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外道忍法帖
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【この小説が収録されている参考書籍】
外道忍法帖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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数ある山田風太郎の忍法帖シリーズの中で、本作は忍者の登場数でトップを誇る作品(逆無双状態の「海鳴り忍法帖」は例外として)。 物語としては、天正少年使節が持ち帰った巨額の財宝を巡り、その在処を記した15個の鈴を巡る争奪戦というのが基本ラインだが、その鈴をそれぞれ胎内に隠すのが大友忍法を体得した隠れ切支丹の15童貞女であり、それを奪わんとするのが、天草家再興に燃える15人の伊賀忍者と、由比正雪配下の15人の甲賀忍者。つまり整理すると、大友忍者15人VS伊賀忍者15人VS甲賀忍者15人という、実に45人もの忍者が三つ巴のトーナメントバトルを展開することになる。更に15童貞女の上に立つ謎の女性・マリア天姫の存在も絡み、忍法合戦+秘宝争奪+謎解きという、およそエンターテイメントとしては極上の材料が揃った本作なのだが、しかし、どうにも個々の忍者のキャラクター、そしてバトルの書き込みが薄いというのが正直なところである。 分量としては忍法帖としては平均的なレベルでありながら、その中で際立って多い人数の忍者を、それも3ウェイで戦わせるというのは、これはさすがの山田風太郎であってもやはり無理があったというべきだろう。何しろ、最大のお楽しみである個々の忍者の忍法すら、出せず仕舞いで終わる者が1人や2人ではない状況なのだから(どうしてこうなったかには色々と見方があるかもしれないが、これだけの人数がいながらトーナメントバトルが開催されるのが全体の3分の1過ぎであることや、バトル初戦の展開を見ていると純粋に構成ミスのような気がする)。 「柳生忍法帖」や「魔界転生」のような作品でも、これだけの数のキャラクターは描かれていない。天才山田風太郎であってもこれは無茶な挑戦であった言うしかない。せめて、忍法帖シリーズ最長と呼ばれるほどの分量(二分冊とか)にしておけば良かったかもしれない。 | ||||
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