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果てしなき流れの果てに
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果てしなき流れの果てにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 21~40 2/5ページ
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20代で読んでから5年に1度くらいの割合で読み返し、10回ほどは読んでいる。読む度に理解度が深まるが、まだ100%とはいかない。壮大すぎる。「復活の日」もすごいがこの本も小松さんの代表作だと思う。野々村と佐世子の再会シーンには何度読んでも胸が熱くなる。 | ||||
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これぞSFという小説だと思います。 読むのは2回目ですが、私がこれまで読んだ国内外のSFの中でもベスト5に確実に入る名作だと思います。(ちなみに他は、山田正紀氏の「宝石泥棒」、クラークの「楽園の泉」、バクスターの「タイムシップ」など) 人類や宇宙の行き着く果てに何があるのかという根源的な問いがこの本にはあります。現実的には答えを得られるべくも無い疑問かもしれませんが、バクスターの「天の筏」に出てくる「何を知っているかではなく、何を疑問に思うか」という言葉を思い出しました。 結果的にこの小説を気に入るにせよ、気に入らないにせよ、全てのSFファンに一度は手に取ってもらいたい、それだけの価値がある名作だと思います。 | ||||
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この作品は何度も読んでいますが、太陽に2つの大きな黒点が発生する描写の後、途中からどういう話だったかどうしても思い出せません。何度目かの再読です。 前半はミステリアス、ドラマチックな展開でスケールも大きいです。後半から複雑、単発的、観念的になり、印象に残りにくくなります。 タイムマシンが発明されて、後半ではいくつかのルールを、木っ端みじんにする企てをもくろむ組織とそれを止めようとする組織の争いが描かれますが、小競り合いばかりで、読んでいて非常に退屈です。前半でミステリアスに感じた時間、空間を飛び回る描写が、後半は全くミステリアスさがなく、2つの勢力争いの描写も緊張感や盛り上がりを欠いているので、長編ということもあり後半を読むのが本当につらいです。 50年以上前の作品なのに、かなり考えて書かれていますが、何度も読んだのに後半の記憶がないのは、後半が面白くなかったからだと改めて気が付きました。星3.5、おまけして4。 | ||||
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むか~し昔に読んだことがある。そのときは終わり方が今一理解できず、あまり面白いとは思わなかった。しかし年寄りになって再読し、年相応の読み方ができるようになったのか、楽しんで読むことができた。 | ||||
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この作品は読む人によって 好き嫌いがはっきり分かれる作品の様で すが、私個人的には 彼の最高傑作だと思っています。 (何度読み返した事か) なぜ最高傑作と思うかと言いますと、 まず第一に、1965年の時点でこれを書けた先見性。 そして後の小松氏の人生との運命的な重なり。 が理由です。 2020年現在、流石に基本構成の「自由意志」や「宇宙意識?」に強い 疑義が生じていますが、それでも「進化論」や今で言う「AIと自由意志」 等を 同一のパラダイムに落とし込んでいる点は 今なお古さを感じさせ ないと思います。 星新一氏らとの交友関係等のこぼれ話で ある意味良く読む逸話ですが 小松氏の小説は 奥様を楽しませる事(売れる小説家になる前は特に)を考 えて書かれていたとか。 そして小松氏は八面六臂の活動の末、1995年の阪神淡路大震災では「日本 沈没」の先見性から、関西在住の氏は多くの被害者の方々に触れ、多くのイ ンタビュー等を受け 震災と対峙した事が一つのきっかけと言われている鬱 を患ったそうです その姿は刀折れた武士の様で、この物語の一方の主人公である 野々村が我 を喪失しながら 最愛の佐世子を看取り、自身も跡を追う様に息絶えた姿と 重なって見えてしまいます。 この佐世子の姿は 小松氏の奥様への思いの様に感じるのは 一読者の幻想 かも知れませんが、戦いの中で負けるかも知れない者達への慎ましやかな愛 情かも知れないと 切なくなります。 ここまでも少しネタバレだったかも知れませんが、この作品と同様の世界観 の作品は幾つか あって、もしかすると その時代の潮流かも知れませんし、 小松氏が影響を与えたものもあったかも知れません。 比較してみるのも 面白いかも知れません。 「宇宙=人」或いは「ブラフマンとアートマン」=「梵我一如」の世界観 「宇宙の外の宇宙」あるいは「神と宇宙」の世界観 1、「百億の昼と千億の夜」 光瀬 龍 1965年(果てしなき~と同年発表) 2、「暗黒神話」 諸星大二郎 1976年 少年ジャンプ 3、「チョウたちの時間」 山田 正紀 1979年 他にもテーマが近いものや、問題意識が近い作品も多々あると思いますが、 その辺は賛否が大きく分かれると思いますので、読者の皆様が ご自分に 近づけて こちらの書評等で発表して頂けると嬉しいですね。 私には 思い入れのある作品なので長文になってしまい お恥ずかしい限り です。 読後に「面白かったぁ」とか、「すっきりした」という作品ではありません。 どちらかというと ハードなSFなのだと思います。 また扱う分野が広範で、物語の後半では少し力業の収斂(タイムマシンの直列 接続)も気になったりもしますけれど、小松左京を読むなら これを読まない と始まらないと思います。 | ||||
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時間とは空間とは?宇宙とは?生命、人間歴史文化とは。 あらゆる概念疑問を統括していくと、科学と宗教は同じものになる。(という私の表現すら陳腐) そのなんというか、全宇宙の原理、意識(宇宙の成り立ちから太陽が死ぬまでの未来という限られた時間内ではあるが)に触れようとした著者は1965年にこれを書き上げた。 しかも、その全宇宙意識ですら「なにかもっと上の階梯」に動かされているに過ぎない。 一人の人間が、それに触れようとすることで、受けてしまう苦しみは並大抵のものではなかっただろう。 | ||||
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刊行後半世紀を経ても日本SF史上最高傑作の一角を担う本作。 SFのガジェットをほぼすべて網羅する緻密かつ広大な構成と数奇な人間ドラマが、縦糸と横糸をなしています。価値観と感情がこれほど強く揺さぶられた読書体験は珍しく、さっそく夢にこの小説の世界観が出てきてうなされました。 映画化は不可能な世界観なので読むしかないのですが、ただ誰にでもおすすめできるものではありません。複雑怪奇で難解です。 あらすじ(ネタバレあり) 中世代白亜紀の地球。火山弾が降りしきる中、剣竜を食い殺したT・レックスは未知の物音に導かれ洞窟に入る。そこでは金色の電話機が鳴り響いていた…という不可思議なプロローグから物語は始まる。 1960年代の日本都内。大学の理論物理学研究室に、著名な史学研究家、番匠谷教授がいくら砂が落ちてもカサが減らない、不思議な砂時計を持ち込む。研究所の助手、野々村は、番匠谷教授とともに砂時計の発掘された葛城山の古墳に向かう。明らかに古代には存在しえない技術で作られ構造上も謎が多い古墳の初動調査を終え、東京からかけつけた恋人、佐世子と合流する野々村。しかし、本格的な調査を開始する前に関係者は次々と失踪あるいは変死することとなる。野々村も例外ではなく、空港へ向かうタクシーの中で消え失せる。 取り残された佐世子は、失踪事件が起こった関西へ移り住み、中学教師に職を変え、ひとり彼を待ち続ける。謎の昏倒事件の被害者となっていた番匠谷教授は、3年後佐世子に看取られる。 いつしか年老いた佐世子は、晩年に旅の老人とともに暮らすようになるが、やがて二人とも同時期に他界し物語は終了する(エピローグその2)。この時点で小説は4分の1(118P)の分量であり、次章から物語はおよそ想像もつかないほどの跳躍をみせる。 25世紀。宇宙の軌道エレベータ上にある超科学研究所で、20世紀日本で使用されていたTVの解析が行われていた。TVには亡霊が現われ、未来から干渉してくる2つの勢力について警告する。だが、亡霊の名がバンショウヤ・タカノリであることを知った工作員M=アイに資料衛星を破壊され、研究は停滞。 アイは時空を越える進化管理機構に所属する超意識体であり、超科学研究所の破壊から戻った後、第26空間の「収穫」に向かう。全宇宙に存在する全ての「意識」は、審判者たるこの管理機構によって管理されていた。 第26空間に存在する地球は、1億年に1度と推測される太陽の異常発火で終焉を迎えようとしていた。まさに滅亡する数刻前に突如地球へ現れた「宇宙人」を装うアイたち管理機構は、「種の保存のため自分たちは地球人を保護する義務がある」と宣言し、多くの球人たちを円盤で連れ去った。しかし種の保存は方便であり、本来の目的は超能力を持つ地球人を選別し、進化の階梯(回心:オリエンテーション)を進ませ、宇宙管理の先兵に仕立てることにあった。 だが一方で、その管理機構に敵対するグループも存在した。あらゆる変化のベクトルに対する抵抗力が形象化された存在である“ルキッフ”をリーダーとした反逆者たちである。時流の統制を破綻させないように機能する管理機構と、タイムパラドックスを恐れずに歴史改変に介入していく反逆者グループの壮絶な戦いが繰り広げられる。反逆者グループの戦闘員Nは、ルキッフの後任と目されるほどの辣腕を振るい「収穫」のどさくさにまぎれて仲間を増やしていく。 選別された地球人の一人、松浦は、管理機構の船で移送される途中、旧知の女性エルマと再会し極限状態の中で契りを結ぶ。火星にある基地へ搬送されたのち、エルマと引き離された松浦は命がけの試練を乗り越え超能力に開花する(一方、松浦との子を宿したエルマは過去の日本に転送された)。しかしその直後、基地は反逆グループの襲撃により滅びる。その際に肉体が崩壊した松浦は、アイにその意識を吸収される。 松浦を吸収したアイ・マツラはその後、管理機構の工作員として全身全霊を以て反逆者たちを追跡、捕縛していく。 そしてアイ・マツラこそ、番匠谷教授の亡霊が憑依したTVを破壊した工作員Mであったことが明らかになる。 一方、反逆者グループのNは、管理機構のニューヨーク支部を襲撃した際に迎撃され、白亜紀の地球にはじき飛ばされるが、時間機(タイムマシン)を自力で修理し再び未来へ飛ぶ。自分でも理解できないほどの執念でNを追うアイ・マツラとNの、時空を超えた凄まじい追走劇が繰り広げられる。アイ・マツラは地殻変動で海中に没した日本からの難民の末裔が移民したアルファ・ケンタウリⅣまで出向くが、Nを取り逃がす。その後全宇宙の「すべての可能性の結節点」に網を張りめぐらしたアイは、白亜紀の地球で野々村の足跡を見つけ、追跡していく。 紀元前2世紀、7世紀、15世紀、と追跡は続いた。だが、同志に助けられたNは未来へ遡行し追跡の手を逃れていく。その過程で、アイ・マツラは松浦であったとき火星で別離した旧友がネアンデルタール人の慰み者に堕ちている場面に遭遇するが、もはや人としての感情は失っていた。一方古代日本に漂流したNは、仲間とともに葛城山にて古墳の造成と内部工作に携わるが、そこでデジャ・ヴを覚える。不可思議な砂時計に端を発した事件に巻き込まれた後に失踪した野々村こそ、Nが地球人であったときの姿だった(しかし野々村時代の記憶は失われている)。 反逆者たるNの目的は、歴史のフィードバックだった。つまり、未来世界の人間の知識・技能を古代に持ち込むことだった。フィードバックによって1万年を要した人類史の進化を100年に短縮し、新たな生物進化の先を促せるのではないか、それはタイムパラドックスではなく未知の先進的なパラレルワールドを新たに生み出す行為なのだ、と信じていた。 しかし45世紀の鯨座第5惑星で、N(野々村)はついに管理機構に追いつめられた。三台の時間機のエネルギーを一台に集中するという最終手段を選択し、N(野々村)は脱出と引き換えに超空間に突入した挙句、意識だけの存在となる。 全宇宙の進化管理を認識できる場(上位の階梯)にたどりついたN(野々村)は、追いついたアイ・マツラに吸収される。そのとき、アイの中に存在する松浦と野々村の意識が激しく共鳴し、アイは野々村への執着の理由を自覚する。野々村は、地球に転送されたエルマが産み落とした松浦の子供だったのだ。二人の共鳴にアイ自身の秩序が共振を起こし、アイは超空間に直行する方向に上昇を始める。階梯概念に逆らい、果てしなき流れの果てにあるものを求めて、アイは、問いを高に投げ上げる。 超意識体とは?進化管理の意味は?時間とは何か?時空間を超越する存在とは? アイは、自分の属する大宇宙が、超空間において逆行宇宙として認識される、もう一つの別の宇宙とともに、新しい可能性をはらんだ第三の宇宙を生み出しつつある姿をかいまみるが、ついにはイカロスのように力尽き、超意識体としての秩序を保てなくなった後、下位の階梯(つまり諸元の人間世界)の処置へ委ねられた。 そして2016年スイス、ベルンの国立病院。アルプス雪渓で発見されて以来50年間眠り続けた謎の遭難者が目を覚ます。回復した後も全ての記憶を失っていた彼は、自らの帰属する場所を求めて世界をさまよった後、和泉の葛城山麓へたどり着き、そこで一人の老女と遭遇する。老女、つまり佐世子は第一声、「野々村さん?」と彼に語り掛ける(エピローグその1)。 10億年の時の中で宇宙の隅々まで駆け巡り、人間存在と意識・時間の流れを俯瞰しながら生命哲学を壮絶に問い続けた野々村は、最終的にすべての記憶を失うことの代償に恋人の元へ還り、静謐な世界で人生を終えます。 決してわかりやすい描写ではなく、第三章以降は意味が咀嚼できませんでした。ただ、「これはどうしても理解しなければいけない」という焦燥で読み返し、なんとか自分なりにまとめました。 この作品に出会えたことを感謝します。 | ||||
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久々に読んだ空想科学小説ですが、定番通り様々な登場人物が時空を超えた活躍をしており、しかもその原点が現実にある豊かな自然を表現することであるのが、ほろっとします。1960年代に生み出され、根幹としては、見事に現在を予言しており、驚嘆すべきと言えます。私が最も好きな日本の空想科学小説は「百億の昼と千億の夜」ですが、これに十分匹敵する面白さを味わえました。 | ||||
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小松作品の中でも、指折りの傑作だと思う。印象的な砂時計のシーンから、作品世界は恐るべき時空間のスケールで展開される。 日本列島沈没や宇宙エレベーターのエピソードも興味深かった。 | ||||
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初読時、もう作者は活躍しておらず。 リアルタイムだと、首都消失が出てた記憶が朧気にあるくらいの世代で、当時は他に活躍する作家を追っかけてた。 なので、往時の活躍も知るはずもなく。 読んだのはハイペリオンやら何やらよりも後です。 一読してシビれた。 こんなものを書ける作家がいたのか。 同時に、アニメにもなりリメイクもされたセガサターンのゲームの「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」は、これが元ネタなんだろうな、と気づいた。 日本SFの歴史に、燦然と輝く名作だと思います。 | ||||
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55年を経て色褪せぬ凄まじき想像力と体力。巧みな「寄り」と「引き」のカメラワークで描かれた幅10億年の宇宙人類史。個々の危機的場面はきっと当時より現実味が増しており背筋がぞっとした。彼の存在自体がすでにSFです。 | ||||
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還暦目前のSFファンです。中学の頃からずっとSFが好きで読んできましたが、やっぱりいい。 私の中では百億の昼と・・と並んで日本SFのツートップです。 最近、三体を読んでうーん、中国も凄いなぁと思いましたが、50年以上前のこの作品、全然負けてません!おすすめです。 | ||||
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※ネタバレあり 先に内容のあらましを大雑把に説明すると、 過去も未来も並行世界(パラレルワールド)をも縦横無尽に駆け巡り、 人間の進化を管理しようとする側と、それを壊そうとする側との 激しい争いを描くことにより、全宇宙において人間の進化とは? 存在意義とは何ぞや?ということを、小松節炸裂な演出でもって 追及された作品です。 正直、とある古墳の説明など、何度読んでも頭に思い浮かべられない 部分があったりもしますが、それを差し引いても、そのスケールのでかい ストーリ展開や意表を突く章立て構成、そして様々な世界の描写など 読みどころ満載。家庭用PCや携帯電話の姿・形もない1965年に この作品を書き上げた小松氏の、壮大且つ先進的な発想力と想像力には 本当に圧倒させられます。 本来、時間ものSFでは歴史を変えようとする側が「悪」とされる ことが多い気がしますが、この作品ではそれが逆。 確かに主人公が抱く「人間の成しえた様々な技術革新が、 もっと早い段階で発生した場合、人間の進化のスピードは 飛躍的に上がるのでは?」という発想は、個人的には とても面白いと思いました。 大体、時間ものSFでは、歴史の改変を良しとしない意図の 作品が多いと思うので、そういう意味でも読む価値ありだと思います。 終盤山場の神がかった描写、そしてラストの落とし方も秀逸です。 | ||||
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読後に去来する感情はとても複雑である種の放心状態に陥る。日々読み続けてもこういった本に遭遇する事は稀である。 第2章とエピローグその2の後、全く違う小説を読んでいるかのような世界観に移行しほぼ全編それが続く 未来現象と細部設定の何でもありな感(タイムワープ的な物)に冷めてしまう箇所もありSFが苦手な人には少々辛い。 只、そこに様々な伏線や種が撒かれている為、辛抱して読み進めて欲しい。 怒涛の如く押し寄せる第10章と全てが結実するエピローグその1で断念しなかった読書が報われる。 個人的な感想だが、面白くてページをめくる手が止まらずあっという間に読み終えるという類の本ではなかった。 "沈没”や”復活”等とSFへのアプローチが異なるが小松氏の本流はこちらなんだろう。 初版あとがきにある、この小説を書き上げるに至る氏の懊悩に、(そうだろうな)と妙に納得してしまった。 博識な頭脳と常人には比較しようもない天賦と合わせ、一瞬の閃きと元来あったイマジネーションを絞り出すように紡ぎだしたのでしょう。 作家にもその時期にしか二度と書けない作品というのがあって本書にその実感を強めた。 | ||||
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本作の内容や登場人物がどうとか言うのは些細な問題で、単純にスケールが大きいSFを読むと妄想が広がって いくのが気持ち良いですね。 普通の人は自分の一生が世の中のすべてですが、それより前も後も果てしない時間が流れるのだなという事を考え させてくれました。 宇宙誕生から138憶年と言っても、永遠の未来からすれば宇宙は始まってすらない状態かもしれない。 今は4つの力に支配されているそうですが、それも相転移の途中であり測り知れない未来には第5,6・・の 力に分離されていく。 そう今もインフレーションの初期段階なのだ。 とか妄想が広がります。 | ||||
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同窓会にて、小学生のころ(35年も前)先生が読んでくれた事が話題にでてみんなで買い求めました。 最後はどんなだったか。。 | ||||
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小松左京先生のストーリーテラーとしての物語の運びかたが秀逸ですね。ラストも復活の日以上の感動を呼ぶ展開に、ハードSFとしても難解な解説も多い後半ですが一読のマスト作品です。 | ||||
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書籍版を持ってるはずなのに、本の山に埋もれてしまって見つからないのでkindle版で購入。これでもうなくさない。あらためて読み返しても物語の骨格は少しも古くない。小松左京はすごいなあ。逆にデティルが古いのはご愛敬。むしろレトロフューチャーの趣があって良し。 | ||||
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高校2年に読んで受けた衝撃は、その後読んだ『2001』『幼年期の終わり』と同じぐらい大きかった。それらクラークによる宇宙階悌理論への反発が反映した世界観と言えるが、それをヘーゲル=マルクス弁証法(笠井潔)とか言う等々解釈がある。私は神と子と聖霊の三位一体のキリスト教世界観に対抗する、父たる松浦とアイの合体のアイマツラ(=善神アウラマツダのアナグラムauramazuda→aad mazuura)と松浦の子野々村(=悪神アンラ・マンユのアナグラムanramanyu→nanamyura)の対立するゾロアスター教世界観の構造を持つと見る。 野々村は最後までアイマツラに反抗するが、最後はマツラと一体化し、父子の共鳴現象でアイマツラを解体する。父なる神が処女マリアにキリストを懐妊させ、キリストは磔刑で死して再生する。対して、イザナミ・イザナギの如く父は母と物理的に交わり子はゾロアスター教の善神アウラマツダを解体し、父子一体となり宇宙世界秩序をも崩壊して、一人の人間として再生する。拝火教の代わりに拝時教が登場する。 野々村の殺害には時間を遡ったり、父松浦を殺したりすれば良いのにと思わせたりするが、平行宇宙が立ち表れ、破綻しているようでそう思わせない。時間機(タイムマシン)を縦横無尽に使い過去未來の時間と、全宇宙空間を無制限に舞台として、壮大な秩序と反秩序の抗争が父と宇宙人の合体物アイ松浦らと松浦とエルマ(=キリストの母マリアのアナグラムmaria→iarma)の子、野々村らの間に繰り広げられる。アイと松浦が一体化するのはタイムパラドクスを予め回避するご都合主義だが、そう思わせない。 佐世子と彼女の元へ戻った、記憶を失った「松浦+野々村」をいとおしく思いつつ私は宇宙秩序崩壊は相当に勿体ないと思った。また、超能力は実際にあり得ないから、現実的能力のメタファーとして読み替えるべきである。『幼年期の終わり』『2001』も同じ。直前にポール・アンダースン『タイムパトロール』とブルーバックス『ブラックホール』、人類の進化史についてを読んでいたので時々現れる用語や、説明省略にも何の違和感もなかったのは幸運だった。 | ||||
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というか買い足し? 持ってるのがボロボロなのでkindle版を買いました。 一応保存版にしようかなと。 初読当時はあまりの壮大さ(と言うのは相応しくないか) 圧倒されたものです・・・懐かしい | ||||
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