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(短編集)
城を噛ませた男
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城を噛ませた男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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関東地方に住んでいる城マニアです。 天守閣なんて無い、単なる村の裏山のような城跡にもロマンを感じて見て回っています。 この作品は、そのようなマニアしか見向きもしないような城跡に命を与えて下さっています。 ここに出てくる城の跡を見た事がある方は少ないのではないでしょうか? 実在した城だとさえ思わずに読む方さえいるのではないでしょうか? この作品に出てきた多くの城の跡を実際に見ました。 その場に、この作品の登場人物たちが歩き、駆け、戦い、命を落とす姿を見せて頂きました。 さらに、それだけではなく、人のドラマとしても、非常にユニークな視点で、 これまで注目されていなかったような逸話を楽しく描いて下さった事にも感謝しています。 ありがとうございます。 これからも楽しみにします。 | ||||
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5編の短編集だが、全てに共通するのは、策に生きる者達が主役であること。 表題の「城を噛ませた男」は、そのユニークな題材とは裏腹に、知略・謀略に生きる男の面白さを正面から扱っており、最も面白く、一方で、もっともドンデン返しのない、王道な仕上がりとなっている。 一方で、最初の「見えすぎた物見」とラストの「江雪左門字」のラストのコントラストなど、短編の並べ方にも巧さがある。後者のラストは、前者のラストがあるからこそ、つまり最初のお終いと最後のお終いが対になっているところが面白い。 また、地域・時代・人物などマイナーなところを扱いながら、人物や時代をクロスオーバーさせることで、短編間につながりを持たせていたりと、作者の手練れぶりからも読者は楽に作品世界に浸れる。映像化されたことのない人というのは、読者が人物像を色々とイメージ出来るので、有体にいえば、勝手にキャスト考えたりできる。 大掛かりな時代絵巻もいいが、こうした狭い土地に己の全てを傾けて戦う者の生き様というのは、時代を超えて、現在を必死で生きる者の共感につながるところがある。その点で、「鯨のくる城」の漁師など、脇役まで丁寧に描きこむことで、リアリティが高まっている。 | ||||
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知る人ぞ知る歴史小説家、伊東潤氏の直木賞初ノミネート作品。 どの短編も良質な出来であり、「鯨のくる城」「城を噛ませた男」「江雪左文字」は、痛快の一文字に尽きる。 史実をちゃんと踏まえた上で、その空白を思いがけない創作で埋めるスタイルに好感が持てる。 特に、関ヶ原の戦いで家康が小早川秀秋軍に鉄砲を放って寝返りを促す、あの有名なシーンの全く異なる真相を描いた「江雪左文字」には、読者はみな唸らされるであろう。 | ||||
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伊東潤氏の作品は、何故か関東に在住した、余り日の当たらない人物を取り上げるケースが多いと思うが、本書もそれに当てはまる作品だ。5篇の短編が収録されているが、名の知れた武将が主人公になるのは第三話の「城を噛ませた男」の真田昌幸ぐらいだ。また主要なキャラクターの大半が豊臣秀吉に滅ぼされた北条家の武将であるため、華々しい戦功はなく、地味なキャラクターばかりだ。 自分も著者が伊藤潤でなければ読まなかったと思うが、以前読んだ「戦国奇譚 首」などの歴史短篇集は何れも面白かったし、本書についても新聞の書評でも激賞されていたので、楽しみに手にとったところ、期待に違わぬ面白さであった。 特に気に入ったのは、「見えすぎた物見」と「江雪左門字」の2作品だ。何れも力のない者が誰が覇者となるのか自己の先を見通す目だけを頼りに、時には誇りまでも捨てて、戦国を生き延びる姿が描かれており、このような生き方も「見事である」と感動させられた。 それ以外の3篇に関しても、「椿の咲く寺」以外は、読み応えのある素晴らしい出来で、歴史小説の面白さを堪能することができた。 | ||||
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短編の名手として、すでに名を成している著者が、得意技の数々を惜しげもなく注ぎ込んだ連作短編集。 何となく読んでいると、ガツンと頭を叩かれるのは、『戦国鬼譚 惨』と『戦国無常 首獲り』と同じ展開(笑)。 「どんでん返しばかりじゃないよ」とばかりに、構成の妙や秀逸な描写で読ませるのは、さらに作家の成長を感じさせる。 この先、どこまで伸びるのか。 次回作が楽しみだ。 | ||||
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城を噛ませた男・見えすぎた物見・鯨のくる城・椿の咲く寺・江雪左文字の全五話の短編集。 それぞれが長編と同等のクオリティーで描かれた作者得意の戦国ストーリーです。 特にそれぞれの題名が気に入りました。 「城を噛ませた男」と聞いても・・・ 豊臣秀吉の北条征伐の発端を描いた小説とは思いませんでした。 自分の城を犠牲にして戦の大義名分を作った真田昌幸。 このへんの小説は多々あるけど、城を噛ませた男と表現した作者の発想に引かれました。 他の「見えすぎた物見」「鯨のくる城」「椿の咲く寺」などは歴史の表舞台に登場しない脇役達を主役に添えて、劇的かつ多彩な物語になってます。 この作者の短編集は好きで良く読むのですが、毎回進化する小説に読む楽しみを味わえます。 ただ、面白かったというだけでなく、作者の伊東潤が何かを訴えてるような気がします。その辺を考えるのも楽しみのひとつですかね。もっとも凡人の私にはなかなか理解できませんが・・・・ | ||||
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