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(短編集)
悟浄出立
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悟浄出立の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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読んでいて、万城目作品である事を忘れました。 鹿男やホルモーのような楽しさはない、全然。 でも、読んでいて、なんだか胸がずっとチリチリとうずきました。 作品の主人公それぞれの、腹をくくった瞬間を綴った作品。 どれも好きだったけど、父司馬遷が好きだったかなぁ。 これだけ、続けて2度読みしました。 万城目氏の新しい世界が見えたような。 でもでも、楽しい万城目ワールドも時々はよろしく。 あっちも大好きです。 | ||||
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これまでの著作とは一風変わった、中国の古典を題材にした連作集です。 「脇役」から見た語り口が、なかなか興味深い。 脇役がいるからこそ、主役が輝けると思える一冊です。 | ||||
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著者がよく親しんでいると思われる中国の古典のいくつかを、主人公ではない人物を主人公に据えて、傍らから語らせるという手法でリライトしたものである。 華やかさは少ない。だが、英雄ではないからこそ、身近にせまり、自分と重なりあうようななにかが描き出されているのではないか。 振り返ってみれば、どれもこれもが凛としたたたずまいを持ち、硬い決意のような芯を感じさせる。 虞美人の物語りもよかった。非常によかった。 更に、司馬遷の章が圧巻だった。 書き手としての、書くという営みへの思いが叩き込まれている。 たとえ今、読み手がいなくとも、文字は300年後のその先の人々に物語を届けるかもしれない。 物語を書く使命感のようなものを感じた。 | ||||
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今までの文才と発想力が、純文学にも通用するという傑作。特に最後がよかった。もちろん表題の悟浄出立も、虞美人の話も「文章がうまくて構成力があって、きちんとまとめられる」本当の実力派になってきたと思う。ぜひ直木賞をとってください。 | ||||
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万城目氏、ほんとうはこういうのが書きたかったのか? 短編集で、1作目はご存知西遊記のサゴジョウが主役 すべての作品で、「事件」は起きるのだけども、それを認識する主人公たちはあくまでも「静」 でも心のうちは、激情がうずまいている。。。 「悟浄出立」に関しても派手な立ち回りなどありません。あってもそこは重要ではない。 「はい、オチ」というものがないけども、しみじみ・・・?違うなじっくり楽しめました。 | ||||
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西遊記、三国志といった冒険譚・戦記の登場人物を扱いながら、彼らの内面を描いて静かに終わる「悟浄出立」、「趙雲西航」で書き出される、非常に巧みな短編集です。読む側に原典の知識がないと少し厳しいかもしれませんが、あえてそれでもトライした作者に拍手を送りたいと思います。 中国の古典の登場人物を借りていますが、最終的に描き出したのは人間のドラマですね。 ぜひ長編で読みたくなりました。 | ||||
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万城目氏にとって実験でしょうか、それても新境地?これまでと違う香り高い名文を味わいました。 今までの少年の独白ぽい文章が大好きだったので、驚きと同時にちょっと不安にもなっています。 | ||||
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平成21年yomyom3月号の悟浄出立を読んで西遊記の新たな切り口を見、新鮮な驚きを感じました。 まさに傑作といえます。 万城目 学といえば「ホルモー」とか「とっぴんぱらり」とか「しゅららぼん」とかのイメージが強かったのですが、悟浄出立はそのイメージを変える転機となる作品ではないでしょうか。 多くの人に読んでほしい作品です。 | ||||
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悟浄出立といい、父司馬遷といい、作者の中島敦への想い。 筆致は違うのだが、どちらも中島氏の作品を感じることが出来る。 悟浄出立は、前にもブルータスか何かで読んでとても気に入っていた。 TV版(西田敏行ブタ版)の西遊記の台詞回しがとても親しみ易い。 でも、意外にお気に入りは、「父司馬遷」。 中島敦 李陵での司馬遷から家族を想起させる文脈はない。 このような人間的な側面を描くことで、李陵の物語の伏線として、 新しい想いに耽ることができる。 キャンプにでも持っていって、焚き火の前で読みたい。 柳 広司氏の「虎と月」も好きです。 | ||||
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第2編が出色だった、読者の過半は女性登場編を逍遥するはずで、勿論、それで構わない。 国王の近習にあり、兵を総攬する指揮官である主人公が、50歳を過ぎて故郷の老母を追慕する。 ただそれだけの話だが、作者が本当に書きたかったこの数編の短編連作で、大きな受賞もなく、 100年後誰も思い出さない軽薄な作品を(要求されて)書き続けなくては口に糊できない自分を 三国志の戦士に仮託している、彼の進軍先は、さらに故郷を遠くすること…自らに映している。 | ||||
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迅速に品物を送っていただきました。内容もどれも面白く、さすが万城目さんですね! | ||||
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沙悟浄の話とは!これはおもしろそうだ、と思って読んでみましたが、なんと短編。 また、題材が有名な古典なので、まあおおよその話は知っている… 万城目作品の魅力は読者を驚かせるダイナミックなストーリー展開だと思っているので、 ちょっと物足りなさを感じてしましました。(いや、おもしろいんですけどね。) スピンオフ的なものとして楽しめました。 やっぱり長編の方がいいなあ。 | ||||
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中島敦へのオマージュ「悟浄出立」に始まり、『三国志』の英雄の憂い「趙雲西航」、四面楚歌の窮境での寵姫の闘いを描いた「虞姫寂静」、刺秦に身を投じた荊軻と同音の名を持つ男「法家孤憤」、娘から見た「父司馬遷」(中島敦『李陵』につながる)で終わる短編集。 五つの短編に共通するのは、他者との関わりの中に自己を見出してゆく人間の生き方だ。 「悟浄出立」では八戒と悟空を通して「趙雲西航」では張飛と諸葛亮を通して、「虞姫寂静」では項羽と范増と伏せられた秘密を通して、「法家孤憤」では奇縁で結ばれた荊軻を通して、「父司馬遷」では父と兄を通して、脇役ならぬ主人公たちが自分の生き方を見出してゆく。 端正かつ冷静な筆致で描かれた「悟浄出立」、存在意義と尊厳をかけた虞美人の奮闘が胸に迫る「虞姫寂静」が特に素晴らしい。 古典に枠組みを借りながら、他者を通して自己を見出す人間の生き様を描き出す、万城目学の深化を感じさせる換骨奪胎の意欲作! | ||||
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この『悟浄出立』は、法律学の論文として提出しても受理されるんじゃないか?と思えるほどのアカデミックな文章で書かれています。 そういうアカデミックな文章になったのは、5つの話が“戦争に関係する共通のテーマ”を持っている!ためではないか?と思いました。ただ、ボクの能力では、その共通のテーマが何なのか?についてはこれを解明することができませんでした。 ですので、もし解明された方がいたならば、ご教授をお願いします! なお、5つの話の中では、3番目の「虞姫寂静」が泣けました! | ||||
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この書は、全部で5編から成っていますが、その1編2編は、「とっぴんぱらりの風太郎」の模様の下書きのような印象を受けた。3編は「風太郎」の最後の方で、馬にまたがって、10万人の兵たちの中を突っ切って、あの女の元へとたどり着く様子に似ていました。忍者の女は死んでいった?だったかで、あとには小さな花が咲きます。 4編と5編は微妙にお話しが繋がっている。4編においては、世界制覇を目指す国家とそれを拒む反逆者がいるのですが、反逆者はいとも簡単に殺されていきます。しかし、5編において、馬が現れます。この馬は草原を自由に走っていたのですが、どこかの地点で、馬は腹を見せて横たわる。一瞬、死んだかのように見えたのですが、馬は首を持ち上げて再び立ち上がる。最後には復活するのです。この夏から秋にかけて、ぜひ、読んでおきたい一書だと思います。また、合わせて「とっぴんぱらりの風太郎」も読まれると、物語の深い味わいが得られると思う。 | ||||
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稀にみる傑作短編集。脇役達から語られる古典が、生き生きと蘇ってくる。そこから人生が、尊厳が、自立が、愛がほとばしる。最終話「父司馬遷」は号泣せずには読めないだろう。夏休みに読んで絶対損なし。 | ||||
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