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虚ろな十字架
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虚ろな十字架の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全175件 141~160 8/9ページ
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物語の内容やその展開の是非については他のreviewerの方々に譲りますが、読後感として個人的には本作は作者なりの死刑存続論であるように思えてなりません。 『人を殺せば死刑―そのようにさだめる最大のメリットは、その犯人にはもう誰も殺されないということだ。』(本文154p) 殺人犯の再犯率に触れたあとに出てくるこの一文こそが、もっとも衝撃的でした。 死刑とは、犯人に罪を償なわせることでも遺族の感情を少しでも和らげることでもなく、今後将来的に失われるかもしれないいくつかの命を守ることを第一に論じられるべきではないか、そう問われているように思えました。 近年のストーカー殺人を例に挙げるまでもなく、救えるはずの命が失われてしまう不条理ほどやりきれないものはない。まったく同感です。 非常に思いテーマを突き付けてくる本作であるからこそ、読後すっきりするなどという単なるミステリーの範疇に収まらない一作ではないでしょうか。死刑制度に持論を持つ読者にこそ一読をお薦めしたい一編です。 | ||||
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私自身は死刑は反対。 何故なら犯罪者を死刑にした所で何も変わらないから。 被害者が生き返る訳でも、被害者(遺族)が救われる訳でも、犯罪が減る訳でもない。 加害者に生きて償わせるのは罪の重さを理解し、 人の命の重さを認識させて自分の愚かさや甘さを痛感させる為であると考えてきた。 大切なのは起きた犯罪を非難するのではなく、 二度と犯罪等の事件を起こさないように行動する事ではないだろうか? そのためには一人一人が罪というものを決して疎かに考えるのではなく、 身近なものであると認識する必要があると言う事をこの本は改めて教えてくれた。 勿論犯罪を犯した者は償いが必要であるし、 どんなに軽い犯罪でも私は許すことができない。 当然犯罪者も到底許せない。 ネットでは悲惨な事件が起こるとすぐに犯人に対して「死刑、死刑」と言っているが、 それが本当に正しい結論なのだろうか? それで本当に気が済むのであろうか? 何か得る物があるのだろうか? 私は仮に家族や友人が何らかの被害に遭っても死刑は望まない。 それよりも二度とこのような事が起こらないように行動するだろう。 ビラを配る等、ほんの些細な行動が有効に働くケースは結構多い。 死刑等の判決を待つより犯罪を少しでも減らそうという行動の方が、 後々犯罪抑止力にもなるし、世の為人の為になると思っている。 死刑という言葉を軽々しく使うのも簡単にしてしまうのもむしろ大問題である。 この本を読んでみて改めてそう思った。 | ||||
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償っているのかそうではないのか、たとえ償っていたとしても法の裁きを受けていなければ償いとはいえない。 現行の法とはあまりにも方程式を導くような形であある。 行為に対しては、もっと心情を察するべきだ。 本書では、このように法と法を取り巻く社会に一石を投じています。 ストーリーの組み立ては理路整然としており、ミステリアスです。 前段の章で、ある点のシーンが出てきて、次のシーンからはまったく別のところからスタートしています。 そして、ある段階から、前段の章が活きてきます。 その時が来たら、前段の章をもう一度読み返すことをおすすめします。 本書では、取り巻く人びとを現在、過去を交錯させながら縦列に展開、そう思いきや、横方向に人のつながりを展開してしていき、まったく飽きさせないシナリオです。 点と点を描写し、その後、直線で結びつけ、直線が面となり、それが凝縮されて、ある視点が浮かんでくるのです。 悲劇でもなく、白黒をつけたものではなく、答えがないのかもしれませんが、いろんな角度から考えさせられ、印象深く余韻が残ります。 | ||||
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電車で広告を見て興味を持ったので買って読みました。読んだ感想はふつうです。結局何を言いたいのかはよくわからなかったのですが、読みやすかったです。 | ||||
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ある一点を覗いては加賀シリーズでやればいいじゃんという内容です。 その一点が死刑制度に対する考えです。 ある主人公をその位置に据えて物語を進行することがこの作品の肝になっています。 しかしそうすることによって主人公を引き立たせるために警察が無能になってしまう、ここが評価の分かれ目だと思います。 構成があまり上手くいっていない所も目につきましたし、起伏の乏しい展開に作者の主張が浮き彫りになってきて嫌気がさしました。 | ||||
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平易な文章なので一日で読み終わりました。 いったい作者は、物語のキーとなる小夜子をどのように描きたかったのでしょうか。 正義の象徴? それとも偽善の象徴? 本作の位置付けを推理小説だとすると、主人公の推理が飛躍しすぎていて読者は付いていけません。 死刑の是非に踏み込んだ人間ドラマだとすると、全体的に登場人物の葛藤が薄いような感じがします。 それと、精進湖の南側に樹海があって、その近くに富士宮市という説明は、地元の人間からすれば支離滅裂です。 間違ってはいないけれど、それは地球儀レベルの話ですね。 | ||||
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読み終わってまず浮かんだ感想が、 本当に東野圭吾が書いたの? でした。 題材自体はいいと思います。 しかし、所々で設定に疑問を感じました。 まず、一番疑問なのが、一般人の主人公が事件の真相に辿り着いたのに警察はなんでわからなかったの?というところ。 犯人の町村を防犯カメラで追って裏をとったなら、それから自首するまで何をしてたかを普通は調べるはず。 また、亡くなった小夜子がそれまで誰と会ってたか、どういう行動をしてたか、携帯の履歴や遺留品を調べれば仁科と沙織に辿り着くのは必然かと。 ストーリーを主人公の視点で進ませたいがために出来たあまりに安っぽい設定だなと感じました。 それと、話のテーマからして、主人公の苦悩など書かれていくのかと思ったら途中からミステリーのような謎解きの展開に。 この展開のせいで全体的に安っぽい作りになったように思います。 こんな分かり易い構成にしないで、もっと読書に感じてもらって考えさせられるような重厚感があってよかったのでは? まるで新人作家のデビュー作、とても売れっ子作家の作品とは思えなかったです。 まぁ、個人の感想ですし、そもそも小説自体そんなたくさん読んでるわけじゃないのであくまで参考程度に。 | ||||
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テーマが重い故にチープさが目立ってしまっています。ミステリーのスパイス的に主張がなされるのであれば娯楽小説だと割り切るのですが、肝心の物語がテーマありきのためどうしても展開や主張の浅さにひっかかってしまいます。「流星の絆」や長編ガリレオのような近年の氏の作品にみられる爽やかさもありません。(テーマがテーマですし当然ですが) あたりはずれの多い東野氏ですが、今回の作品はアタリとは言えないです。ファン以外に特におススメはしませんが、ファンなら久しぶりの暗いテイストのお話ですし一応読んでおいては?といった感想です。 | ||||
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あー、もうなんて面白いの。 ホント東野圭吾さんは外れがなくて安心して読める。 読み終えるのがもったいない感じがする作品でした。 死刑制度についても、その矛盾点や葛藤などが克明に描かれていてとても心地がいいです。 読み終えた後、もう一度ゆっくり読みたいと即座に思いました。 | ||||
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プロローグを念頭に、読み進めるうちに読者を引き込む 手法や、伏線がつながって回収するまでの流れ、物語の中で 死刑や贖罪の是非・軽重・意義を語りかけてくること、 カバー写真の選択など、相変わらず秀逸な出来…。 しかし、プロットに聊かの無理やり感がある。 以下の4行、未読の方は注意! 作造はなぜ自首を?証拠隠滅をしない? 目的のためにはその行動は矛盾している。 そもそも、小夜子が仁科家を訪れる場面で、作造が居合わせるのも、 史也が不在な状況で小夜子が用件を話すのもちょっと…。 話の辻褄合わせにしては、東野らしくないと思った。 物語の不自然さがあってはテーマの重厚感が薄まってしまう…。 よって、「手紙」や「さまよう刃」ほどの心に響くモノはないと感じた。 娘を殺されると、ここまで心が壊れてしまう小夜子。 終盤での花恵の勝手な哀訴。 賛否あろうが、わからないでもないレベル。 我々は、フィクションを読み、当事者でないから客観的に 意見を述べるが、自分が当事者ならどうだろうか? そして、ちょっとズレるが、ただ、思ったこと。 「人間は過ちを犯すものだ」という意見には嫌悪感を持つ。 犯罪以前に、人生の岐路や選択で、感情を抑え、 先見性を持った判断への慎重さが不十分な人が多いような気が するから。 自分だって完璧ではないが、あの時どうしてそうしたのか? が理解できない輩が多い。 「だから人間らしい」「人間だもの」が受ける理由がそこにあるのかな…。 いや、それこそ、当事者じゃないとわからないってことかもしれない。 が、自分の言動によって、家族や仲間や他人までの人生が 変わってしまうことがあることは肝に銘じて生きていきたい。 犯罪や刑罰や贖罪を語る前に、体験しないようにするために大事なことだから…。 | ||||
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いつもながら一点の無駄な描写もなく結末へ一直線の構成力に圧倒される。それでいてストーリーを追っている瞬間にはそれと気づかされないのも見事としかいいようがない。こんな作家がいてはいまさら小説家を目指すことになんの意味があるのだろうか。 | ||||
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何ヶ月か前に出たばかりの「疾風ロンド」を読んで今回は買うのをどうしようかなあと思いながら買って読んでしまいました。 感想は「疾風ロンド」よりかはだいぶんましだった。 なぜ小夜子は由美にあのときに史也を訪ねた理由を話してしまったのか・・・・ 史也が帰ってくるのをちゃんと待つべきだったんじゃあないでしょうかね。 もう少し捻って欲しかったなあ。 1620円は高すぎる。 東野さん、ありきたりでは満足しなくなっているんですよ、ファンは。 | ||||
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一気に読みました。 難しい問題だなーと思いました。 弁護士の人の話とか、目からうろこというか、 たぶん今までそんな事考えたこともなかったなと思ったところも。 花恵の後半の叫びというか、中原に言ったセリフ。 ずいぶんと自分勝手な意見だなとイライラしました。 この本の中の誰に感情移入して読むかによって違ってくるとは思いますが。 読んだ後、なんかもやもやが残る。 | ||||
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テーマ選択的には&カバー帯文章的には、一瞬、薬丸岳さんかと思いました。 もちろん、切り口やストーリー展開は、やはり東野圭吾さんならではを感じさせるものがあ りました。 文章が平易ですから直ぐに読めてしまいましたが、死刑の是非について論じるにあたり、あ まりにもバランスが取れていて、「で、著者としてはどうなの?」という物足りなさが残っ てしまいました。(もっとハッキリしてもいいのでは?でもそれでは読者が減るのかな?) ストーリーの中で一番しっくりこなかったのは、碌でもない筈の犯人が唐突に娘や孫を庇う 様子です。取って付けたような違和感しかなく、読後数日経過しても消化不良気味です。 | ||||
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読み始めはどきどきしてましたが、 途中であ、あの最初の二人・・・ってなんとなく展開がわかってしまったので、 星三つ。 | ||||
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だけど、なぜか?宮部みゆきさんが、書いたのか? 思う様な、作品。 多分これまでの、東野さんが題材にしてへんかった、内容やからやろう、思う。 ただ、場面展開と、同時進行手法は、まるっきり宮部さんの手法。 | ||||
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11年前、愛娘をお金めあての強盗犯に殺された夫婦。 その強盗犯は仮出所中の元・殺人犯だった。 その事件が契機となり離婚することになった男の元へ、元妻が路上で殺されたと刑事が訪ねてくる。 元妻は、単なるお金めあてに刺殺されたのか? 犯人を死刑にしても、遺族の心に何も残らない。 たとえ刑務所に収監されたとしても 再犯率は高いまま。 「虚ろな十字架」とは元妻が書きためていたルポの中の言葉。 「殺人者をそんな虚ろな十字架に縛り付けることにどんな意味があるというのか」 殺人を犯した者にはすべて死刑を適用すべきなのか? 累犯犯罪者を社会はどうすべきなのか? 他の方も書いていましたが 作者の視点は「死刑」という制度の存続について 定まっていません。 しかしながら、それは作者の正直な気持ちの揺れではないかと思います。 そして、「冤罪」が発生する可能性がゼロではない ということも、我々は、考えなければなりません。 どちらかというと、犯罪被害者の親族の方が 死ぬまで十字架にかけられているのではないか・・・と思いました。 | ||||
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接点がないと思われていた犯罪被害者と加害者の意外な関係を明らかにしつつ、犯行動機を解明していく。 裁判員制度が始まってしばらく経ったが、死刑を含めて量刑の難しさを改めて考えさせられた。 | ||||
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悪くは無いです。 及第点以上です。 麒麟の翼、真夏の方程式、ナミヤ雑貨店の奇蹟と同じ点数は付けられます。 ただ、カッコウの卵は誰のものや使命と魂のリミットレベルの感動は無く、 新参者の様な爽やかさはありませんでした。 | ||||
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〈ネタばれあります〉中盤までは非常に面白いと感じました。しかしサスペンスドラマチックな真相にサプライズも感動もできませんでした…【死刑制度】今までなかったテーマなのに、嘘は不幸の連鎖を生み出すっていつものオチですよね? 正直、またかよ!と思いました。私は東野さんの作品は全て読んでいます。個人的な感想ですが、近年の作品は若い方に支持されているけれど(すれた)大人の読む本ではないと感じています。被害者が訪ねてきた日に、疎遠だった父が同じ時間にバッティングってスゴい偶然ですね。 | ||||
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