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侵蝕 壊される家族の記録(寄居虫女)
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侵蝕 壊される家族の記録(寄居虫女)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
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いやはや、おっかねぇ! 本作が尼崎連続変死事件を元にしているのは間違いないだろう。 家族の間に生じたほんの微かな隙間。そこに見ず知らずの他人が入り込んでくる。子供の来訪を手始めに、彼らは一家の中に根を下ろし、いつの間にか「住人」として住み込んでしまう。その過程は「不自然な自然」とでも言うべきか、流れるようなテンポで進んでいく。これが筆者の武器だ。極めて優れたリーダービリティと、奔放なアイディア、想像力。一つの家は家族の憩いの場所から、恐怖の密室劇に変貌していく様はさながら恐怖映画を観ているが如く、読者を掴んで離さない。読み始めたが最後だ。ページターナーの魔力が一気呵成に読者をクライマックスへ導いていく。 確かな構成と文章力に裏打ちされた物語。じわりじわりと侵蝕されていく家族。色を添えるは一家に入り込んだ「悪魔」を追いかける一人の青年だ。 熱にうなされるが如く一気読みは必至。 凄まじい一冊だ。 | ||||
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北九州監禁連続殺人事件を彷彿とさせるんだけど最後は切なくて泣けました。 | ||||
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ずっと気になっていた本でした. 読みやすさもあり、半日もかからず読み終えました. ここまで残酷なのか、ここまで人を憎めるのか、身近にありそうな恐怖にゾッとしつつも、読み進めても増して行く不快感に引き込まれました. 少しでも気になった方には読んでみて欲しいです. | ||||
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友人に薦められて読みました。薦められる際に「実際にあった 事件を題材にしている」と言われたのですが、TVをみる習慣が ないせいか、事前に尼崎事件のことは何一つ知りませんでした。 それゆえに、話の根幹部分が実際の事件を題材にしているなど とは最後の最後まで信じられませんでした。 そのくらい内容がぶっとんでいます。 寄居虫女に普通の家族が崩壊されていく様を読む度に、 何でこんな女ごときにこんなことになってしまうのかと 歯痒い思いでしたが、最後に主人公が壊れそうになるの を読んだ時に、「ああ、間違っていたのは自分の方だ。 実際に自分がこの立場にいたら間違いなく壊れている だろう」と確信してしまいました。 初めのイライラから、最後の確信(諦め)までの感情を たった一冊の本で読者に引き起こせる小説は滅多にないの ではないかと思います。 | ||||
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とにかく親が弱すぎます。息子ともみが死んだことは共感します。私も一人息子を亡くして二年しか経ておらず。時には無茶苦茶な行動をして赤ん坊を見たら誘拐したくなります でも私の息子ではないし犯罪はダメね。死んだ息子が哀しむでしょう。死んだ息子のためにも強い気持ちを常に持ち、あなたは死んだが私は死ぬまであなたのお母さんだよと。だから間違えたことはしない頑張り通して供養しながら天寿全うするからいつかそちらで会ってほしい。と思わないといけません。このなかの ともみのお母さん娘三人もいるのに話にならない。母は強く死ぬまで強く母でいなければと更に勉強になりました。最適でした | ||||
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「寄居虫女(やどかりおんな)」として単行本で売っているときに、この手の 寄生して家族を乗っ取る、 家族ごとマインドコントロールする、 という内容の本を読みあさっていたこともあって タイトルからして狙いすぎだと思い、購入を見送りました。 今回文庫化に伴って改題されましたが、 改題して正解ではないかと思います。 ヤドカリ女では家族を操っていく過程よりも 「奇異」な「ヤドカリ女」ばかりにスポットが当たってしまい ちょっと作り物っぽくなりそうだからです。 この本がおもしろかった人には クリーピー(前川裕) 鬼畜の家(深木章子) もおすすめしたいです。 | ||||
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現実に起こりそうな、いや、似たようなことが起こったストーリーです。 どうして家に入り込むようになったのかという、犯人、加害者のことが数ページだけさらりと書かれていて、ちょっと背景が分かりずらいところがありました。 ただ主人公の被害女性が何とか生き延び、そして再生していくというエンディングは救いがあったと思います。 最近はホラー文庫自体の質が下がっており、批判的な感じで読んでいるところもありますが、この本についてはリアリティもあり、ぞぞっとしました。 こういうことは現実に起こらないようにと思うだけです。 | ||||
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家族にいつの間にか入り込み、寄生して思いのままに操る悪魔のような女たち。怖いですね。確かに端から見れば抵抗すればいいのにと安易に考えがちですが、閉鎖された逃げ場のない空間で、家族間の微妙な行き違いを巧みに利用していくあたり、崩壊劇には納得させられました。 家族なんて、各々が口には出さないだけで、いろんな感情を抱えていますものね。特に親にはなかなか逆らえない。共感できました。 途中までは崩壊していく家族が可哀想でどうなることやら、と飛ばして読みたいのを我慢してあらすじを追っていましたが、大体の人が一応のハッピーエンドを迎えられて本当によかった。。 じわじわ系のホラーだけでなく、最後にミステリ要素もあったのが嬉しかったです。 3時間ほどで一気読みしました。 | ||||
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洗脳ってこうやってされていくんだなぁっと思いました。監禁や暴力など読むのがツライ場面もありますが面白く一気に読んでしまいました!! | ||||
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怖いからどんどん読めるよ。面白いよ。ただ、読み終わっても何も残らないけどね。 | ||||
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都合よくシチュエイションを設定しすぎかな。ひねりは別にして、誰が書いてもそうなるわなという感じ。安部公房の友達や闖入者と比べたらかわいそうですね。 | ||||
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櫛木氏の作品は、ほとんど、拝読しております。この作品はある親子が見知らぬ家に寄生するという、どこかで、聞いたことが有るような話ですが 視点が素晴らしく、一気読み致しました。 | ||||
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いつの間にか他人が家族の中に入り込んでその家族一人一人を支配し、崩壊させていくという、北九州監禁殺人事件や尼崎事件を彷彿させる物語。 実際の事件なら一家皆殺しで終わるがそこは小説の醍醐味か、最後は被害者、支配者 ほとんど全ての登場人物がある意味で救われる話になって事に作者の力量を感じた。単行本発行時の「寄生虫女」も以前読みましたが、今回改題するにあたって加筆 修正した部分があるようで とても丁寧に書かれた小説という印象を受けました。実際の事件のノンフィクション物もとても面白いですが、この本はこの本で小説なりの面白さがあります。ついつい読み終わるまで夜更かししてしまいました。 | ||||
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単行本の時は「ヤドカリ女」だったらしいが、ありきたりなタイトルになって文庫化。 内容は実際の事件にもあったような一家洗脳+乗っ取りであり、子供を盾に入り込むあざといやり口から始まって、ネチネチと粘着質に進む。 娘を嫌う母、無責任な父親、頼りにならない教師、無能警察とムカつく登場人物が揃い踏みで主人公は追いつめられていく。 やがて訪れるどんでん返し。葉月が××××している所までは予想できたが、そう来たか!と驚かされた。 面白かったが、この内容ならやっぱり元のタイトルの方が良くないか? 最近のカドカワはそういう部分のセンスが悪くなった気がする。 | ||||
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ポッドキャスト番組「新刊ラジオ」で紹介されたラジオドラマを聞いて、購入。 読めば読むほど、怖いもの見たさからページをめくられずにいられなくなる。そんな作品。 2002年に小倉で発覚した一家監禁連続殺人事件を彷彿とさせる。 マインド・コントロールで、家族間で互いの不満をぶつけ合わせ、傷つけ合わせ、家族を崩壊させる。 自分の手は汚さず、家族同士にそれをさせる。 これを読むと、なぜ、あんな虚しくおそましい小倉事件が現実に起きたのかを少しだけ理解できる。 幼い頃に封じ込め、見なかったことにしている、自分でも気付かないような、家族へのねたみ、恨み、不満。 それが恐ろしい事件のきっかけになっているが、同時にそれは家族が互いを理解するきっかけにもなっている。 最後まで読むと、それがわかる。 | ||||
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尼崎事件の「洗脳」され崩壊した家族の悲劇を思い起こさせて、最後までイライラします 主人公の痛めつけられ、理性を失っていく様が痛々しく、 角田美代子のような犯罪者達は連続大量殺人事件を引き起こしていながら、 何一つ、反省をせず、欲望の赴くまま。 少年法の無力、民事不介入の滑稽さを痛感します! | ||||
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感想としては「うーん気持ち悪い」。 グロくはない。精神的な気持ち悪さです。第三章は主人公に感情移入しながら読むと胃が痛くなる。 好き嫌いは分かれるだろうな。気持ちが安定してる時に読んだ方がいい。 | ||||
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櫛木理宇さんの作品は初めて読みましたが、あっという間に「寄生」されました。4時間ほどが瞬く間に過ぎ去ってしまう吸引力のある作品です。特に、「ケモノの城」のようなサディスティック感のある、支配的恐怖が漂う作品が好きな人はお勧めです。 「人はみな、自分の身にだけは法外な不幸など起こるまいと思って生きている。なんの根拠もなく楽観的にそう信じ、いたって無防備に危険だらけの往来を闊歩している。」 小説の一説です。聞きなれた文句かもしれませんがそれだけに本質的な匂いが漂います。この小説を読んでいると、まるで自分がその場所、場面に存在して、この物語のいつ、どこで間違いに気付けるかと背筋を凍らせている自身がいました。作品設定では登場人物の殆どが大きな欠陥を抱えているように思えます。しかし、そんな欠陥に近い弱点を自分が責められる恐怖が私の手を動かしていました。 「読めるのに、意味がとれない。公式も年号も、脳味噌の表面をうわすべりするだけだった。」 こんな状況が生み出される状況は何かに囚われていることを示しますね。これも小説の一節ですが、これほど人を追い込むものがこの小説にはあります。脳味噌をうわすべりするという表現が全く頭に入ってこないことを示す表現として、頭に残りました。気に入りました。うわすべりしませんでした。 最後にヤドカリされる人は、ヤドカリされる才能があると思います。それは、主体性のなさです。この本を通して、主体性という言葉が人生賛歌の言葉としてだけでなく、人生の防御力にもつながるのだと思いました。 | ||||
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「赤と白」、「避雷針の夏」につづく、同作者の少女物第三弾。 この作者の描く少女はつねに孤独で、無理解な親や、閉鎖的な社会を相手に一人戦う運命である。 前二作と違うのは、「幕間」という章で出てくる男の存在だ。 男は家の外から葉月を追い詰める役目で、いずれ少女の味方になることが匂わされながら進んでいく。 前二作にはこういった希望になる存在がいなかった。また今回は主人公の少女に想いを寄せる男子生徒も登場し、話のあちこちに希望や救いの伏線が敷かれているので、前ほど閉塞感がない。 北九州事件や尼崎事件といった実際の事件をモチーフにしている重い作品ながら、この幕間が多少息抜き(?)になっている。 幕間で語られる内容も陰惨なのだが、外部から葉月を追い詰める存在がいることで心強さのようなものが生まれる。 結末も、ひたすら悲惨だった「赤と白」や、破壊で終わった「避雷針の夏」とは違いハッピーエンドである。 前二作の暗さが好きな人には物足りないかもしれないが、どんでん返しの仕掛けもあり綺麗にまとまって終わっている。読後感も悪くない。 新境地と言うより、いままでの作風をやや一般受けする方向に行かせた作品だと感じた。 一番恐ろしいのは洗脳ではなく、人は誰しも加害者にも被害者にもなり得るという事かもしれない。 | ||||
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