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さまよう刃
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さまよう刃の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全350件 301~320 16/18ページ
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| 物凄く悲しい物語です。 未成年の犯罪に対する少年法の存在やその意義が大きなテーマで現行の法制度に対するやるせなさや憤りを強く感じさせる内容です。 今まで散々事件になってニュースで取り上げられた事もあって、多くの人が未成年の犯罪に対して「免疫」の様な物ができて「ああ、いつもと同じ事件ね」としか感じないのではなかろうか? 正直、数分のニュースよりも例えフィクションだとしても300ページ超で語られるその「無意味さ」は物凄い説得力を持つ。 登場人物の描写も上手く、みんな自分の感情を持った1人の人間であるという事を感じさせられる。またストーリーが秀逸で後半の主人公が強姦魔を追う展開はいつ発見できるのか、とハラハラさせられる。強引な展開でストレスを感じさせる部分が殆ど無いのだ。 不謹慎な発言かもしれないが、物凄く面白い小説であると思う。 | ||||
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| レイプされた父親の加害者(18才少年たち)に対する復讐である。 少年法への疑問を訴えかけているが、最後は無難に(わざと?)終わらせて著者の意向を曇らせていると感じた。 そこに、今一つ醒めて本を閉じてしまった。 しかし、この小説が我々に問う問題は見過ごしてはいけないのではないか。 現に騒がれている母子殺害事件なども・・・ まだまだ変わっていくには、長い時間がかかりそうですね。 法律ってなんだろう? | ||||
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| レイプの挙句に殺された娘の敵をとるために、父親(長嶺重樹)は娘を殺した少年を殺そうと策略し、それを実行しようとする物語である。要するに、復讐殺人をしようとしているのである。 私は父親の気持ちはわかるなあと思いながら読んでいました。復讐せずに、警察に任していたほうがいいのではないかという気持ちもある。しかし、未成年ということで、少年法が適用されて、時期がきたら犯罪者はまた社会に復帰することになる。少年が罪を犯す場合は、殺人を犯したという罪の重さと被害者が受けた心の傷とが全くつりあっていないように思える。それには、少年法というものがあるからである。罪の重さと心の傷がつりあうことはないとは思うが、成年の場合には、それなりの均衡点で罪が決まるのであろう。被害者の心の傷は、一生消えないのは確かだから。 最後のクライマックスシーンは、いろいろ考えさせられるなあという気がした。全てが解決したかといえば、解決したのであろう。私は、こういう結論もありだと思っている。しかし、被害者の父親のこと、正義のこと、警察の在り方、少年たちの在り方、かくまった女性のこと等いろいろ考えるところが多々でてきたなあと思う。被害者の父親は無念でならないなあという印象が強い。 最後の言葉が印象的だったかな。「警察は、市民を守っているのではない。警察が守ろうとしているのは法律のほうだ。」法律にがんじがらめになって、市民の幸せを守っていないという現状はあるかもしれない。 | ||||
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| 加害者の少年の描写が意図的におざなりにされており、世間というものが見る典型的な後先を考えない若者として作中で扱われている。が、作者が焦点を当てたいのは報復殺人をしようとする父親と、父親に対して同情しながらもそれを止めようとする警察、特に、捜査陣の中で父親に最も同情的だった若者だろう。彼自身が「さまよう刃」であり、それまでの展開、登場人物の言動がラストで意味を持つ。少年法に全ての責任を押し付けるといった短絡的な結論ではなく、問題提起を行う作家である東野圭吾らしい作品。「天空の蜂」が気に入った人ならこれも大丈夫でしょう。あくまでも中立的、だが感情的、さすが東野としか言いようがないです。 | ||||
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| 前半の父親の怒りの爆発に対し、後半があっさりとしすぎて拍子抜けした。 最後はもっと盛り上がって、読者達の復讐への期待に応えるべきでは・・と思ったとき、気が付いた。 これは、小説ではあるけれど、現実に、いつ誰が同じような目に遭ってもおかしくない悲劇でもあるのだ。 だからこそ、東野氏は、ただのエンターテイメント小説としての物語の大団円を拒否し、 現実にも得てして起こりそうな不完全燃焼のこのラストを持ってきたのではないか。 これは、読み終わって、「ああ面白かった、すかっとした」と ぱたんと本を閉じてしまえば終わりの勧善懲悪ではない。 もっと読者に考える事を要求している。 あなたなら、この未成年犯罪者をゆるせますか? | ||||
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| 日本は法律で守られているので安心して生活できる・・と言われても、この手の小説を読むと、いつも法律って一体なんだろう?と思ってしまう。 少年達に復讐することを目的に、何とか生きていける父親。 どんなに悪いことをしているとわかっていても、それをかばい続ける父親、母親。 そんな親達の心も知らず、自由に暴走を続ける子供。 被害者、加害者、警察、マスコミ・・。 色々な立場の人間の、色々な思い。 一体私は、ここに出てくる誰の気持ちと同じなのだろう・・・。 いつもこの手の小説を読むと自問自答してみるのだけれど、この「さまよう刃」でも、やっぱり答えは出ませんでした。 きっと、自分自身が何らかの形で法律に関わるようなことに遭遇しない限り、自分の事としては考えられないのかも知れない。 「さまよう刃」は、東野圭吾さんが今まで以上に大好きになった1冊です。 | ||||
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| 本を読んでいる途中で、娘を惨殺された(とはいっても、過失致死にされてしまいそうな状況の)父親がかわいそうなのと、理不尽な思いで、何回か読むのを止めようかと思いましたが、それ以上に結末を知りたくて、一挙に読み終えました。 結末に関しては、数多くのレビューがあるように、賛否両論でしょう。少なくともこの本に関して、万人に納得できるような結末がでることはないでしょう。 個人的には、ペンションの和佳子さんの、その後が気になります。 救われるような後日談を加えてほしかったような気もします。 | ||||
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| なぜ、ここまで罪を犯した青年をかばわなければいけない法律があるのかわからない。少年法が厳しければ、罪を犯すことが怖くなり、犯罪が減るのではないかと思う。人を傷つける、殺めた人間は若くても相当の罰を受けるべきであり、もし刑務所の中で更正する機会があれば罰の重さを軽くすることもできるのではないかと思う。復讐殺人、このケースでは、正解なのかもしれないと思いながら読んでいたので、最後は残念。無念。でも、現実には、どうなのだろうか?こういうお話はぜひテレビ化か映画化して、世論に問いかけてほしいと思う。恵まれた生活の中でただれていく若者には我慢できないものがあります。 | ||||
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| 冒頭から娘を持つ親としては、耐え難い描写が続く。 こういう事件に巻き込まれた場合、父親として何が出来るか? 少年犯罪に対する司法の役割の是非を問題適している作品で、 複数の登場人物の発言という形で東野圭吾の主張が読みとれる。 最初から最後まで悲しすぎる展開。 だけど、自分の身に降りかからない保証は無い。 その時、自分ならどうするか? 答えはまだ見つからない・・「正解」は無いのかも。 | ||||
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| 少年犯罪絡みのニュースを見ない日はない、という位、犯罪の低年齢化が進む日本。 法改正も含め色々取りざたされてはいるものの、現状は変わらず。 この本を読み進めていく内に、どんどん父親に感情移入してしまう自分がいた。 「法」と「情」の狭間を何度か行き来したが、彼にはやっぱり本意は遂げさせて あげたかったなぁ… ただそんな結末にしてしまうと、その後を辿った話を書かなくてはおさまりが つかなくなってしまうので、それを考えると妥当であったのか? 辛く、悲しい一冊でした。 | ||||
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| 作者の東野氏は、この小説の題材を用いて何かを主張しようというわけではなく 社会に問題提起を投げかけたかったのではないでしょうか。 それにしても、一連の少年たちの犯行は、凄惨極まりなかったです。 これだけの描写を見せられた読者は、犯人グループに対して、激しい怒りの感情を抱くことは当然でしょう。 その怒りの感情を、一定のカタルシスを生むような方向へ話を持っていくこともできたにも拘らず、それを良しとしなかったところが、さすが東野氏だなぁと思いました。 読んでいて、これほど辛くなる小説は、ありませんでしたが、結末を知るために苦しみながら読みました。 この作品は、東野圭吾=社会派ミステリー作家という冠にふさわしい、素晴らしい傑作だと思います。 | ||||
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| 不良少年達に蹂躙され死亡した娘の復讐のため犯人の一人を殺害し、もう一人の犯人をも手にかけようとする父。 殺させまいとする警察との攻防。 少年法の問題も絡んだ重いテーマの作品だがページを繰る手が止まらなかった。 父が犯人を追い詰められるように情報提供していた人物が誰かわかった時はなんだかホッとした。 「警察は市民を守るのではなく法を守っている」という作品のなかの言葉は重い。 | ||||
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| ある程度先が読める小説であるとは思います。しかし意外な結末には東野氏のうまさを感じました。「さまよう刃」という題名がぴったりの印象です。ただ単純に「悪」が罰せられれば後味の悪い印象になりましょうし、逆に「悪」に何かしらの罰が与えられなくても、小説の読者は納得できない。それは主人公などの登場人物に感情を移入して読んでいるからであり、犯人などに対しては憎悪の気持ちさえ抱くこともあるからです(他のレビューアーの方も私が読む限りではきっとそのような読み方をしているのだと思います)。 少年法というものは、いつの時代もこれからも論議が続いてゆくものであると思います。そうでなければ、人の価値観は社会に全く影響されないということも同じです。自衛隊がそうであるように、法律の解釈は幾通りにもできます。ですからその価値観に正解はなく、ただ現時点で「殺人はいけない」、「少年は守られるべき」という法律があるのみです。 そのような意味で、本書はある一定の価値観に基づいて、現実の世界からそれ程遠い世界でないところで、物語が展開してゆきますから、私にはとても楽しめました。 少年法の是非を問う論議が、このような書籍から広がってゆくことが望まれますが、しかし逆に罪を犯した少年たちが一様に更生しないと一様に考えるのは間違いであると思います。 少年の更生の可能性を配慮しつつ、人々が少年法について考えるようになれば、世間の少年たちの社会への関心も高まるのではないでしょうか。 とても面白い著作でした。 | ||||
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| @100セント仕掛けた人間が悪い。つまり、むなくそわるい。くそガキ2人。→死んだって償えるものじゃない。 A親なら復習したいと間違いなく思う。 Bあと、バカクソダキを育てた、最悪の親。創作だけれど、実際におこったり、起こりうる類のものがたりなだけ、憤りをかくすことができない。 C殺された娘の被害者であり、加害者のナガミネさん、この人の心を癒して助けてあげなければいけない。どうすればいい? D作者には紙面上なのだから、あんなひどい描写をしたのだから、悪いことしたら、必ず自分に帰ってくるという意味で、思いっきり、最悪な結末にして恐れおののいて、恐怖にひきつり、ノイローゼになって、でも逃げられない、恐怖を存分に味あわせるよう描いて欲しかった。 Eたとえ、紙面上とはいえ、屈辱的な内容。 手塚治のまんがにも出てくる、自分のやったことは帰ってくるってことは。 けど、ナガミネさんよりも、助かったもう片一方、先に復習された(でも、たりない、さされるくらいじゃ)やつ二人が先にきちんと、地獄を味わうべきだ。 たかが、物語だけど異常に腹が立つ。 こんなんより、はっきりいって、人を陥れたり、ひどいことした人間(今回のくそガキ)がいかに仕返しを受けて恐怖におののき、後悔して同じ目にあう話とか、そのクソガキ二人の両親がいかに息子たちと同様仕返しを受けて、自分の教育を深く後悔しノイローゼになっていく姿を描いて、世間を教育して欲しい。 有名な作家さんのなだから。ただ、人の興味を引くような(世間で100解決できてない)問題の描写つるだけじゃなく、ばしっと、紙面上で北斗の拳のケンシロウみたく悪者を破滅させて欲しい。 | ||||
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| 恐らくこの本は書く前にある程度構成を固めていたのではないかと思う 何故そう思ったのかと言えば、文章に全くブレが無いからだ。 それぞれの登場人物が抱いている考えは終始一貫しており そのすべてが合理性と不合理性を同時に含むものであるため 誰が正しくて誰が正しくないのか分からないまま物語が終わってしまう。 重要なのは私達自身がそのようなジレンマを抱える社会で生活していることを 深く胸に刻み、そしてどう考えるかを自答することではないかと思う。 | ||||
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| 誰がどう見ても犯人が100%悪い。 自分が親なら、犯人にも同じ目にあわせてやりたい!と誰しも思うはず。 でも、ぶっちゃけどうなんでしょうね、、、 昔から、「仇討ち」、「あだ討ち」という言葉があるほどですからね。最愛の人を殺された復讐はありだったのかも。昔は・・・。 でも、「仇討ち」された身内が今度は「仇討ち」して、次はまたその身内が・・・と エンドレスになっていくのでやはりダメなのでしょう。 人を許すのもまた勇気というところでしょうか。人を許して、自分も救われる? とまあ、言葉で理解しても実際なかなかメンタル的に難しい話であります。。。。 あの結末で、私は良かったと思います。 それほど重くない作品です。さくっと東野ワールドを覗くには丁度いいかもしれません。 | ||||
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| 最初からすごくつらい出だしだった。 私は女なのでレイプされるのがどんなにつらいかはすごくよく分かる。 それと同時に娘がレイプされたという事実をどう受け止めていいか分からない親の気持ち、 昨日いた娘がもうこの世にいないという現実をつきつけられた親の気持ちを読み、思わず涙が溢れた。 被害者のやり場のない怒りや苦しみはすごく伝わってきた。 マスコミや社会の被害者や加害者への対応もすごくリアリティがあって、本当に感情移入しやすかった。 少年法って誰のためにあるのか、、 この本を読んで少年法に対する確かな答えはえられなかったけど、その事について考えさせられたのは事実。 法律は完全なものではないし、理不尽なことも多い。それが今後、被害者の立場にもたったものになっていくといいなと思う。 | ||||
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| 今更ながら読んだ。 被害者が軽視されている、現在の日本の司法制度 に対して、東野圭吾が問題提起した作品。 好きな作品。主人公に感情移入して、ついつい一気読みしてしまった。 実は、読んでいる途中で、最後の結末をなんとなく予想できてしまった。 最後が残念、という人が多いが、ある意味、ハッピーエンド。 東野圭吾らしい終わり方だと思う。 読み終わった後に一番気になったのは、和佳子は今後どんな風に生きるのだろう・・。ということ。 最後に、読み終わって冷静に考えてみると、テーマとしては昔からある 「レイプ」「私刑」というテーマで、若干ステレオタイプな気はした。 でもこのような作品を東野圭吾が書く事に意味があると思う。 できるだけ多くの人に読んでもらいたい作品、ということで★4つ。 | ||||
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| 読者の情感にストレートに訴えることが出来るからであろうが、今ミステリーの世界では、いわゆる「犯罪被害者の人権」・「被害者」側に沿った物語がとってもトレンディーである。加えて加害者が未成年の場合は「少年法」も絡んでくるからなおさら「被害者」側の無念さが増す。 本書は、東野圭吾が「被害者の復讐」と「少年の凶悪犯罪」をモチーフに、’03年9月から1年間にわたって「週刊朝日」に連載された作品の単行本化である。 不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のため、父親は仲間の一人を激情にまかせ、めった刺しにして殺害し、もう一人の主犯格の少年を追跡して復讐を完遂させるため、逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げる。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上げる。はたして遺族に犯人を裁く権利はあるのか? 本書は、読者に対して重い問題提起をして判断を迫るというより、父親の追跡行やそれを助ける女性の姿、「殺人者」となった父親に狙われる主犯格の少年を悩みながらも捜索する刑事など、もともと連載小説だけに各章ごとに視点を変えて最後まで読み手を飽きさせないドラマ仕立てとなっている。 私は心情的には父親に復讐を遂げさせたかったので、この物語のラストには釈然としないものを感じた。 | ||||
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| もし自分が主人公だったらどうするのだろう?最後まで結論がでないまま、その答えを考えつつも、一読、圧倒された作品であった。 東野氏の大ファンである私だが、その部分をかなり割り引いて考えても、このような作品を「傑作」というのだろう。以前の日本社会には殆ど起こりそうもなかった、少年、少女達の極悪、非情な殺人、破廉恥。何故、このようなと思われる幼児殺人等が日常茶飯事に起こっている昨今。 本作は、被害者側の視点、加害者側の視点が真っ向と交差するとともに、全ての読者に、「貴方だったら、どうする?」といった究極の選択、決断を問いかける。奇才、東野圭吾がはなった本作は、まさに時代が生んだ問題作であろう。 | ||||
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