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金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび
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金田一耕助VS明智小五郎 ふたたびの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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前作から1年半後(2014)に出版されたシリーズ2作目です。 タイトル作が前回同様にドラマ化されています。東京の旧華族のお屋敷を舞台にしたものです。横溝ジュブナイル作品の少年探偵、御子柴君と立花滋君が同時に登場、明智小五郎シリーズの小林少年とも顔合わせします。 「金田一耕助meetミスター・モト」ミスター・モトというのはアメリカのミステリ作家J・P・マーカンドという人の作品に登場する日本人探偵で、さるやんごとなき筋(皇室のこと?)の命を受けて動いているという設定。まったく知らなかったのですがなんと長編が6作もあり、1930年代に映画化され8本も作られているそうです。 「探偵、魔都に集う」は2次大戦中の上海で、戦争で怪我を負って入院していた金田一耕助と軍の意向で防諜活動をしていた明智小五郎が出会います。まるで見てきたかのように描かれるきらびやかで妖しい上海、共同租界の様子が圧巻です。 「物語を継ぐもの」異形コレクション「物語のルミナリエ」に収録されたショートショート。このヒロインは誰かを暗示しているんでしょうか?アニメの人物?そちらに詳しい人はわかるかもしれません。 「瞳の中の女異聞 森江春策からのオマージュ」短編集「金田一耕助の冒険」の中の「瞳の中の女」のオマージュ。これは金田一耕助唯一の未解決事件だそうです(昔に読んだはずなんですが・・忘れてしまいました)。過去と現在をつないだ摩訶不思議な雰囲気がとてもいいです。 私は「探偵、魔都に集う」と「瞳の中の女異聞」がとても気に入りました。何よりも書いていらっしゃる芦辺氏ご本人がすごく楽しそうなのが一番いいです。続編を期待します。 | ||||
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先に「パノラマ島&獄門島」編を読んでしまっていたので、それぞれの作品の短さが物足りなさになってしまいました。 このような作品を創作することは、本当に大変(というか怖ろしい)ことだと思います。考証がとてつもなく難儀でしょうし、エンタテイメントとしてオリジナルのファンをも納得させねばならないでしょうし。 その勇気にそもそも敬意を表します。その上で、次回はさらに楽しませて下さいね、とお願いしてしまうのでした。 | ||||
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『金田一耕助VS明智小五郎』まさかのシリーズ化。全5編収録。シリーズ前巻は全体に乱歩オマージュ寄りでしたが、本書は版元の意向なのか、オール金田一モノに時々明智が顔を出すという構成であります。 戦後間もない探偵業再開直後の事件、アメリカ留学の帰途に巻き込まれた事件、従軍中に遭遇した事件、さらには原典の未解決エピソードの解決編など、パスティーシュの見本市のようなバラエティ豊かなラインナップ。 表題作は戦後日本の没落華族にまつわる事件。キャラクター描写や文体は乱歩らしさも横溝らしさも希薄なのですが、その真相は乱歩らしさと横溝らしさを両立させる凝ったもので〇。 「探偵、魔都に集う」は戦時下における探偵の無力さを描いたもの。金田一パスティーシュでは渡米中の事件はよくあるんですが、従軍中の事件は初めて見たかも。 収録作中のベストは20ページ弱の分量ながら、ミスター・モトとの共演エピソード。天皇直属(?)で戦争回避を目的に活動するエージェントって、赤城毅先生の『天皇の代理人』そのままじゃないですか。まさか80年近くも前にアメリカでそっくりな設定の探偵が創造されていたとは赤城先生もびっくりなのでは。 よく調べたことに感心しつつも細部で気になる点はいくつかあるんですが、一つだけ挙げると金田一耕助と明智小五郎に面識があることになっていること。前巻『金田一耕助VS明智小五郎』では直接顔を合わせる場面はなかったはずなのですが。 | ||||
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に引き続き、今回も著者が腕によりをかけて趣向を凝らした明智小五郎&金田一耕助、日本を代表する二大探偵の活躍を描いた夢の競演の第2弾! ・ 没落した華族・柳條家の御曹司から相談された金田一だが、その御曹司が殺害され、なぜか被害者が事切れる直前に明智小五郎のところへ電話を入れており、かくして二人の名探偵が事件解決に挑む……「明智小五郎対金田一耕助ふたたび」 ・ アメリカで遊学していた金田一耕助が、日本へ帰る客船の中で謎の人物から奇妙な依頼を受ける……「金田一耕助 meets ミスター・モト」 ・ 南方戦線で負傷した金田一耕助は上海の病院に送られる。その療養中に耕助は、本の取り持つ縁で親しくなった大道寺少尉と共に夜の上海へ繰り出すが、その少尉が殺害され、殺人の容疑をかけられた耕助のもとに軍の防諜任務のために上海に滞在していた明智小五郎が現われる……「探偵、魔都に集う――明智小五郎対金田一耕助」 ・ 物語を代表する者……と言えば主人公。そんな主人公におけるイマドキの新旧世代交代劇とそれでも負けない根強い人気のレジェンド級主人公の存在を描いた……「物語を継ぐもの」 ・ 作者の生み出した名探偵・森江春策が、金田一の未解決事件の謎に挑む姿を美しいノスタルジーを交えて描く……「瞳の中の女異聞――森江春策からのオマージュ」 前作同様、今回もと金田一耕助の二人の探偵のあいまみえる展開が読者の想像力を刺激して、冒頭で終戦を迎えた時の二人がそれぞれ異なる場所で玉音放送を聴く設定が導入部として面白かったし、今回も作者が及びを尊重して物語の中にコアな読者ファンの心をくすぐる要素が散りばめられている。 私的にはそこまでの読者ではないので固有名詞を見て(もしくは解説を読んで) なんとなく思い出す程度だが、それを知らない(分からない)読者にとっても楽しめる内容であることは間違いない(本作も前作同様、明智小五郎=伊藤英明、金田一耕助=山下智久でされている)。 「金田一耕助 meets ミスター・モト」に登場するミスター・モトは太平洋戦争前に米国で流行したジョン・P・マーカンド著『』の主人公で天皇直属の秘密諜報部員との設定を持つキャラクターで人気を博した作品……といってもなじみのある読者は少ないだろう。このあたり、著者本人がものすごく古来の探偵小説に精通している(博識のある)ところが物語の下地の面白さにつながっているのだろう。 著者自身がもっと明智及び金田一シリーズである元の原作に関連させながら新しい物語を作ったり、先ほどのように古来の探偵小説からキャラクター(主人公)を拝借して、明智及び金田一と競演させた物語を作りたい想いがありありと伝わってくるのが「あとがき」を読んでもよくわかります。 私自身はそこまで詳しくないので本来のこの物語の面白さが十分に伝わっていないのが残念ですが、そのキャラクター(や、今回のミスター・モトなど)の魅力を著者自身の手で伝える事ができれば、分からない(知らない)読者にも受け入れるのではないかと思います。 もっと本作のような名探偵たちが登場する二次創作の作品が描かれる事を望みます。 『』も『』も『』も元の原作を尊重して生み出された作品が今では誰もが知る国民的作品として受け入れ、その読者が元の原作にも興味を持たれるようになっている事に大きな役割を果たしているので我々に馴染みの薄い名探偵たちもぜひ現代にどんどん蘇らせてほしいと思います。 | ||||
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日本三大名探偵の内、明智小五郎と金田一耕助が競演するという作品の第二編、旧探偵小説好きにはたまらない作品である。作者にはこれに少し影の薄い名探偵神津恭介を加えた三大名探偵の競演作を期待する。 | ||||
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