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オールド・テロリスト



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【この小説が収録されている参考書籍】
オールド・テロリスト

オールド・テロリストの評価: 3.91/5点 レビュー 69件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全51件 41~51 3/3ページ
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No.11:
(5pt)

自然体の極論。

異常な人間が異常な事態を引き起こし他の異常な人間が巻き込まれていく。でもそれは非日常的ではなく極めて現実的です。村上龍さんの他の作品に共通する常識人の皮一枚下の真実を白昼の下に曝け出す物語が精巧に且つシンプルに書き込まれています。単行本にして563ページ。長編ではありますがあっという間に読み込んでしまいました。結論ありきではなく続きを想像させる終わり方が憎い。フィクションがノンフィクションにいつ変わってもおかしくない真実味を常に内包するのは誰もが持つ猟奇性を言葉の針で突き刺すからだと感じます。とにかく理屈抜きに面白い。
オールド・テロリストAmazon書評・レビュー:オールド・テロリストより
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No.10:
(4pt)

 ファンです。

久しぶりの長編でハードカバー!わくわくさせてもらいました。
龍の文章に慣れているので、すごく読みやすいです。
小説の女性はデパス女。魅力的に!鉄板ですわ。

今の老人。けっこう、イカレてる人多いですよ。
老人と呼ばれないことに誇りを付けてる人!!

昔は自立した綺麗な女性を目指していました。
今後は、ちっぽけな老人になる予定です。
考えることと、言い訳の区別が難しいですがね。
人って、ジタバタしたい!これが本能なのかもね。

余談ですが、初老なのでハードカバーが重いです。
早くアマゾンやらコボで電子化してくれませんか?
もう、儲けなくってもいいでしょ?龍さん!!
ま、これも庶民の厚かましさか?
だよなあ~と。

支離滅裂でも、40代でも、未熟でも、日常をやります。よ。
そんな気分です。
オールド・テロリストAmazon書評・レビュー:オールド・テロリストより
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No.9:
(5pt)

小説世界と現実世界がシンクロした。

本書を読み始めてすぐ、新幹線内で70代男性が焼身自殺を図り周囲を巻き添えにするという衝撃の事件が起きました。本書の冒頭にあまりに似通っており、果たして自分が読んでいるのはフィクションなのか、それとも現実を反映したノンフィクションなのか、錯覚しそうになり身が震えました。『イン・ザ・ミソスープ』の新聞連載時にも殺人シーンを描写しているまさにそのとき、酒鬼薔薇事件が起きるということがありましたが、長年、村上龍のファンをやっていると小説世界と現実世界がシンクロするという奇異な体験をすることがあります。本書の初出は『文藝春秋』誌ですから、時代を先取りしていたとも言えるかもしれません。かつて村上龍は、「現代の見えない叫びを翻訳することが小説の使命」という主旨のことを言っていたと記憶していますが、本作品もまさにその言葉を体言しているようです。

舞台設定は東日本大震災から7年後、東京オリンピックまであと2年という2018年。予告テロ事件が相次いで起きます。実行犯は心に病を抱えた若者たちで、一見、彼らの衝動的な犯行に見えて、手がかりを辿っていくと、ある高齢者たちのグループに行き着きます。彼らは何らかの形で戦争を体験し、戦後の焼け野原を生き延び、社会的地位と富を築き、現在も精神的・肉体的にも健やかさを維持しています。先の長くない彼らが、現代日本の体たらくを見て義憤に駆られ、存命中に日本に喝を入れよう思うのは、分からなくもありません。彼らの言い分を聞いているとシンパシーが湧いてくるから不思議です。彼らが制裁の対象とするのは、マスコミ、暴走自転車、アイドルグループにうつつを上げ骨抜きとされた者たちなど(個人的には、歩きタバコと歩きスマホの輩も加えてほしかったところです)。戦争体験者による世直しというのは『五分後の世界』と共通のテーマですし、頭脳明晰で魅惑的な人物が”正義”を語る様はオーウェルの『1984』を彷彿とさせます。プロットの巧妙さと語り口の絶妙さで、ページを手繰る手が止まりませんでした。

個人的には、ここ15年ほどの村上龍は経済評論家っぽくなり、あまり好きになれませんでした。村上龍は小説さえ書いていればいいのにとさえ思っていましたが、たまに発表する小説も難解だったり(『歌うクジラ』)、現実的で暗すぎたり(『55歳からのハローライフ』)でガッカリでした。本書は久々に村上龍らしさ全開の快作です。
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No.8:
(5pt)

単行本化待ってました

文藝春秋で連載の時から読んでました。アキヅキ医師の言葉、自分で自分の生き方を選ぶことができることができるのは
共通して数パーセントだ。という文章に共感。著者も恐らくその数パーセントに入ってることを自負してのフレーズであろう。それ以外の人たちには蛇蝎の如く嫌われる小説。
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No.7:
(5pt)

面白かったです。

途中まで読んだときの感想。カリヤが怖い。丸太が怖い。 ジェットコースターのような小説でした。続編はあるのでしょうか。メディアをあんなに批判して龍さんは大丈夫なのでしょうか?
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No.6:
(4pt)

あなたの感想

ラストの一文に何を思うかは、人ぞれぞれだと思う。
わたしは、反射的に(そして無邪気に)、「希望」のようなものを感じたが、
わたしとは別人であるあなたは、きっと別の何かを感じるだろう。

今、ここのレビューを読む人たちの多くが、「日本の閉塞感」にやさしく寄り添っている。
数年前から、数十年前から、わたしたちの心から流れ出した血は、二度と止まらないかもしれない。
友達の(わたしにはいない)、恋人の(わたしにはいない)、見知らぬ誰かの感想を、そっと聞かせてほしい。
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No.5:
(4pt)

村上龍の感覚が戻ってきた

村上龍氏のファンで、ほとんどの著作を読み、その中の半分くらいは繰り返し読んでいるものです。
特に、「五分後の世界」「最後の家族」などが好きです。

私は、最近の著作やエッセイをことごとく批判してきました。
簡単にいうと「エネルギーを感じない」からです。読後の「何かを変えなければ」と思える感覚が欠如した作品が多いからです。

もちろん今回の作品も、例えば「五分後の世界」と比べればエネルギー量はやや少ないかもしれません。
連載だったものですから、昔のことを振り返る場面も多く、少し冗長にも感じます。

しかしながら、村上氏らしさがところどころに垣間見え、正直読む手は止まりませんでした。
少しずつ物語が展開していくところ、はっとするような急展開、セキグチへの心理描写、そしてラスト。
「静かな怒り」については、「そうきたか」と思いました。セキグチの揺れる振り子とうまくシンクロしていると感じます。

昔からのファンも、初めて読む人も、著者らしさが詰まった、読んで損はない一冊です。
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No.4:
(5pt)

「アメリカの特殊部隊に、日本人の年寄りたちを殺してもらうってことですか」

「今の日本に、静かな怒りを維持していて、社会に関与したいという欲求を持った人々が存在していたというだけでも驚きで、しかも、あろうことか、高齢者でした」

「わたしは、この国のあらゆるものを信じていない。政治しかり。経済しかり。社会システムしかり。
ですが、もっとも大きな不信感を抱いているのは、マスコミだ。どう思いますか。彼らは、正義を言う。権力を批判し、弱者の側に立つと言う。だが、日本で、平均してもっとも高額な給与を得ているのはマスコミの人間ですよ。フジテレビの社員の給与は世界一だとも言われている。
…勘違いしないでいただきたい。金を稼いではいけないということではない。
彼らマスコミが偽善者だと言うつもりもないし、嘘を報じると言うつもりもないし、権力の側について事実を隠蔽していると言うつもりもない。
単に、能力がないのです。
事実を報じる能力がない。」

「その、オールド・テロリストたちの目的は何?」
「それが、あるメンバーの言葉を借りると、もう一度日本を焼け跡というか、廃墟に戻すということらしい。腐りきった日本をいったんリセットする、ということだけど」
「…彼らは、怒ってるわけね」
「そうみたいだ」
「それって、リアルね」

「何かを変えるためのプランには、静かな怒りが必要なんです。
感謝の念は、とても大切です。ですが、往々にして現状維持を助長し、変換のためのプランには結びつかないことが多いんですね」

「年寄りは、静かに暮らし、あとはテロをやって歴史を変えればそれでいいんだ」
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No.3:
(5pt)

ところで、子犬たちの悲鳴は止んだかね

「希望の国のエクソダス」で集団不登校を起こした中学生集団ASUNAROを独占取材したフリー記者セキグチが本書の語りべ。
 福島の原発事故から7年後という時代設定で、セキグチも40代後半。
 週刊誌は売れなくなり、仕事を失い、充実感を失い、家族を失い、誇りを失ったセキグチは、いまやホームレスと変わらない風体。
 大切な人に対し何もできない存在になってしまった、だから自分は生きる価値のない人間だと決めつけてしまい、気持ちが常に萎えている。
 コミュニケーションに必要な労力、つまり心のエネルギーが枯渇してしまったセキグチは、村上龍の小説史上、まれにみるダメダメ状態です。
 精神安定剤や睡眠導入剤を酒とともに常用し、とんでもない状況に直面して小便を漏らし、涙と鼻水まみれになりブルブル震え、しょっちゅう泣いて、みっともない姿を何度も見せる。
 しかし、そんな彼に対して、本書の村上龍は、次のようにとても優しい。
 「不安が強いとき、不安に逆らうとさらに不安になり、悪循環が起こってやがてそれはパニックとなる。今は不安になるのが当然だと思うことが大切なのだ」
 「元気になる必要はない。不安を感じない人間はこの世の中に誰もいない。不安を感じることに不安を感じる必要はない」
 「今は生きるのがとても辛い時代なんです。あなたはこれまでよくがんばってきたし、自分に嘘をついていない。そういう人は余計に辛いんだ」
 
 本書は「希望の国のエクソダス」から十数年後の設定ですが、共通する登場人物は「おれ」と元官僚の山方と当時交際しており、現在は別れた妻の由美子くらいで、少し当時のことを思い出す場面もありますが、前作を知らなくとも十分楽しめます。
 「希望の国のエクソダス」と共通する点は、十数年前に前作で問題を指摘したにもかかわらず相変わらず変わらない日本のマスコミに対する怒りでしょうか。
 「問題点や疑問点を示さず、犠牲者の葬儀や遺族のコメントなど情緒的な報道しかできない日本のメディアの罪は大きい。なんて可哀想なんでしょう。なんて悪い人なんでしょうという二つのアプローチでしかニュースをつくれない」
 「権力を批判し、弱者の側に立つと言う。だが日本で平均してもっとも高額な給与を得ているのはマスコミの人間ですよ。あの連中は、自分を否定したことがないし、疑うこともない。わかるという前提で報道し、記事を書く。わからないことはないというおごりがあるので、絶対に弱者に寄り添うことがでいないんだ」
 「危機感のない人間に危機感しかない人間のことは分からない。最大の問題は、連中が、わかる、理解していると思っていることだ」

 本書はタイトルどおり、現在の日本を憂い、怒って、もう一度日本を廃墟に戻し、腐りきった日本をいったんリセットしようとする「オールドテロリスト」たちが登場します。
 もちろん、テロはいかなる大儀があろうと許されうるべき行為ではない。
 しかし、本書に登場する「オールドテロリスト」たちの「日本を廃墟に戻す」という目標にどこかでシンパシーを感じてしまう主人公セキグチの気持ちは非常によくわかります。彼らに対するセキグチの相反する思いはシンクロします。
 みな、安全なところから批判したり、不平不満をいったり、もっと生活を楽にしてくれ、景気を回復してくれと陳情するだけ。それで日本はまったく変わらず、衰退が静かに始まり、やがて加速して常態になる。そんな日本に対する憎悪に気づかないふりをして毎日を生きている。
 村上龍の過去の作品では、たとえば「半島を出よ」などでは、数多くの兵器が登場し、戦闘場面に数十ページをさき、圧倒的なまでの破壊行為の描写にカタルシスを感じたものです。
 この「破壊行為」というのは「コインロッカーベイビーズ」をはじめ「昭和歌謡大全集」「五分後の世界」などなど、村上龍作品の真骨頂で私が最も心惹かれる作品群で、本書でもとんでもない兵器が登場するのですが、それでも前出の作品群と比較すると肩すかしかもしれません。
 もっとやれ!もっと戦え!ぶち壊せ!と思うかもしれません。
 しかし、本書における語り部を心に弱みを持つセキグチに設定した点、また、本書では大儀のためには罪のない人々を簡単に殺してしまうテロリストを扱ったがためか、「とにかく何よりも破壊がさきだ、あとは野となれ山となれ」路線よりも、現実路線をとったのかもしれません。
 それでも余韻を残したラスト数行には痺れます。
オールド・テロリストAmazon書評・レビュー:オールド・テロリストより
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No.2:
(5pt)

未読でレジに持っていける唯一の小説家

店頭で新作を見た途端、おお、と小声を発する唯一の小説家

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今でも満州国の人間なんです

あきらめと無気力の場所では、何かに挑む意欲は湧いてこない

現実や他人と折り合いをつけて生きることは、普通以上の価値がある

形ではなく心

必要不可欠なものを失った人間には明るすぎて不自然だ

「闇がないってことですか」そう言って微笑んだ

それでわたしとまた会いますか

分散型組織は組織的な被害が最小

現代の戦争はほとんどが市街戦

問題点や疑問点を示さず、情緒的な報道しかできない日本のメディアの罪は大きい

人間の図々しさは暴力に近い。身体の内側を強引に傷つける

労働とは無縁の手

勝新太郎、若山富三郎、鶴田浩二、高倉健が、出演者として候補に挙がっていた

ただの年寄りではなかった

着ぐるみを着れば、役者の拘束時間も短くて済む

自分で自分の生き方を選べるのは数パーセント

おじさん・普通・おばさん

上手な歌なんか今誰も聞きたくないでしょう

イペリットだ
息を吸うな。このまま逃げる
サウナ

シンプルで自然な素材の服を着るように

ハイマン・ロスは安普請の平屋に住んでいた

電通、共同通信の母体は満州

どの流れの金をつかんだのかは絶対に聞かないでください

わたしは、会社や個人を、丸裸にできます

地獄であがいてきた人間の方が言葉に力がある

恥を売る
わたしは犬だったんですよ

いやな場所は、出たほうがいい
笑うことがないから笑わない

全部、原発のあるところです

カツラギさんは、誰にも甘えないからです

何かを変えるためのプランには、静かな怒りが必要なんです

会う人はみな好感を持つだろう

ヤワな人間だから逆にいい

88ミリ対戦車砲だ

ああ、これから、撃つよ
ああ、これから、雨だよ

歴史とは、世の中の軸が変わることだ

わたしは、この国のあらゆるものを信じていない

事実を報じる能力がない

わからないことはないというおごりがある

すべて本当のことを書いてください

お前はしぶとい。死ななかった

おれたちのことを記事にしたら、今、日本国の唯一の希望である東京オリンピックが、間違いなく中止になる

いや。三軒茶屋ですけど

愛情は量

本当にテツなの?

ほとんどすべての投資家が日本から資金を引き揚げるはず

ほら、パパだよ、話す?
誰?パパ?

元気か
元気だよ

パパも、元気?
元気だよ

元女房に信頼されてたでしょう

西木副大臣に連絡がつきました。すぐに会いたいそうです

アメリカの特殊部隊に、日本人の年寄りたちを殺してもらうってことですか

ねじ曲がった劣等意識

お願いなんかしてもムダだと骨の髄までわかっている

後悔することだ

そうだ。何か、目印になるようなものを、お持ちでしょう

人間というのは、不安や恐怖や疑念を維持できる時間が限られているのかも知れない

襲撃してくるのは、おそらくフォース・リーコンだろう

日本が原発テロで潰れると、東アジアのパワーバランスが崩れる

私生活に不平不満があるやつなんか、平気で裏切ったりするんだよ

ドローンだ

スイッチをいれろ

ガソリンを流し込んで、火をつけると脅すんだ

ミツイシの目は輝いていて、一点の曇りもない

書いてくれ

だが、88ミリ対戦車砲は、あと二基、残っている

ーーーーーーーーーー

90点

相変わらず、美人と情報の描写配分がいい塩梅

相当数に取材した裏付け感がある、ことごとく魅力溢れた登場人物

節々からカンブリア宮殿で蓄積されたソースが華麗にアウトプットされている印象

おばさん、石原莞爾、びらん、横浜港北エリアなどの馴染みワードも

最後はミツイシ劇場な様相でなかなか清々しい〆でした

先日観た、北野監督新作やパトレイバー、先日読んだ、日本のいちばん長い日の明け方自刃する陸軍大臣阿南惟幾が、この作品の中でリンクし脳内補完されていきました

希望の国のエクソダスの後日談的要素があり、昭和歌謡大全集の後日談的な半島を出よに似た感覚で読み進めていきました

良し悪しを超えた別格の小説家です。文章の濃密さが経年変わりません。というより、作ごとにアップグレードしているような。消耗品シリーズなど、エッセイも読んでいますので、長編小説ではとくに、ストーリーラインとエッセイ的独自情報がミックスされた唯一無二の特徴があり、そのフレッシュな情報量が物語と絡み大変読み進めていて心地いいんです

55歳からのハローライフで印象的だった水を飲み気分を落ち着かせる描写や、ペットロス的な家族の描き方など、更に描写に幅が出てきて世界観が拡大した印象を受けました

スーパーナチュラルな一重美人も、途中、主人公のメンター的な立場になるところなど、造形が豊かで楽しいです。この付かず離れずの二人の関係は新しいと感じました。相変わらず、台詞を言わされてる感じのしないアドリブ的なフランス映画のような男女描写に好感がもてます

なにより、ミツイシの設定が完璧でした。最初はフィクサー的な実業家二代目の得体の知れない感じでしたが、メルセデスで現れてからラストにかけては、亡国感が見え感動しました

やはり読み手の動静を喚起する稀有な小説家なのだなと諒解しました。
そのような中、信用できるオールタイムベストは、小説家村上龍さん、映像監督押井守さん、俳優田村正和さんです

「弾あ、まだ残っとるがよ」
この精神で生きていくことは必要だと感じました
オールド・テロリストAmazon書評・レビュー:オールド・テロリストより
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No.1:
(4pt)

村上さんは収入のことをインカムと英語で言うのですね。格好いいですね。

おーい、村上さん、おれのレビュー見てくれてるかーい?

村上さんは、カンブリア宮殿のアマゾンの回で「アマゾンのレビューは民主主義的ですっごく良い」って言ってたから、自作のアマゾンレビュー見てんだろー!

でっ、なんなんでしょうか、今作のこの不発感は。

これはつまり、『五分後の世界』的な、生きる目的を喪失した男が、出会いと戦いを通して再生する物語ですよね。

しかし、今作に出てくるジジイどもがまったく共感できないんだ(笑)

いくら政府や社会にムカついたとて、最後っ屁としてテロなんかされたらたまったもんじゃない。

こんな金持ってて「絶大な影響力がある政治家」とお友達なら、もっと他にやることがあるのでは?

というか、ジョーとマツノくんはどこへいったんだい?

しかし、今作の目玉と言えるセキグチのうつ病や辛い生活の描写は克明だし、物語が進むにつれての心境の変化は面白く、村上さんが頑張っていることが分かり評価に値する。

よって星は四つ。

あとは、『希望の国のエクソダス』かなー、なんかのあとがきで「主人公が死ぬ小説は今の時代意味がない」って言ってたけど『半島をでよ』のこども達がガンガン死ぬのはなんで? あれは映画の『バニシング・ポイント』のラスト的な感じかもでしょうがないのかもしれないけど、村上さん言ってることがころころ変わるよ!

さらにはもう一つ言うと『半島をでよ』の少年パートのあとに北朝鮮軍人のパートでまた少年パートみたいに視点をいれかえれば、今回の作品ももっとおもろくなったと思えへん?

どうやねん?
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