成吉思汗の秘密
評判
成吉思汗の秘密の評価:
4.30/5点 レビュー 43件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1〜7 1/1ページ
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成吉思汗の秘密の評価:
4.30/5点 レビュー 43件。 C ランク
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…が、実のところ、そうしたミステリ史的評価を抜きにすると決して褒められた作品とはいえません。現在にもしも同一内容の作品が新作として出版されたなら、総スカンでしょう。
作中で『時の娘』が引き合いに出されておりますが、通説に対する異議申し立てとして正攻法で歴史を検証した『時の娘』のアプローチとは方向性がまるで異なり、初めから突飛な真相をいかにして成り立たせるかという見地から書かれております。
歴史ミステリを看板にかかげた作品としての一番の問題は、作中、神津や松下が調べたり、推理したことになっている事柄が、ほとんど小谷部全一郎氏や末松謙澄氏の義経=成吉思汗説の流用で、作者のオリジナル要素は意外に乏しいという点でしょうか。何故先人の研究という形で紹介しなかったのか理解に苦しみます。
同一人説の推理にしても、地名の語呂合わせや風俗の類似性といったこじつけ、百パーセント否定しきれないなら肯定してもかまわないという「悪魔の証明」的論理に頼る部分が多く、とうてい実証的といえるものではありません。中盤に神津対井村の対決がありますが、井村の方が正論過ぎるくらいに正論を主張しているため、作者の意図とは逆さまに、同一人説に納得するより、トンデモ説に染まってしまった人間にその説が誤りだと納得させる行為の徒労ぶりをアピールする結果になっております。
和製歴史ミステリの始まりが本作とされることは、ある意味で現在にいたるまでのトンデモ志向を象徴するものといえます。