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太陽の塔
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太陽の塔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全140件 21~40 2/7ページ
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文章の駆け引きが巧いと感じた。物事を説明するのに、通常の5倍以上は盛り込んでいるのではないかと思うほどの表現方法を取り入れつつ、それをどんどんと昇華させ進めていく独特の文体。言葉が持つ可能性に終始やられぱっなしでした。 褒めたと思えば、卑下してみたり、本当なの?と思ったら嘘だったり、、そのバランスを取り続けながら、物語を進めていく手法は何と表現すればいいだろうか。 クライマックスに近いシーンでは、こんなグダグダな学生たちなのに、予想外な盛り上がりも見せてくれて、さらに文字による視覚的要素も考えられて、圧巻としかいいようがない。 物語の間にちょこちょこ入る叡山電車のエピソードの温度感も絶妙で、お気に入りの一冊となりました。 | ||||
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あまりに面白くて驚きました。 日本ファタジーノベル大賞受賞との広告がかえって、これまでわたしに本書を読むことを躊躇わすことになってしまい、今更ながら他人に勧められて読んでみることになりましたが、いやあ、面白いのなんのって、もう一気読みです。 ニヒルなユーモア感覚と読者を惹きつけてやまない個性的で魅力的な文体で、中島らもや町田康、坂口安吾などの文体が好きな私にとって、とても魅力的な文体です。 昨今の芥川賞受賞作に引けをとらない著者の作家としての力を感じさせます。 そして取り上げられている題材が、私自身の学生時代を彷彿させるかのような、ほろ苦い思い出にかぶり、どこかノスタルジックな想いもありながら、主人公の周辺に現れる人物たちのなんと魅力的なことといったら、もう最高です。 恐ろしく緻密な頭脳を持ちながらも、その才能と知性の無駄遣いっぷりが余人の追随を許さない孤高の法学部生飾磨。 飾磨はいう。「我々の日常の90パーセントは頭の中で起こっている」 そして主人公である「私」は、愛用の自転車「まなみ号」で疾走し、誇りを持って元カノ水尾さんを密かに研究している。 そんな私が水尾さんにプレゼントした太陽電池で動くモダンな招き猫をめぐる「ソーラー招き猫事件」は大爆笑であるから、ぜひとも本書にてお楽しみいただきたい。飾磨の「砂漠の俺作戦」とあわせて大笑いです。 そして主人公を取り巻く友人たちは、共通して我々を責めさいなむ欺瞞に満ちた言葉が濃密にたゆたうクリスマスファシズムを呪い、鴨川に等間隔に並ぶ男女を軽蔑し、幸せそうに並ぶ男女の間に強引に割り込み、男女男女男女男男男男男女男女にするなど、浮かれる世間に挑戦し続けている。 大学時代は人生最大の休暇とも言われるが、この壮大なる無駄な4年間(主人公らは5回生だが)を「意識的に」不毛に過ごすことこそが学生の特権なんだ、それは人生の戦いなのだ、と変に感心したりしています。 傑作。 | ||||
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森見さんの小説に出てくる登場人物は特徴的で好きなことが多いですが、この小説の主人公が自分を見ているようで他人事とは思えませんでした。 感情移入しやすく、スラスラ読めます | ||||
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森見作品の読書歴:有頂天家族2作→宵山万華鏡→夜は短し歩けよ乙女 今回の作品もしょうもなさを大いに笑い、たまの切ない表現にしんみりすることが出来る作品だった。登場人物たちは京大生で決して悪人ではなく「しょうもないんだけど、本当にどうしようもなくはない」人々なため、真にどうしようもない自分の読後に襲う逃れられないやるせなさは今回も冷凍保存。リアルのようなファンタジーかつファンタジーのようなリアルな世界に入り込め「こんな面白いフレーズがあるんだよ」と紹介したい、「どこに笑い切なくなったか語り合いたい」気持ちにさせてくれるような作品に出会えてよかった。その相手が黒髪の乙女であれば最高だけれど残念無念。 | ||||
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大学生の楽しげなにちじょうが綺麗な文章で繰り広げらる。 ふざけた物語に急に差し込まれるファンタジックな描写。 共感を呼ぶ内容 こんな面白い大学生活を送りたい。 友人たちも奇妙で楽しげ。 飾磨と友達になったら面白いだろなぁw リア充なんか糞食らえ。 男汁こそ至高 | ||||
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どこにでもいる、でもある意味他にはいない、さえない男の話 そのさえない男の、1つの失恋から、話は始まります。 さえない男の、「さえな」さ加減。 笑い。 しっかりつかんであります。 全国のさえない男、また、さえない男に興味がある人。 単純に笑いたい人。 呼んでみてはいかがでしょうか? | ||||
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なんでもないような日常を、おもしろおかしく書ける語り口に非常な才能を感じます。 きっとこのような人に好かれる女性は幸せでしょう。 こんなふうに自分を語れたり、異性を思える人は魅力的だなあ、僕もこんな能力がほしいなあと憧れます。 ただ、モチーフである太陽の塔の使い方が多少大振りかなあと思いました。 変に小説としてまとめようとする小聡さみたいなのを感じ、ちょっとそこはノリきれませんでしたが、この小説は作者が京大の在学中に書いた処女作だと知り、妙に納得がいきました。 ファンになりましたので、この次の作も読んでみたいと思います。 | ||||
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森見登美彦さんの本は2冊目になります。一冊目は「夜は短し歩けよ乙女」でした。 作品の場面が京都である点と、独特で豊かな日本語にひかれて、一冊目を読み終えました。 少し別の作家三野作品を読んでいましたが、中毒のように森見さんの作品が読みたくなり、手に取りました。 やはり、豊かな日本語でちょっと偏った考え方を持っている男子大学生の学生生活が描かれています。 なかなか、他にはない本多と思います。豊かな日本語の表現に触れたい方におすすめです。 | ||||
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「この話は、俺が書きたかった」とさえ思った。 懊悩やら自尊心やらを満載した学生の、その負のエネル ギーが妄想成分たっぷりで出力されたものである。 「もし人間の苦悩やらが有益なエネルギーになれば」 云々の与太話が作中にあるが、本書がまさに、 人類にとっての天恵と言っても過言ではない。 惜しいのは、後半の「ええじゃないか」のくだりが やや唐突なのと、妄想がもう一盛りほしいところ。 | ||||
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「夜は短し・・・」で森見さんに出会い、 この作品で記念すべき10作目です。 さかのぼってのデビュー作拝読となりました。 語り手が、自身の名をもじった「森本」であったり、 愛用の自転車に「まなみ号」と名付けるなど、 固有名詞が生々しい。 ジョニーの記述も多く、実に生々しい。 正真正銘の、現役腐れ大学生(失礼!)という事実も含めて、 若さ故の痛々しさがリアルに伝わってきました。 なんだか知っているようで、知らなかった 好きな人の過去を知ってしまったような 照れくさい気持ちです。 今後誕生する、あんな阿呆やこんな阿呆、 妖怪・天狗・神に至るまで、すべてこの作品があればこそ、 と思うと、まことにありがたい一冊に思え、 愛おしくなります。 | ||||
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怠惰でろくでもないことに情熱を注ぐ、ある意味では健全な青春小説。 しかしそれは清々しく華やかな青春ではなく、むしろむさ苦しくてさえないどんよりとした青春である。 ではなぜ「青春」なのかと聞かれれば、男という単純明快で真っ直ぐな生物をありのままに描いていることにある。 それを助長しているのが、作者の文才である。大言壮語、唯我独尊。独特で自信に満ちた文章能力は秀逸である。 殊勝なまでの馬鹿馬鹿しさをシリアスに求め続ける主人公と、その周りに集まる個性豊かという表現を越えた仲間達。 とても濃密な物語を読者に提供してくれた、新進気鋭の作家だ。 | ||||
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森見節炸裂のおかしい大学生シリーズ(?)パート1です。 読みにくいと感じるのは初めだけ。 嵌るともう止められません。 京大生の筈なのに、どこかおかしい主人公(どことは言いません)。 そして類は友を呼ぶ、彼の周りに集まるのは ・・・・。 物語の舞台は世界に名高い観光地京都なのですが、その格調高い京都を、歪んだ親しみと奇妙な懐かしさで一杯にしてくれました。 森見先生、ありがとうございます。 | ||||
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相変わらずの京都の大学に通うひねくれ大学生が主人公で、思考も言動もひねくれまくりですが、それがいい。 冒頭で触れられているように読後に男臭さがすごく増すような気がします。笑 今から大学生になる人、大学在学中の人は必見ですが何か大事なものを失うような感じもあります。 | ||||
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かなり賛否の分かれそうな作品。 文学的で古風な言い回しでストーカー大学生の下らなく、益のない、バカバカしい日常が描かれる。 常に書き方は理屈っぽく、シニカル。 あくまで個人的なイメージだが極めて高尚な例をだすと 「吾輩は猫である」や「カラマーゾフの兄弟」を連想してしまった。 先方に非常に失礼な気もしますが・・・・。 テンションも終始あまり変わらず、ストーリーも平坦なので、 この特異な文体のリズムが合うか合わないかに尽きると思う。 買う前に数ページ読んでみて、文体が面白いと思った方には「買い」。 合わないと思った方は「買わない」。 合わない人は頑張って最後まで読んでも時間の無駄でしょう。 人に薦められるとは思わないが、わたしは結構好きです。 | ||||
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女性にからしき縁のない、男汁したたる腐りかけの大学生の妄想クロニクル。太陽の塔が、どうしても見るべきものであるならば、恋もどうしても落ちるべきものなのかもしれない。苦々しい、失恋のあとのまつり。太陽の塔の存在感が、胸に迫ります。 | ||||
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夜は短し歩けよ乙女、四畳半神話体系の方がメジャーでそこからこちらの方に入るという方が多い気がします。 まさにこの流れに乗るのが、いやこの本の延長線上にあるのがその2作ですね。 あの語り口が好きな人には当然受け入れやすいと思います。京大や京都の町が好きな人にも受け入れやすいと思います。 逆にそれらが無理なら無理ですね。笑 ストーリーとしてはリアリスティックだけどやっぱりファンタスティックな面も持つこれまた森見さん王道なパターン。 ですが冒頭にあげた二作に比べれば、場面の変化や登場人物のバラエティには欠けるかなと言う気がします。 そこらへんが冒頭二作との知名度の差につながったのでは。 でもやはり男子大学生の鬱々とした感じをうまく表現されているし、読みやすい作品だと思います。 | ||||
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四畳半神話体系(アニメ、小説拝見しました)から森見さんを知り、色々読んでみたくなって購入。 独特の言い回しが本当にツボで、クスッと笑える所や、若い世代の男性ならではの考え方が独特で、ニヤニヤしながら読んでしまいました。 中古でしたのでお値段も安く、十分満足でした! | ||||
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森見登美彦のデビュー作で、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 私は初めて読んだとき、爆笑しました。 内容の割に、文章もしっかりしています。 自信を持って、お薦めします。 | ||||
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現役京大生(正確には院生)が書いた書物だけにこれぞ京大生の生態が思う存分描かれている。ストーリーそのものは もてない京大生4人組の滅茶苦茶ではあるが、きっちりと勉強をして、思索にも十分ふけったことは間違いない学生 生活の中で、案の定、全くもてない彼らの一人主人公の「私」の失恋を核に、それぞれのもてなくて、理屈っぽくて、 それでいて妙に純粋で、憎めない彼らの学生生活が描かれているだけであり、太陽の塔という題名も、主人公が 惚れた女性、水尾さんがどういうわけか太陽の塔を好きでたまらないということから付けられたもので、どうってことは ない。全編を通じて言えることは作者の文章力の確かさと弛まざるユーモア精神の面白さである。超真面目な4人組が いつも失敗ばかりする、それでいてその失敗には何かと理屈が付けられ、それがまた新たなユーモアを誘い、登場人物 への愛情を掻き立ててくれる。 | ||||
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著者は、奈良県出身、京都大学農学部大学院修士課程修了の森見登美彦。 (H18/6/1 ' H19/7/30 第10刷発行) 女性とは絶望的に縁がない「私」に、三回生になって恋人ができた。 恋人の名前は「水尾さん」といい、毎日が愉快で楽しかった。 しかし、「水尾さん」はこともあろうに、「私」を振ったのだった。 失恋を経験した、経験する予定の男たちに捧ぐファンタジーノベル大賞受賞作。 自分が、もし仮に小説を書くならば、森見さんのような文章が書きたい! 西尾維新と久米田康治を足して二で割って高尚(?)にしたような文章が、読んでいて小気味よく、随所にクスッと笑えるのがとても楽しい。 あと、京都に少しでも造詣があるならば、是非読むことをお勧めする。 京都の描写がほぼ毎ページ中にあり、まざまざと光景が浮かんできます。 ───「待ち受け画面が自動的に切り替わり、「Christmas Eve」と表示されていた。これは一電化製品による明白な反乱であると私は思った。明け方から陰鬱な雨が降っていた。クリスマスイブが来た。」(p.205) | ||||
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