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未完の肖像
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未完の肖像の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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アガサ・クリスティ初心者で、ミステリー小説だと思って読み始めたが、違った。でも長かったが面白かった。 解説に書いてるように、どうやら失踪事件は本当に著者が起こしていたらしい。また、一時的な記憶喪失も…。そう考えると尚、興味深い一冊だろう。 失踪事件より8年後に書かれたとのことで、やはり人間は年月を経て傷を癒やし、ようやく文章にでき客観視できるのだなと感じた。 主人公が新たに旅立つのが39歳…。人間はいつまでもトラウマを抱え、ずっと幼き心を持ち合わせているのも、実際のところ、そんなもんなんだろうと感じた。 一人の女性の苦労や寂しさ、人生を感じられた。そしてまだ彼女の人生は終わらないのだろう。 | ||||
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アガサにはまって、いろいろ探していました。ネットではすぐに見つかるので本当にうれしいです。 | ||||
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メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。 アガサクリスティの本を数十冊読んだ後で、同じ作者だということを知っていて読んでいるからかもしれない。 特に、アガサクリスティの自叙伝を読み、アガサクリスティの一生を知ってから、メアリウェストマコット作の作品を読むと、どれもアガサクリスティが登場しているように読める。 マープルものの「ミスマープル」、ポアロものの「アリアドニ・オリヴァ」、トミー&タペンスの「タペンス」など、アガサクリスティの分身は多い。 アガサクリスティの分身を見つけることが、アガサクリスティの作品の楽しみ方の一つになっているかもしれない。 アメリカ出身の親、イギリスでの生活、 結婚、出産、失踪、離婚、再婚、中東への発掘調査への随行など、 アガサクリスティの作品には、自分の経験が十分に反映されているように思う。 | ||||
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「未完の肖像」というタイトルには、いかにもミステリを連想させる響きがあるが、この作品は、当初、メアリ・ウェストマコット名義で出版された、アガサの愛の小説シリーズの一作である。並み居る巨匠たちの中でも群を抜いたストーリーテラー振りを見せているアガサなら、その筆力は一般小説の分野でも十分通用するだろうことはある程度予想できたが、実際に触れたアガサのノンミステリも、なかなかのものである。アガサの愛の小説シリーズの中では、一般的には「春にして君を離れ」の評価の方が高いようだが、砂漠の真ん中で、延々と自分自身と向き合う一人芝居を見せられている趣きのあるこの作品よりは、日常のエピソードを題材に、主人公のその時々の感情を木目細かく描いた「未完の肖像」の方が、ずっと感情移入しやすく、ストレートに心に迫ってくるものがある。この作品は、冒頭で、自ら命を絶とうとする主人公シーリアと、それを察して思いとどまらせようとする通りすがりの画家の出会いが描かれた後、時計の針が一気に逆回転し、シーリアの幼少期から冒頭のシーンに向かってさまざまなエピソードが綴られていき、最後に、このタイトルの意味が明らかとなる構成となっている。ちなみに、この作品には、アガサ自身の実体験を投影していると思われるエピソードがしばしば出てくるが、特に、少女シーリアが、人を傷つけたくないばかりに誰にも本心を話せず、ただ泣きじゃくり、「助けてちょうだい!」と訴えかける心の叫びに、母だけが気付いてくれたときに、泉のように湧き上がってくる母への愛に触れたくだりとか、少女シーリアの想像の産物である「あの子たち」に役を割り振って、空想の世界でひとり遊びにふけるシーンには、まさに内気でデリケートな少女アガサそのもののエピソードが描かれているとしか思えないリアルな生々しさがある。 | ||||
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