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(短編集)
南の子供が夜いくところ
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南の子供が夜いくところの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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まどろみのティユルさん の話(P219)で 登場人物のソノバの祖先は オンという土地から流れてきた、とありました。 同作者の「雷の季節の終わりに 」の 穏(おん)と 同じ所? | ||||
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恒川さんの作品は『夜市』のときから大好きで読んでいますが、これもやはり不思議でなんだか怖い作品。 「南」という単語がそうさせるのか、登場人物や諸々がそうさせるのかわかりませんが、読んでいてそこに「沖縄」を感じました。 怖い作品は好きではありませんが、恒川さんの作品は大好きです。 | ||||
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読み始めた当初、デビュー作に比べて、 文章も構成も格段にうまくなったと思いました。 一方でややインパクトも弱くなったかと、一抹の不安も。 でも、通読すると、やはり極上の読後感。 見知らぬ遠い南の島なのに、妙に懐かしい。 珊瑚礁の海に浮かぶカヌーや樹林の奥の神様、 埃を舞上げて走るボンネットバスや海賊たち・・・ どれも見たり、会ったりしたことがあるような気がしてくる。 毎夜暗い海に漕ぎ出して、たっぷりと遊びました。 夢を見る力の根っこのところをぐらぐらと揺さぶられるような、 ホント、中毒性のある作家です。 | ||||
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時間や空間が混じる不思議な気分になります。 前のページを読み返したりしながら読みました。 | ||||
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ずっと避けてきた作者だが、どの作品も評価が高いので挑戦してみることに。 本作はトロンバス島という架空の島で起こる不思議な出来事をまとめた連作短編集のような体裁をとっている。 イントロダクションとなる表題作は、夢と現実を行き来させたり、子供のタカシが主役となっていることから児童向けファンタジー文学的要素が強い。ファンタジーでありながら一家心中を仄めかしたりと妙にリアルな側面もある。続く話は語り手や趣向、時間軸まで変えて神話的物語を形成して行く。 「夜市」で第12回(2005年)角川の日本ホラー小説大賞を受賞した作家だけに、さすがに安定感のある筆致が心地よい。普段は海外の翻訳ものに偏っているので、国内のホラーに触れるのも久々な上、著者のタッチもどこか懐かしさを誘う。書評では「幻想性が高い」、「独特の世界観」などと評価されているが、英米文学の幻想性と比較すれば整合性を保っており、それほどの幻想性でもない。むしろ、非現実感と神話めいた魔術世界の描写とを共存させているところに強く惹かれた。 | ||||
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読むのに少し時間がかかりました。 相変わらずの静謐感ですね。本人の持つメンタリティが文章というか文体に如実に現れてる感じ。 テクニックじゃなく素地で勝負していて、抜群のオリジナリティがあります。 ただ、今回は受け入れ難かったです。もう少し引き込む力が欲しかった。まあそれが特徴【魅力ともいえる?】といえばそうなんですが。。 なんというか中立なんですね。普通の小説はもう少し読者を誘惑したりとか、あるいは作者に何らかの依存をしてると思うのですが、 この作品は、そういうところから少し離れ、独立して存在する感じ?感覚としては上手い絵本作家が気のままに短編小説を書いたような。 そういう意味では、読み手のその時の精神状態がこの作品の面白さを大きく左右するといえるのではないでしょか。 いずれにしても、自分には合わなかったです。この作家さんにはぜひぜひ、じっくり練った長編小説を書いてもらいたいです。 必ず面白い作品ができるはず! | ||||
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風の匂いや温度、湿度まで伝わってくるような恒川さんの世界。 ちょっと切なくて、怖くて、やさしい。 以前旅行した沖縄離島の風景が思い浮かびました。 恒川さんの作品は何度も何度も読み直して楽しんでいます。 もちろんこの作品もおススメです。 | ||||
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恒川光太郎の本は全部読んでますが、これはイマイチ整合性がとりきれていないように感じました。 面白かったけどね。 | ||||
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架空?の南の島、トロンバス島を舞台にした連作短編集。 舞台がトロピカルでも相変わらずの恒川節です。現実にはないどこか禍々しい世界、そこで起こる出来事が、実際にあるかのように静かに語られます。 毎度ですがため息が出ます、この作家の自在な想像力には。ほんと見事に「世界」を作ってくれます。 現実とは微妙に位相のズレた世界。ズレ方の不思議さ。ズレた世界のリアルさ。こういう技を使える作家ってほかにだれかいるのかしら。 物語という技でいずれ人間国宝に指定されるんじゃないの。 恒川作品を読んだことがない人はだまされたと思ってどれでも一冊読んでみてください。 宮崎駿から健全さを取っぱらえばこうなるような、上田秋成をポップにすればこうなるような、そんなテイストです。 ただ、はじめて恒川作品を読む人には本作はお薦めしません。緊密度が足りない感じ。それで☆五にはしませんでした。 | ||||
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「夜市」から通時的に読んできた。これが単行本5冊目。 前作「草枕」で感じた嫌な予感が的中。 ちょっと悪い傾向になりつつあるような気がした。 「秋の牢獄」「草祭」と連作短編集を続けてきているが、物語の世界の奥行き、整合性、深さが成り行き的に作られてものになっているような感が強くなってきている。 感性におもむくままに書くみたいな。 もちろん浸れる魅力的な世界があって面白いのだが。 書くことについてこの作者は優れた才能(それもものすごい)があるのでそれにまかせて書ききってしまっているのではみたいな印象が…… 「美は乱調にあり」的なものを「草祭」には感じて感銘を受けたが、それだけで終わってしまうのはもったいない作家だと思う。 連作短編ばかりでなく、じっくり構成を考えた長編を読みたい。 現時点での最新刊「竜が最後に帰る場所」に期待したい。 あとブログによると時代小説も書いているようですね。 | ||||
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恒川さんといえば和風ダークファンタジー!なイメージだったけど。 この本は「南の…」とある通りに若干テイストが違う作品。 だけど土着のファンタジーという点では変わらず。 もっともっと読みたいけれど、このくらいがちょうどいいのかも… と思わせてくれるほどよいバランスだった。 | ||||
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たとえば私達がパプアニューギニアあたりの南洋をイメージしたときのような熱帯仮想世界を描いた。「夜の果樹園」のように整合性の高いお話もあるし、「蛸漁師」のように現実にも通ずる比喩めいたエピソードもある。南洋の原初的な神々が登場する世界は、少ない言葉でランダムに奥行きを広げていくようでいながら、不意に妙な場所に連結して構造化される。 狂言回し役は、南の島の巫女・ユナである。彼女もまた、いくつかの世界と結節点をもちながら、この小説世界を支える構造物の一つである。 私はプロローグの「南の子供が夜いくところ」が、最も不気味だった。物語がどこに回収されていくか見当もつかなかったからだ。この章だけ初出掲載誌が違うので、たぶんこの連作小説は、プロローグのエピソードから始まったのだろう。プロローグのエピソードに詰まったキャラクターや場所や因果が、作者の中で思わぬインフレーションを起こしたのだろう。 だとすれば、両親の棺桶を夢に見てしまったタカシと彼の作った貝の首飾りがどこにもつながっていない以上、この世界の物語はまだ終わっていない。 ちなみに、「まどろみのティユルさん」に登場するソノバの祖先が『オン』出身だというセリフがあって(「雷の季節の終わりに」の舞台が『穏』)、こういう作者の遊びを見つけると楽しい。 | ||||
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自分がいつの間にか時計を持ったウサギになっていて、ありゃりゃ、なんか変だぞと思ったところが、気がついたらアリスの世界をぐるぐる旅していた、みたいな。そんな、夢ともうつつともつかない気持ちになりながら、頁をめくっていました。 物語の舞台は、無数の島が浮かぶ南太平洋かどこかの多島界の中にあるトロンバス島。不思議な魔法の力が働いている島です。そうですね、ちょっと思い浮かべたのが、ル=グウィンの「ゲド戦記」シリーズの舞台となる多島界アースシー、あの世界の雰囲気にやや近いかな、と。話の中で登場人物が見る悪夢とか、夜の闇がうっすらと世界の背後にかかっている魔術めいた雰囲気とか、なんでもありかと見えて、その世界にのみ働いている特異なルールに支配された雰囲気が魅力的でしたね。 この異世界・トロンバス島をめぐる話が収められた連作短編集。日本人のタカシ少年が呪術師のユナさんと出会い、トロンバス島で暮らすことになる表題作「南の子供が夜いくところ」を皮切りに、「紫焔樹(しえんじゅ)の島」「十字路のピンクの廟(びょう)」「雲の眠る海」「蛸漁師(たこりょうし)」「まどろみのティユルさん」「夜の果樹園」の七つの話。登場人物がゆるやかにリンクし合っていて、全体として見れば、トロンバス島ほかの異世界ワールドの作品集になっています。 長い尻尾を生やしたトイトイ様(トロンバス島の主みたいな存在)や、真ん丸の目と三日月形の口をした木像の人形、マンゴーやパパイア、ドリアンといった果実の頭をしたフルーツ人間など、奇妙な生き物が登場して、それが不思議に悪夢めいた味わいを醸し出したのも印象的。 見かけは全然そんなふうに見えないけど、実は120歳になるという呪術師のユナさんにまた会いたいし、この多島世界にはまだまだ面白い、不思議の物語が眠っていそうだし、続編、出ないかな。 あと、タイトルを英語にした「Where the Southern Children go at Night」というのがいかしてるな、洒落てるなって、そう思いました。 | ||||
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風の古道を読んだときの衝撃が忘れられず、恒川作品が出るたびに購入して、読んだ。 秋の牢獄や草祭りは、妙な悪意が文章の端々から見え隠れし、読んでいて、すっきりしなかった。 もう、夜市に見た、幻想世界を構築した作品は読めないのだろうか、と落胆していたが、本作品で、久しぶりに、恒川ワールドを堪能した。 絵本のように、くどすぎず、それでいて頭の中に鮮やかに浮かぶ巧みな「背景描写」 多すぎず、少なすぎず、説明口調でないにもかかわらず、世界そのものをたくみに解説した「会話」 南の架空の島へと、私は旅に出ることができた。 改めて、著者の才能に敬服した。 | ||||
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トロンバス島という島で起こる不思議な出来事をまとめた7つの短編集。どの章の物語も空想的な話なのだが、妙なリアリティがあって楽しめた。また、登場人物がいくつかの章にまたがって登場しており、登場人物の過去や未来の様子が別の章で分かるようになっていたのもよかったと思う。 個人的には、「夜の果樹園」が一番おもしろかった。バスに乗り間違えた男が到着した場所はハロウィンの格好をしたような人々が住んでいる街で、自分自身は人間ではなく別の姿になってしまうというお話。これ以上記載するとネタばれになってしまので控えるが、この街での男の暮らしぶりがおもしろかった。 | ||||
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デビュー作「夜市」で注目を集めた気鋭の作家、待望の新作。 日本から遙か南方の島、「トロンバス島」とその周辺を舞台にした全7編からなる連作集。 それぞれの物語は独立しているものの微妙にリンクしており、読み通す内に奇妙なビジョンめいた「異世界」が次第に息づき始める・・・。 「不思議な心地良さ」、これが正直な感想ですね。 ただ、一から十まで全てに説明がつくような作品ではないことや作者のこれまでの作品以上に「ホラー色」が希薄なこともあり不満に思われる方もおられるかも。 私も最初の数編を読んでみて、つながりが見えてこないことやオチらしいものが提示されないことにとまどいを感じました。 しかし読み進める内に「物語の枠組」に捉われないところにこそ面白さがあるように感じられ、後半はどんどんと引き込まれました。 恒川氏の作品の魅力は現実の視点をわずかにズラすことで生じる「異世界」を鮮やかに提示して見せる点にあると思います。 これは基本的にホラーの手法だと思うのですが本作では「恐怖」という切り口にこだわることなく幻想的な世界の構築に挑戦。 南洋の濃密な自然やそこに息づく奇妙な生き物たちの気配をまとって物語は常識だけでなく次第に時空すら超越したものに。 かと言って無駄にスケールアップした「神話的」なものにはなっておらず、微妙なところで我々の「リアル」との接点をキープしております。 その結果として幻想的なお話でありながらも不思議に身近に物語が感じられ、これまで以上に独特の世界を描くことに成功していると思います。 ただ甘いだけではない「楽園」の姿は逆にとても魅力的に映ります。 読めばこの夏は南に出かけたくなる・・・そんな一冊でした。 | ||||
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前作の草祭同様、私たちが住むこの世界と地続きでありそうでなさそうな 微妙な世界観が、夜市等のようにうまく構築されていませんでした。 化け物案山子のエピソードはよかった。 | ||||
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少し、作風が変わったかと思いきや、最後の章 夜の果樹園最高でした いくつかの章に分けられた少し、それぞれの話がリンクしている恒川ワールドを堪能してみてはどうでしょうか? やはり最後の章が最高ですね 奇妙な怪物の書き方がとてもうまい作家です この幻想を思い浮かべるだけでニヤニヤがとまらない | ||||
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どの短編にも、「現に潜む異世界の扉」的な恒川フレーバーがあったが、 長編でないせいか、今一つぐっと引っ張りこまれない感じも。 どの短編も悪くないし、少しずつリンクしているが、 最後に「もうひとまとめ」してくれるような話があったらよかったのにな と思った。 | ||||
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今回は南の島が舞台のお話ばかりです。私はまだ途中までしか読んでないのですが本当に読んでて不思議な気持ちになります。これから読む方の楽しみを奪わないようにネタバレは伏せておきます。ひとつだけネタバレするとどの話も登場人物がどこかでリンクしてるのでそこも面白いです。 恒川氏は発想の転換が出来るかただと某評論家が仰ってましたがまさにそのとおりだと思います。今回も独自の視点で綴られる不思議なお話に引き込まれました。前作では味わったことの無い不思議な感覚にまたもや癒されると思います。 | ||||
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