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太陽の塔
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太陽の塔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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女性を必要とせず,女性に必要とされず「華がなかった」主人公の私にも,いわゆる『彼女』ができた・・・彼女の名は水尾さん。実に魅力的な彼女であったが,私は彼女から袖にされた。それ以来,私は長きにわたり,「水尾さん研究」を行ってきた。そんな私の周りに今年もクリスマスという怪物の陰が忍び寄ってきた・・・ ここ最近よく読んでいる同作家のデビュー作。内容的には男汁漂う男達の悲しきくも,楽しい物語であるが,これ以降の作者の作品の源流となっている感じる。そういう意味ではこの作品から発行順に,この作者の本は読んでいった方がいいのではないかと感じたが,私としてはこの作品の世界観は,デビュー作だけに多少中途半端な気がする。そのため後に読んで,この作者の世界観の原流を楽しみながら読むのも一興ではないのかと感じた。 | ||||
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京都で学生生活をした(女の子にあまりエンのない)元学生には郷愁を誘う。 妄想をファンタジーと読み替えれば、ファンダジー大賞の受賞もありか。 現役学生が貸してくれたので読んでみた。2行に1行読めば、あらすじはわかるので 2時間もかからない。途中でなんどかやめて寝ようと思いつつ、終盤まで読んだ。 終盤になってそれまでの、京都で学生する人たちの間での小道具がならび、妄想に はしるだけの文章から、想像をすこし超えた新しい世界がうまれ、読んだかいはあったと 感じた。話術とでもいう文体はすきでもないけど、小道具は郷愁だけでなく、 現役学生にもある程度のシンパを得るようだし、終盤の妄想もなかなか良いので、 売れているのもナットク。 そう、妄想する自由は、とくに学生の頃はおおいにあるし、それは世代や時代、 ましてや場所を限定しないだろう。 お金を出して読むべきかどうかは?だ。持ってる人に貸してもらおう。 持ってる人はどんどん貸して、もとを取ろう。 | ||||
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話題作です。 「夜は短し、歩けよ乙女」と同じく、独特の作風はすでに本作で 確立されています。文体や構成、なにより主題が非常に独特で、 読めばすぐ、この作者の作品だとわかります。このような感覚は ジャンルは違いますが、京極夏彦を初めて読んだときに近いものが あります。 内容はすでに他のレビュアーの皆さんがお書きになっているように、 京都を舞台にした、妄想大魔王達の疾走する日常が、半ば強引に 勢いだけで語られていきます。前半の盛り上がり、絶妙な言い回しの 連発に比べて、後半少し盛り下がりますが、作品の主題が、そもそも 勢いと妄想にあるようなので、それもまた良いのかもしれません。 久しぶりに登場した貴重な若手作家だと思います。 妄想族だけでなく、万人が読むべき21世紀の純文学です。 | ||||
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今話題の作者のデビュー作ということで読んでみました。 ファンタジーノベル大賞受賞作です。 でも・・・ 私にはこれはファンタジーとはとても呼べないような・・・ 作者云うところの「ジョニー」を慰めるための私的小説(私小説ではない) といった雰囲気がぷんぷんと漂ってきます。 京都の街の描写が、非常に丁寧によく描写されているとおもうのですが・・・ なぜか大阪の「太陽の塔」が京都に割り込んでくるといった感じですね。 うーん。 | ||||
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小説というよりも一人称で展開される自分による自分研究本でした。京大生の思考は実際にこんな感じなのかな?と考えると面白いと思いますが、ストーリー的にはそれほど面白いものではありません。 私も京都には1年間ですが住んだことがあるので、本書に出てくる京都の地理や施設を懐かしい気持ちで読んでいましたが、本書内の個人的な恋愛感等に関しては同調できるものではありませんでした。 ただ、著者である森見氏は直木賞候補にも名前が挙がった人ですから、その人のデビュー作という色眼鏡で見れば一寸は面白かもしれません。 | ||||
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京都という異形の町と大阪に屹立する太陽の塔。それぞれの個性が作品を引き締めているように感じました。大学生の日常は、行動と考えが一致するわけではなく、感情が理性を上回りながら進んでいく。だからこその貴重な日々だろうし、振り返ってみると妙に恥ずかしさを感じるのだろう。 この作品に謝辞があるとしたら、ダグラス・ホールディングスへだろうか?ホールデン・コールフィールドへだろうか? | ||||
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異色作です。その前に「一読の価値がある」と付け加えるかどうかが迷うところですけど。 「すべての失恋男たちに捧ぐ」という惹句が見えますが、「すべて」と言うより一部の失恋男に深ーく愛される作品かと。それから京都に土地鑑がないと置いてきぼりを食らった気持ちになるかな・・・でもその点は想像力で補って読べきか。ファンタジーですからね。 登場人物について。モテない四天王が、とんでもなくヘンテコなようでいて少々小粒、ヘンテコぶり、ヘンテコ故の切実さがリアルに伝わってこないのが残念。この4人ですら「まあまあ変わり者」程度のところを、語り手である主人公の妄想・誇大表現で底上げしたのかと勘ぐってしまいます。主人公が失恋した「水尾さん」も同じくうまく伝わってこないのですが、これは主人公との悲しい隔たりを示すための確信犯的書き方でしょうか? ただそれがうまくいっているかというと・・・ 登場人物と、エピソードがうまく連携していないような感も。だから、部分部分ではおもしろく読めるのだけど、総合力でずしんと響くものにはならなかったです。 大仰な一人語りにちらっと覗く内省的で気弱な文章。肥大化した内面とちっぽけな実像の間を主人公が行き来する様は、ちょっとひりひりします。そこがツボかと思いました。 書評などで本書へのコメントを見ると、京大にはこんな学生が少なからず生息するとか。どんな皮をかぶった京大生がこんな内面を抱えているのか、見てみたいなあと思いました。彼らの下宿もぜひ覗いてみたいです。その意味では興味をかきたてられた一冊。 | ||||
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頭でっかちな「私」が失恋から約1年に渡る心の変遷を綴った半自伝的小説に思えましたが、どうも読んでいてあまり面白くありませんでした。文士風の文章は頭の良さを感じさせつつも、”いかめしい””古臭い”印象が拭えませんでしたし、小説の内容の殆どが「私」の思索と日常で埋められていて、一部ファンタジー要素がありましたが、これでは一部色が使われていたから「シンドラーのリスト」はカラー映画だっ!と言い切ってしまうような乱暴さが伺えて、これをファンタジーノベル大賞に冠するのはちょっと違うのでは?と思いました。 読んでいて一番良かったのは本上まなみの解説でした。彼女の文章を読んでいると心がほっこりしてきます。 | ||||
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京都を舞台に作品を書き続ける森見登美彦のデビュー作。 作者自身、奈良に生まれて京大生として過ごした学生生活が この作品のベースになっているのでしょうか!? とにかく、変です!! 登場する男子学生は、全員ひと癖もふた癖もあるツワモノ揃い。 考えることもやることもフツーじゃないんですが、 大学時代だからこそ、許されるという雰囲気。 モテない男子学生たちの、妄想とくだらないいたずらの日々・・・。 この絶妙なズレ具合、アリです。 | ||||
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「夜は短し歩けよ乙女」を先に読み、この「太陽の塔」の方がよかったという意見が少なからずあったため、読んでみたがいま一つだった。 「ええじゃないか」から終わりまで、独特の雰囲気を作り出すことに成功しているほかは、退屈で飛ばし読みすることもしばしば。妄想の対象である水尾さんのイメージが最後まで湧かず、入り込めない。「夜は短し〜」はその点、(男の妄想にはまったものではあるけれども)魅力的なヒロインというのが確立できていた。 もう一つ、エンターテイメントなので面白けりゃ良くて、読み終わって何か考えさせられるようなことは期待する必要もないけれど、この「妄想」という切り口は「夜は短し〜」で完成された感があり、今後同じことをやっていては先細りになるのではないでしょうか。 | ||||
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大学生の失恋の話。もてない男達がうだうだと集まって明晰な頭脳によって恋愛の下らなさを否定するのだが、当然思想という深い森に迷い込むだけでもてないという事実からは逃れられず、さらにもんもんとする話。 主人公が振られた彼女にもつ切実な想いを、屈折した言葉を使って振られたことを肯定していこうとする心理状態を面白く面白く書いていく技術や、言葉の使い方に共時的な面白さを感じることができた。 物語としても、最後に物語を盛り上げるために「ええじゃないか」があったり、なぜか、悲しくなるラストはよかった。 自意識過剰な感じはするが、それはそれで私はあまり気にならない。とても面白いと思う。 | ||||
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京大卒の後輩Tから「くだらないですけど、読むと絶対懐かしくなりますから、ぜひ読んでみてください」と推薦され、読んだ一冊。日本ファンタジーノベル大賞受賞作ということだが、この大賞、どのくらい重みのあるステータスなのだろうか。内容は、京大の学生でオタクの主人公の恋愛に関する独白小説。ほとんど筆者の実体験をベースにしていると思われる。本当にくだらないが、これまでベールに包まれていたオタクの行動生態をつぶさに観察することができるという点で面白いし、たしかに京大周辺の地名や「鴨川等間隔の法則」といった京都に住む人間であれば誰でも知っている事象?が当たり前のように登場し、懐かしい気分に浸ることができる。また、本上まなみが解説を書いているのがなかなか面白い。京大卒の人限定ではあるが、流し読みしてみるとよいと思う。 | ||||
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京大農学部を休学中の五回生(作者自身がモデル?)が語る,イケてない日常の日々。 中盤までは爆笑の日常の連続。こういう勘違い系の学生って,やっぱ多いのかな。彼らの綴る馬鹿馬鹿しい日々が,大仰な文体で綴られているためか「プッ」と吹き出してしまうことが何度も。 時はクリスマス商戦真っ只中。イケてない学生にとって,クリスマスは恋人と過ごすものと定義される昨今の風潮は到底受け入れがたい。そこで彼らは「恋愛ファシズムに対する挑戦」を企て,「我々の精神の持つエネルギーで,鴨川に座る男女を焼き払う!」と息巻く。すげーよ,そのエネルギー。 ただね。第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品ということですが,この本の何をもって「ファンタジー」とするかについては議論がありそう。特に後半では現実とファンタジーの境界があいまいで,作者の世界から置いていかれそうになりました。そこが少々,心残り。 | ||||
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日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 京大生が主人公であるため、京都の街を舞台にしている。 一人旅にはちょうど良いと思い買ってみた。 ロマンチックな失恋話かと思っていたが、そうではない。 片思いの相手に妄想妄想妄想。 大学生がいかにグダグダな生活を送っているかがこれを読めばわかる。 天下の京大でもそうなんだ。と。 正直何がファンタージーなのかわからなかった。 | ||||
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ばかばかしい、男臭い、むさ苦しい・・・そんな批評がこの作品には褒め言葉になってしまう。本にも書いてあるんだけれど、本当に「読了したあかつきには、体臭が人一倍濃くなっているだろう」、まさにそんな作品でした。でも、その男臭さが女の私にもまったく不快に感じられない不思議・・・。京都大学の男子学生・森本が主人公。森本は自分を振った後輩の女の子をつけまわすことを日常としている。彼と友人たちはカップルを憎悪し、クリスマスを呪う「イケてない」大学生(というか、全員変人)。そんなかれらの異常な青春小説(さわやかな汗の似合う青春ではないが)です。おもしろいのはストーリーより表現力・言葉の選び方。登場人物たちに難しい言葉をあえて使わせることによって彼らの変態はぐ~っと増しています。どの登場人物も個性的で、変人。キャラクター設定がまるでアニメか映画のよう。この辺が若い男性のデビュー作らしい!舞台が京大なので、京大の学生さんにはぜひ読んでほしいですね。 京都の土地勘がある人にもおすすめです。 | ||||
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大学生までは、私も純文学が大好きだった。現在だと平野啓一郎あたりがそういう傾向の作品を書く一番手じゃないかなあ。 だが、私は純文学というものに疲れた。だって大江健三郎の作品を読むのが苦痛になってきたもの。もっと明快なカタルシス、消費財としてのストーリーを求めるようになった。 この作品には純文学のにおいがする。そしてそれを恥ずかしがっている気配もある。人を小ばかにしたような学生っぽい屁理屈じみた文体は、テレ隠しとも取れる。 京大生の楽屋オチっぽい話ながら、ときどきプチ・シュールになる。大学生のときに読めば、もっと楽しめたかも。 | ||||
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楽しく読めた。二度読んだ。地理的な描写は正確で、在住者としては楽に頭の中に地図が描けて楽しい。下宿生活の描写は、四畳半とはいかないまでも六畳風呂なしトイレ台所共同下宿経験者としては、それはないやろ?と突っ込みたくなるところは多々ある。。。が、それはさておき、経験者にとってこんなのはファンタジーでもなんでもない。。。ただのリアリズムです(笑)。。。そういう意味で、京都の百万遍中心に半径3キロっていうのは、確かに不思議なところではある。京都在住じゃない人にこの作品がどんな風に映るのか、興味あります。内容的には、猫に似た彼女と、巨大招き猫と、太陽の塔と、男だけのペーソスあふれるクリスマスと、そして、「ええじゃないか」との連携がうまくいってるとは思えない。少なくとも私の頭のなかでは、それぞれのイメージがてんでばらばらにあって、そこにあるための必然性が感じられない。冒頭のデビッドコッパーフィールドも、実際にディッケンズを読んで引っ張ってきたというよりは、サリンジャーの受け売りと言う感じがするし、新渡戸稲造がいったいどうした?って、なにがいいたい?って感じです。コトバが難しくて、しばしば辞書に頼らざるを得なかった。「こんなむつかしいこと、ボク知ってるねん」みたいな、ハナにつく文章。でも、ところどころ、これはちょっと他の人には出来ひんやろ?と思える思い切りのよい、ざくっとした切り口のスタイルが光っていて、例えば、主人公がガールフレンドに振られたことを最初に告白する場面は、ぞくっとした。 先が楽しみな作者だと思います。最後に、ゴキブリキューブのくだりは、素直に面白かった。それと、やっぱり、田中のクリスマス電飾は、あまりにもみすぼらしいと思います。それを書いてくれる人がいてくれて、ちょっと、カタルシスです。 | ||||
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