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さまよう刃
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さまよう刃の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全350件 101~120 6/18ページ
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| 毎度の事ながら救いがないが、今回の結末からは いつもの意地の悪いセンスが感じられなかった。確かに面白く 他の作品と同じように一気に読めたのだが「少年法の在り方」 という今までの人生で何度も考えさせられた事がテーマなだけに この平凡なオチと、結末に少しガッカリした。 おそらく東野さんは小説の面白さより、少年法への疑問を読者に ぶつけたかったのでしょう。しかし、他の人も書いていたが読後に 心変わりや驚きが無かったのが一番残念な点だと思う。 であればせめて面白く、救われる話にしてほしかった。 性描写に文句言っている方は、もっと現実の事件を知るべき。 | ||||
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| 冒頭はどこまでも胸糞悪くなったし、終盤はどう幕を閉じるのかとハラハラさせられた。 この部分を取り上げれば非常に面白い作品だったと思うのだが、どうしても中盤のご都合主義ここに極まれりと言える雑さが無視できない。 本作に限らず東野氏の作品の多くに言えるのだが、話を無駄に長くするために主題から逸れた、とってつけたようなシナリオ、キャラクターを登場させ過ぎなのでは? そのせいで全体を通してとてもチープな印象が読後に残ってしまう。本作も短編でコンパクトにまとめれば名作になったのではないのだろうか、と勿体なく思う。 「悪意」「容疑者X」などは無駄も少なくスマートにまとまっていたと思うし、「手紙」「殺人の門」などは冗長ではあったけれど読んでいる間ずっと重たい気分にさせられた。(特に「殺人の門」を読んでいる時のストレスは凄まじかった^^;) 東野氏の他の作品に期待を込めて★3つです。 | ||||
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| カバー裏にも説明がありますが、レイプ殺人の被害者の心情を描いてあります。 東野圭吾を読んだことがある人なら、もう出だしから、「ああ……これは」という前ふりです。 百ページまでは父親の心情が伝わりすぎて、このままではページが閉じられないと、一気に読みました。 舞台といい、テーマといい、昔のあの残虐な事件を下敷きにしたんだろうなと思います。 それを客観的に、時に主観的に、真正面から容赦ない描写で取り扱っています。 ラストのおまけのような種明かしは、「見事なミスリード!」と思ったけど、 ページを巻き戻ると、最初にそうとしか受け取れない書き方をしていたのでちょっとずるいなと思いました。 話の結末をどう思うかは人それぞれかもしれません。 私はそこで、☆-1としました。 | ||||
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| 復讐や仇討は是か非か。 本書を読むと、どうしても被害者家族の気持ちに沿ってしまいますが、 実際本当に難しい問題だなと思いながら読みました。 本当に、答えを出しずらい問題をテーマにしているだけに、 先の展開が気になり一気に読みました。 一冊の本としての結末は収められていますが、この問題に対する自分の 結論は出せそうにありません。 | ||||
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| 江戸時代の昔から、日本人は仇討ちという行為を良しとしてきた。 この小説は忠臣蔵ではないが現代社会における仇討ちの物語だ。 しかしそれを邪魔する大きな壁が、少年法という法律だ。 鬼畜ともケダモノとも言えるような18歳の少年、それが法によって守られてしまうという理不尽。 警察に捕まっても大事に保護され、ほんの数年で何もなかったかのような顔をして社会に出てくることは明白。 その前にこの手で殺してしまわなければならない、無残に殺された娘の仇を討たなければならない。 主人公はこう考えた。 大方の読者はおそらくこの主人公長峰の行動を支持していたんじゃないかと思う。 私もそうだった。 殺せばいいのだ、殺すしかないのだこんな奴は、そう思った。 殺してほしかった。 そして実はここに登場する刑事たちの心も同じだったのだ。 法に従わざるをえない、つまり仕事として長峰を逮捕するよりほかないのだが、心のどこかでは長峰があのガキを撃ち殺すことこそが正義ではないのかと思っていたのだ。 長峰がまだ18歳の鬼畜を撃ち殺してその後逮捕される、それこそがこの小説のハッピーエンドのはずだった。 しかしそうはならなかった。 長野のペンションの娘、和佳子のためだ。 この人物の存在が今ひとつすっきりしない。 人殺しの長峰を助けかくまう気になったのだが、なぜここまでと思うほどの行動を取る。 べつに男女の仲でもなんでもないのだ。 刑事に先を越され、一時は小諸の駅で2人は完全に別れた、はずだった。 しかしその後すぐ和佳子は高崎駅までやって来て、また長峰と再会した。 気弱になっていた長峰は、和佳子の勧めるがままに自首することを決心した。 読者としてはそれでいいのか、それしかないのか、こう思わざるをえない。 しかしその後急転直下、舞台は上野駅前に移る。 長峰が猟銃を水平に構えている。 その前には呆然とした顔をした鬼畜のガキがいる。 これでハッピーエンドだ。 しかし、引き金を引こうとしたその瞬間、またしても和佳子の叫び声で長峰の心と銃の照準が乱れた。 結局長峰は娘の敵を討てずに死に、鬼畜は生き残って保護された。 和佳子はこうなることを望んだわけではないし、刑事だって長峰を殺したかったわけじゃなかったはずだ。 でも結局こうなった。 人間は法に支配されているのだ。 こんな世界を見せてくれた作者に感謝したい。 | ||||
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| 正直、このようなジャンルの小説はあまり読まないので、読書中も何か「重いもの」を感じながら何とか読み終えた。 凶悪犯罪の被害者家族の目を通したこの世の非情さ・不合理さ・不公平さが描かれている。 そんな現代の世の中に暮らして居る自分もある意味で「無関心な共犯者」なのか? フィクションではあるが、かなり重い内容である。 中盤から登場人物が増えたためか、ストーリーの軸が細くなってしまったように感じた。 登場人物を絞り、さらに掘り下げて主人公の心情を濃く表現してほしかった。 | ||||
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| 序盤は最高に面白かった。最愛の娘がレイプされ、その父が復讐をするという話なのだが、気が付けば自分も復讐に賛成していた。人殺しを容認していたのである。しかし中盤からやや展開が遅くなり、不必要なキャラも登場するため、少し萎えた。それに結末も微妙だった。何より気になったのは、警察から逃亡している人間が携帯電話を使っているのに、場所を特定されないということだった。リアリティに欠ける。ただ、それを考慮してもこの作品は傑作だと思う。きっと読み終わった後には人殺しについての意見が変わるに違いない。法律の存在意義にも、疑問を感じることだろう。 | ||||
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| 次が気になり読みましたが、 正直気分は最悪。 問題提起はわかりますが 読まなければよかったと思うはじめての 東野さんの本。 普段は読んだら古本屋にだしますが、 悪いけど捨てました。 世の男性に間違った印象を与えてほしくないから。残念です。 | ||||
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| いろいろと考えさせられるストーリーでした。登場人物に娘の名前が出てくるとドキッっとしますね! | ||||
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| 特に登場する若者に人間らしさが無さすぎます。恐ろしい事件を起こした人間でも恐怖は感じるはずだし、怖い友人のいいなりになる少年の描写も、考えや感情が浅すぎて、何か人間としてのリアリティが感じられませんでした。一方少年たちが乱暴をするシーンはリアルで不快でした。ストーリーとキャラクターの面で、底が浅く感じた作品でした。 | ||||
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| 花火大会の帰り、一人で夜道を帰宅中の高校生の娘が 未成年の少年3人組(いずれも高校中退してつるんでいる仲間)に 拉致されレイプ被害に遭った上、殺害され死体を遺棄され… 主人公はこの娘の父親で、被害者の親となり 娘を失った苦しみと怒りと絶望に苛まれていきます。 そして、遂に復讐へと行動に移っていきます。 あまりにも生々しい設定と、生々しい描写。 特に、性犯罪を受ける描写シーンの残酷さは容赦なく、 ある程度の覚悟をもって読まないと酷いショックを受けると思います。 ただ、実際の犯罪の場面は、こんな生易しいものではないでしょう。 被害者の人相が解らないほどに殴られたり蹴られたり 引きずり回されたり、多人数による暴行や罵倒…もっともっと悲惨です。 発見された遺体は、暴行の凄惨さを物語っています。 身体の一部が欠損していることも少なくありません。 もちろん、詳細が報道されることはありません。 精神衛生上の配慮をされ、上辺のみが報道されるのみです。 現実は、もっと恐ろしいのです。 ですから、「この描写は酷すぎる」というご意見もありますが、 むしろ、東野氏は抑えて書いたと思われます。 このような題材を扱う以上、事前の取材や資料は膨大だったと思いますが そこから読者への配慮をし、ある程度フィルターをかけて限界まで抑え、 その上での描写だと察します。 非常に怖いことですが、これが現実で起きている事件であり 決して目をそらしてはいけない現実です。 これほど残忍な犯罪をおかしても、少年法で加害者が守られることを 筆者は切に訴えたかったのでしょう。 現実よりもソフトな、ドラマに出てくるような強姦シーンを書いただけでは、 いまひとつ加害者たちの残忍性や異常性は伝わりにくく、 読者に「更生の機会があるのでは」と、誤解を与える恐れがあります。 それを避けたかったのだと思います。 現実は、更生の余地がないほど人間性を欠いた犯罪が多いのです。 未成年であっても、もう救いがないほどに。 ただ、もう少し掘り下げて描いて欲しかったのが 犯罪に遭う前の親子関係や、娘さんの様子ですね。 もっと幼い頃から娘を大切に育ててきた場面、 妻の死後、男手ひとつで必死に娘を見守り育ててきた場面、 そういう部分が少ないので、被害者の性格も嗜好も解らないし、 娘さんが、単なる性犯罪の被害者としてしかイメージが湧かないのは とても惜しいところ。 もっと、生前の娘さんの人物像や、 愛情あふれる親子関係が解るエピソードを丁寧に設けてあれば、 読者は、より身近で親しい人を失った悲しみを強く感じられ もっと深く悲しみに共感できたのではないかと思います。 同時に、加害者の幼少期にも触れて欲しかったです。 ここまで残忍な犯行をおかすには、原因と前触れがあります。 劣悪な家庭環境、親の育児放棄と良識の逸脱など。 おそらく、中学時代にも散々悪いことをしてきたし 人を傷めつけることなど何とも思わないエピソードがあるはず。 色々な要因が重なって人格が歪む過程を描ききってあれば、 事件後の加害者の親たちの態度にも、より説得力があり、 読者が腑に落ちやすかったでしょう。 そのあたりが残念でしたが、テンポもよく最後まで一気に読めました。 途中で、何度も涙しました。 ただただ虚しく悲しい。 復讐をしてもしなくても、犯罪に巻き込まれた時点で もうどうにもならない地獄に落とされるのが現実で、 遺族は、その苦しみから解放されることはありません。 その持っていき場のない葛藤や怒りが最後まで続きます。 だからこそ、正解はいつまで経っても見つからない。 やりきれない思いでいっぱいになります。 この絶望感こそ、子供を犯罪で失うことの現実であり 生き地獄にひとしい、筆舌に尽くしがたい苦しみなのです。 この小説に登場する、もう一人の被害者の父親… この人が、最も現実の被害者遺族に近いのではないでしょうか。 主人公は、いささか理想化された被害者遺族の姿ですし 実際は復讐の機会など与えられないのが殆どだからです。 この父親の苦しみや怒りこそ、私には最もリアリティがありました。 被害者遺族、刑事、マスコミ、加害者、加害者家族… 色々な観点から描かれているので、より深く考えさせられる内容です。 映画の内容とはかなりかけ離れており、原作のほうが深く凄い。 また、心理的描写が見事なので映画しか知らない方は 原作を一度読まれることをお勧めします。 きつい描写も多いですが、これが現在の日本の現実。 実際に、いくらでもこういうことが起こりうるのが現実です。 事実、起きています。 危機管理意識が薄かったり、「私は大丈夫」「うちの子に限ってまさか」 と、どこか他人事に構えていたりする人にこそ ぜひ読んでいただきたいと思うのです。 少年法のおかしさ、加害者ばかりが守られる裁きについても 折につけ、この本で何度も触れられています。 大変遺憾なことであり、怒りさえ湧きます。 けれども、すぐに少年法が改定されることはないでしょうし そうこうしている間も犯罪は後を絶ちません。 夜道をひとりで歩かない、世の中にはおかしい人間がたくさんいる。 そういう危機管理意識や自覚をもって自衛をする大切さも、 同時に痛感した一冊です。 | ||||
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| 初めて東野作品を読みました。400Pを一気に読ませるのはさすがでしたが(那覇→関空の2時間でほぼ読了)、他の方も書かれているとおり、気になる点や物足りなさを感じました。 1. リアリティに欠ける 伴崎のような不良少年は、一人暮らしの部屋に、名字だけとはいえ表札を掛けたりしません。また被害者の遺留品をずっと手元に置いておくのもおかしいなと。被害者のケータイも電源を入れた時点で場所がある程度特定されたりするものではないでしょうかね? 2. オチの悪さ 密告者についてのどんでん返しはあってもいい要素ではあるが、オチにはなり得ない。読者はカタルシスを得ることなく、現実とおなじモヤモヤとした状態に放り投げられたまま。実際に世の中に存在するこの大きな問題について作者自身の考え、答えとなるような結末とするべきだったのではないでしょうか(そうなのかも知れませんが)。 | ||||
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| 一人娘を溺愛してるので、読んで心が痛み、長峰に多いに共感もしました。 とはいっても、読了まで4日間、私は現実的な欲求を満たす生活をするわけです。 文中の長峰の思いのように、人の不幸は所詮他人事で、ニュース番組が切り替わるように 人は忘れていく訳です。想像はできますが、本当の痛みは当事者にならないとわからないのです。 でも、それでいいと思えます。だからこそ、人間は生きていけるのです、本当に人の痛みを自分の痛みとするなら、 食事も喉を通りません、悲惨な人はいっぱいいるからです。 こういう本を通して、遺族の配慮の必要性も多くの人が感じ、法律もいい方向に変わっていってほしいです。 光市事件の本村洋さんを追った本も読んでみたいと思います。 | ||||
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| 文字だけでこうも表現できるものかと感心したい所だけど 内容が内容なだけに逆に迷惑だわと思う気持ちの方が強い 読んでいて焦点が合わなくなったり、頭がバス酔いした時の様な気分に陥ったのもこの小説だけ しかしそれだけ引き込まれる展開であり描写であったという事 中盤から後半はドラマティックな展開に欠けるので 物足りないですね、前半が前半だっただけにという面もあるのでしょう また密告する少年と出会う機会がないというのは個人的に残念 更に言うとラストもこれで終わり?感が否めない 随分前に読んだ作品だけど未だになにかの拍子に思い出す 非常に印象深い作品だった、が面白いかと聞かれるとまあまあ | ||||
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| 購入した時に、可だったので、このくらいのものかなって感じです。少々の傷はやむを得ないかな。 | ||||
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| 非常に心が痛くなる作品でした。主人公の葛藤が痛いくらいに分かります。ワタクシには息子しかいませんが、もし、娘がいれば…と思うと、簡単に娘を外に出せなくなるところでした。 娘さんがいらっしゃる親は、読まない方が…(-_-;) | ||||
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| キャラ・ストーリー共に、薄っぺらい話でしたね。 登場する若者はすべて、誰もが想像しそうな馬鹿な若者のイメージそのまま(まあこの点だけは、被害者遺族への共感の為に、敢えて安易な馬鹿キャラにしたとも取れますが)。 「正義とは何か知りたい」だのと、哲学でもやってろと殴りたくなるような阿呆女。そしてそんな女に言われた程度で心が揺らぐ、復讐に燃えているらしい父親。 「お嬢さんは喜ばない!」とか、三流ドラマで定番の薄ら寒いセリフには呆れ果てました。最初はわざとそう書いてるのかと勘繰りましたが、父親説得されてますからね(笑) ストーリーも結局、問題提起のみで終わり。 500P近く読まされてこれは酷いでしょう。こんな程度の問題提起は、現実でもしょっちゅうマスコミさんが喚いてますよ。別に世間一般が確実に納得する「正義の正解」を出せなんて言いませんが。小説を書くのなら、読む価値のある斬新なテーマか、作者個人の思想が聞きたいものです。 なんの解答もなく、ありきたりな問題提起で終了ではねえ…… 読み終えても、「ああ、もう知ってます」という感想しか出ないのは完全に駄作でしょう。 | ||||
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| 娘を蹂躙された父親が、その様子が映されたビデオを偶然見てしまい、復讐する話。 あんなビデオを見た直後に遺族が犯人と会ったら、衝動的に殺してしまうのも無理はない。 読者は自然と「自分がこの立場に置かれたらどうするか」を考えることになるだろう。 とくに少年法の理不尽さを被害者側に立って体感できる。だからこそ読み進めるのが大変つらい。最後まで救いがないので読後に虚しさが残る。 「少年法は被害者のためにあるわけでも、犯罪防止のためにあるわけでもない。 少年は過ちを犯すという前提のもと、そんな彼らを救済するために存在するのだ。 そこには被害者の悲しみや悔しさは反映しておらず、実状を無視した、絵空事の道徳観だけがある。」 「裁判所は犯罪者に制裁など加えない。むしろ裁判所は犯罪者を救うのだ。罪を犯した人間に更正するチャンスを与え、その人間を憎む者たちの目の届かないところに隠してしまう」 不良少年自身も、「未成年だからどうせたいした罪にはならない」とわかっており、少年法に守られている、という事にあぐらをかいている。 そして、少年を守ろうとする弁護士が登場し、 「まずは更正して、心の歪みを正し、事の重大さを理解させ、真に反省させる。これが最大の償い」 「子供のプライバシーを守れ」だのを叫び、 育ちが悪く不幸な子だったから、未成年だったから、アルコールのせいで正常な判断ができなかったから、更正と社会復帰を優先するべき、などなど、 被害者側の人間の気持ちを全く無視した意見を交わす。 これでは被害者の傷は癒えない。 被害者は少年の成長の踏み台でしかないのか? 元法相の平岡秀夫は、被害者遺族の前で「あなたは死の恐怖を味わせてやりたいのですか?」「犯罪者にも事情がある」「加害者を憎んではいけない」と遺族を責めたことがある。 子供の命を奪われた親に、「その張本人たちの将来を考えろ」というのはあまりに酷だ。 他人事で、心が痛まないから理想を言えるのだ。 痛みや事実を知らない人に、何かを判断することはできない。 「いかにして同様の被害が出ることを防げるか」というのも難題だ。 結論を言うと防げない。実際の人間の中には、犯罪を繰返す全く更正しない悪人がいるから。 そして社会の仕組みも法律もそういう現実に対応していない。 少年法では、現状にあった裁きができない。このような悪法は改正するべきである。 | ||||
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| 東野圭吾が大嫌いになった。きつい性描写の必要性がわからない。二度と著者の作品は読まない。せっかく購入したので最後まで読みきったが、過去におきた実際の少年事件を連想させ、不愉快極まりない。事件を意識している作品だとしたら、サイテー。携帯を駆使ししているシーンがあるが、都合よく犯人の位置を特定できないなど、今どきある?エンディングも救いようがなく、嫌な後味だけ残った。 | ||||
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| 著者は、85年に『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞した東野圭吾。 (H20/05/25 初版発行) 主人公・長峰の一人娘が花火大会の帰りに少年らに蹂躙され殺害された。 長峰は謎の密告電話によって犯人を知り、復讐心を燃やすこととなる。 犯人の一人を殺害し、さらにもう一人の少年を追うが、そこに犯人少年の遊び仲間、警察官、同被害者の父親、長峰を隠避するペンションオーナーの娘などもっと様々な人々の思惑が交錯しながら、ストーリーが紡ぎだされる。裁きを加えるのは一体誰なのか。正義とは一体何なのか。 東野圭吾作品の一人称をころころ変えつつ、一つのストリームを辿っていく手法は、一つの事象でも多面的に物事を考えさせられるから面白い。 “さまよう”刃、様々な人たちの“刃”がさまようが、実は一番さまよっていたのは当本人の長峰ではなかった。(最後のお楽しみである) これを知った後では、二回目読んだ時の楽しみ方も変わってくるだろう。 本書は、散々議論され尽くしたであろう「少年法」が命題になっているが、話はそれだけに留まらない倫理的・哲学的問題を孕ませてある。 話の終わり方は呆気にとられたが、自分は嫌いじゃない方法だった。 このラストにすることで、読者により真意が伝わることになったと思う。 ───「一番最初はすべての駒が揃っている。そのままなら平穏無事だが、それは許されない。動き、自分の陣地から出ていかねばならない。動けば動くほど、相手を倒せるかもしれないが、自分も様々なものを失っていく。それは人間の人生と同じだ。将棋とは違って、相手から奪ったからといって、それを自分のものにはできないんだ」(p.202) | ||||
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