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テンペスト
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【この小説が収録されている参考書籍】
テンペストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 81~94 5/5ページ
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あんまり歴史物は得意ではないのですが、この本は読みやすかったです。 上下のボリュームはありますが、だれもがきっとその厚みはあまり感じず、 あっという間に読み終えてしまうと思います。 主要な登場人物の絵が付いている装丁の勝利だと思うのですが、 カラフルな琉球の様子が目に浮かび、 とても楽しく最後まで読めました。 上巻はまさにジェットコースター・ストーリーで、 「なんと!」という終わりでした。 そしてとても期待して開いた下巻でしたが、 一人二役の「真鶴」と「孫寧温」があまりにも簡単に変装するので、 少しリアリティにかけた感があり、残念でした。 そこがマイナス点で評価を☆4つとしました。 ただ、一人一人のキャラクター分けが素晴らしく、 登場人物がみなキラキラ輝いて見えました。 この「テンペスト」が、突出した作品であることは間違いないです。 ラストは美しく、胸に迫るものがありました。 この作品を一言で言うなら、「ポップな歴史小説」ですかね。 宝塚向きの題材かも!と思いました。 | ||||
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映画にしてほしい。ヒロイン(ヒーロー)は 一昔前だと 仲間由紀恵あたりか。 >>>2011年早春、舞台版ですが、仲間由紀恵がヒロインで上演決定だ! 舞台よりも、やはり華麗な映画で見たいな。 男女が入れ替わるプロットは シェークスピア劇や本朝のとりかえばや物語などがある。 幕末の琉球王国という設定や琉歌を随所にちりばめたのは 効果的である。 しかし敵役が何回も蘇ったり、突如コミック調のギャグがでて来るのには(苦笑)。 作者に照れがあるのだろうか? 首里城を訪問したくなる小説。昔、琉球を舞台にしたNHK大河ドラマよりはずっと面白い。 | ||||
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新聞広告にひかれて買いました。直前に浅田次郎の「蒼穹の昴」「中原の虹」を読んであまりの面白さと歴史考証のすごさに感動してしまい、それと同じようなものを期待していたので、正直1ページ目から文章の稚拙さにちょっとがっかりしてしまった。けれどもストーリーは劇画的で表紙裏のまさに劇画のような派手な絵の影響もあって面白かった。あまり難しい歴史小説は苦手、手軽に面白い読書を・・という若者にはおすすめ。大人にはおすすめしません。 | ||||
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新刊JPで紹介されていたので買ってみました。 もともと歴史物が好きだったこともあって、一気に読んでしまいました。 ヒロイン(ヒーロー?)がかわいいです。 とりかえばや物語とかざ・ちぇんじとか好きな人ならはまるのでは。 面白いですよ! | ||||
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ふと、ある雑誌で紹介されているのを目にして読んでみたい!と思ったものの、いざ手に取ると分厚くて、しかも上下巻とは・・・。一旦やめようと思ったが、ためらいながらも読み始めたが最後、あっという間だった。 折りしも友人の結婚式のため、沖縄へ行く直前。飛行機の中でもホテルでも、手放せずに持ち歩いてしまった。(重かった・・・さすがに結婚式には持ち込まなかったが) 首里から金城の石畳道、玉陵を巡るうちに、この壮大な物語の中へ引き込まれ、真鶴/寧温とともに琉球の最期を目の当たりにしているような、まさにテンペストの時代を巡る旅をしていたかのようだった。 琉球の歴史を、史実に忠実に再現し、さらに「教養と美の国」での政治背景が知ることが出来る非常におもしろい作品だと思う。ところどころに現代の言葉が含まれることで、意味不明だとおもっていた言葉たちが身近になってくる。 それから、登場人物それぞれに味がある。美意識というものの強さは計り知れないと感じた。これから沖縄へ行かれる方には、旅のお供に、ぜひどうぞ。 それにしても、一度でいいから真美那の「お嬢様爆弾」、やってみたいものだ。 | ||||
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池永さんの著書「シャングリラ」の圧倒的な面白さを知らなければ、おそらくはこの上、下巻の厚みに怖れ、手にすることはなっかたと思います。 ましてやジャンルが琉球王朝の歴史物とくればなにやら読むのに疲れそうで、多くの人はこの2点であきらめるのではないでしょうか? しかし、結論をいうと、この本は最高に面白いですし、逆にこのページ数があるからこそ語れる物語です。いい本に出会うとその本の世界の中に引き込まれ、あたかもその人生を自分も過ごせたように感じますが、この本はどっぷりと過去の琉球王朝の世界に心が持っていかれ、読んでいる数日間は私も琉球人でした。多彩な魅力ある登場人物、錯綜する陰謀の数々、また揺れ動く人間模様等々読み応え十分です。 | ||||
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第1章の主人公誕生の場面からエキサイティングである。神話的な背景にとぼけたユーモア、歴史には忠実だがファンタジックな世界観。琉歌や沖縄言葉に満ちながら現代語の台詞まわし。 定型的で、なおかつ絶対にいなさそうなアニメチック、メルヘンチックな登場人物たち。昔どこかで見たような、韓流ドラマの再現のような荒唐無稽な物語展開。 それらすべてに説得力を持たせ包括しているのは沖縄という土地の力に他ならない。沖縄の祭式、儀礼、歴史とその舞台こそが、この物語の要である。 過去にも沖縄を舞台にブッ飛んだ物語を描いてきた作者は、その集大成としてこの時代劇を書いたにちがいない。今最もドラマ化したい本、ナンバー1である。 | ||||
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宦官として王宮に入った寧温の八面六臂の活躍を描いた上巻に対して、下巻はその表紙の色、紅型の赤の示す通り真鶴の運命を描いている。 圧巻なのは最終章である。琉球王国の滅亡は誰もが知るところだが、それを悲劇に終わらせないところがこの物語の優れた点である。 国の終わりとともに身を投げた登場人物たちは、まるで沖縄戦で自決した人たちの心を代弁し、魂までも浄化したような錯覚に陥る。 琉球の死は、日本にとってもウチナンチュにとっても意味ある死として現代までつながっていることを、陰にも陽にも訴えている。 実際の歴史をもとに突飛なフィクションを融合させた本書には読み終わってもなお、もっとこの世界に浸っていたいと思わせる中毒性がある。 間違いなく池上永一の代表作と言える。 | ||||
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とにかく先が気になりどんどん読み進みたいと思う一方で,文章から伝わってくる光景の美しさ・人物のおもしろさについ立ち止まって余韻に浸ってしまい,なかなか先に進めない・・・そういうジレンマに陥りながら,結局上下巻を一気に読んでしまいました. 立ち止まったところで読み返してしまうので,上下で約8時間程かかったかと思います. 心にひっかかりを感じることも途中でありましたが,それは1つには自分が現代に生きる女性だからではないかと思います.この違和感について考えることもまた楽しみの一つです. 正直,写真で首里城を見たことがある程度で琉球に対するなんの予備知識もなく読んだことを少し後悔しています.実際にみたことがあり,空気に触れたことがあればもっと楽しめたかもしれません. このようなすばらしい小説の土壌となった琉球に感謝と尊敬の念を抱きました. | ||||
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著者は沖縄那覇出身、石垣島在住である。これまで沖縄、琉球を題材に、 ファンタジー大賞を受賞した「バガージマヌパナス」などの話題作を発表してきた。 著者の魅力は、何というか、突き抜けたように明るい「土着性」とでもいおうか。 土着というと暗さを連想しがちだが、著者の描く沖縄は、独特のファンタジアであり、 たとえば東北あたりの土着性とは完全に一線を画す。 「テンペスト」は琉球王朝時代の物語。 これが、とにかく面白い。スイスイと読みやすい面白さではなく、 急流を流れ下るようなダイナミズムが満ちあふれている。 わくわく感、どきどき感、てんこ盛りだ。 書店などに行くと、そうそうたる評論家、作家の「推薦文」がずらり。 よくぞまあ、ここまで集めた、さすが角川と最初は思っていたが、 いかに角川とはいえ、これだけのメンバーがお義理で絶賛の推薦文を書くわけもない。 額面通り、「血湧き肉躍る」物語だ。 ファンタジー的な要素も含まれており、物語としての整合性となると疑問符をつけたくなる 部分もないでもない。しかし、そんな細かいことどうでもいいぐらいに、 どんどんページが進んでいく。 最近は長編小説を読むエネルギーも少々なくなりつつあるが、 上下段800ページ以上、一気読みだった。 まるで「元気」を与えてくれたようだ。 私としては間違いなく今年の「ベスト1」である。 | ||||
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始めに言っておくと この小説のおもしろさは異常だ。 あまりにも魅惑的で、文章から離れることができなくなる。 読めば読むほど、この世界に魅せられ、酔わされる。 物語性、つまり世界観の設定がそうさせるのだろうか。 この話は19世紀初頭から末、実在した王国、琉球王朝末期を舞台とし、孫寧温(=真鶴)という女性を主人公とし、第三者的な語りで話が進められている。 琉球王朝が持っていた、宗教、文化を元に、そこでの精神性、思想、人々の世界認識が表れており、国家間の外交問題、国内の情勢・政治的問題、また男と女、両方の性を生きることとなった主人公を中心とした人間関係、出世、失墜、性の反転という稀有な人生を描きながら近代化によって、王国が崩壊するまでを描いたものである。 歴史事実を背景に持ちながらも、個の歩みを通しながら、それを追ってゆくことで、また現代的感性で語ることによって生きた文章と、歴史小説とはくくれないほどのリアリティを持つ。 しかし、ここでのおもしろさはそんな理由では記述できないのだ。 史的事実とフィクション、宗教的精神性と合理主義的理性が重ねられ、ファンタジーでもありリアルでもある。 そうここでは両義的性質が重ねられた、アンヴィバレントな現象、人物達が恐ろしいほどに読む者に想像力と妙な現実感を感じさせる。 巧みであるのは、この両義性を数々の事象や登場人物に反映させている点にあるといえる。 主人公の孫寧温は女性として生まれながらも、ここでの制度的問題により、男性でしか登用されない国の役人に性を偽ることでそれとなり、男性的で女性にはないとされていた理性的知性を天才的に持ち国のトップまで登りつめ、またその稀有な美貌から王の側室としても王宮に入るという、二重の人生を歩んでしまう。男として国家に仕え、同僚達と友情を交わし、女として恋をし、想いを交わす。男としての寧温は公人として理性をもってして生き、女としての真鶴は私人として情感をもってして生きる。 そして、中世・近世から近代への移行 これにより、国家は解体され、国家を前提にする社会は崩壊し、ひとつの個となった主人公はその両性が幸福に融合する。国家から解き放たれたひとつの個は、しがらみを越え、想いを交わした人と生きることが可能となり物語は終わりを告げる。 国家を愛し、命を捧げた主人公であったが、悲しくもその国家の崩壊により、個として幸福に生きることができたのである。それは新時代への希望を力強く描くものだ。 この移行は 精神性が支配する社会モデルから理性による社会へ 国家が統率する社会から個による社会へ向うものである 宗教的精神性をもつ世界観を基盤にしながらも物語は最後にそれを破壊し、また主人公の両性の融合という、基盤となっていた設定を露わにした。 つまりこれはマジックリアリズムの作風を持ち、自己言及的な作品として位置づけることができるだろう。 僕はこの魔術的で現実的でもあるこの世界から当分離れられそうにない。 鮮やかなのだ。実に。 恋をしてしまった。 | ||||
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「シャングリ・ラ」で読書人たちを唸らせた池上永一、今作もまた負けず劣らずの傑作、筒井康隆に北上次郎、文壇界と書評界の御大が本の帯で絶賛するのも納得の、手に汗握り、熱い魂を感じながらの疾風怒涛の426ページだ。 時は19世紀の琉球王朝、これは、千年の眠りから醒めた龍たちが、雷となって大空を疾駆しながら発情する夜に生まれた伝説の女性真鶴の物語。 百花繚乱、絢爛豪華、艶やかな舞台を司るキャラクターたちが実に素晴らしい。真鶴はもちろん、朝薫、詞勇、雅博、多嘉良、聞得大君、麻真譲と正に千両役者に魑魅魍魎が揃い、物語を動かす。 待ち構える驚くべき真実、謀略、思慕、活劇。薫りたつロマンティシズム、そこはかとない色気、冴え渡る知慮。これもまた紛れもなく冒険小説、若き血潮の青春小説、そして正真正銘の大エンタテインメント! 阿片戦争後、清国への列強の脅威と薩摩の干渉が強まる中、生き残りと自主独立、かって隆盛を極めた琉球王国を復興を賭けた者たちの、熱い思いと信念が伝わってくる。 文学でありながら、チャン・イーモウ映画の爛熟な歴史絵巻劇を想起させるし、世にも美しい男装者と女装の踊り子たちの絡み合いが宝塚歌劇のようでもあり、登場人物たちにより詠まれる琉歌が、まるでオペラの如き情感を醸し出す。 男として生きる事を受け入れた真鶴の、その凛々しさと高潔さ、高邁な精神と、時折垣間見える女らしさ、健気さ、愛しさに涙、涙。 一刻も早く後編へと進みたい衝動に駆られる事確実、秋の夜長のお供として格好の1冊と言っておきたい。 | ||||
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面白い。とにかく面白い。 ちょっとした暇つぶしのつもりで読み始めたものの ページをめくる手は止まらず、上下巻850ページ一気読み。 友人との約束を一つすっ飛ばしてしまいました。 多少の誇張が含まれてるものと、宣伝文句は眉に唾つけて接してますが、 この本に関しては嘘偽りなしの100%保証つきですよ。 | ||||
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著者が沖縄ものを書くと、とにかく面白い。(沖縄が舞台でない前作にはあまり感心しなかった。)王朝末期の首里城を取り巻く人達の生き様を、虚実を交ぜて描く、大河ドラマ。再建された首里城に、どんなドラマがあったのか、何度も行った割には、想像をめぐらすことができなかったが、これからは、生身の人達が苦悩した場所として見ることができるだろう。琉球王朝がどんなに洗練されていたかは、博物館へ行けば分かるが、本書を読んでから首里城を仰ぎ見れば、沖縄への理解度が深まること間違いなし。明治以降、主人公達がどう生きたのか、明がどうなったのか、続編が待たれるところ。 | ||||
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