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さまよう刃



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【この小説が収録されている参考書籍】
さまよう刃
さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃の評価: 3.82/5点 レビュー 350件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全350件 321~340 17/18ページ
No.30:
(4pt)

時代

もし、自分の身に起こったら・・・この作品を読んだ人は誰でも考えると思う。私も考えた。読み終わったばかりは「このお父さんと同じ事をするだろう」と鼻息を荒くしてたがしばらくすると「いくら自分の子供といっても同じことをするだろうか?」と考えはじめた。逆に子供が加害者になったらと考えたら果たして自分の子供を許すことが出来るか?いくら考えても実際自分の身に起きてないことなので答えはでない。だけどいつ起きてもおかしくないそんなのも時代なのかな?
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No.29:
(5pt)

何のために何をすれば

最後に、“警察が守っているのは市民ではなく、法律の方だ。法律は絶対に正しいというものではない”という内容のくだりがあり、それがズシリと効く。主人公である父の気持ちがわからない人は居ないだろう。射撃した警察官は、本当に正しいことをしたことになるのか。正しいことには違いないが、正解なのだろうか。重いテーマだと思う。傑作だと思う。ドラマ化、映画化されておかしくない。されるべき作品である。
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No.28:
(3pt)

自分ならどうするのか?

「謎の密告者のやったことは、正しいことだと思いますか。 正義だったと思いますか」蹂躙され殺された一人娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。さまざまな人の思惑が絡んだ事件の行方は「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げられる。遺族に裁く権利はあるのか?「少年法」の是非は?社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?分厚い小説ではあるが、一気に読めてしまう作品。娘のいるお父さんや、女性にはツラクて読みにくいシーンもあり、ただただ憎しみが募ってしまうところもある。ここまで書く必要があるのかとは思うが、きっとこれも必要な手続きなのだろう。 「少年法」「復讐殺人」などなど、問題提起を抱え、自分ならどうするのか自分がその立場になったらどうしたいかを考えるキッカケになる作品。東野圭吾という作家は、人間があまり好きではないのではないかといつも感じる。「性悪説」に基づいたかのように感じる作品は、その人間嫌いだからこそ、迫れる問題に迫っているような気がする。「少年法」に守られた、未成年者に関わらず、被害者や被害者の身内に対してあまりにも非情な現状を、今一度考えてみた方がいいのかもしれません。
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No.27:
(5pt)

社会を斬る刃

主人公、長峰の復讐に賛成している自分がいた。犯罪を犯した少年たちを法律が裁ききることができない、加えて遺族の傷をないがしろにしている法律に強い憤りを感じてしまったためこのような気持ちが生じてしまったのかもしれない。「さまよう刃」この作品はとにかく最初からグイグイとその世界に引きずり込み気がつけばめくるペ-ジがないといったそんな感じであった。終始、主人公のやりきれない想いが痛いほど伝わってくる。いろいろな人物の角度から切り替わって事件をみていることもこの作品の地盤をより強固なものにし盛り上げていた。この人物がこの作品の中にいる、そこにはれっきとした理由があって人物にもまるで無駄がない。理不尽な少年たちの言動も実によく捉え表現していた。ラストは自分の望んでいた結末とは違ってしまって悲しい気もしたが間違いなく秀逸な作品であった。
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No.26:
(4pt)

今の日本の法律を見つめなおしたくなりました

一人娘をレイプされたうえに殺害された父が犯人である少年達に復讐する、いわゆる「復讐殺人」を扱った作品。現代の日本の法律について改めて考えさせられました。他人事じゃない、そして本の中の話だからと片付けられない大きな問題を掲げた作品だと思います。まずは“少年法”のありかた。未成年による凶悪な犯罪が珍しくなくなった現在、“未成年だから”というそれだけの理由で刑が軽くなったり、実名報道されなかったり、そういった配慮は果たして必要なのかという疑問。今の法律では、現代にはびこる未成年による犯罪に効果的な対応がなされなくなっているような気がします。“未成年だから守る”のではなく“未成年にだからこそ教え込む”という姿勢が必要なのではないでしょうか。そして“復讐殺人”について。モラルとしていってしまえばこれはやってはいけないこと。しかし、一人娘があれほどの屈辱を受けて殺害されたのだから、復讐を考えないほうが異常だというのが誰もが抱く正直な気持ちだと思います。だからこそ、読者は被害者の父親の味方をしつつ読みすすめます。彼の判断を、きれい事のない人間としての思いを言わせてもらえば誰一人責める者はいないでしょう。感情論だけで法は変えられないのかもしれないけど、もし同じような犯罪が現実に起こったら法はどんな裁きを、そして国民はどんな感情を抱くのでしょうか。ラストはあまりにもあっけない幕切れであり、とんでもない方向へ疑惑が動いていきました。最後のアレが本当に必要だったのか私にはわからないけれど、心の中に“ええ~っ?そんな・・・”という思いだけが残ったことは確かです。テーマがあまりに重く、現実問題として考え、改善すべき点も見えてくる作品なのでかなり読み応えがありました。
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No.25:
(4pt)

前半の警察宛の父親の手紙でもう・・・

乃南アサ「風紋」「晩鐘」、野沢尚「深紅」、真保裕一「繋がれた明日」、同じ作者の「手紙」など犯罪被害者の遺族や加害者の家族のその後の生活や人生について描かれた作品は数多くありますが、“娘の復讐のため銃を持って犯人を追う父親・・・”なんて少し前なら日本ではありえない荒唐無稽なお話になってしまったのでしょうが、昨今の低年齢化する犯罪や少年法についての議論などを考えれば、とても絵空事ではすまされないリアリティのある物語になっています。前半の警察宛の父親の手紙でもう涙していました。ただ、ラストは初めからハッピーエンドは望めないにしてのああなるしかないのか・・・という思いでした。
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No.24:
(4pt)

すばらしかった

東野さんの本はいつも読み始めると止まらなくなり、一気に読んでしまいます。情景が目に浮かぶ、素晴らしい作品でした。最初の場面で誘拐された娘を待つ状況が『模倣犯』を彷彿とさせました。いっぱい泣けたし、でも私の心情は逃げ回る弱い少年に近かったです。結末は少しがっかりでしたが、この問題に解決方法がないことを改めて知った思いです。
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No.23:
(3pt)

長い時間潰しに最適、大衆娯楽ミステリー

飛行機のフライト中に読んでて助かりました。時間を潰す必要があるとき最適です。愛娘の復讐と未成年犯罪の問題、更に仇撃ち。361ページ、上下2段ですが、内容はきちんとミステリーとして骨格がされてるので集中してすぐ読めます。本は人によってバイブルにもなり価値観が異なるので、あくまで私の感想ですが、扱ってるテーマを掘り下げてはいない大衆娯楽ミステリー。悪行を繰り返す青少年を否定する単純な図式です。
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No.22:
(5pt)

多くの人に読んで欲しい

 今まで生きて、人生1X年。実を言うと、あまり本を読んできていない。時折、気になる小説があると、ちらりと読む。その程度だった。 そんな時、新聞の広告でこの本の事を知った。あまり本を読まない私だが、東野圭吾さんの本は、よく読む。早速購入して読んでみた。広告に記されていた概要通りの内容だった。出始めから、悲しくなった。 この本の終わりについて、物足りないといった評価が少しあるようだ。だが、現実に即した小説として、この終わりは最適なものだと思う。 私もこの犯人と同じ、男であり、歳も近い。読んでいて、殺された女の子に対し、申し訳なくて、涙が出た。
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No.21:
(4pt)

読み応え充分!

被害者の父親から犯人である少年を守るため、警察は奔走する。しかし警察の人間でさえ、長峰に同情する者がいる。「なぜあんなひどいことをした犯人を守らなければならないのか?」同じ年頃の子供を持つ親なら、誰しも長峰のような気持ちになるのではないだろうか?少年というだけで、殺人を犯してもほんの数年で社会復帰できる今の法律。それでは、被害者の家族があまりにもかわいそうだ。人の命をなんとも思わない人間・・・たとえそれが少年でも、厳しく罰するべきではないかと思う。この作品は、現代社会が抱えるゆがみを鋭く描き出している。現在の「少年法」に一石を投じる、読み応えのある作品だった。
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No.20:
(4pt)

作者の問いかけ

作者の作品群はいくつかのカテゴリーに分けることができるが、この作品は「手紙」と同じカテゴリーにいれることができると思う。手紙は犯罪の加害者の側から描いた作品であったが、今回は犯罪の被害者の側から描いた作品である。テーマが難しく重いせいか、作品全体に重苦しい印象をうけた。この作品のラストのあり方については、いろいろな考え方があると思う。むしろそこで読者に考えさせることが作者の狙うところであろう。「秘密」や「トキオ」のように万人受けする作品ではないが、あえてこの作品を書いたところに、作者の強い意志を感じる。
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No.19:
(5pt)

さまよう刃

うむーーーーーーさまよう刃読んだ後の私の気持ちもまだ、刃の行き先をさまよわせています特に若い娘が居る家庭にはキツイ設定でした本当に東野さんの作品は、1mmの無駄がなく芸術作品とゆうよりは、これはまさしく精密機械の域に達しているのでは??と、毎回素晴らしい設定に感動を、覚えます
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No.18:
(4pt)

重いテーマに挑む作者に敬意を払う

テーマは重い。女の子を持つ親として自分の身にいつ起こってもおかしくないテーマである。だからこそ長峰というキャラクターに引き込まれてしまうのだ。長峰の行動が娘を殺された父として取ってもおかしくない、いや取るであろう行動に他ならないからこそ共感を呼んでしまうのだ。最後まで重い雰囲気が続く中、最後の最後のみがこの小説がミステリーでもあることを示している。このあたりに作者の力量を感じる。
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No.17:
(4pt)

東野さんの問いかけでは

 娘を蹂躙され殺された父親が、その犯人に対し復讐を始めるというパターンは過去にもいろいろな作品が書かれており、正直目新しさはありません。ミステリー要素も犯人の足取りの追跡という点で若干。 この作品は東野さんが今の世の中に問いかける作品のような気がします。法律とは何か。警察とは。未成年の問題。今回は特に警察官の心情が良く描かれており、織部刑事の葛藤は、別に警察官でなくても人間なら誰しもが思い悩むことなのではないだろうか。 問題が数多く描かれると何かと話自体が重くなりがちなのですが、東野さんは適度な描写と、いつものテンポよいストーリーで割とすんなり読ませてくれます。その分、いろんなことを読者に考えてもらえるよういろいろと問題提起をしているのだと感じました。 救いの少ない作品ですが、復讐者と化した父親「長峰」とペンションの息子を亡くした女性「和佳子」との、やり取りに人間としてのあたたかさを感じました。
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No.16:
(4pt)

報復

不良少年達に蹂躙され、死体となって発見された娘の復讐をするため、一人を殺害し、もう一人を追って行方をくらませた父親。犯罪被害者による、加害者への復讐・報復というテーマは、私が読んだ少ない書の中でも宮部みゆき『クロスファイア』『スナーク狩り』などがあり、比較的多いテーマだと思う。報復を狙う者の葛藤、その報復者を追う側の葛藤、そして、第三者ともいうべき世論・・・といった部分。また、ストーリーの締め方も「お約束」であり、同時にそれ以外を示しにくいテーマでもある。そういう部分で、残念ながら目新しさは感じることが出来なかった。むしろこの作品で注目したいのは、加害者の仲間であった誠の存在。仲間として悪行を働いていると同時に嫌悪を感じ、それでも、仲間からの報復を恐れるあまり、決別もできないところに生じる葛藤。身勝手さは間違い無いのだが、彼の描写に対してリアリティを強く感じた。長峰、誠、織部、鮎村、そして・・・。様々な「彼」が登場するわけだが、「彼」らの行動をどう見るかは、帯の通りに「読者次第」なのだろう。
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No.15:
(3pt)

期待を超えてほしかった!

「白夜行」「幻夜」など、東野さんの小説は、非常に場面が目に浮かぶようなリアルな表現が好きで、今回も期待して読み始めた。前半より、目を伏せたくなるような場面も多かったが、映画やTVドラマのようなリアルな表現に、一気に読ませる力のある小説だった。しかし、最後は、あまりにも現実的な終わり方であり、もっと、復讐する側の主人公の「長峰」や、同事件の被害者の父である「鮎村」の心理描写や、葛藤、感情爆発が欲しかった。現実的な結果は、小説のようなものであろうが、もっともっとこの「菅野」を追い詰めて決して「正義」は許さないということを、語ってほしかった。話のオチとしては、結局、刑事の人道的な感情に論点が置かれてしまったが、前半の「長峰」の激昂は、すさまじかただけに、そのエネルギーを最後に爆発して終わらせないと、この「菅野」への憎しみが終わらないという感じがして、盛り上がりに欠ける結末だったと思う。もっと、爆発してください!東野さんの小説には期待しているだけに、また、前半の描写がすさまじかただけに、残念でなりません。
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No.14:
(5pt)

一気に読めます!

奥さんを亡くし、男手ひとつでひとり娘を育て、娘も年頃になって帰宅時間に口出ししてもうるさがられるので、花火大会に行き帰りが心配でも電話するのも・・と、思う細かい父親心理、そのためらっているスキに娘は・・・・。犯罪に手を染めているろくでもない息子を、巻き込まれているだけといいかばう親。親が娘の陵辱されている場面を見るシーンは「かんべんして~」と、読んでいる方が言ってしまいます。主人公も自分が被害を受ける前は、少年法を肯定していたと思います。犯罪を行った少年は、警察にまかせて更生してから罪をつぐなう。しかし、自分の身にふりかかってきたら、そんな事頭から飛んでいってしまうのが、読んでいてよくわかりました。中盤で主人公は「法律は人間の弱さを理解していない」と、言ってます。読んでいてとても心に響きました。主人公にからんでいろいろな人が出てきます。最後に全てがからみ、そうきたか・・・って感じです。この手の警察には、あまりいい感情は出てこないのですが、ここに出てくる警察は読んでいて納得・スッキリです。
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No.13:
(5pt)

やっぱりすごい!

やっぱりこの方の作品はすごいです! 今回の作品はすごく重みのあるテーマでしたが、考えさせられることがたくさんあり涙も出ました。 ラストの方はページをめくる手が早まったのですが、”その法律は正しいものなのか”と語られるとこはハッとするとこであり、今の少年法のあり方を考えさせられました。私にも小さな子供がいますが、やがて成人になるであろう子供にどう教育していけばいいのかという難しさや、わが子をこの世に送り出す恐さも感じさせられました。 親の立場として この被害者の父親のやりきれない気持ちや取った行動には共感しながら読んだので最後はすごく残念な気持ちもしました。
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4022579684
No.12:
(5pt)

正義の刃はやはり法律でしかないのか。

東野さんの作品は一度読んでみたいと思い、正月に購入。3日間で読破。少年犯罪をテーマに被害者に焦点を当てた作品。被害者による仇討ちを警察、マスコミ、加害者家族、市民、読者がどのように見るかポイント。被害者の父を支持する立場で読み進めていったが、最後はやはり作者の結末に賛同した。正義の刃はやはり法律でしかないのか。
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4022579684
No.11:
(3pt)

もう一ひねり欲しかった…

被害者の心理と、誰もが感じている司法の矛盾を実に丁寧に描いていて、最後まで飽きさせない展開はさすが! 手法は「手紙」と似ている。ラストは賛否両論分かれるところ。個人的には「手紙」の方が感動できる。
さまよう刃Amazon書評・レビュー:さまよう刃より
4022579684

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