(短編集)

209号室には知らない子供がいる



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初公開日(参考)2016年12月
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209号室には知らない子供がいる

2016年12月16日 209号室には知らない子供がいる

リバーサイドの瀟洒なマンション、「サンクレール」。209号室の少年・葵が現れた日から、「ちゃんとした」住人たちは崩れ始める。いわゆる「勝ち組」の専業主婦・菜穂、理想的な年下夫と結婚したキャリアOL・亜沙子、妻と死別した上司と年の差婚をし、家庭を得た千晶。不実な彼氏の代わりに、慰謝料を得た和葉。「どうしてわたしが」「何もしていないのに」「この子は、何…?」そして209号室のオーナー・羽美にも魔の手が迫り…。これは呪いか、人災か?209号室の謎とは…。大人気女性作家が描く嫌ミス系ホラー。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

209号室には知らない子供がいるの総合評価:6.50/10点レビュー 8件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

209号室にはいったい何が?イヤミス系ホラーの傑作。

櫛木理宇という作家は以前読んだことがありますが、あまり面白かった印象はありません。ただ今回選んだこの作品は、最近読んだものの中ではかなり面白いものでした。いわゆるイヤミス系のホラーとでも言いましょうか。短編が5つ収められておりそれぞれが独立して読んでも面白いのですが、全て繋がっていて全体を読むと事の真相が分かります。

それぞれの作品に共通しているのは女性が主役ということです。彼女たちは皆心に闇を抱えております。非常に傷ついた心で毎日を送っている。そんな女性が不幸に巻き込まれていきます。舞台はある瀟洒なマンションです 。ここの209号室から来たという謎の少年、「葵」この少年がまさに魔を呼ぶ少年というか、彼が現れることでそれぞれの家族が破綻していくというストーリーになっています。

イヤミスの最大の特徴は読後感が悪いということではないでしょうか。事件は解決されたのに何か嫌な気持ちが残ってしまう。 本来であれば楽しむために読書をするのですが、このイヤミスを読むと気分が何か悪くなってしまう、この作品もまさにそういった作品です。しかもこの作品はホラーなのです。楽しい理由はありません。しかし209号室にいったい何がいるのかそして全てを明らかにするその真相とは一体何なのか、 時間忘れて読まざるを得ません。これもまた読書の楽しみのひとつだと思います。嫌だ嫌だと言いながら結局読んでしまうのが イヤミスの魅力だと思います。結局面白いんですね。


第一話「コドモの王国」

このマンションの一室に住む若い若い夫婦と三歳の男の子雄斗。どこにでもいるようなほほえましい一家ではあるのですが、妻の菜穂は夫に不満を抱いています。やんちゃで悪戯好きな息子、その息子の教育を一切せず息子と一緒になって遊んでばかりいる、そんな夫に対して菜穂は大きなストレスを抱えています。そんな中ある日息子の雄斗に新しい友達が友達が出来ました。その友達の名前は「葵」という6歳の少年。209号室に住んでいると言います。どうやら鍵っ子らしく両親は昼間いないようです。葵は毎日のように菜穂の家に入り浸り朝から晩まで雄斗と遊んだり、また食事も全て一家と一緒に食べるようになりました。その事で菜穂はさらにストレスをを抱えていくのですが、この葵という少年の正体は一体なのなんなのか。そして待ち受ける悲劇とはいったい何なのか。209号にはいったい何があるのか。最初の作品にふさわしい出来だと思います。


第二話「スープが冷める」

第2話の主人公もストレスを抱える女性です。彼女の名前は石井亜沙子。ある会社の主任を務めています。非常に仕事のできるキャリアウーマンということで会社では通っています。年下の夫はいますが、現在海外に赴任中。自宅では夫の母親と二人で暮らしています。子供はいません。この夫の母親は人間的には悪い人物ではないのですが、50代半ばを過ぎて未だに少女趣味の抜けない世間知らずな女性で、いわゆる空気の読めない人物なのです。悪い人でないだけにやることなすこと気に障り、亜沙子はこの義母のことが非常に嫌いになります。とにかくこの義母は常識というものが一切ありません。なんとある日3歳ぐらいの男の子をスーパーで見つけ、自宅に連れ帰ってきます。そしてまるで自分の真の孫のように世話を始めるのです。この男の子の名前が「あおい」という名前なのです。この男の子が来ることによってまた不幸な事態が起こり始めます。それは読んでからのお楽しみです。


第三話「父帰る」

専業主婦である千晶が主人公です。彼女はまだ24歳ですが17歳の義理の息子がいます。つまり彼女は後妻であり夫はかつての上司なのです。夫の前妻つまり義理の息子の本当の母親は数ヶ月前に病気で亡くなっています。このような複雑な関係を抱える彼女はやはり心にストレスというものを持っています。また彼女は幼い頃養子に出されたそんな体験があります。なぜ彼女は養子に出されたのかその裏に隠された秘密とは何なのか。そこもまた興味深いところではあります。そんな中ある日、義理の息子が一人の男の子を連れ帰ってきます。その男の子はランドセルを背負った小学生で名前が「葵」と言います。もちろんこの「あおい」という少年は209号室から来たと言います。例によってこの「葵」が来てから恐ろしい出来事が次々と起こるのです。これもまた読んでからのお楽しみだと思います。

第4話「あまくてにがい」

第4話の主人公はOLの和葉です。ストーリーの終盤に向けて物語は少し動きを見せてきます。
和葉が住んでいるのは何とあの209号室なのです。この和葉には別のところに住んでい奈々香という妹がいます。子供の頃から何でも和葉ものを欲しがってきたこの妹を、和葉は大変憎んでいました。 この和葉のもとに7歳から8歳ぐらいの少年がやってきます。そして USBメモリを残して行きますこの USB メモリを和葉は再生してみました。そこには動画が写っておりました 果たして動画に写っていたものは何なのか。事件は急展開を始めていきます。


第五話「忌み箱」

この作品で全体の謎が解き明かされます。よって詳しいことは書けません。主人公は209号室のオーナーである波佐野羽美です。彼女もまた心に闇を抱える女性でした。ここから先は読んでいただくしかないのですが、着地点がここだったというのはなにか腑に落ちないというか、肩透かしを食った感が無きにしもあらずですかね。ありがちな種明かしといえるかも知れませんね。ただ面白く、一気に読み終えてしまったほどですから、作品の出来はかなりのものだと思います。ホラーなんですが、あまりおどろおどろしい内容ではないです。肩の凝らないさくっと読める作品に仕上がっていてとても楽しめました。

いわし雲
78XRDN1A
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(4pt)

気に入った作品もあった

連作短編集です。
冒頭の「コドモの王国」が非常にイヤな後味で、イヤミス系のホラーとしてはよいできだと思います。
あと、「あまくてにがい」は、出だしがのろい感じですが、ホラーらしいホラーでした。
ただ、ラストで全体のつながりがわかるようになっているのですが、どういうか、ゴテゴテした感じがしました。
読む人を選びそうな作品集だと思いました。
209号室には知らない子供がいるAmazon書評・レビュー:209号室には知らない子供がいるより
4041043425
No.6:
(1pt)

ちゃんと校正してるの?

読み始めは、なかなか面白いなあと思いながらページを捲っていた。途中で?!手が止まった。
というのも、p217の2~3行目である。「秋山さんは、わたしの回復後の姿しかしらない。けれど、和葉にはすべて話してある」の部分。秋山も和葉も同一人物なのでは?私の読解力がないのか、校正ミスか解らないが違和感がありありの小説でした。もう、この著者の作品は読む気がしない。
209号室には知らない子供がいるAmazon書評・レビュー:209号室には知らない子供がいるより
4041043425
No.5:
(2pt)

登場人物の行動にリアリティがなさすぎて

こういう舞台が同じで主人公が変わっていく連作短編集が好きなので読みました
基本ホラー系なんでいろいろ現実離れしてるのは承知です
ただホラー要素抜きにしてもいろいろ登場人物の行動にリアリティがなさすぎで、気になって話に集中できないところが多かったです
例えば1話で3歳の子が公園から知らない子を連れ帰ってきて母親が出迎えるシーンがあるけど、3歳の子供が1人で公園に行って帰ってくるなんて普通ありえんわって1人で突っ込んでしまいました
ちょっと私にはあいませんでした
209号室には知らない子供がいるAmazon書評・レビュー:209号室には知らない子供がいるより
4041043425
No.4:
(4pt)

どこの子?

最初の話を読んで、これで終わり? と思ったら連作になっており、最後に腑に落ちるようになっています。
じわじわと、何か変、何かありそうと思わせられるところはうまいホラー小説でした。
209号室には知らない子供がいるAmazon書評・レビュー:209号室には知らない子供がいるより
4041043425
No.3:
(3pt)

気付かないうちに泥沼にはまり込む

川沿いに建つ高層マンション「サンクレール」を舞台に繰り広げられる全5話の連作集。
子供を持つ専業主婦、年下の男性と結婚し姑と暮らすキャリアウーマン、妻と死別した上司と結婚した元OL、チョコ依存症の双子の姉など、何れも家族の人間関係に悩む女性が主人公。そこに、「サンクレール」の209号室に住むという葵という子供がそこに絡み、基本的に暗く沈んだサスペンスタッチのホラーになります。

最終話は209号室の女性オーナーも巻き込まれ、この部屋の謎が明らかにされていきます。一見すっきりとみせておきながら、イヤさの余韻が残るラストは王道です。
209号室には知らない子供がいるAmazon書評・レビュー:209号室には知らない子供がいるより
4041043425



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