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妖異金瓶梅
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【この小説が収録されている参考書籍】
妖異金瓶梅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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山田風太郎の忍法帖シリーズは全部読んでいますが、他の明治ものとかは、持ってはいますが、半分くらいしか読んでません。で、この本は表紙がアレなため、積んでいましたが、『第1話の『赤い靴』はすごい』と耳にして、読んでみたら…衝撃が待っていました。す、すごい!面白い!連作短編集なので、次々と読んでいくと、探偵役と犯人のやりとりは蠱惑的に妖しく、時代小説としても立派で、娯楽小説としても最高に楽しくて、なおかつ煌びやかな魔法に彩られている本格ミステリという出来に、涙さえ溢れました。各話で『使い捨てられる』トリックは、ほとんどが前例なき超絶技巧で、真相(トリック)が明かされたたびに、ソファからずり落ちそうになりました。素晴らしい!やっぱり山田風太郎は日本一です。感動だァ!…この本を読むと、今の本格ミステリ界が、いかに幼稚で軽いかが分かります。20年前に、新本格ミステリをバッシングをした人も、こんな心境だったのかな?今の総ミステリライトノベル化現象にも、未来はあるんだろうか? | ||||
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精力絶倫の豪商・西門慶が抱える数多くの妾の中でも、第五夫人 の潘金蓮は、絶世の美貌を持ち、稀代の大淫婦といわれていた。 西門慶をめぐり、妾同士が妍を競う日々の中で、しばしば陰惨な事件が起こる。 屋敷に出入りする西門慶の友人・応伯爵は、毎回真相を 見抜くのだが、決して犯人を糾弾したりしない。なぜなら……。 陰惨でグロテスクな犯行が、純粋で切実な動機を持つ犯人によってなされ、 それを探偵役が黙認し、時には、手助けまでするといった形式の連作短篇。 普通のミステリにおけるハウダニットを期待すると、正直肩透かしですが、作品 の世界観に基づく奇想天外な犯行の趣向それ自体がユニークで、楽しめました。 とはいえ、死体の切断・移動のトリックが冴える「赤い靴」と 「女人大魔王」は、ミステリとして見ても文句なしの傑作です。 後半の短篇からは、『水滸伝』の豪傑たちが登場し、物語が一気に緊迫してきます。 そして、主要人物の死を経て、カタストロフィになだれ込む終盤の展開は圧巻です。 | ||||
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中国の四大奇書の一つと呼ばれる「金瓶梅」をベースに、山田先生が独特の風味を加えた作品。原書はエロティック性と社会批判のため禁書となったが、エロティック味は山田先生の専門なので読む前からワクワクする。原書と物語の構成は変えているが、舞台設定や登場人物はそのまま用いているようである。梁山泊の傑物が跋扈する時代である。大富豪で"稀代の好色漢"西門慶と愛妾達を巡る物語だが、中国流の残虐、色欲、宦刑、男色、狡知、嫉妬、妖艶、殉葬、神仙、狂宴等が楽しめる。勧善懲悪や因果応報等の道徳律は存在せず、ひたすら毒気に満ち溢れた物語をむしろアッケラカランと綴っている所が山田先生ならではであろう。 放埓な生活を送る西門慶の回りで愛妾と美童子達が次々と殺される怪事件が起こるのだが、山田先生の手柄は、道楽者で西門慶の義兄弟の応伯爵を名探偵(?)に仕立て上げた事であろう。最初に事件が起きた時は、"忍法帖"風の突飛な解決をするのだろうと思っていたのだが、どうしてどうして創りは本格なのである。そして犯人の奸計を見破って、犯人に囁く(読者に説明する)のが応伯爵の役目。それでいて犯人から危害を受けない不思議な幇間役だ。「原作+山田流」の妖異譚はそのままに、事件の数だけ短編ミステリが楽しめると言う画期的な趣向である。それもカーの「****」ばりのトリックを使っていたりするので驚きだ。そして最後に待っているカタストロフィー...。 全編を貫く「この世で一番恐ろしいのは女の嫉妬と驕慢」と言うテーマも鮮やかに映える。「金瓶梅」に本格ミステリ味を加えて現在に甦らせた快作。 | ||||
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有名な、天才・山田風太郎が、中国の古典文学作品『金瓶梅』の世界をベースに、恐るべき想像力と構成力を駆使して綴った、本格ミステリ。 このお人は、とてもジャンルに限定などされない、日本エンタテイメント文壇が生んだ巨人なのです。 山田風太郎さんのミステリ作品としては、『太陽黒点』や『眼中の悪魔』などの評価も高いですが、小説としての完成度も含めて、私は『明治断頭台』と並んでこの『妖異金瓶梅』の面白さは白眉だと思ってます。 キャラクター、プロット、描写、エロス、そしてトリック。全てに於いて、類稀なる域に。 終盤には、思いもかけない大破局(カタストロフィ)が! はい。 無論、忍法帖シリーズも抜群に面白いのです。 昔流行った作家、みたいな認識で居る方、そしてミステリファン、小説ファンの方! 極上のエンタテイメントを読まずしてこの世を去ることなかれ。なんてね。 | ||||
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背表紙に「世界ミステリー史上空前絶後の傑作」なんて書いてあるので、「何を大袈裟な」と思って読んだのですが、 いや確かに凄いです。参りました。 山風ならではの、凄い動機と犯人、そして…。 内容は金瓶梅の翻案ミステリ、なんですが金瓶梅を全編読んだ人はそう沢山はいないだろうし、知らなくても楽しめます。 読んだことがあればなお一層楽しめると思います。 終盤、水滸伝の登場人物が重要な役回りを演じるのが、水滸伝好きには嬉しい限りです。 ミステリ、金瓶梅、水滸伝の内どれか一つでも引っ掛かる物があるのであれば、 この作品を読まないのは勿体無いです。 傑作とはこういう作品の為にある言葉なんでしょうなあ。 | ||||
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作者の探偵小説の中では「明治断頭台」などと並んで評価の高い作品。舞台となる時代特有のトリックを仕掛けるという作者の得意の展開が高いレベルで成功した作品。もっとも、扶桑社文庫の方が収録数が多いことは注意が必要。 | ||||
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「金瓶梅」の世界を舞台にした短編ミステリ集。どの短編を取ってもトリックの仕掛け、その動機共にレベルが高い。更に短編はバラバラではなく全体を貫く有機的なつながりを見せており、一つの長編小説として読むことも可能。山田風太郎の代表作というだけでなく、日本ミステリの代表作とも言える作品である。 | ||||
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