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金色機械
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金色機械の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 1~20 1/2ページ
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以前、著者の出世作「夜市」を読んだことがあった。当時、その世界観に深く魅了されたことを今だに覚えている。不思議なタイトルとあの恒川光太郎という作家名に惹かれて何十年ぶりに読んでみた。さすが恒川光太郎、圧巻のひと言。言葉で綴られた物語であるのに、音楽の幻想曲を聴いているような不思議な感覚を味わわせてくれる金色機械。こんな小説を読んだのは初めてだ。私が審査員であったら、私の大好きな作家である山本周五郎賞をこの金色機械に捧げること、間違いないだろう。段落をほぼ一つの文でまとめながら読者を飽きさせない手法はとても心地よかった。恒川光太郎、最高です! | ||||
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1747年江戸時代の大遊廓創業者である熊悟朗のもとに、一人の女遥香が現れる場面から始まる本作。 章を重ねるごとに、熊悟朗が今に至るまでの物語が語られ、遥香が熊悟朗のもとに現れるに至るまでの物語が語られていく、というミステリー的な構成であり、かつそれぞれの成長物語としても読めます。 そんな二人のいずれにも関わることになる謎の存在「金色様」。 金色様の過去物語は更に200年の年月を遡る戦国時代が舞台。 この金色様の発想、本書全体の構成、遥香の特殊能力の設定、捕縛の名人厳信や熊悟朗といった登場人物らの人間的魅力などなど、とてもユニークで、恒川光太郎という作家は、唯一無二の世界観をもつ力ある作家さんだなと、改めて思いました。 「滅びの園」も面白い設定でしたが、次はどんな世界を見せてくれるのだろうかと、次回作が楽しみになる、間違いなく生き残っていく作家さんだと思います。 | ||||
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久しぶりに「伝奇小説」を読んだ。昔は半村良が代表的だったけど、いつの間にやら廃れてしまった分野だ。 時間を遡り、場所も視点も変わるのに、著者の力量で非常に読みやすい。感動作ではないが感心作で、エンタメとして一級品だ。「こんじきさま」ではなく「きんいろさま」というのが、とぼけていてよい。殺戮シーンも多いのに、全体的にノホホンとした空気感もある。とても分厚い本だが、読み始めるとやめられなくなるので、休日前夜が読み頃でしょう。 | ||||
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これは傑作! 長編だが、一切中だるみせず、かと言って強引に駆け抜けるでもなく、しっかりと余韻を味あわせながら、終結に向かって歩を進めていく テーマは氏お得意の、突き詰められた生死観。 それぞれが賢明に戦い、生き様に見合った死を迎える男女の物語。 遊郭が舞台であるが、その支配層として陰で生きる一族は、超常の能力を持ち、虐げられ、流浪の生を送る者たち。 直接的には言及されないが、部落問題にも切りこんでいると感じた 幻想的なノスタルジィ、哀しみに満ちた宿命、そして勇ましくも清々しい決闘シーン 氏のダンディズムを余すところなく詰め込みつつ、不意に笑いを取りに来る金色様が、実に卑怯である ピコッ、じゃねぇよ! ってか、そんなとこから出てくんなー! この緩急の落差、遊び心には、夜市などにはなかった新鮮さがある。 未読の方、ファンタジーが嫌いでなければ、ぜひご一読をお薦めする。 | ||||
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恒川光太郎の本の中でも特にもののあわれ感が強い作品。 P.225は特に悲しい。我も人生の幕引きを考えるに至る。 | ||||
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宇宙から来たロボット「金色さま」を中心としたお話。 戦国時代の人間の生き様がとても面白かったです。 家の中に隠れている金色さまには爆笑しました。 双子の姉妹を取り戻すべく交渉に赴いた同心の 結末には胸が締め付けられました。 恒川先生は情景の描写が巧みです。いつも頭に絵が浮かびます。 夫を亡くした怒りでどす黒い霧が立ち上がる文は秀逸でした。 続きが読みたくて寝不足となる素晴らしい物語でした。 1つだけ残念なのは表紙のイラストです。 陰鬱な話かなと思い、買うのが遅れました。 もっと華やかな色彩で、金色さまを中心に描いた物なら もっと多くの人が手に取ると思います! | ||||
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登場人物が縦の糸,横の糸,斜めの糸で時に緩く,時に強く結ばれて物語が進行していく。物語の核となる一番肝要な原因といえる部分の真実を登場人物がわからなかった,でも,それが次なるストーリーを生み出すエンジンになっているところが流石だな,と思った。 文調はクセがなく整っていてストーリーでしっかり読ませる。いい作品です。 | ||||
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面白い❕ | ||||
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「夜市」で知り、「秋の牢獄」であらためてこの作者の魅力に気づき、このごろ続けて読んでいます。 江戸時代を舞台に、山中の隠れ里とそこにおわす謎の存在「金色様」とその存在が関わる人間たちの長い年月にわたる人生模様を描いています。 金色様と隠れ里は時代伝奇SFですが、ベースとなる時代背景や人さらい・人身売買・ムラ社会・漂泊民への差別・落人伝説などがしっかりした文体で表現されているので、安心して不思議なトッピングを味わうことができます。 本編のあとがきでも書かれていた金色様は某SF大作洋画のあの金色のアレみたい(笑)という感想、私も抱きました。 間引きから逃げ延びた少年の成長譚や、復讐と恩讐を超えた愛情物語、異世界よりの来訪者一族が歴史の中で翻弄される姿に、不思議で有能な金色様がキラキラと絡みます。 後半で仏像の中や天井裏で待機している金色様がシュールでちょっと可笑しいです。 きらびやかな花魁装束での大立回り皆殺しも素敵で不気味で見事です!(表紙に合ってます!!!) マンガのように絵で見た目を定めてしまわない分、文章で金色様のお姿を想像すると不可思議で楽しいですね。 この作者さん独特の、不思議で引き込まれる絵巻物のような一冊。オススメです!! | ||||
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長編なので、手を出すのをためらってました。でも、読み始めたら、止める事が出来ず一気に読破。異次元の世界に引き込まれてしまいました。ありえない世界なのに、人の情に心が掠め取られました。 圧倒される作品を堪能出来ます。 | ||||
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何も目新しいアイテムは無いのに、こんな物語を語れるなんて・・・ やはり江戸時代に金色様を放り込んだというのがいいんだね。 見事な描写に絡まったストーリー・・・だけではなくて深いテーマが感じられる。 映像でも見たい作品。月日が経つほどに名作と言われる作品になるだろう。 | ||||
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見つけてすぐに買ったのに、なぜか積読化していた。 掘り起こして読むとえらく面白かったので、得した気分だ。 作者の本はけっこう読んでいる。ホラーか幻想風味の中短編作家というイメージを持っていた。 最近は長編を精力的に書いているらしい。 遊郭の主人・熊悟朗の元に、妙齢の娘・遥香が面談にやってきた。 熊悟朗には殺気を予知する能力がある。この女は危険だ。 だが、遥香が「金色様」に導かれたとあっては、無視できない。実は遥香にも余人にはない能力があるのだ。 過去と現代を行きつ戻りつ、波乱万丈のストーリーが語られる。伝奇SF時代劇とでも言おうか。 解説に半村良の「妖星伝」に言及しているが、私はむしろ横山光輝の「魔界衆」を連想した。 プロットは本書のほうがずっと複雑だが、ありえない物を時代劇の枠に放り込む実験の面白さが共通している。 主要人物は三人だ。 親から逃げ出し、野盗見習いから遊郭の主人に昇りつめる熊悟朗。 医師の養女で、生命に関する不思議な力を持つ遥香。 そして数百年の時を経て老いることもなく、人の営みに手を貸す「金色様」。 暴力が支配し身分格差が当然とされる世界でも、よりよい明日のために今日を生きる人々の姿勢に大いに共感できる。主役はまっすぐで純粋な遥香なのだろうが、生きるために闇の世界に身を置く熊悟朗も魅力的だ。 「金色様」は人間以上の存在ではあるが、好き勝手な行動はできない。 ある論理に生まれたときから縛られているのだ。実にレトロSFファン泣かせのクールな奴だ。奴と言っては失礼か。 作者のセンスやアイデアは昔から高く評価していたが、こんな凄い長編を書いていたのか。 しばらくこだわってみよう。 | ||||
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恒川さんの作品は決して「ホラー」ではありません。 なぜホラーの分類になるのか理解できません。 ただ一言、読み終わるのが惜しい作品です。 常々思います。恒川さんは天才だと・・・ ある意味、阿部公房さんに近いと思います。 | ||||
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まるでジグソーパズルのようにあちらに飛び、こちらの時代に戻りして少しずつピースが埋まってくる。 やがて大きな絵が見えて来て、あたかもタイムトラベルを楽しんでいる様な不思議な感覚を覚える。 えっ!このピースはそこに嵌るの? ならば彼女はもしかしたら・・・等々。奇妙な力を持つ二人の主 人公の数奇な人生と、それに絡んでくる(スターウォーズのC-3POのような)金色様が織りなす人の世 の縁(えにし)。胸を締め付けられるような切なさがつのる。絵の完成が近づくにつれ大いなる伝奇ロ マンの名作が現れ、いつまでも余韻に浸っていたかった。 ★7つです‼ | ||||
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恒川さんのファンなので、期待をもって購入しました。結果、期待を裏切らない作品でした。 どんな物語にも終わりがある。生きていた人たちは皆去り、全てが過去のものとなっていく。この壮大な物語も、いつかは誰もが忘れ去る。そしてその連綿と続く流れが歴史となる。そんな当たり前が少し寂しく、同時に尊いことだと感じました。 恒川作品を読んだことのない方にも胸を張ってお勧めする一作です。 | ||||
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もはやそうとしか言いようがない。 協会賞受賞作品。 話はめちゃくちゃ面白い。 | ||||
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時は江戸。とある大遊廓の創業者・熊悟朗は、人が抱く殺意の有無を見抜くことができた。 ある日熊悟朗は手で触れるだけで生物を殺せるという女性・遙香と出会う。 謎の存在「金色様」に導かれてやってきたという遙香が熊悟朗に願ったこととは―? 壮大なスケールの時代伝奇作品。 『ヘブンメイカー(スタープレイヤー2)』が神作だった恒川光太郎さんの貴重な長編作品。(基本的に短編集が得意な作家さんなので) 執筆順番は今作品→『スタープレイヤー』→ 『ヘブンメイカー(スタープレイヤー2)』 となるのも頷ける作りで、 今作品から膨らんだ要素が 『スタープレイヤー』に化け、そこから今作品で未消化の善悪とは?というテーマを、『ヘブンメイカー』で完全に昇華させたんだなと思いました。 内容としては、数百年前?に日本に降りてきた金色機械が、様々な人間と関わりながら終焉へ至る様を描いた物語であり、様々な人たちがそれぞれの立場で必死に生き抜く姿に心を打たれ、魅了されるばかりでした! 特に遥香と厳信の生き様は圧巻に感じましたし、金色様も見事で感服しましたし、ラストも素晴らしい締め方で大満足! 個人的に時代物作品は、幼少期に親の影響で様々な時代劇を見せられたり、10歳まで倉敷の美観地区近辺に住んでいた影響もあり、時代物というだけで心が落ち着きつつもはしゃいでしまうジャンルですが、 そんなはしゃぎを、上手く数百年の一代絵巻としてまとめてくれた名作でした! 伝奇作品を読みたい時にオススメの作品ですし、 併せて『ヘブンメイカー』は誰にでもオススメです(^-^*)/ | ||||
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恒川光太郎のファンとしては,この作品は少し異質の部類に入ると認識しています。でも,ストーリーが秀逸で,登場する金色機械もシュールでかっこいいです。読んでる内に中身に没頭して最後は,読み足りなさを感じてしまいました。続編がでることを期待しています。 | ||||
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SF的な設定でありながら、歴史的な背景もしっかりあって、面白く一気読みできました。 結果的に遥香の目的が達成されるストーリーには裏切られず、最後まで好奇心をもって読み進めることができました。 大きな世の中の出来事であっても、時が過ぎれば、ただの昔話となるという、流れる時間的感覚がさっぱりした読了感に繋がるのだと思いました。 | ||||
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恒川光太郎が描く異世界は非常に魅力的である。しかも、語り口が三人称からいつの間にか一人称へ移るという独特の文章展開が、読むほうには心地よく感じられる。世界観、ストーリー、そして文章の操りかたの巧さという三拍子がそろった作家である。短編はいずれも読後感がよく、どれもお勧めだ。 本書は、そんな恒川光太郎の長編小説である。時代設定は1700年半ばの江戸時代。これまで読んだ恒川作品とは違い、「人外の異世界」というのは出てこないが、「人外の存在」は出てくる。それがタイトル直球の「金色機械」だ。金色機械がどういう類いのものかは早々に明かされるが、ここでは触れないでおく。 決して面白くなかったわけではないが、これまでの恒川ワールドを期待して読むと肩すかしをくらうだろう。敢えて厳しく言えば、見劣りがするという評価すらあり得る。恒川作品は初めてという人なら違和感も落胆もないかもしれないが、どうせなら彼の短編集、それも初期のものを何冊か読んでみて欲しい。きっと本書とは比べものにならないワクワク感を体験できるだろう。 | ||||
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