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峠越え



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【この小説が収録されている参考書籍】
峠越え

峠越えの評価: 3.89/5点 レビュー 37件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.89pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全37件 21~37 2/2ページ
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No.17:
(3pt)

文庫価格ならお薦めできる

武田滅亡後に安土に向けて出発した本能寺の変後の伊賀越えまでの家康を、過去の戦の回想や駿河人質時代の雪斎大師の教えを交えながら描かれている。
器量があるわけでなく凡庸に過ぎない家康を描いていて面白い。教訓ものとして読んでもためになる。
前半から中盤は面白かった。雪斎とのやりとりや各合戦の顛末も楽しめた。
だが正直後半は失速した。今回の本能寺の変の設定はいらなかったと思う。浅はかな印象をうけたし、キレキレに描かれていた信長が急に小物化し残念だった。光秀も残念な役回りを与えられた。これだったら従来の光秀のノイローゼ、突発的犯行で良かったと思う。
それと最後の峠越えがなんかだらけた。
ということで星三つにした。ただし以上の二点は個人的に合わなかっただけかもしれない。
凡庸な家康があれこれ悩んだり葛藤したりして生き抜く様は面白いし、読んでてタメになったので文庫になった今ならお薦めできる作品だと思う。
峠越えAmazon書評・レビュー:峠越えより
4062187639
No.16:
(3pt)

もうちょっと深く掘り下げて欲しかった気もする内容

本能寺の変へ至る家康の回顧録と、その本能寺の変での家康の逃避行。

回顧録では、天才信長に振り回され、時に苦渋の決断を迫られる家康の姿が描かれ、
この決断を「峠」として表現されています。
そして、「本能寺の変」も一つの切所として「峠」と解釈し、実際の伊賀越えの峠と
かけているあたり、非常に手が込んでいておもしろいと思いました。

ただし、回顧録でいろいろ盛り込みすぎて、個々の内容が少々薄くなった印象も。
信長の家康暗殺を逆手にとった、いわゆる「本能寺の変・家康暗殺説」について、
著者ならでは視点で深く掘り下げて欲しかったというのが読後の感想です。
ちょっとあっさりしすぎていた感じがします。
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No.15:
(4pt)

本能寺の変における信長横死の新しい解釈

弱者としての家康を中心にして、家康の回想という形で物語はすすむ。
長篠の合戦における裏切り行為など新解釈が盛り込まれていて、非常に面白く斬新。
個人的には最後の急展開にいたる決断がやや唐突すぎる感じがするのと、大切な狂言回しでもある穴山梅雪の人物描写がやや物足りない気がする。徳川家臣団は、少ない会話ながらも人物描写がよくできていると感じるのは、いままでとは違う設定だからだろうか。
一気に読める伊藤作品としては、エンターテインメントを感じる作品だと思う。
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No.14:
(4pt)

鳴かぬなら…自ら鳴こうホトトギス

今川・武田・織田の脅威にさらされた、徳川家康の生き様の物語でした。
伊東 潤先生 の作品は、初めてでしたが、歴史についてあまり詳しくはない私でも、
十分楽しめましたし、軽くしかしらないこそ楽しめたといっていいのかもしれません。
徳川家康が天下人という印象が強い為、勝手に誇大なイメージがあった為、
まるでいじられキャラ的に描かれている為
徳川家康の感じ方が変わる一冊となりました。

鳴かぬなら…鳴くまで待とうホトトギスと徳川家康を表す比喩がありますが、
鳴かぬなら…自ら鳴こうホトトギスと改めたいです。
あくまで、この作品上ですが…

長いものに巻かれて、鳴いてやるっる!!ってやけになって意地になって
イジられてたいじめれられっこ徳川家康のちょっとした反撃、
読んでいない方 楽しんでください。
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No.13:
(5pt)

まさしく峠越え

とても楽しめました。伊賀越えの最中に前半生を振り返る構成というのが独特の視点で、興味深く読めました。家康は一般的にも忍耐強い努力家のイメージが既に定着していますが、何故そうならなくてはならなかったのかが説得力を持って描かれていたように思えます。峠越えというタイトルがとても印象的です。
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No.12:
(3pt)

本能寺の変の真実は・・・をベースにしているが。。。

前半に比べ、後半は”信長家康暗殺説”をベースにしているが、深みがたらないような気がする。
いまいち。
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No.11:
(2pt)

暗い

物語が全体的にネガティブ。口で言っている事と、腹の中が違う人物描写ばかりで、気が滅入る。胸が、すく様なシーンが無い。良かったのは、太原雪斎の教えの部分位。期待外れ。
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No.10:
(5pt)

読み応えあり

家康の伊賀越えという下手すればありがちな、また地味な話になりそうな・・・と思って購入を躊躇っていましたが、氏だから良い意味で裏切ってくれるだろうと購入しました。あちこちで取り上げられている伊東氏ですが、この作品もハズレじゃなかったです。最後まで一気に読めました。とにかく、面白かった。
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No.9:
(5pt)

掘り出しもの

といっては失礼なくらい有名な方なのかもしれないが、とにかく楽しめた。

家康と信長については、山岡版「家康」のイメージが強すぎて、幼馴染が協力し合ったと受け取っていたが、確かにそんな甘ったれた関係なわけがない。利用価値を見出しているから同盟していたに過ぎず、狡兎死して走狗煮らるる、はこの世の理なのだ。

ただ家康が邪魔になっても信長の勝手に同盟者処分はできない。大義名分もなく処分すれば、為政者として失格であると世間がみるからだ。そのあたりバカではない信長の骨折りと、自らの立ち位置を把握している家康が必死で追い込みを回避していく様が非常にスリリングだった。

またキレものといわれた明智が本能寺に際して無様な立ち振る舞いに終始したのも、ノイローゼのためと説明されてもかなり違和感を残すが、これならわかる、という内幕だった。

しかしこの小説の魅力は舞台装置だけではない。家康の口を通して語られる、ヒトに対する筆者の洞察が素晴らしいのだ。

「殿は小心でおられるによって…」とズケズケ直言する三河家臣団と、それを憮然として聞き流すよりない家康の渋面が浮かび、思わず笑ってしまう。

「このような少人数でワシを守れるわけがないであろう。」「殿、勘違い召されるな。殿が腹を切る時間を稼ぐためでござる」「…」

神君伊賀越えで三河主従が必死に死地を切り開くあたりも怒涛の展開で、見事だった。

歴史小説家に欠かせない堅牢な思想と、サラリーマン小説に欠かせない人間描写を兼備した、再読したくなる小説家を知った思いである。
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No.8:
(5pt)

凡庸というがやはり非凡なんだろう

伊藤潤氏の長編は短編ほどの切れがない印象であったが、本書は面白かった。ストーリーは本能寺の変が起きた時に堺に滞在していた徳川家康が三河まで必死の逃避行を繰り広げるというものだが、本書では家康を徹底的に凡庸な武将として描いているところが面白く、最後まで楽しめた。

序盤は姉川の戦いや武田信玄を迎え撃った三方ケ原の戦いなどで家康が男気を見せたとされる戦いが実はそうではなく、ことごとく信長の手のひらで動かされただけであったということが示され、このような解釈もあるのかと感心した。

後半は逃避行が描かれるが、凡庸を自覚する家康が、凡庸であることを自覚した上で腹を括った姿を見せたところに成長が感じられ、そこに非凡なものを感じた。
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No.7:
(2pt)

今一つ

表題にあらわされる光秀の乱時の境からの逃避行がメイン。その前に本能寺の乱が信長に抹殺されそうになった家康の窮鼠の策だったという話が入る。このトリックをなるほどさもありなんと思わせる筋の展開であればよいのだがいかんせん唐突にこのプロットが出てくるので白けてしまう。このメインにたどり着くまでに今川の人質時代からの話が続くがこれとメインの逃避行中の家来とのやり取りとの絡みももう一つ。
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No.6:
(4pt)

忍耐

読んでいて、こちらの胃が痛くなってきました。
一難去ってまた一難・・・・
信長には無理難題を押し付けられてうんざりしてるところに
選択肢はないのに家臣には非難されるし散々です。

そんな事は百も承知だ。

否と言えればどれほど楽か(言ったら破滅ですが)
この経験が晩年の家康を作ったのでしょうか
それにしてもいつの世も弱肉強食ですね
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No.5:
(4pt)

己の凡庸さを自覚していたからこそ乗り越えられた「切所」の連続

桶狭間・姉川・三方ヶ原・長篠といった生き残りを賭けた激しい戦闘や、妻子の処断を求められた信康事件などにおいて、生殺与奪の権利を握っている信長の鋭利で非情な知略に家康は何度となく翻弄されながらも、どうにか薄氷を踏む思いで生き残ってきた。
しかし武田が滅び信長にとっての緩衝地帯としての意義を失った家康は、少数の家臣と共に信長に呼び出され安土から京、堺へと連れ回されるうちに信長の真意に気づき始めるのであった…。

本能寺の変の成り行きに著者なりの新たな推理が加わった作品。「峠越え」とは本書の最後の伊賀越えだけではなく、家康の前半生の苦しい「切所」(=難所)の連続を指している。それを乗り越えられたのは家康に才能があったからでは無く、己の凡庸さを自覚していたからこそと著者は強調している。本能寺の変前後の推理構成にはやや無理を感じるが、それ以外の場面の史実を重ねたリアリティ溢れる心理描写が緻密で、登場人物の実像がまざまざと浮かび上がってくる。
峠越えAmazon書評・レビュー:峠越えより
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No.4:
(5pt)

家康の前半生を真っ向から描いた力作

本書は、徳川家康の生涯屈指の正念場と云える伊賀越え(本能寺の変で混乱する畿内から三河本国への脱出行)をクライマックスに置きながら、桶狭間、姉川、三方ケ原、長篠などの過去の戦を振り返る場面を挟んで、家康の前半生を描き出している。家康本では後半生がメインとなることが多い中で、家康の人生観や人物像がこうした前半生において構築されたという解釈でのストーリー展開は正攻法な人物伝として完成度が高い。

家康の人生と云えば「重荷を負いて遠き道を行くが如し」が広く知られており、明らかにそこを狙った「峠越え」という題名は何度も台詞としても登場することから、著者の真剣勝負な気持ちが伝わってくるものであり、かつその意気込みに恥じぬ出来映えと高く評価したい。前半では、よく似た意味合いで「漬物石」という言葉が登場する。今川、織田、武田と常に列強の圧力で人生どころか自分や家族の命も侭ならぬことを嘆く家康というのは、家康本の中でもかなりネガティブシンキングで面白い。そのネガ家康が、いつしか「峠」という言葉に言い換えを始めていく。そう、峠は越えれば次の展開があるし、自身の足で越えていけるのだ!弱い凡人という自分像をいつしかポジティブに捉え、峠だらけの遠き道を歩み出す家康の生き方は、現代の読者にリアリティを以って伝わるものがある。(山岡版でのキーワードとも云える欣求浄土は本書では登場しない。平和を求め忍苦を重ねる家康は戦後日本の終身雇用モーレツサラリーマンの共感を得たのとは好対照)

そうした真っ当な家康の前半生を描きつつも、著者の面目躍如なところで実に面白いストーリーをかましている。正直ラストの仕掛けはリアリティを欠く気もするが、家康@ネガシンから見た信長という描写はとても面白かった。この信長像は、彼の家臣達を主人公とした短編集「王になろうとした男」にも通底するところであり、本書に大きく厚みを与えているところでもある。

そして、いつもながら、著者は脇役の描写が上手い。雪斎師の使い方しかり、家康に主君とも思わぬ言葉遣いをしながらも三河武士らしい忠義を尽くす家臣達のキャラ立ちがあってこそのラストの伊賀越えのスリリングな展開だろう(この辺は、案外と山岡版を踏まえていたりするのが意外だが面白い)ほとんど登場しない秀吉と合わせ、ポスト本能寺から小牧長久手、更には関ヶ原へと続く遠き道を更に描いて行って欲しいと期待させられる出来栄えだ。
峠越えAmazon書評・レビュー:峠越えより
4062187639
No.3:
(5pt)

家康の切所とは

割とマイナーな武将が主役の多い伊東潤先生ですが今回は徳川家康との事でちょっとびっくりしながら読みました。
武田家滅亡後の1582年4月から物語は始まり回想シーンを挟みながら運命の6月へと向かっていきます。
物語の所々で「切所」というキーワードがでてきます。この切所を見極め、峠を乗り越えたからこそ家康は天下を取る事ができたのでしょう。

今回も伊東潤先生ならではのダイナミックなストーリーと本多重次や太原雪斎など名脇役が健在で一気に読み進める事ができました。
そして毎度お馴染みの感もある嫌な奴キャラもちゃんと登場します(笑)

この本を読んでから著者の「虚けの舞」や「戦国鬼譚 惨」を読むとより一層楽しむ事ができると思います。
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4062187639
No.2:
(4pt)

人生訓となる

徳川家康が何故、人質という領主として最低の立場から、征夷大将軍にたどり着けたのか、今から考えると不思議なことです。偶然の他、本人の忍耐や三河武士のような優れた家臣団の存在など様々な視点から多くの人が描いてきました。
 伊東さんはユニークな視点で歴史を捉える好きな作家でしたので、家康をどのように描くのか興味を持って読みました。今川家軍師の雪斎の遺言を基に人生を切り開いていき、伊賀越えを達成するまでを描いており、その後の上昇を示唆して本書は終わります。
 三方原の戦いなど歴史のイベントのたびに、家康の心の中での自問自答を作品の中心にもってくるスタイルは大変面白く読みました。ただ、歴史のイベントで桶狭間の戦いや本能寺に家康が黒幕として関与したとのストーリーはやりすぎと思い、星マイナス1としました。
 しかし、「凡庸でなければ超えられない峠がある。」など家康が道しるべとした雪斎の言葉は凡庸な私には伝わってくる言葉です。本書では雪斎が家康に遺言を残す場面が山場です。家康の人物を分析し、今後の時代の予想とそこでの身の処し方を伝授します。家康はそれを拠り所としていくのですが、最後に雪斎が自分自身に向けた悲痛な言葉が印象的でした。皆さんはいかがでしたか。
峠越えAmazon書評・レビュー:峠越えより
4062187639
No.1:
(5pt)

天下人家康に挑む伊東潤

注目作家、伊東潤の最新作。
なだたる有名作家が書き尽くした「徳川家康」を著者独自の視点で捉えた歴史小説。
家康の最大の危機、伊賀越えをメインにして、苦悩の日々を所々に回想として挿んでるのが面白い。
さらに、家康と信長のやり取りや家康のつぶやきが笑えました。
「峠越え」とは様々な問題を乗り越えて現代社会を生き抜かねばならない我々への道しるべではないのでしょうか?
峠越えAmazon書評・レビュー:峠越えより
4062187639

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