業の研修を受けることに。頑固そうな老人に、荒っぽい先輩の木こり、なぜか 美人の多い女性陣・・・個性豊かなキャラクターに囲まれ、慣れない肉体労働を 強いられ、更に、山の神様を信仰する彼らとのカルチャーギャップに戸惑いながら 勇気はしだいに、働くということ、自然とともに生きることを覚え、この村や 木を伐採する仕事、山を育む仕事を愛しはじめるのだった・・・と、あらすじを書くと なんとも平凡になってしまうのですが、本当に面白い。語り手に、山に暮らす 人々から見たら異分子的な存在である勇気を据えることにより、読んでいる側も 林業に携わる人々の特殊性に一緒に戸惑い、村の田舎ぶりにびっくりし、 困った人たちに翻弄され、山の神様の祝福を受け…なんともハッピーな 読後感を味わうことができます。特に、48年に1度の祭りのシーンは 読んでてゾクゾクしました。 林業にも大自然にも興味がまったく湧かない私ですが、作家の名前につられて 読んでよかった、と思える小説でした。まるで主人公が山に魅せられたかのように。 | ||||
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高卒で、自分の意志でなくイキナリ林業に就業した勇気の成長と日常です。 神去村のゆったりした時間と、個性の強い仲間やあたたかい人達。林業の専門的内容が思ってたより多かったです。スルッと読めた印象です。作者の「風が強く吹いている」が好きで、新刊を期待していました。ページ数からか少し物足りないと感じました。 | ||||
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