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明日の記憶
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	明日の記憶の評価:
	
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
		※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
		未読の方はご注意ください
	
	全175件 121~140 7/9ページ
	
	
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| 最初は、映画の俳優の名前やタイトルがスムーズに出てこないことに始まり、物忘れがひどくなってきたことを自覚する佐伯。 仕事で疲れていることや深酒のせいだ、と思っていた頭痛やめまいが気になり、医師の診断を受けたところ、「若年性アルツハイマー」と診断される。 彼は“失われていく記憶”に抗うように、あらゆることを、必死でメモを取り、仕事をするが、やがて破綻をきたす。 こうしたプロセスや、主人公が記す「備忘録」と名づけられた日記が、時間の経過にしたがって、誤字が増え、やがて記述に簡単な漢字も見られなくなっていく描写が大変巧みで、真に迫っており、胸がつまった。 「記憶の死は、人の死ではないのか」という主人公の自問、ついに妻のこともわからなくなるラストが、哀切をもって伝わってきた。 この物語は、もちろんフィクションだが、患者による「闘病記」の一つではないか、と思うほどのリアリティーがあった。 アルツハイマー診断の要素となる「簡易知能評価スケール」の実際や、若年性アルツハイマーが、介護保険法に定めた「初老期痴呆(認知症)」(15種類の特定疾病のうちの一つ)に該当し、介護サービスの給付対象になることなどについても、簡潔にふれられていたからだ。 誰の身にも起こりうることとして、考えてみるきっかけになる作品だ。 | ||||
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| 実際にアルツハイマーに罹った人が、自分の病気の進行を詳細に記していくのは、初期にしか不可能なことだ。本書はアルツハイマーに罹患した本人の視点で病気の進行を描いたという、他に例のない画期的な作品であろう。 ごく最初は、芸能人の名前がすぐに出てこなかったり、道に迷うようになったり、という事から始まる。これは、私自身もよくあることだ。それがどんどん進行して行ってしまうから、読む人に恐怖を与える。いつも接している人の名前を忘れる、慣れた道で迷ってしまう、取引先との大切な約束をすっかり忘れてしまう・・などなど。過労のせいだろうと軽い気持ちで病院を受診した「私」は、医師から若年性アルツハイマーと診断を受ける。作者がアルツハイマーに掛かっているわけでもないのに、まるでノンフィクションであるかのように思わせるリアルさは圧巻。 夫婦の絆が映画の宣伝文句に使われているので、もっとねっとりした作品を予想していたが、意外にその点はあっさり描かれ、押し付けがましくない所がよかった。感動するというよりは、読み進めるのが恐い作品だった。 | ||||
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| とても淡々とした小説でした。 痛いほど伝わってくる主人公の焦りと悲しみ。 そして、しっかりと支える妻。 自分が自分でなくなる恐怖と戦いながら、自分を取り巻く人たちの温かさや優しさ、哀れさをそれなりに受け止めていく。 少しずつ 削られていく「自分としての人生」の中で、自分を保とうとする主人公に、妻に 心打たれる。 主人公の周りにいる人としての愛情、夫婦としての愛情しか物語の中には存在しない。 双方向の愛が伝わってくる。 | ||||
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| ユーモア作家が金字塔の小説を書いた! 軽いノリ、ユーモアで私を魅了する著者が追求するテーマは、 「昨日まで当たり前だった行為が、ある日、ある出来事を境に、 突然当たり前でなくなってしまう人間心理、人間模様」 ではないでしょうか。 本作品はある出来事として「若年性アルツハイマー」を取り上げた。 いつもの作品と違って、主人公の症状が序々に悪化いくから、読みづらさを我慢しなくてはいけない。だから私は、私ごとに置き換えて読んだ。 作品では、病気の進行、医師と患者、会社の仕事と人間模様、妻、趣味の陶芸教室、娘の結婚等、重いテーマを数多く取り上げている。 娘の結婚が唯一の潤滑油。 テーマを一つか二つに絞ると、更に作品として完成度が上がった。 | ||||
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| きっかけは書店の店頭にあったので、なにげになく手にした本でした。 近年、テレビや雑誌などでも取り上げられている「若年性アルツハイマー」について描かれています。単なる物忘れと思えるような極日常的な会話の中で人の名前を思い出せないという冒頭からこの物語は始まります。 鬼気迫るといった迫力で読ませるのではなく、ごく自然に主人公佐伯さんの日常に溶け込んでいくような文章で、一気に読んでしまいました。先入観を持たずに読まれることをお薦めします。 | ||||
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| 直近の記憶がなくなっていく。 それを医学的には、呆け(アルツハイマー)というのだろう。 しかし、呆けというのは、普通の人の数倍のスピードで生きているため、過ぎていく時間が早くなっていることかもしれない。 呆けている人は、ドッグイヤーやマウスイヤー以上のスピードで生きているので、過去の記憶がなくなってしまうのかも? 読みやすい文体だが、じっくり考えさせられる内容でした。 呆けは、呆けている本人も辛いが、本当に辛いのは、その呆けに付き合わなければならない伴侶なのだろう。 私が読んだ後、妻が読んでいます。(こんなことは初めてです。) | ||||
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| これを読むまでは、 「惚けて死ぬのも本人は幸せなのかもしれない」 などと言っていたが、とんでもないことだと考えさせられた。 まともな自分とそうでない自分が交互に幻覚のなかにあらわれては消え、 やがてその境目が見分けられなくなる。 そうなっていくことがわかる事の恐怖。 これは中途半端な怖さではない。 誰でも「物忘れ」の経験はあり、その頻度が激しくなってくれば 人ごとではない。 間近にある恐怖と愛情を味わった深い作品だ。 | ||||
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| アルツハイマー。 その病を患った患者と家族との生活は壮絶なものだと聞きます。 自分というものを形づくっているのは それまでの経験や記憶の蓄積だと思います。 それを喪失してしまったら、自分はどんどん崩れ落ちていく。 アルツハイマーとはなんて悲しい病気なんでしょうか。 緩やかに自己を喪失していく、 その経過を自分でもはっきりと自覚できてしまうなんて・・・。 本のラストはキレイにしめられていますが、 「完治」という未来は絶対に訪れない病気です。 日々深刻になってくるであろう病気との闘い。 その地獄とどうやって向き合っていくかが重要になってくるのですね。 このような病気で苦しむ人を利用したり、 踏みにじる人がいるというのも恐ろしい話です。 どこまで人は残酷に醜くなれるのか。悲しい限りです。 荻原さんの描くテーマは本当に幅広く、 改めて器用な作家であると痛感しました。 | ||||
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| 自分とは何か。記憶とは何か。そんなことを深く考えさせられた。 日常を普通に生きてきた中で記憶の大切さを実感したことはあまりない。なぜなら何も意識しなくても記憶は蓄積されていくもので、それが失われるということなど考えたこともないからだ。 この本を読んでアルツハイマーとは自分との戦いであり、孤独との戦いなのだと思った。まだ解明されていない病気だからこそ希望を見つけ出そうとするし、信じられない思いが強くなる。「自分が自分でなくなる」この本にたくさん出てくる台詞だが、個人は記憶でできているといっても過言ではないのかもしれないと痛感した。 | ||||
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| 静かに主人公の症状が進んでいく様子に、わたしは恐怖より哀しさを感じました。 人生そのものである記憶が少しずつ蝕まれてゆく。 わたしなら発狂しそうです。 主人公は病気に恐怖し苦しんでも前向きに残りの人生を生きようとします。 最後に病気と向き合って行動を起こす勇気はとても見習えそうにありません。 実際はこんなに穏やかではなくもっとドロドロしたものがあるのでは?と思わなくもないですが、 読みやすい文章と主人公に引き込まれて気になりません。 病気になって気づく知人たちの本当の人柄も興味深いです。 温かいもの。そうではないもの。 普段は気づかない人の優しさに涙が出てきます。 読み終わったあとは目を閉じて余韻にひたってしまいます。 手にとって損はない本です。 | ||||
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| これほど怖かった本は今までありませんでした。 自分のいる場所が分からない、何をしているか分からない・・・ 人間が壊れていく、余りにもリアリティがあり本当に読んでいて怖くなりました。 私も一時的に意識を失い、記憶が無い経験をした事があり、 その時の事を思い出し、身震いしたほどです。 | ||||
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| 弱年性アルツアイマーになってしまった50代の人の話。 とても文章の運び方がうまい作家さんで 凄くいい本でした。 当たり前のことが当たり前でなくなった時 何を取捨選択してどう生きていくのか、 自分のことを大切にしてくれる人との関わり方を どうしていくのか、凄く当たり前の幸せを 再認識させられました。 嬉しかったこと、悲しかったこと、頭にきたこと、何気なく日々感じる感情は、 記憶に残っているからこそ生きている証となる、 「自分」でいられることの意味を痛いくらい感じました。 何気なく通り過ぎた出来事も、ちょっとした人との関わりも全てを、もっときちんと大切にしていかなくてはならないと感じさせられた「当たり前の幸せ」の意味を感じました。 | ||||
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| 主人公が感じる怖さ。けれどそれさえもいずれ忘れてしまう。自分のプライド、家族への思い。題材自体はとても切ない。しかしちょっと淡々と進みすぎている気がして、もう少し重さや葛藤が欲しかった。でも最後が好きなので星4つ。 | ||||
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| 若年性アルツハイマーに侵された主人公の心の葛藤と身体の葛藤。 この人が置かれた状況を誰もが他人事とは思えないんじゃないかと思う。 主人公がだんだんと病気に侵されていく過程が、すごく怖い。 それは詳しく過程が説明されている訳ではなく、一見正常に見える 主人公の日記や言動や行動などが辻褄があわなくなっていたりして、ひやりとする。 仕事の仲間や血縁、更には家族まで忘れてしまい、 自分という人格がなくなってしまうという事を正気で 受け入れられるだろうか?と考え込まされた。 いくら頑張ってもどうにもならない事って本当にやりきれないし、本当に辛い。 これは誰にでもおこりうる物語だからハッピーエンドはない。 最後は涙が止まらなかった。いろんな気持ちを考えてしまって。 でもいろいろ考えるきっかけになると思うから是非たくさんの人に 手にとってもらいたい本。 今の時間(自分?)は永遠ではないってこと。 | ||||
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| 「本屋さんのすすめる本」という帯ひ惹かれて読みました。読みながら、涙が止まりませんでした。 若い人にもぜひ読んで欲しい作品です。他人事ではないなぁ・・・と読みながら思いました。徐々に進行していく自分の病気を止められない歯がゆさに、主人公が苛立ち、なげくところは印象的かつ現実感があり、すべての年代の人が読むべき本ではないでしょうか? | ||||
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| 他人事ではない、明日にでも誰にでも、もしかしたら降りかかるかも知れない… そんな恐怖を主人公・佐伯の心理描写によりひしひしと伝わる作品でした。医療関係に従事している自分でも、ここまで他人の苦悩の心理過程を得る事は出来ないなと、著者の力量に感心する他ありません。大変参考になりました。 | ||||
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| 40歳を過ぎ、人生後半になると、誰しも思う自分の「死」のありかた。肉体が蝕まれ、痛みにのたうちながら迎える「死」も恐怖だが、この小説の主人公、佐伯のような精神が蝕まれていく「死」はさらに恐怖だと思った。 よく「病気と闘う」というが、彼の場合はたくさんのメモ、日記、それらを抜け目なく駆使していくことが「闘う」ことなのだ。その努力の様を読んでいくとき、読者はきっと「自分ももしかしたら?」という思いにいたり、佐伯と一緒になって頭のなかをパンパンに膨らませていく。 努力の甲斐もむなしく、「ぷつり」「ぷつり」と音を立てて抜け落ちていく記憶。しかし、その苦悩にも終わりが来る。そのラストシーンは賛否両論のようだが、私には美しく、心に響いた。 | ||||
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| 自分ももうなり始めているかも・・・と読みながら何度も思いました。 若い頃から人の顔と名前を覚えるのが苦手だったので、今に始まったことではないのですが。 主人公の年齢まであと4年。まるで自分のことのような気がして 一気に読んでしまいました。 でも、ただの恐怖心ではなく、家族愛などの感動を覚えました。 ラストシーンは衝撃的ではありますが、よい終わり方だったと思います。 | ||||
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| ~彼が段々と記憶を失っていく様子がとてもリアルに描かれていて、読んでいて本当に目眩と焦り、恐怖が伝わってくるほど。また、記憶を落ちていく砂のように失いながらも、生きていくことの意味を考え、自分に残された時間になすべきことを考える彼の姿は、痛々しくもあり、頼もしくもありました。そして、彼と妻とのやりとりにも。闘病の混乱に巻き込みたくな~~い(夫)、病気の混乱に一人で立ち向かわせたくない(妻)。そんな二人の愛しているが故の葛藤。物語は主人公の視点から描かれていますが、妻の視点からも考えたくなる作品です。~ | ||||
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| こんなに恐ろしい話はありません。広告代理店50歳の部長は若年性アルツハイマーと診断されます。外国の映画スターの名前を度忘れするところから始まります。そして徐々に物忘れは激しくなり、取引先との大切な約束も忘れてしまいます。忘れまいと必死にメモを取り、何度も読み返す。自分は大丈夫だと繰り返し言い聞かせる。だんだんと壊れていく自分を死に物狂いでとりもどそうと努力するが記憶はどんどん抜け落ち、大切な家族のことや思い出も消えていってしまう。一人称で語られるこの物語は、読者を同じ立場に引きずりこみ病気の恐ろしさを心に深く刻み付けていきます。自分にも起こるかもしれない、もう起きているかもしれないこの病気のひたひたとした足音が後ろに聞こえてきそうな小説です。こんな辛く恐ろしい小説ですが、この上なく幸せで希望に溢れたラストが用意されています。それは同時に救われることのない深い悲しみを意味しています。 | ||||
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