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致死海流
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【この小説が収録されている参考書籍】
致死海流の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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森村誠一が大ベストセラー作家となり、年間所得額が6億円を超え、うち納税額が5億4千万円だったという時期に書かれた、書下ろし長編である。あとがきには「実に五年ぶりの書き下ろし」であり、二年がかりで書いたとある。 なかなかの力作だが、著者苦心の「密室」トリックは、今では現場平面図を見ただけで見当が付いてしまう。 森村誠一が悪いのではない。 この『致死海流』から10年後に刊行された、某推理作家のデビュー長編のメイントリックが、この作品のトリックとソックリなのだ。 アレが当時、あまり話題にならなかったのは、トリックに先例があったからだったのか。そのことには驚いた。 この作品では、作者が用意したもうひとつの工夫である、アリバイトリックの方が面白い。 一生懸命アリバイ工作を考えたとしても、偶然から現場で知人と出会ってしまったら?その日に限って交通ダイヤに乱れが生じたら?と、ツッコミを入れたくなる読者を想定した「意外性のあるアリバイ崩し」が展開されている。 ただし、こちらは森村誠一本人の『悪夢の設計者』を連想させるところがある。あちらより皮肉が効いているから良しとすべきか。 | ||||
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本作品は1978年6月に光文社から出版された森村氏の5年ぶりとなる書き下ろし小説です。あとがきで述べています。連載となると途中で新たな変更が出来ないけど、書き下ろしは完全に出来上がるまで発表されないので、納得いくまで構成を練れて手を加えられたと自信をみせています。 千葉県銚子の犬吠埼沖で銚子漁業協同組合所属の漁船50トン第三信栄丸の乗組員が女の“マグロ”(漁業用語で溺死者のこと)を発見したという生臭い話から始まります。銚子海上保安部で身元を調べた結果、東京から八丈島へ向かう連絡船フリージア丸に乗っていた宇根沢望と分かった。 一方、八丈島の民宿「黒潮館」の経営者、浜野太助は昨夜宿泊した二人の男女が八丈富士へ登ると言ったまま帰って来ないので気がかりで仕方なかった。捜索隊を出して八丈富士に通じる一帯を捜索した結果、溶岩の窪みの穴に死後変化によって人相はかなり変わっていたが、浜尾太助によって宿泊者の岩井輝子であることが確認された。 森村氏は、よく作中でその当時の社会の様子を詳しく描いていますが、本作では、若者に健全な旅行の宿として人気のあったユースホステルについて述べています。男女別室、6時起床9時就寝、喫煙飲酒不可という健全性と安価な宿泊費によって高校生以上の若い人たちに人気があった。 現在では、それほど人気は無くなってしまったが、主だった観光地には必ず有ることと当時より、大幅に規制が緩和されたことで外国人や一部の人に人気がある。 捜査員は和歌山県の勝浦にある海恵寺ユースホステルの宿泊名簿から二人が同宿していたことを突き止め、犬吠埼沖の溺死体と八丈富士の変死体が連続殺人事件であることが確認され捜査本部が立ち上げられた。ここまでの話の流れは森村氏の絶妙な仕立て方です。 更に面白いのは、宇根沢望と岩井輝子を殺害したと思われる二人の容疑者が浮かぶのだが、二人には完璧なアリバイがあるのだ。本書中盤から「フラッシュバック」という形で二人の会話が書き込まれていて犯人は特定できる。従って、ここからは犯人が初めから分かっていて徐々に犯人を追及していくという倒叙式の推理小説になっています。 結末は、相互殺人事件となるのだから奇想天外です。初心者マークが付くけどエレベーター密室殺人トリックも面白い。 | ||||
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本作品は1978年6月に光文社から出版された森村氏の5年ぶりとなる書き下ろし小説です。あとがきで述べています。連載となると途中で新たな変更が出来ないけど、書き下ろしは完全に出来上がるまで発表されないので、納得いくまで構成を練れて手を加えられたと自信をみせています。 千葉県銚子の犬吠埼沖で銚子漁業協同組合所属の漁船50トン第三信栄丸の乗組員が女の“マグロ”(漁業用語で溺死者のこと)を発見したという生臭い話から始まります。銚子海上保安部で身元を調べた結果、東京から八丈島へ向かう連絡船フリージア丸に乗っていた宇根沢望と分かった。 一方、八丈島の民宿「黒潮館」の経営者、浜野太助は昨夜宿泊した二人の男女が八丈富士へ登ると言ったまま帰って来ないので気がかりで仕方なかった。捜索隊を出して八丈富士に通じる一帯を捜索した結果、溶岩の窪みの穴に死後変化によって人相はかなり変わっていたが、浜尾太助によって宿泊者の岩井輝子であることが確認された。 森村氏は、よく作中でその当時の社会の様子を詳しく描いていますが、本作では、若者に健全な旅行の宿として人気のあったユースホステルについて述べています。男女別室、6時起床9時就寝、喫煙飲酒不可という健全性と安価な宿泊費によって高校生以上の若い人たちに人気があった。 現在では、それほど人気は無くなってしまったが、主だった観光地には必ず有ることと当時より、大幅に規制が緩和されたことで外国人や一部の人に人気がある。 捜査員は和歌山県の勝浦にある海恵寺ユースホステルの宿泊名簿から二人が同宿していたことを突き止め、犬吠埼沖の溺死体と八丈富士の変死体が連続殺人事件であることが確認され捜査本部が立ち上げられた。ここまでの話の流れは森村氏の絶妙な仕立て方です。 更に面白いのは、宇根沢望と岩井輝子を殺害したと思われる二人の容疑者が浮かぶのだが、二人には完璧なアリバイがあるのだ。本書中盤から「フラッシュバック」という形で二人の会話が書き込まれていて犯人は特定できる。従って、ここからは犯人が初めから分かっていて徐々に犯人を追及していくという倒叙式の推理小説になっています。 結末は、相互殺人事件となるのだから奇想天外です。初心者マークが付くけどエレベーター密室殺人トリックも面白い。 | ||||
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本作品は1978年6月に光文社から出版された森村氏の5年ぶりとなる書き下ろし小説です。あとがきで述べています。連載となると途中で新たな変更が出来ないけど、書き下ろしは完全に出来上がるまで発表されないので、納得いくまで構成を練れて手を加えられたと自信をみせています。 千葉県銚子の犬吠埼沖で銚子漁業協同組合所属の漁船50トン第三信栄丸の乗組員が女の“マグロ”(漁業用語で溺死者のこと)を発見したという生臭い話から始まります。銚子海上保安部で身元を調べた結果、東京から八丈島へ向かう連絡船フリージア丸に乗っていた宇根沢望と分かった。 一方、八丈島の民宿「黒潮館」の経営者、浜野太助は昨夜宿泊した二人の男女が八丈富士へ登ると言ったまま帰って来ないので気がかりで仕方なかった。捜索隊を出して八丈富士に通じる一帯を捜索した結果、溶岩の窪みの穴に死後変化によって人相はかなり変わっていたが、浜尾太助によって宿泊者の岩井輝子であることが確認された。 森村氏は、よく作中でその当時の社会の様子を詳しく描いていますが、本作では、若者に健全な旅行の宿として人気のあったユースホステルについて述べています。男女別室、6時起床9時就寝、喫煙飲酒不可という健全性と安価な宿泊費によって高校生以上の若い人たちに人気があった。 現在では、それほど人気は無くなってしまったが、主だった観光地には必ず有ることと当時より、大幅に規制が緩和されたことで外国人や一部の人に人気がある。 捜査員は和歌山県の勝浦にある海恵寺ユースホステルの宿泊名簿から二人が同宿していたことを突き止め、犬吠埼沖の溺死体と八丈富士の変死体が連続殺人事件であることが確認され捜査本部が立ち上げられた。ここまでの話の流れは森村氏の絶妙な仕立て方です。 更に面白いのは、宇根沢望と岩井輝子を殺害したと思われる二人の容疑者が浮かぶのだが、二人には完璧なアリバイがあるのだ。本書中盤から「フラッシュバック」という形で二人の会話が書き込まれていて犯人は特定できる。従って、ここからは犯人が初めから分かっていて徐々に犯人を追及していくという倒叙式の推理小説になっています。 結末は、相互殺人事件となるのだから奇想天外です。初心者マークが付くけどエレベーター密室殺人トリックも面白い。 | ||||
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本作品は1978年6月に光文社から出版された森村氏の5年ぶりとなる書き下ろし小説です。あとがきで述べています。連載となると途中で新たな変更が出来ないけど、書き下ろしは完全に出来上がるまで発表されないので、納得いくまで構成を練れて手を加えられたと自信をみせています。 千葉県銚子の犬吠埼沖で銚子漁業協同組合所属の漁船50トン第三信栄丸の乗組員が女の“マグロ”(漁業用語で溺死者のこと)を発見したという生臭い話から始まります。銚子海上保安部で身元を調べた結果、東京から八丈島へ向かう連絡船フリージア丸に乗っていた宇根沢望と分かった。 一方、八丈島の民宿「黒潮館」の経営者、浜野太助は昨夜宿泊した二人の男女が八丈富士へ登ると言ったまま帰って来ないので気がかりで仕方なかった。捜索隊を出して八丈富士に通じる一帯を捜索した結果、溶岩の窪みの穴に死後変化によって人相はかなり変わっていたが、浜尾太助によって宿泊者の岩井輝子であることが確認された。 森村氏は、よく作中でその当時の社会の様子を詳しく描いていますが、本作では、若者に健全な旅行の宿として人気のあったユースホステルについて述べています。男女別室、6時起床9時就寝、喫煙飲酒不可という健全性と安価な宿泊費によって高校生以上の若い人たちに人気があった。 現在では、それほど人気は無くなってしまったが、主だった観光地には必ず有ることと当時より、大幅に規制が緩和されたことで外国人や一部の人に人気がある。 捜査員は和歌山県の勝浦にある海恵寺ユースホステルの宿泊名簿から二人が同宿していたことを突き止め、犬吠埼沖の溺死体と八丈富士の変死体が連続殺人事件であることが確認され捜査本部が立ち上げられた。ここまでの話の流れは森村氏の絶妙な仕立て方です。 更に面白いのは、宇根沢望と岩井輝子を殺害したと思われる二人の容疑者が浮かぶのだが、二人には完璧なアリバイがあるのだ。本書中盤から「フラッシュバック」という形で二人の会話が書き込まれていて犯人は特定できる。従って、ここからは犯人が初めから分かっていて徐々に犯人を追及していくという倒叙式の推理小説になっています。 結末は、相互殺人事件となるのだから奇想天外です。初心者マークが付くけどエレベーター密室殺人トリックも面白い。 | ||||
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森村氏お得意のアリバイと密室を軸に据え定番の展開。今回は男女の愛憎劇とそれに絡む意外な人間関係により複雑な事件が展開されている。アリバイと密室のトリックは正直言うと過去の氏の傑作群と比較すると稚拙な感じもするが、複雑に展開するストーリーの面白さがそれを補っている。 | ||||
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