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(短編集)

悟浄出立



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【この小説が収録されている参考書籍】
悟浄出立
悟浄出立 (新潮文庫)

悟浄出立の評価: 4.11/5点 レビュー 44件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 21~36 2/2ページ
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No.16:
(5pt)

ちりちりと

読んでいて、万城目作品である事を忘れました。

鹿男やホルモーのような楽しさはない、全然。
でも、読んでいて、なんだか胸がずっとチリチリとうずきました。
作品の主人公それぞれの、腹をくくった瞬間を綴った作品。
どれも好きだったけど、父司馬遷が好きだったかなぁ。
これだけ、続けて2度読みしました。
万城目氏の新しい世界が見えたような。
でもでも、楽しい万城目ワールドも時々はよろしく。
あっちも大好きです。
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No.15:
(4pt)

主役として生きる人、脇役として生きる人。。。

これまでの著作とは一風変わった、中国の古典を題材にした連作集です。

「脇役」から見た語り口が、なかなか興味深い。

脇役がいるからこそ、主役が輝けると思える一冊です。
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No.14:
(5pt)

静かで力強い

著者がよく親しんでいると思われる中国の古典のいくつかを、主人公ではない人物を主人公に据えて、傍らから語らせるという手法でリライトしたものである。
華やかさは少ない。だが、英雄ではないからこそ、身近にせまり、自分と重なりあうようななにかが描き出されているのではないか。
振り返ってみれば、どれもこれもが凛としたたたずまいを持ち、硬い決意のような芯を感じさせる。
虞美人の物語りもよかった。非常によかった。
更に、司馬遷の章が圧巻だった。
書き手としての、書くという営みへの思いが叩き込まれている。
たとえ今、読み手がいなくとも、文字は300年後のその先の人々に物語を届けるかもしれない。
物語を書く使命感のようなものを感じた。
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No.13:
(5pt)

直木賞候補にふさわしい

今までの文才と発想力が、純文学にも通用するという傑作。特に最後がよかった。もちろん表題の悟浄出立も、虞美人の話も「文章がうまくて構成力があって、きちんとまとめられる」本当の実力派になってきたと思う。ぜひ直木賞をとってください。
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No.12:
(4pt)

表面は静かだが内なる激情

万城目氏、ほんとうはこういうのが書きたかったのか?

短編集で、1作目はご存知西遊記のサゴジョウが主役
すべての作品で、「事件」は起きるのだけども、それを認識する主人公たちはあくまでも「静」
でも心のうちは、激情がうずまいている。。。
「悟浄出立」に関しても派手な立ち回りなどありません。あってもそこは重要ではない。

「はい、オチ」というものがないけども、しみじみ・・・?違うなじっくり楽しめました。
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No.11:
(4pt)

ドラマ

西遊記、三国志といった冒険譚・戦記の登場人物を扱いながら、彼らの内面を描いて静かに終わる「悟浄出立」、「趙雲西航」で書き出される、非常に巧みな短編集です。読む側に原典の知識がないと少し厳しいかもしれませんが、あえてそれでもトライした作者に拍手を送りたいと思います。
中国の古典の登場人物を借りていますが、最終的に描き出したのは人間のドラマですね。
ぜひ長編で読みたくなりました。
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No.10:
(5pt)

万城目氏の新境地?!

万城目氏にとって実験でしょうか、それても新境地?これまでと違う香り高い名文を味わいました。
今までの少年の独白ぽい文章が大好きだったので、驚きと同時にちょっと不安にもなっています。
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No.9:
(5pt)

傑作

平成21年yomyom3月号の悟浄出立を読んで西遊記の新たな切り口を見、新鮮な驚きを感じました。
まさに傑作といえます。
万城目 学といえば「ホルモー」とか「とっぴんぱらり」とか「しゅららぼん」とかのイメージが強かったのですが、悟浄出立はそのイメージを変える転機となる作品ではないでしょうか。
多くの人に読んでほしい作品です。
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No.8:
(5pt)

中島敦への憧憬

悟浄出立といい、父司馬遷といい、作者の中島敦への想い。
筆致は違うのだが、どちらも中島氏の作品を感じることが出来る。
悟浄出立は、前にもブルータスか何かで読んでとても気に入っていた。
TV版(西田敏行ブタ版)の西遊記の台詞回しがとても親しみ易い。
でも、意外にお気に入りは、「父司馬遷」。
中島敦 李陵での司馬遷から家族を想起させる文脈はない。
このような人間的な側面を描くことで、李陵の物語の伏線として、
新しい想いに耽ることができる。
キャンプにでも持っていって、焚き火の前で読みたい。
柳 広司氏の「虎と月」も好きです。
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No.7:
(5pt)

一読の価値あり

第2編が出色だった、読者の過半は女性登場編を逍遥するはずで、勿論、それで構わない。
国王の近習にあり、兵を総攬する指揮官である主人公が、50歳を過ぎて故郷の老母を追慕する。
ただそれだけの話だが、作者が本当に書きたかったこの数編の短編連作で、大きな受賞もなく、
100年後誰も思い出さない軽薄な作品を(要求されて)書き続けなくては口に糊できない自分を
三国志の戦士に仮託している、彼の進軍先は、さらに故郷を遠くすること…自らに映している。
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No.6:
(4pt)

おもしろい作品でした

迅速に品物を送っていただきました。内容もどれも面白く、さすが万城目さんですね!
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No.5:
(4pt)

長編の方が……

沙悟浄の話とは!これはおもしろそうだ、と思って読んでみましたが、なんと短編。
また、題材が有名な古典なので、まあおおよその話は知っている…
万城目作品の魅力は読者を驚かせるダイナミックなストーリー展開だと思っているので、
ちょっと物足りなさを感じてしましました。(いや、おもしろいんですけどね。)
スピンオフ的なものとして楽しめました。
やっぱり長編の方がいいなあ。
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No.4:
(4pt)

他者を通して自己を見出す

中島敦へのオマージュ「悟浄出立」に始まり、『三国志』の英雄の憂い「趙雲西航」、四面楚歌の窮境での寵姫の闘いを描いた「虞姫寂静」、刺秦に身を投じた荊軻と同音の名を持つ男「法家孤憤」、娘から見た「父司馬遷」(中島敦『李陵』につながる)で終わる短編集。

五つの短編に共通するのは、他者との関わりの中に自己を見出してゆく人間の生き方だ。

「悟浄出立」では八戒と悟空を通して「趙雲西航」では張飛と諸葛亮を通して、「虞姫寂静」では項羽と范増と伏せられた秘密を通して、「法家孤憤」では奇縁で結ばれた荊軻を通して、「父司馬遷」では父と兄を通して、脇役ならぬ主人公たちが自分の生き方を見出してゆく。

端正かつ冷静な筆致で描かれた「悟浄出立」、存在意義と尊厳をかけた虞美人の奮闘が胸に迫る「虞姫寂静」が特に素晴らしい。

古典に枠組みを借りながら、他者を通して自己を見出す人間の生き様を描き出す、万城目学の深化を感じさせる換骨奪胎の意欲作!
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No.3:
(5pt)

法学部スタイルの文章を極めた!

この『悟浄出立』は、法律学の論文として提出しても受理されるんじゃないか?と思えるほどのアカデミックな文章で書かれています。

 そういうアカデミックな文章になったのは、5つの話が“戦争に関係する共通のテーマ”を持っている!ためではないか?と思いました。ただ、ボクの能力では、その共通のテーマが何なのか?についてはこれを解明することができませんでした。

 ですので、もし解明された方がいたならば、ご教授をお願いします!

 なお、5つの話の中では、3番目の「虞姫寂静」が泣けました!
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No.2:
(4pt)

悟浄出立を読んで.

この書は、全部で5編から成っていますが、その1編2編は、「とっぴんぱらりの風太郎」の模様の下書きのような印象を受けた。3編は「風太郎」の最後の方で、馬にまたがって、10万人の兵たちの中を突っ切って、あの女の元へとたどり着く様子に似ていました。忍者の女は死んでいった?だったかで、あとには小さな花が咲きます。
4編と5編は微妙にお話しが繋がっている。4編においては、世界制覇を目指す国家とそれを拒む反逆者がいるのですが、反逆者はいとも簡単に殺されていきます。しかし、5編において、馬が現れます。この馬は草原を自由に走っていたのですが、どこかの地点で、馬は腹を見せて横たわる。一瞬、死んだかのように見えたのですが、馬は首を持ち上げて再び立ち上がる。最後には復活するのです。この夏から秋にかけて、ぜひ、読んでおきたい一書だと思います。また、合わせて「とっぴんぱらりの風太郎」も読まれると、物語の深い味わいが得られると思う。
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No.1:
(5pt)

傑作短編集

稀にみる傑作短編集。脇役達から語られる古典が、生き生きと蘇ってくる。そこから人生が、尊厳が、自立が、愛がほとばしる。最終話「父司馬遷」は号泣せずには読めないだろう。夏休みに読んで絶対損なし。
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