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黒祠の島



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黒祠の島の評価: 3.63/5点 レビュー 92件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全92件 41~60 3/5ページ
No.52:
(4pt)

楽しめた

とても楽しめました。
小野さんの作品の良さは、やはり文章力でしょう。
この内容を他の作家さんが書いたのなら、私は最後まで読まなかったと思います。
他の方がおっしゃるように、最後の早送り感は少し残念でした。
主人公が急に流されるように意見を変えたという印象があります。(罪と罰の帳尻)
まだ一度しか読んでいないので、読みこぼしがあったのかもしれませんが・・・。
最後はページが足りないなと思いました。
しかし、結末がわかった上で、読み直してみたいなと思わせてもらえる作品です。

登場人物が途中から急に増えるので、簡単にメモを取りながら読んだ方が、より楽しめると思います。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.51:
(4pt)

大人な小説だと思いました

序盤こそは島の説明や、登場人物を頭に入れていくために乗り切れませんでしたが、やはり小野さんのしっかりとした文章力は安心して読み進められます。ミステリーというと、猟奇的な殺人事件やトリックに気をとられがちですが、小説として読むべきところは作家さんの資質によってもそれぞれ違うのではないかと考えています。そういう意味で、個人的にはとても「小野さんらしい真摯な作品だな」と受け止めて満足しました。一番ぞっとして考えさせられたのは「罪と罰の帳尻合わせ」というところです。閉鎖的で独自の因習を持つ島、として描かれていますが、これはその外にある私たちの社会の縮図としても描かれているように感じました。つまり「黒祠の島」というのはあくまで物語のための舞台であり、そこに拘って描写されているわけではなく、主題はあくまで「人の罪と罰」にあると思います。「犯人は誰か」という謎解き要素よりも、ある環境で起きた殺人という「罪」に対して、人々がどう反応するのか。上手く言葉にできませんが、この作品はただその主題を描くことに集中して、その他の「読者に受けやすい」要素をストイックに削ぎ落としているように感じました。そのために、人によっては「地味」「冗長」ととられてしまうかもしれません。しかし、その細部の積み重ねがあって初めて私たち読者は、赤の他人である被害者に対する想像力を取り戻し、殺人という行為の罪と罰を考えることができます。それができなくなったとき、私たちは容易に「被害者の非」によって、おぞましい事件から眼を背ける自己防衛をはかってしまうのかもしれない…。そんなことを考えさせられる、余韻のある作品でした。で…最後の最後で出てきてしまった彼女は、この作品のなかで唯一華のある虚構性とでもいいましょうか「…サービスなのかな?」などとうがった見方をしてしまいました。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.50:
(3pt)

おもしろいほうではないでしょうか

タイトルのインパクトほどではありませんが、減速することなく読めた気がします。
この人の文章は雰囲気を作るのがとても上手なので、もう少し複線があればと感じてしまいます。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.49:
(4pt)

あれ・・・あれれ?

少し癖のある文章かとは思いますが、
読み出すと止まりません。
「最後の最後で、そうきましたか!」
というのは、魔性の子とか、東亰異聞と同じですね。
毎回、やられてしまいます^^。
途中の展開が二転三転としていきますので、
整理をしながら読むのは大変ですが、
そういうものが大好きな方なら、
存分に楽しめるかと思います。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.48:
(2pt)

狙いがサッパリ見えない凡作

夜叉島と言う邪教が支配する孤島を舞台にした作品。物語は調査事務所の式部が失踪した葛木と言う女性を追って、葛木の出身地の夜叉島に辿り着く所から始まる。島の住民は余所者に対して徹底的に閉鎖的で、特別な神事を行なっている事が冒頭で説明される。
島に着いた式部の目に夥しい風鈴と風車が映った。式部はまず民宿を訪れるが、閉鎖的な島に民宿がある事自体オカシイ。村には元網元で絶対的権力者の神領家があり、葛木と連れの女性麻理はその神領家へ行った事が島への宅配業者の口から示唆される。そして、式部は葛木の実家から最近のものと思われる大量の血痕を発見する一方、派遣医泰田から、数日前、神社の木に逆さに磔にされた全身焼け爛れの女性の全裸死体を発見した事を聞かされる。その形跡が完全に隠蔽された事も。麻理が神領家の当主の隠し子だった事も判明する。葛木の父、麻理の母が過去のほぼ同時期に殺害された事も。
しかし、このような無法状態の孤島で、葛木の捜索に来た式部が、身の危険を全く省みずに平然と捜査を強行する行動原理が不可解。無事でいられる方が不思議なのに、作者はこの矛盾に目を瞑っている。民宿の主人や老母や分家の当主が島の秘密をベラベラと喋るのも島人の設定を考えれば奇異。本来は式部が骨身を削って調べる所だろう。ご都合主義が過ぎる。「黒祀の島」と言う仰々しい題名の割には雰囲気作りも平凡の極み。第一、祭祀権を握る絶対権力者が支配する因習の島での本家・分家争いを中心とした因果譚や、守護の役割なんて既視感があり過ぎる。帯に「実力派の初の本格推理」とあるのが虚しい出来。これなら、濃厚な伝奇ホラー味に徹した方が作者の持ち味が出たと思う。狙いがサッパリ見えない凡作。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.47:
(2pt)

3回も…

こんなに印象的なタイトルなのに、きれいに忘れて、なんと3回も買ってしまった。
「あ、この題名面白そう」と3回買ったということです。アホですね。
そのたびに、冒頭近くの「風車」の描写で早々と思い出すわけです(笑)。
「うわーっ、またやってしまった!」と(笑)。
因習の島という閉鎖社会の不気味な雰囲気が、とても良く書けていると思う。
最後でホッとできるので、後味も悪くないし。
ただ、探偵役に魅力がないのと、殺される人の数が少ない(笑)のとで、あまり気持は入りませんでした。
文章も、決して下手ではないが、平凡で事務的だし。
ともかく、4回目をやらないように気をつけなくては(笑)。
(と思っても、ずっと手元に残しておきたい程の作品ではないので、毎回処分してしまう。だから次もやるかもしれない)
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.46:
(3pt)

気味の悪さを買う

「長編本格推理書下ろし」。本格好きの食指を動かすには、実に魅力的過ぎる文言だ。加えて小野不由美である。夫婦(夫=綾辻)揃って愛読している身としては、手に取ったのは至極当然の事だった。 失踪した女性作家を捜索する為に島に上陸した男性調査員。異端の信仰を通じて島を統制下に置く分限者を頂点とする排他的な島民達の妨害を受けながらの、彼の孤軍奮闘劇が幕を上げる。しかし、残虐極まりない形で発見される彼女の死体!過去の島内での連続殺人の発覚!間断のないスリルが、坂東眞砂子を思わせる土俗的狂気と調和して凄みを効かせてくる。 風車と風鈴に埋もれた邪教の島…。これだけでも既に、美しくも怖気立つ小野ワールドが全開だ。毎度の事ながら、奥ゆかしい文章と想像力の逞しさには唸らされる。更に、本作の眼目である宗教の蘊蓄には、大学時代に仏教を専攻していた彼女ならではの見せ場だけあって、その博覧振りに舌を巻いた。 本作は著者の夫が得意とする叙述トリックが使われている。本格ファンには嬉しい限りだが、その迫力と衝撃は夫にも負けない程の堅固なものだ。同じクローズドサークルでも、私は山荘ものよりは孤島ものの方が好きなのだが、綾辻の「十角館」と同じく舞台が大分(小野の故郷)なのが輪をかけてよい。両者を比較しながら読めば、より一層そそられる事、間違いなし。
黒祠の島 (ノン・ノベル)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (ノン・ノベル)より
4396207085
No.45:
(5pt)

小説をラストから読み始める人には絶対にオススメできませんね

母がこのタイプで、どれだけ最初からトリックと犯人がバレてたら推理小説なんて面白くないじゃん!と言ってもやめないんですよね。むしろ最初から知ってるからこそ張り巡らされた伏線に気付いて、「あー成る程な、こーゆーことだったのか」って納得できて面白いって言い張るんです。う〜ん、納得いかない。そんでもって話したくてしょうがないらしくポロッとネタバレという爆弾を落っことす訳ですよ。果たしてコレはミステリなのか?という事はさておき、『そーなんだよね、気になってラストから読んじゃうんだよ』なんて共感したそこのアナタ、絶対読まない方がいい。この作品はラストのおぞましさへの驚愕――読者が震え恐怖し放心し、真実を知り得たことに狂喜するために全てのページが存在している、と言い切っても過言では無いからだ。己の身をバッサリと真っ二つに斬られるような鮮血の鮮やかさに満ちた衝撃。後ろから読んだばっかりに貴重な体験ができないなんて勿体無い事はしないで頂きたい。うっかりネタバレなんかしちゃった日には殺されるかも。小野不由美節炸裂の耽美な文章に酔いしれながら最初から最後まで舐めるように読むべし。私は彼女の文章が読めるだけで幸せを感じる。もはや小野不由美マニアで構わない。ひぐらしなんかと比べないでね、次元が違います。百歩譲って内容が似ているとしても、あっちは文章にBGMとイラストによる演出付き、文字だけで表現しきった小説と比べるのは……。それにこちらの発表の方が早いんです。因みに小野不由美さんはライトノベル出でありながらも幾つもの作品が各ミステリ大賞の最終候補までいく実力派ですが、ジャンル分けするなら絶対ホラーでしょう。他の作品では東亰異聞と屍鬼がオススメ。人間が恐ろし過ぎるよ、彼女の作品は。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.44:
(4pt)

ちょっと地味めですが

実はこれ、横溝正史の短編を小野不由美が長編にリメイクしたものなんです、といわれたら信じてしまいそうな、そんな作品です。(もちろん違うんですよ、念のため。)
古い因習の残る島、猟奇的な殺人、といったおいしそうな材料が出てきます。
が、連続殺人が次々と起きるというわけではなく、全体に地味ではあります。
逆にいうと、その地味な話を、ここまで読ませてしまう作者の力量をほめるべきでしょう。
筆運び、細部へのこだわり。そんなものが作品を支えています。
細部へのこだわり、ということで、ひとつの例をあげます。
行方不明の人物を探す主人公が、ある重要人物と会談します。
そのとき、重要人物は、人払いしようとします。
しかし、まわりは逆らおうとします。
結局は、重要人物が重ねて人払いし、お付の者が「自分もついていますから」と押し切ります。
どうです。時代劇にでも出てきそうな、実にありきたりのシーンです。
最初読んだときには、まず大抵の人がすんなりと読み飛ばすでしょう。
しかし・・・。
全編を読み終わってから、再度読んでみてください。
まったく違った意味がこめられていることに気付いて、ぞっとするはずです。
私自身は、ここまで細部にこだわる作者の執念に、肌が粟立ちました。
読み終わってから、やたら尾をひく作品でした。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.43:
(3pt)

道具立てや描写は良いのですが…

道具立てや綿密な描写、文章や全体の構成等は素晴らしく、途中まではかなり楽しめました。しかし神領浅緋が登場しアリバイがどうの動機がこうのと語り始めた所で一気に醒めてしましました。座敷牢で下界から遮断された所で育てられた人間が、なんでそんなに俗っぽいのかと。座敷牢で西村京太郎でも教科書代わりにして育てられたのか。なんだかなぁ、という感じで終盤は惰性で読み続け、オチもいかにも取ってつけたようで白けました。まあミステリだからこんなものだと言われればそうかも知れませんが…。それでも途中まではかなりいい感じだったので星3つ、かな。
黒祠の島 (ノン・ノベル)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (ノン・ノベル)より
4396207085
No.42:
(5pt)

閉鎖的社会を書かせたら天下一品

 「屍鬼」を先に読んでしまったせいか、確かに皆さんおっしゃるように、ミステリーとしてはどうかなと思う。どちらかと言えばホラーだろうが、この人の作品の怖さは、人間を知り尽くしているところにある。タイトルにも書いたように、閉鎖的な田舎を書かせたら右に出る者はいない。
 ミステリーとしてはいま一つで、すぐに展開がわかってしまうから、書いても別に支障はないと勝手に判断して書かせてもらうが、このように生まれついての殺人者というのは、いるのだろうか。「羊たちの沈黙」のときも同じことを考えたが、あれは余計な蛇足がついて、レクター博士にはそうなるだけの過去があることが明らかになって、興ざめした。
 一番怖いセリフ「未来永劫だれも殺してはならないのなら、愉しみいうものがありません」。皆さん、どう思われるだろう。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.41:
(3pt)

ひぐらしのなく頃に

島に古くから伝わる鬼、馬頭夜叉への信仰と、実際の連続殺人事件が複雑に絡み合い、謎が謎を呼ぶミステリーです。
今人気の「ひぐらしのなく頃に」に大変似ている印象を受けました。
ただ、私は物語半ばにてトリックがわかってしまったためか、淡々と進む物語が迫力不足で、動きも少ない上に舞台説明に時間がかかり、設定を生かし切れていない感がありました。
本格推理小説と言うよりは、ライトノベルズに近い感じを受けたのは、最後の種明かしのインパクトが強烈だったためかもしれません。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.40:
(4pt)

風車が・・・

軒下につるされた風鈴。
無数の風車。血だらけの廃屋。
静まり返った街、隠さなければならない神社・・・
前半は非常に気味が悪い、「ホラー」
後半は頭脳戦「ミステリー」
気味の悪さは秀逸。
土着の神の不気味さを味わいたいなら
是非読んでほしい作品です。
ストーリーですが、私は「カラクリ」がすぐにわかってしまったので
ちょっと残念ということで★4つにしました。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.39:
(4pt)

孤島に起きた惨劇を島ぐるみで、もみ消そうとするその謎とは?

若い二人が、夜叉島(黒祠の島)を訪れて行方がわからなくなった。往来船の社員は確かに島に渡るのを見たという。ところが島の住人は口を揃えて、「知らない」と答える。
さて、ふたりはどこへ消えたのか。そもそも何故こんな孤島を訪れたのか。そして起きてしまった惨殺な事件…。
謎が徐々に明かされにつれ、島の実態も暴かれていく。この辺の筆力は、さすが小野不由美先生である。
ただ、ほとんど事件の解明が聞き込みだけであること、あんなにかたくなに口を閉ざして島の住人があっさり口をわったことなどは、少し安易だった気がしないでもない。登場人物が似たようなキャラクターが多く、このあたりのディテールを書き込んでもらえたらもっといい作品になったのではないか。
設定やストーリーがいいだけに、実にもったいない。といわけで星4つの評価をつけた。
島の信仰が馬頭観音(実は海○だが)で、そのため黒祠の島と呼ばれるゆえんになった件は興味深く読ませてもらった(僕が仏像好きだからかもしれないけど)。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.38:
(5pt)

真夏に涼しくなりました。

あぁ、おどろおどろしい。
無数の風鈴が鳴り響く、奇妙な因習に包まれた孤島…
そこで起こる残虐極まりない、不可解な殺人…
これまで江戸川乱歩や横溝正史のグロテスクなミステリをいくつも読んできたが、
この作品ほど恐怖を感じたことはない。特にラストの、あの女があの男に匕首(あいくち)
を突きつけるシーンなどは… 
あとは皆さんが本書を手にとってその凄さを確かめてください。
映画化されないかなぁ… そしたらその「女」は栗山千明だろうな。やっぱり。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.37:
(2pt)

長編本格推理

簡単なあらすじは・・・
調査事務所を営む式部剛は、ノンフィクション作家葛木志保と、パートナーを組み数多くの仕事をこなしてきた。その葛木が失踪した。彼女の消息をたどり式部は「夜叉島」という小さな島を訪れる。その島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった。その島であった猟奇的な殺人事件、その被害者こそ葛木だった。古くから信仰に従ってきた島民にとって、それはなるべくして起きた事でしかなかった。しかし調べるうちに島に伝わる信仰が今も生き実行されている事を知る。そしてそこに遺産相続を絡めた複雑な人間関係が絡み・・・
あらすじを書いてても分からなくなってきます。
信仰の部分は面白いのだけど、私には登場人物の整理が出来ないまま最後を迎えてしまいました。
せめて、人物相関図があれば・・・
なにせ、一族で似たような名前だったり、亡くなった人もたくさん出てきたり、名前だけの登場人物も多く、だんだん人物関係より事件の真相を求めて読み進めるようになってしまいました。
あとは島の地図も載せてくれるとありがたかったかも(-_-;)
杜栄は信仰の犠牲になった事により、憎悪を深めていくわけだけど、それ以前の事を考えると彼もまた「鬼」だったのではないかと思う。
やはり私には推理モノは向かないのかも。
同じ小野さん作品でも「屍鬼」の方がずっと面白く読めました〜。
黒祠の島 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (祥伝社文庫)より
4396331649
No.36:
(4pt)

謎が解けていく恐怖

閉ざされた島で根付く信仰。
終幕へ向かうにつれ二転三転する事態、次々と明らかになる事実。
人々を無言で支配する馬頭は、伝説ではなく、実在するものだった…。
内容の濃さと読みやすさはさすが、と思います。
次々と明かされていく謎を頭の中で整理しながら読むのが大変でした。
本土とは慣習の異なる隔離された"島"という舞台は、屍鬼と似ていると思います。
黒祠の島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (新潮文庫)より
4101240280
No.35:
(4pt)

読み応え充分!!

志保の失踪の手がかりをつかむため訪れた夜叉島。余所者を決して
受け入れようとはしない島でいったい何があったのか?殺人事件
さえも島の中で処理してしまおうという閉鎖された考えは異常だ。
わずかな手がかりをたどり奔走する式部。読み手は否応なく作品の
中に引きずり込まれていく。さまざまな人たちの証言から徐々に
真相が見えてくるのだが・・・。古くからの因習にとらわれている
人の心というのは、時には恐ろしい鬼を生み出すこともある。
ラストには、衝撃と驚愕が待っていた。濃厚な読み応えのある
作品だった。
黒祠の島 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (祥伝社文庫)より
4396331649
No.34:
(1pt)

時間とカネを返せ!

主人公と容疑者たちとの会話で推理が進んでいく設定に無理がある。根本的な欠陥であるだけに致命的だ。
新人だったら本にならなかっただろう。
黒祠の島 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (祥伝社文庫)より
4396331649
No.33:
(5pt)

京極堂好きは読んでおいて損はないはず。

世界構築とその説得力には定評がある作者だが、現代を舞台に、離島の因習ドロドロのミステリをうまい按配に料理している。
離島の漁村から脈々と続く地方共同体を、経済的・精神的に牛耳る網元の一族。その命ずるままの町民たちから得られる情報は、何一つ信憑性が無い状況下での、主人公の焦燥感にはひとしお感情移入をそくされる。なぜなら、主人公が得られる情報は当然、作者から読者へと与えられる情報と同じなわけで、全てがミスリードの可能性を孕んでいると思わせれば、これはミステリとして致命的にもなりかねない。
また悪いことに(良いことに?)アンチミステリや新本格といったアヴァンギャルドの存在も読者は知っているわけで、地の文以外の一言一句を「まさか?」という思いを持って読み進めていくことになる。 実はハードボイルドな文体も手伝って、暗黒小説を読むような消耗感を読者は味合わされるだろう。
だが、この文体そのものも一つのトリックになっている事が、クライマックスに至ってわかる。 それ故に、クライマックスの鮮烈さは衝撃的であった。実にシンプルな問題解決の糸口は、ガチンコの本格推理の思考法である。そして、その推理の映えを魅せるのは。。。。 この小説の本質を伝えることはネタばらしに直結する。良く出来ているが故に罪作りな、紹介の難しい、本格推理の、○○○ホラーの、そして○○小説の傑作である。
黒祠の島 (ノン・ノベル)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (ノン・ノベル)より
4396207085

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