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ゆがんだ光輪
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ゆがんだ光輪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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イタリア北西部近くの架空の公国サン・ホアン島を舞台にしている所から、前作「つなわたり」の姉妹編といった趣きだが、本作では殺人事件等の事件は全く起こらず、国家と宗教に対する揶揄を含んだ軽い娯楽小説に仕上がっている。探偵役を務めるのも、コックリル警部の妹である、ミス・コックリル。探偵役と言っても大した謎が存在する訳ではなく、強いて挙げれば以下の2つ。 (1) 公国の大公は、何故ホアニータという有名な聖女を、ローマ教会に聖人として推薦しないのか ? (2) 大公妃は、何故子供(世継ぎ)を産む事を怖れる様になったのか ? この内、(2)は冒頭で堂々としたヒントを与えてくれるので、残念ながら意外性はない(元々、作者には本格ミステリを書く気がないので、問題ないが)。(1)が本作における作者のテーマと関連している様で、架空の公国を舞台に、国家の成り立ちと維持、陽光の中での幾つかのラブ・ロマンス、必ずしも文明人とは言えない島人(元々は海賊の島)と英国人とを対比させた人間模様を気儘に綴ったという趣きの作品である。この際、作者特有の高踏的筆致は相変わらずなので、訳者は大分苦労した由である。 ちなみに、「光輪」とは仏像の「光背」の様なもの。「ゆがんだ光輪」という邦題自身が作者の茶目っ気を表している。殺人事件を対象としない作者の作品は初めて読んだが、娯楽小説としては充分楽しめる出来だと思った。 | ||||
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