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太陽の塔
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太陽の塔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全140件 61~80 4/7ページ
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国際線の長距離フライトで退屈しないよう、成田空港でこの本を買ったのが失敗のもとでした。狭い飛行機の中で文庫本を抱え、顔をヒクヒクさせながら笑いをこらえている中年男(私)の存在は、さぞや周囲からは異様なものに映ったことでしょう。 異性ともごく自然に触れ合える人が当たり前で、そうでない人はおたくとかキモいといった有難くないレッテルを張られかねないこのご時世ですが、主人公に加えてその周囲の人間は、そろいもそろってその極北にいるような人たちばかりです。しかし、私も若いころはそうでしたが、硬派にもなれず軟派でもない、どっちつかずで宙ぶらりん、それでいて自意識だけは異様に高いという人は、今でも案外多いのではないでしょうか。だから、登場人物の妄想暴走ぶりに笑い転げつつも、私を含めた多くの人が、かつての"へもい"自分を思い出しつつ、読後はどこか苦くて甘い気分になったように思います。 p.s.登場人物のモノローグ(特に主人公と飾磨くん)を読んでいて、かつてのうる星やつらのメガネを思い出しました。あの作品が好きな人、あるいは押井守作品が好きな人なら、この作品は最高に面白いでしょう。 | ||||
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はじめは、ただの元カノをストーカーする小説家と思いましたが。 やっぱり、この人の作品は独特のものがありますね。 男の妄想、ゴキブリキューブ、ええじゃないかなど、おもしろいです。 好きな人には読んで欲しいです。 | ||||
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要するに、彼女に振られた男の独白小説です。著者の私小説ではないかと思わせるリアリティがありますが、その真偽は読者にとっては重要ではありません。銀閣寺や鴨川、百万遍、叡山鉄道、四条河原町、東大路通りなど、京都、しかも京大周辺の地理に明るい方には身近に感じられることでしょう。文庫本 240ページとそれほど厚いものではないのですが、小説のわりに文字数が多い。独白が延々と続くため改行が少ないのです。しかも、その文章が堅苦しく冗長なようで、豊富なボキャブラリーを駆使した妄想で彩られているのです。しかしながら、いかに巧みに表現したところで、その内容(主人公の行動)はあまりにくだらなく、アホなのです。笑うしかありません。「京大生ってどうなのよ?」と我が家の長男が心配になるのでした。(苦笑) タイトルの「太陽の塔」は大阪万博のそれです。万博開催当時、お祭り広場の大屋根で隠されていた部分が現在ではすべてあらわになり、広い公園に堂々と屹立していて迫力があります。主人公が水尾さんを万博公園に連れていったとき、彼女は太陽の塔にいたく感動し、これは「宇宙遺産」だと言ったのです。たしかにあれは神か宇宙人のモニュメントにちがいありません。 同じ著者が「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」という小説も書いています。じつは「四畳半神話大系」のアニメを数話見たのですが「太陽の塔」の流れを汲んでいます、「ゴキブリキューブ」とか。その2冊も読んでみようかな、怖いもの見たさで。(笑) | ||||
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斉藤孝「なぜ日本人は学ばなくなったのか」に紹介されていたので読んでみた。 「主人公の『私』は、かつて自分を振った女性を『研究』することに明け暮れるのです」とのこと。こんな話を森見氏が書いていたのだとすれば・・・、これはもう、読むしかない! ■あ、あほだ・・・(笑) この小説に登場する主人公ら登場人物は、いずれも硬派で学術的な言葉を鎧にまとっているのだが、知性的というよりは痴性的である。 己に打ち勝ち、仲間とともに精神的に高めあおうとする、古き良き時代の学生像がオーバーラップする。しかし、彼らはどこかベクトルがずれている。 賢いようでいて、阿呆のようでもある。 しかし、愛すべき存在である。 とても面白い小説だった。 (笑えるという意味でも面白い!) | ||||
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文中でてくる言葉がとってもシュールです。 よくここまでこねくり回していえるもんやなと思いました。 クスクス笑える青春妄想ラブストーリーです。 タイトル『太陽の塔』は主人公の元カノが好きだった宇宙遺産。 | ||||
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誰にでもある。 でも何て言ったらいいのか分からない。 そんな日常の機微を長期計画で見事に書き出すこの人は本当に凄い。 読んでみてください。 読まないで済まして、ええわけがない。 | ||||
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男たちの 男たちによる 男たちのための物語。 男を童貞としてもよい。 妄想は爆発だ。 | ||||
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京都の冬に暴力的な猛威をふるうクリスマスという厚顔無恥な馬鹿騒ぎを憂い、昨今の恋愛礼讃主義に敢然と異を唱え、かような理不尽極まりないクリスマスファシズムに対し「日本人はもう一度節度を取り戻さねばならぬ」と固く心に誓う四人組。私と飾磨大輝(しかまだいき)、高藪智尚(たかやぶともなお)、井戸浩平の哀しくも苦悶に満ちた学生生活。 彼らは溢れんばかりの知性(痴性?)を持って生まれ、その知性を無駄にすることおびただしい。軽佻浮薄な風潮に流されることなく、荒ぶるジョニーをかろうじて理性で統制する彼らは紛う方なき日本男児。果たして彼らに魂の救いはあるのか。願わくは彼らに神の祝福多からんことを。 本書は森見氏が京大の院生であったころに執筆したものにして、氏のデビュー作。独特の文体、知的な言い回しによって、京都に生息する知的おバカの生態が厭味なく描かれ、ついにファンタジーにまで昇華させた実力に舌を巻いた。はっきり言って大好きです、森見氏のこの回りくどい文章。 | ||||
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はるか昔のことではありますが、「私」と似たように 男だけのフォークダンスを踊り狂っていた自分の学生時代を 思い出しながら楽しく読み進めました。 (京都の学生ではありませんでしたが) しかし、読みながら、この本を読む女性っているのだろうか? と思っていたら、本上まなみが解説を書いていた。 なるほど・・・女子にもそういう青春があったのか!という発見をしました。 登場人物の中で、気になったのは「私」が恐れる邪眼。 彼女の「あんまりそんなことばっかりしてるのもどうかと思うよ」 という一言には笑った。 地に足のついていない「私」は自分が間違っていることは重々承知なのだが 足をつけるべき「地」である世の中も「根本的に間違っている」ことを 見抜いているようだ。 「私」が、これから、いつどのような形で地面に着地していくのかが興味深い。 浅羽通明氏がデビュー作『太陽の塔』が『夜は短し 歩けよ乙女』の続編として 読めることを指摘しています。なるほど!! (その内容は浅羽通明氏が、発行している「流行神241号」で) | ||||
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主人公の行動範囲が学生時代の自分の行動範囲と重なっていて懐かしかった。 ちょっと変わった妄想もなぜか共感できる部分があって、 面白い一冊。 ただ京都の地名とか知らない人には果たして面白いのかなぁとちょっと疑問。 | ||||
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主人公はひたすら傲慢不遜でその上やってることはただのストーカーなのだが、長篇一本通して読者に嫌悪感をまったく催させない微妙な匙加減がほんとすごい。 インテリストーカーをこれほど愛すべき存在として描出する筆力とバランス感覚は見事としか言いようがない。 主人公の持つ傲慢さや過剰な自意識は学生時代の男子ならばだれでも通過するものとして共感できるように描かれているし、やってることの悲壮さや惨めさもユーモアにまで見事に昇華している。 どちらのマイナス要素をも作品内でプラス要素に転換しているのだ。 文体も非常に面白い。意図的に前時代的な文体で面白みを引き出す手法なのだが、巧いなあ。 単なる思いつきだけで、ここまでの長篇を書ききれるものではない。確かな文章力、豊富な語彙、知識、教養がバックボーンにあって初めて書ける馬鹿小説。 知識や教養、洞察力が不毛な方面に活かされているのは主人公だけでなく、この作品構造自体についても通じている。 しかし不毛さを突き詰めるとひとつの芸として成立するという好例でもあり、同時に主人公同様に悶々と日々懊悩する底辺インテリたちの希望でもある逸品。 | ||||
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ファンタジー大賞受賞作にふさわしい、ファンタジックな小説。京都の大学生の失恋と日常を描いたものだけど、自分の大学時代を思い出した(京都ではなく 東京だったけど)。 自分も女の子にはもてなくて、男ばかりとつるんでいた(ほとんどマージャン屋だったが)。泣きたくなるくらい切なくなるな。 この作家を読むのは初めてだけど、リズムもいいし、自分好みかも。ほかの作品も読んでみよう。 | ||||
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日本ファンタジーノベル大賞受賞、ということだが、すごく真っ当な青春小説です。非モテの。 恐らく全男子の80%は経験したことがあるだろう、自意識過剰で、でも自分なりの規律には厳しくて、もやもやでどんよりな行き場の無い感情に支配されていて、性欲に踊らされるのも少しずつ慣れ初めて、そして暴走する恋愛感情を制御できない、10代後半から20代前半にかけた、まぁ酷い時期ですよね。屈折した非モテ意識からモテコミュニケーションに反発して、男同士でアホなことして、また女子から蔑まれるという、悲しい男のサガです。 そんな主人公の日常譚ですが、悲壮感が満ちていなく、ある種読了後に爽快ささえ感じるのは、淡々とした口調、コミカルな表現、そして思わず感情移入してしまう独白でしょうか。随所に散りばめられた詩的表現もすごく心地よい。クリスマスイブという非モテには万死に値するイベントに向けて、鬱屈した感情が屈折した自我と相まって高まっていく、というのはこの時期身につまされる人も多いかと思いますが、すごく上手に話しを進めていくなと感じました。 男性にとってはすごく共感する部分の多いこの小説、僕はすごく面白かったし、多くの男子が読むと良いと思います。 | ||||
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京大生である(休学中のようだが)主人公を取り巻く友人達を描いた青春小説である。京都で学生時代を過ごした人には懐かしくほろ苦いような思い出を起こさせるリアリティさがあると思う。話は主人公達が恋愛至上主義の風潮に懸命に反抗しているのが面白い。そして流石京大生らしい知性ある会話がなされていて京大周辺が独特の空間であることがわかる。ただ、主人公の自意識過剰さが何時も現実と妄想の境界線をさまよっているようで、もう少し妄想の部分を減らしたら読みやすく、格調の高い青春小説になったのではないかと思う。 | ||||
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2003年に出た単行本の文庫化。 第15回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作。 当時、京大の大学院生だった著者が、京大気質というものを遺憾なく書き込んだマニア的な作品であった。京大関係者には、ものすごく楽しめると思う。ただ、現代の京大生というよりは、20年前の学生が描かれているようにも感じたが。最近は京大生もまともになってきてしまっているので、このあたりがちょうどいいのかも知れない。 しかし、それだけではなく、誰が読んでも楽しい本であることも間違いない。練り込んだ文章、秀逸なギャグ、全体に漂う哀愁と、良くできた本であった。なにより、作者独特の味わいがある点がいい。 デビュー作ということで消化不良の点も残るが、良作だと思う。 | ||||
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もてない京大生が悶々としながら男同士のむさ苦しい世界で妄想を肥大化させる話として読み進めたのですが、傷心に向き合えず目を背けついつい強がってしまう男の悲しくも美しい物語。どんどん肥大化してく主人公たちの観念論がすごく効果的ですし、マジック・リアリズムもこういう使われ方をすると、昭和の日本映画でよく出てくる短い不条理シーンみたいで、全体に陰影というか立体感を効果的にしています。 恋愛に臆病になった傷心男性には是非とも読んで欲しい一冊です。 | ||||
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もりみー、スゲェよ。 なんだこの本? 若干24才、の割にはもっさくて頭でっかちでちょっとキモい、オトコくささ満載の、 妄想大爆発、いやはやなんだろ、無駄な賢さ+知識×ムサイ切なさのケンランゴーカな怪小説。 なんともいえない、爽やかからはほど遠い、読み終わって自分が臭くなってんじゃないかと心配になる程の、 おいおい、悲しくもキョーレツな物語。 いいからただ読め、黙って悲しい男たちの叫びを聞け! あぁもう、これだからカンサイ人はあなどれん。 なんだこれぇ、ほんと。 もうこうなったら声を大にして言うしかない。 これから失恋するであろう全ての男たちよ、君たちはかくも素晴らしい。 | ||||
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鴨川の河原を一度友人と散歩したことがある。 結局世界は、テレビや、雑誌や、新聞や、そういった 通り一遍のメディアを中心としているのではなく、 最終的には自分自身に戻って来る。 で、お前が好きな女はあいつだろう?ってことばを忘れることが出来ない。 そんな、少し昔のことをすこし切ない気持ちで思い出してしまう作品。 | ||||
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失恋した主人公が,失恋後初のクリスマス・イブを迎えるお話. エリート大学生のプライドと挫折感が入り乱れた心理状態がよく描かれています. 半ばダラダラと大学生活を送りながらも悶々と悩んでいる主人公や仲間たちに 感情移入できるかどうかで評価がわかれるところだと思います. 同一著者の「夜は短し・・・」のあとに読みましたが,ストーリー的には 本作品の方が平凡です. | ||||
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正直読み始めは「なんだこれ?」って感じでした。 言葉の使い方が独特でなんか気持ち悪さも感じたくらいだったし もともと自分が太陽の塔やカバーの雰囲気で惹かれて購入したので イメージと違うって言うのもありました。 でも読み進めていくうちに表現の仕方がなんか気持ちよく感じてきて なんか、自分の心の奥にも実は少しだけくすぶっていたもののような気がしてくる。 正直本当に主人公がいたら気持ち悪いやつだけど、 とても愛嬌があるというか共感しないけど好感をもてるキャラで なんかとてもスッキリした気持ちになりました。 俺はすきだなぁ・・ | ||||
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