魔天忍法帖
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魔天忍法帖の総合評価:
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綺麗な状態でした。 | ||||
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忍者の需要がなくなってしまった江戸末期。公儀隠密の伊賀者、鶉(うずら)平太郎は、魔天からよみがえった服部半蔵に導かれて200年前の戦国期にタイムトリップする。忍者の輝ける時代に活躍せんと意気込むが、しかし… というSF忍法帖。 平太郎が降り立つのは当然、パラレルワールドであり、すべての史実がわれわれの知るそれと微妙に(というか、かなり)ずれている。 徳川家康は石田三成によって隅田川の河原で処刑され、関が原で一大決戦するのは東軍・三成と西軍・豊臣秀吉であり、洞ヶ峠を決め込んで最後に東軍に加勢するのは小早川ではなく明智光秀だ。 秀吉は小栗巣で織田信長に仕える石川五右衛門に討たれ、京の河原に首を晒す。三成は光秀に討たれ、その光秀も本能寺におびき出されて信長に討たれる。信長は江戸へ向かい、そこで幕府を開く…。 よく知られるエピソードがとんでもない状況下で引用され、笑いを誘う。 この一作、歴史改変SFとしての骨格はよくできているのだが、とにかくディテールがスカスカで、リアリティがまったくない。やはり“事実は小説より奇なり”である。 内容も構造も、そしてオチも、私が風太郎の最高傑作と確信する短篇「明智太閤」1960 とほぼ同じ路線で、1964~65年に週刊誌で連載された本作はその長篇版だろうが、密度・テンション・リアリティ、さらにはオチの精度がまったく劣る。主人公のキャラクター造型もブレブレで面白くない。残念ながらC~Dランク作品と言わざるを得ない。 | ||||
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一気読みで読了。掌編ではないので、時間が有ると、有るだけ読んじゃう状態。作者には珍しくSFで言う所のパラレルワールド物である。よって歴史、時代劇好きには、不評かもしれない。山田風太郎の時代小説(明治物も含めて)ってそもそも「主人公が時空を超えない」パラレルワールドなのではないか。「全ての小説がそうではないか、」と云う気もするが、まあ難しい事は今は置いといて(そうでもないか).敢えてパラレルワールドで無くても良かったのでは、と思う。例によって忍者がバンバン死ぬ。小説だから許されるトンデモシーンが続出。忍法帖の中では、笑の割合が多め。伊賀忍者の聖地鍔隠れの里が出てくるが、頭領の百地丹波には唖然とさせられた。全く非道い(笑)! | ||||
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「GQ Japan」誌1995年3月号の特集記事において、山田風太郎はABC3段階で主な自作を自己採点し、この『魔天忍法帖』はCランクと低く評価した。 しかし、3段階に入らない大駄作として『忍法相伝73』『忍法創世記』を挙げていたので、Cランクが「著者自身も認める大駄作」だと言い切るべきではないだろう。 別のインタビュー記事で作者は「自分としては『笑い陰陽師』がいちばん出来がいいと思っているんだけれども、誰もそういってくれない」と言っておられたし、作者の評価と読者の評価が食い違っていたとしても、何の不思議も無い。 まぁたしかに、この作品には、忍法者同士の派手なチーム戦も無ければ、主人公と敵対する強烈なキャラもいない。そうした点で、他の忍法帖より物足りないと感じる人もおられるだろう。 だが、山田風太郎の作品を、すべて一種のナンセンス・ギャグだと考えた場合(たとえば『甲賀忍法帖』での薬師寺天膳の死に様も、笑えるでしょ?)、この作品は、まさにバカバカしくて笑える作品であり、その意味では忍法帖のなかでも上位に属する。 しかも、ナンセンス・ギャグでありながら、時代に翻弄されるばかりで決して歴史の主役たり得ない者たちの悲哀がキチンと伝わってくる内容になっているのには、やはりいつもながらの山田風太郎作品だと、感心させられた。 | ||||
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他のレビューであまり評価されていなかったので、期待していなかったのですが、ページをめくるたびに面白さに惹かれていきました。「面白さ」という点では風太郎の忍法帖ものでも5本の指にはいるかもしれません。風太郎の描く戦国歴史のトンデモ世界にはまってしまいました。ただし、史実に基づいた歴史物好きな人にはあまりお薦めはできないですが。 | ||||
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