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小説東京帝国大学
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【この小説が収録されている参考書籍】
小説東京帝国大学の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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時代背景をある程度理解、把握していないと理解できないと思いましたが、それほど評価されていないのが残念な気分です。 | ||||
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とても松本清張らしく、細部にわたって調査、分析されている。大変感動した | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算36作品目の読書完。1973/10/01 | ||||
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「『国家ノ須要ナル』人材を養成する目的の東京帝国大学の性格を明治後半期から小説にしてみよう」(「あとがき」p.584)とした作品。 ムイアヘッドの倫理学をめぐる哲学館(東洋大学の前身)と文部省の対立、戸水教授をはじめとする七博士の対露強硬論に端を発した大学と桂内閣との確執、国定歴史教科書改訂で浮上した南北朝正閏論争での官僚と在野とのやりとり、これらを3本柱として、東京帝国大学の体質を解明している。 天皇問題での保守的性格、大学自治とは名ばかりの文部省との馴れ合い、私学に対する冷淡な態度、東京大学草創期の状況がリアルに描かれている。隠田の行者飯野吉三郎、謎めいた怪人奥宮健之、哲学館学生工藤雄三が舞台回しで登場。 「欧米先進国に早く追い付け主義の帝国大学の教育に科学性は、それが濃厚になってくるにつれて天皇制と衝突した。そのたびに『学問』は萎縮し、帝国大学は当初の溌剌性を失い、次第に蒼古たる殿堂と化して」いった(「あとがき」p.584)。まことに正鵠を射た結論である。 小説としては、成功していない。このことを著者は、「勝手な書き方をしてきた小説である」(「あとがき」p.584)と書いている。 | ||||
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喜田貞吉を最初に知ったのは、この本からだったと思う。日本の民俗学は折口信夫の一辺倒になっていないか?あまり知りもしないでと言われるかもしれない。折口といのは生物学の世界だったら、クリス・ラングトンにあたるのではないか。人工生命なんて理論や数学だけの産物で、実際にはフレッド・ホイルの生命宇宙外来説の方が、信憑性が高い。喜田の考古学的思考は折口のあたまでっかちの理論派民俗学と一線を画する。でも今の文科系畑の日本の世界では、清張がほめるほど喜田は、知られていない。日本ていうのは数学的発想が幅をきかせていて、宇宙論の世界だったらハンス・アルベンのような数学嫌いが入り込む余地がないのだ。数学派の文科系が、技術屋の理系を負かしているかっこうである。清張は元は印刷関係(デザイン)のような職人の仕事についていたときく。(朝日新聞勤務である)喜田の視点で見た考古学的・民俗学の本がある。「縄文人の能舞台」上野和男・著という本だ。手前味噌だが、同じ著者の「宇宙に開かれた光の劇場」という本もお薦めできる。後者の本は、結局、喜田の考古学的・民俗学をおしすすめれば、ホワイト・ヘッドが言っているように、世の中は数学どうりにはいきませんよという哲学になることを語っている。数学を補うものが超・学際分野として、浮き上がってくる。後者の本では、17世紀のオランダの画家・フェルメールの美術史を理解するためにさえ、宇宙論や生物学、物理学の知識が必要となってくることがわかる。喜田は若いころ数学者になろうかと迷った時代があったのを、今の日本では知られていないことが多いみたいだ。 | ||||
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この本の中には、様々な歴史的な事件が登場します。 その中には、教科書にも出てくる「大逆事件」のような有名な事件もありますが、この本で初めて知るような事件も沢山あります。 それぞれの事件の経緯が、詳細に描かれて行きます。 タイトルは、「東京帝国大学」ですが、実際は「自由」そのものがテーマです。 それを妨げようとするのは、表面的には山県有朋かも知れませんが、清張はその大元として「皇国史観」と言っているいようです。 「哲学館事件」にしても教科書問題に絡む「南北朝正閏論争」にしても、明治維新が依って立った「王政復古」から来ています。 この本は、そうした様々な事件の犯人として「皇国史観」を謎解きするような、そんな感じの本です。 「小説」と題されていますが、様々な資料が原文のまま載せられており、松本清張らしい作品になっています。 明治と言う時代を知るのには、非常に良い教科書かも知れません。 | ||||
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丁寧な配送で送り主の心配りが気に入りました。以前読んだ本で久しぶりに読み返してみて懐かしい思いがしました。明治期の大学の様子がかなり詳しく書かれており、歴史本という観点からも興味深い一冊です。重次郎 | ||||
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丁寧な配送で送り主の心配りが気に入りました。以前読んだ本で久しぶりに読み返してみて懐かしい思いがしました。明治期の大学の様子がかなり詳しく書かれており、歴史本という観点からも興味深い一冊です。重次郎 | ||||
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タイトルから東京帝国大学をテーマにした小説なのかなと思って読んだのですが、ちょっと趣きが違ってました。明治時代後半に起きた様々な政治問題の中で、教育に関する問題や学者が関わった問題を小説風に紹介するという趣旨の作品です。東京帝国大学は当時は国家権力と深く結びついていたので、例えば教科書検定委員が帝国大学の教授だったりする為、そうした問題においてたまたま大きな役割を演じることが多かったというだけの話で、決して東京帝国大学を描くことを意図した小説ではありません。むしろ冒頭に出てくるのは哲学館(今の東洋大学)を舞台にした教科書問題で、哲学館の講師と生徒が主人公的な立場に立っています。あれ?全然東大の話じゃないぞ?と思っていると、さすがに中盤からは日露講和を巡って東京帝国大学の教授たちが全員で辞表を提出した事件が描かれたりしてタイトルに近くなってくるのですが、それと共に小説としてのパワーはダウンして行き、単に歴史的いきさつをなぞるだけになってしまっています。雑誌連載の為か途中で方針が変わってきてしまったのでしょうね。 | ||||
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タイトルから東京帝国大学をテーマにした小説なのかなと思って読んだのですが、ちょっと趣きが違ってました。明治時代後半に起きた様々な政治問題の中で、教育に関する問題や学者が関わった問題を小説風に紹介するという趣旨の作品です。東京帝国大学は当時は国家権力と深く結びついていたので、例えば教科書検定委員が帝国大学の教授だったりする為、そうした問題においてたまたま大きな役割を演じることが多かったというだけの話で、決して東京帝国大学を描くことを意図した小説ではありません。 むしろ冒頭に出てくるのは哲学館(今の東洋大学)を舞台にした教科書問題で、哲学館の講師と生徒が主人公的な立場に立っています。あれ?全然東大の話じゃないぞ?と思っていると、さすがに中盤からは日露講和を巡って東京帝国大学の教授たちが全員で辞表を提出した事件が描かれたりしてタイトルに近くなってくるのですが、それと共に小説としてのパワーはダウンして行き、単に歴史的いきさつをなぞるだけになってしまっています。雑誌連載の為か途中で方針が変わってきてしまったのでしょうね。 | ||||
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