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黒祠の島
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黒祠の島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 41~56 3/3ページ
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新書版で発売された当初、土着信仰を上手く使っているけれど現実味のないミステリだと思った。 会社という村社会の不祥事が連日流れる昨今読みなおすと、土着信仰が企業利益信奉に置き換わっただけという怖さがある。洒落にならない。 ストーリーの展開もさることながら、大陸の断罪信仰があたかも日本古来の信仰であったかのように書き代えられていたといった謎解きや、必要以上に密室やトリックを強調しないところ、警察組織の介入なしであるのに現代のミステリとしての違和感を感じさせない点など、幾重にもおりこまれた物語の枝葉の構造が見事。 「誰が誰を何故どうやって殺したのか」 の謎解きは強引であるが、主人公の目的が「人探し」であることを鑑みると、殺人事件自体が枝葉のこととなるのも仕方がないのか?。 | ||||
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(1)謎解き(推理)の部分、(2)猟奇的(伝奇的)な部分、(3)倫理的(道徳的)な議論の部分、が微妙に絡み合い、見事な作品になっている。ひとつの部分だけを取り上げれば物足りない面もあるかもしれないが、それらの融合物である作品を読めば、読後の充実感に満足せざるを得ない。ある意味爽快な結末を読んだ後も、登場人物たちをめぐり今後発生するであろう倫理的葛藤を含めた多くの課題について考えさせられる。 | ||||
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『屍鬼』を読んだ読者なら、著者お得意の展開に『またか』と頷き、いつの間にかどっぷりと島自体に浸っている自分に気が付くであろう。島に代々住む『住居人』と、島にやって来た『外界人』と言うお得意の展開は、日本古来からある『村八分』と言う概念と、信仰心をたっぷりと織り交ぜながら、驚愕のラストに向けてじわじわと展開してゆく。 何より、地図にも載っていない島と言う特異な環境の中での展開が、読者を惹きつけて離さない。大変面白かった。 物語り半ばで語られる、島の歴史や信仰の歴史のせいで、やや中だるみをしてしまったが、ラストに向けてのスピード感は絶品だった。 | ||||
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閉鎖された島、秘密めいた宗教、血の因縁多き旧家などなど好きなツボがいっぱいでハラハラどきどきっ一気に読めたし先が気になってたまりませんでした!「屍鬼」ほどではないのですが家系図を頭の中でしっかり描いてないとときたま誰が誰だか解からなくなってしまいますが本当におもしろかったーーー☆とくに守護さんの描き方は秀逸。お勧めの一冊ですよ。 | ||||
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閉ざされた島、特異な宗教を持つ閉鎖的な村という舞台設定といい、謎を追ってゆく段階での民俗学的な切り込みといい、小野不由美らしく楽しめました。展開的にも本格的なミステリだったのではないでしょうか。「黒祠」の真実に絡むクライマックスも、仕掛けのどんでん返しも「おお!」という感じでした。贅沢を言えば、もっともっと深く盛り上げてほしかったかな。でもこの長さの小説では充分な面白さでした。ただ、主人公の男性がなぜそんなに行方不明の女性のことを気にするのか、動機づけの部分がちょっと弱かったように思います。読んだかぎりでは、恋人でも親友でもなく、単なる仕事仲間のような感じでしたが・・・。 | ||||
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怖かったです。『悪霊の住む家』も家の描写がえらい怖かった覚えがありますが、それを思い出しました。封鎖された古い家があって、入って行くと居間があって、食卓の上には用意がされている。お茶碗が1つ伏せられていて、誰かは誰かを待っていたことを知る。とても現実感があって、その待っていた人はどうしたのか、どうして食卓は片付けられてはいなかったのか、考えてしまう。彼はどこに行ったのか。その時間が途切れた感じがめちゃくちゃ嫌でした。ミステリが平気で読めるのは、現実の続きじゃないからです。あれはファンタジー。なのにそんな家の描写がリアルだと、殺害現場に立ってるみたいでめちゃくちゃ怖いよ!! 内容はほどよく現実的かつ、ミステリらしくおどろおどろしくて良かったです。ミステリなんでまあトリックもあったわけですが、大掛かりではないので食い足りない人もいるかもしれません。非常にしっかり効果的に使われていて私は好きです。だいたいそんなミステリ好きでもないのでそこでは判断したくないですし。島の設定、黒祠という土俗信仰、それぞれの生い立ち、実によく考えぬかれています。また主人公が良いのです。彼はとある女性を探してくるのですが、彼の記憶のなかで、彼女がしっかり生きています。全体的なキャラクター造型は、それぞれの考え方よりも、どこで育ったかに重点がおかれているような印象があったのですが、彼女の書き方がとても良くって、ミステリで特に本格物についてつきまとう「人物が書けていない」って批判は免れるのではないかなと思いました。(まあ、この批判については賛否あるでしょうけれども)最後がちょっと火車みたいだと思いました。探し続けられたヒロインが最後まで姿を見せないってところとか。だけど丁寧な記述によりすでに読者には既知感があって、その現れ方の鮮やかさに感動する。面白かったです。 | ||||
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罪のない人が殺される、何の罪もないのに・・・テレビのニュースやドラマなどでよく国のまほろば言われるフレーズです。では、それなら、罪のある人は殺してもいいのか?殺されても仕方ないのか?私はいつもそんな疑問を感じてしまうのですが。 罪のない人を殺してはならない、という誓言に縛られた解豸(カイチ)様という伝説の怪物を神として信仰している島で、殺人が起こる。行方不明になった女友達を捜して、その黒祠の島にやってきた式部は不合理な宗教感と島の住人に邪魔されながら、事件の調査をしていく。 主人公の式部は探偵ではなく、ワトソン役です。ではシャーロックは? この物語のおもしろさはそのユニークな探偵像にあると思います。 小野不由美にしか描けないと思われる魅惑的な探偵に魅了されてしまう作品です。 | ||||
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私は「屍鬼」は文庫になってから読んだので新書書き下ろしのときこちらを先に読みました。その完成度は今回再び読んでもすばらしい。はぁ~新作ミステリー早く出ないかなぁ。ラストの情景の色彩の妙は絶品でしょう。鮮やかなトリックとともに心に刻まれるはず。12国記ファンで「屍鬼」は分厚すぎてと思ってる方にも是非お勧めしたいです。 | ||||
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さすが小野不由美ともいうべきすばらしい作品。もう一気に読んでしまいました。読み始めると止まりません。主人公とともに現実離れした島での事件を推理していくが、予想不可能な展開がどんどん繰り広げられていき、最後まで息つくことのできない話です。そして読み終わったあともいろいろ考えさせられます。十二国記、屍鬼もそうでしたが、背景の設定、表現が本当にすばらしいです。 | ||||
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一気に読んでしまいました。物語の舞台となる島、環境、登場人物の役回り等々は、「屍鬼」を彷彿させるとも言えますし、驚愕のラストだ!とキッパリ断言もできません。しかし、地形、天候からその場の空気まで伝わるような「小野不由美の世界」の表現はあいかわらず見事です。孤立した島、昔からの因習、それを取り巻く人々、そして「罪と罰」に対する主人公の内省。「屍鬼」ではかなり大きなスケールで書かれていましたが、今回は短いぶん、凝縮されているといえましょう(=わかりやすいわけではありませんが)。また、今回は「ミステリー=謎解き」としての要素も大きく、腑に落ちる部分もあります。とにかく、小野作品を読んだ方にはご一読をオススメします。 | ||||
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主人公、式部剛の友人である葛木志保はある日式部に意味ありげな言葉と自宅の鍵を残し失踪してしまう。彼女の行方を追って式部がたどり着いたその島こそ、「夜叉島」と呼ばれる過去を語らない彼女の故郷だった。聞き込みを続け、彼女はこの島にいると確信した式部は彼女の捜索を続けるのだが・・・・・・。 タイトルから想像できると思いますが、当然殺人事件が起こります。そして当然犯人がいるわけなんですが、本気で犯人が誰であるか当てたい方はメモをとりながら読み進めたほうがいいです。私にはさっぱりわかりませんでした(汗) 当てることに興味がない方でもミステリ好き、小野不由美ファンにはたまらない作品であることは間違いありません。 | ||||
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探偵事務所に所属する式部は仕事仲間である「葛木志保」を探すために訪れた島、夜叉島で信じられないような事件に遭遇する。手に汗握るリアルな描写に、時間も忘れてどんどんのめり込める。そんな作品です。いつの間にか自分が式部になっているような感覚に陥りました。 | ||||
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小野さんファンとしては一気に読んでしまいました。とても面白かったのですが、ただ最後の方、正直私自身も頭が疲れていたせいか、二人の女性のどちらがどっちがだかごちゃごちゃになってきてしまいました。それだけが自分でも残念だし、もう少しだけあの殺人者の気持ちも知りたかったので星4つです。 | ||||
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小野さんのデビュー作(ティーンズハート時代)からのファンですが、この作品は他のシリーズ作品と毛色は違うものの、非常に良く練られた内容のミステリで傑作であると思っています。結末がわかっているのに、もう幾度となく読み返しています。主人公(男性)が仕事仲間でもあった女性を探すという内容ですが、余計なロマンス要素を一切はぶいて、特殊な島で起こる凄惨な結末へと一気にすすめていく筆致はさすが小野不由美さんと言う他ありません。「罪と罰」というテーマを、こんな切り口で!?”小野作品はシリーズが多いからなぁ”と今まで手にとってこられなかった方、この作品だけでも読んで下さい!おそらく他の著作にも手が伸びます。また、「屍鬼」に震撼された方なら、この「黒祠!の島」は好きかと。逆に「屍鬼」より読みやすい作品だと私は思っていますが。。。評価が低いのが驚きですが、こればっかりは好き嫌いと言う事でしょうか。残念です。だけど、私は非常に好きな小野作品です。 | ||||
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私にはこの本に対する低い評価は不思議としか思えない。冗長で無駄な表現が延々と続くような未熟な小説が多い中、コンパクトでいて、題材といい、話が進むにつれつのる恐怖感といい、よく出来ていると思う。 | ||||
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はっきり言って、小野さんの作品の中で一番の出来だと思います。もともとホラーやファンタジーを書いてらっしゃる小野さんですが、ミステリファンの私にとっては、他のミステリ作品の中でも上位をしめるくらい、面白かったです。ミステリファンには、特にオススメします。最高です。 | ||||
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