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二都物語
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【この小説が収録されている参考書籍】
二都物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 41~55 3/3ページ
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チャールズ・ディケンズ著、中野好夫訳『二都物語』(新潮文庫)はフランス革命前後のロンドンとパリを舞台とした歴史小説である。当時の重苦しい市民生活が描かれる。 中でも上巻のチャールズ・ダーニーの帰郷時に描かれたアンシャンレジームのフランス社会の悲惨さには押し潰されそうである。その不合理は現代日本の格差社会の貧困と重なる。そして、いつ爆発しても不思議ではない人民の怒りに気付かない貴族階級の愚かさも、たとえば東急不動産だまし売り裁判の東急リバブル東急不動産に重なる(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。 | ||||
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美しく晴れた朝、ルーシーとダーニーは教会で結婚式を挙げた。幸せな新夫婦は新婚旅行に。しかし父マネット医師の様子は異常だった。8年のうちにルーシーには母親そっくりのかわいい金髪の娘が生まれ、ルーシーと名付けられる。男の子は幼くして死んだ。2人とも、カートンによくなつき、一家には愛が溢れていた。 だが、ダーニーの秘密はバーサッドの口からドファルジュに洩れていた。彼は高慢な貴族サン・テヴレモンドの甥なのたが、貴族制を嫌って英国に亡命していたのだ。フランスでは革命が最高潮に達し、国王や貴族がギロチンで処刑される。共和国の名のもとに民衆は貴族への復讐に殺気立つ。ダーニーは元使用人の手紙に釣り出されて渡仏、捕えられ、ラ・フォルス監獄に送られる。 人民裁判で彼は死刑を宣告される。サン・テヴレモンド侯爵こそ、マダム・ドファルジュの一家に暴行を加えて殺害した仇敵だったのだ。侯爵は瀕死の姉弟を診察したマネット医師を、バスチーユに幽閉したのだ。カートンはルーシーや幼い娘も血祭りにあげられる、と気づき、愛する彼女と、彼女の<いとしいもの>のために、自分が犠牲になる決心をする。彼等の出国の手筈を整えてから、彼はバーサッドを使って監獄に入り、麻薬でダーニーを失神させ、服を取り換え、カートンの服を着たダーニーを連れ出させて、自分が残る。二人の容貌が似ていることを利用したのだ。翌日サン・テヴレモンドとしてギロチンにかけられる彼を支えるのは「われは甦りなり、生命なり。我を信ずる者は死ぬるとも生くべし」という聖句とルーシーへの思い、そして、やがて彼女に男の子が授かり、カートンと名付けられて立派な弁護士になるだろうという<甦り>の夢である。 | ||||
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今年(2012)生誕200年を迎える英国19世紀の文豪チャールズ・ディケンズが、フランス革命下のパリとロンドンを舞台に物語る劇的にロマンテイックな小説。キーワードは<甦る>、<あなたのいとしいもの>。 英国の銀行に勤めるロリーは<甦った>という暗号で、マネット医師が18年間投獄されていたバスチーユ監獄を出たことを知る。彼は医師の娘ルーシーをつれてパリに行き、ドファルジュの酒場の2階で父娘を再会させ、ロンドンに連れ帰る。英仏海峡連絡船の中で、ル―シ―はチャールズ・ダーニーという青年と知り合った。5年後、小悪党バーサッドは、スパイ容疑・反逆罪でダーニーを告発する。証人として立ったルーシーはダーニーに不利な証言をしてしまうが、法廷弁護士シドニー・カートンの機転で、無罪となる。カートンはダーニーと自分がよく似ていてどちらか分からないくらいだ、バーサッドは誰かと見間違えたのだ、という判決へと導いたのだった。 実はカートンはルーシーへの恋に落ちたのだ。有能すぎて体制に順応できない彼は、寂しさを酒に紛らしたり、裏世界と交わったりしてきた。だが、もしルーシーと結婚できれば軌道修正ができる、と思ったのだが、彼女はすでにダーニーと婚約していた。カートンはルーシーの前で泣き、切ない想いとそれを諦めたことを打ち明け、彼女と、やがて彼女に生まれる<あなたのいとしいもの――子どもたち>のためなら喜んで自分の身を犠牲にすると告げる。 一方パリでは、民衆の怒りが革命に向かってふくらんでいた。 表社会と裏社会、保守と革命が重層的に描かれ、下巻を期待させる。 | ||||
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私は、ハンフリー・ボガード、ドロシー・テューティン主演の映画『ニ都物語』(1957年/英国)を観て、興味を持ち、この原作本(上・下2巻)を読みました。 話の内容は、フランス革命時代のパリとロンドンを舞台とした、歴史的・悲劇的な感動大作で、フランス革命の負の部分――革命に狂乱した民衆の暴徒化・・・略奪、虐殺、民衆の怒りと憎しみが渦巻く混乱しきった社会、革命政府による1日に何百人ものギロチンを使った貴族階級の人達の処刑・・・等々――教科書には出てこないような革命の影の部分が見事に描かれています。 しかし、この原作の邦訳は、ほんとうに読み辛かった。大時代がかった大袈裟な比喩と、くどくどとした、やたらに長くて回りくどい言い回しが“これでもか”と言わんばかりに多用され、そのうえに登場人物が、姓だけで書かれていたり、下の名前だけで書かれていたり。さらに、主語がないために、いったい誰の発言かが、よくわからないような部分も非常に多かったのです。 これは、感動的な歴史大作ですが、訳者の技量の問題が非常に悪い結果を出してしまった邦訳だと感じました。よって、星1つ減らした星4つの評価とさせていただきました。 その点、映画『ニ都物語』のほうは、人間関係が整理されて単純化され、邦訳もスッキリと解り易く、とてもいい映画に仕上がっていると思いました。 | ||||
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翻訳が古いのか、読みづらいのです。訳が古いだけではなしに、「〜なさしむる」というような堅い表現と、「ブラブラ歩きまわって」「〜なっちまった」といったくだけた言葉使いが混在します。尋常茶飯(日常茶飯)歩程(歩いて)などの訳語、日本語でOK! と言いたくなるような文体に耐えて(脳内変換して)読むぐらいなら、他の翻訳者でお読みになることをおすすめします。 フランス革命の残酷な面ばかりを強調してい、フランス人を「異人」と罵倒する場面があり、著者はよほどフランス人が嫌いなのかと思いました。「自由・平等・友愛」(訳のまま)よりも、もしかすると国家・王室・同胞への「忠誠」により高い価値を置いているのかもしれません。 | ||||
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翻訳が古いのか、読みづらいのです。訳が古いだけではなしに、「〜なさしむる」というような堅い表現と、「ブラブラ歩きまわって」「〜なっちまった」といったくだけた言葉使いが混在します。尋常茶飯(日常茶飯)歩程(歩いて)などの訳語、日本語でOK! と言いたくなるような文体に耐えて(脳内変換して)読むぐらいなら、他の翻訳者でお読みになることをおすすめします。 フランス革命の残酷な面ばかりを強調してい、フランス人を「異人」と罵倒する場面があり、著者はよほどフランス人が嫌いなのかと思いました。「自由・平等・友愛」(訳のまま)よりも、もしかすると国家・王室・同胞への「忠誠」により高い価値を置いているのかもしれません。 | ||||
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とっても読ませる作品。良書。 ただし、気分がめいっている時は厳しいかも。 | ||||
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ディケンズはイギリスでは夏目漱石のような文豪と読んだ後で知りました。 なので、最初はロマンチックな恋愛冒険ものと思い込んでました。 途中まではそんな感じなのですが、終わりが近付くにつれ絶望的な展開になっていきます。 最後は泣けます。 フランス革命文学の中では私はこれが一番好きです。 | ||||
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片思いを寄せる女性の夫の身代わりになって死ぬ… というのは、いかにも陳腐なメロドラマではあるし、構成は軽薄ではあるのだが、主人公のシドニー・カートンが、なかなかどうして、魅力ある男性なのである。 純粋さを隠したカートンと、ディケンズの浪花節に乗せられて、かなり興奮しながら読み進めてしまう。 カートン一人が浮き上がって見えるのに対し、他の主役級の登場人物たちは、ほとんど紙人形のごとき平板さであるが、たくましいミス・プロスや、薄気味悪いマダム・ドファルジュなど、脇役のあくの強さも印象的である。 フランス革命時、貧苦にあえぐ民衆が、荷馬車から落ちて壊れたワイン樽に群がる様子の描写などは、一定の迫力がある。 下巻に収録された中野好夫による解説は必読。 | ||||
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ストーリーは、フランス革命期を舞台にしているが、 歴史小説ではなく、文学的だ。世の潮流と運命に翻弄され ながらも、自分の信念を守り、生きる姿は感動を与える。 映画化できるだけの内容ある作品。 | ||||
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フランス革命を題材にしているので劇的な展開を期待して読んだ。確かにフランス革命の暗い面はよく描かれてると思うが、偉大な達成がさっぱり描かれてない。この本を読んでこれがフランス革命かとは思ってほしくないかも。ディケンズは何かと感傷的になったりドラマチックに盛り上げようとすることが多いような気がするが、この本でもそんな印象を受ける。話の展開は先が読めてしまってちょっときつい。フランス革命の激しかった一面を知りたい方にはおすすめ。 | ||||
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なんだか聖書の引用が多くて説教臭い面もあるけれども、 さすがはディケンズ。犠牲愛物語なんぞ膾炙しているに もかかわらず、読ませる。ニヒルな「山犬」がかっこいい。 ちょいと登場人物の相関関係があまりに出来すぎのご都合 主義なのは眼をつぶるとしても、やはりクライマックスを もっと盛り上がらせて書いて欲しかった。あの終わりかた はないでしょう。しかし、面白いので暇つぶしにはもって こいだと思う。 | ||||
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この作品ってディケンズとしては失敗作でしょう。最終盤は破綻しているところがあるし、無理がある。サルも木から落ちる、とはこのことを言うんでしょうな。それでも凡百の作品群から見れば充分すぎるほどの内容なんだけど。物語を楽しむと言う姿勢ならばドストエフスキーの作品よりも、失敗作だがこっちのほうがいい。『大いなる遺産』の方がいろんな面でうわまわってるんだけども、さ。 ディケンズの魅力は独特の「節回し」にある。洗練されてるわけじゃあないんだけども、とにかく読ませる。分量が多くてもとにかく読める。ジョン・アーヴィングなんかのようなストーリー性を重視する作家が神様のように崇めてるのも当たり前。まあ、『大いなる遺産』を読んだ後なんかにこの作品を読めばいいんじゃないですかねぇ。 裁判長、これで私の答弁を終わります。 | ||||
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お話自体は、いかにもできた話でちょっと魅力に欠けます。 ただ、映画でも観るつもりで読む娯楽小説としては十分いけると 思います。ちなみに、フランス革命を舞台としたお話です。 フランス革命の描写は迫力があってとても面白いです。 | ||||
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フランス革命時代のパリとロンドンの二大都市を舞台に繰り広げられる歴史ロマン。貧民の視点から描いたことで知られるディケンズだが、こういう壮大な歴史ロマンも書ける人なのかと思った。自由・平等・博愛とは何かということを深く考えさせられたし、貴族の傲慢、民衆の凶暴性という真実の姿を鋭く描いている。 | ||||
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