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沈黙の町で
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沈黙の町での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 1~20 1/4ページ
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分厚くて少し躊躇したが、久々に奥田さんの作品を読んでみたくて購入。 やはり人物の描写がうまい。登場人物数人に焦点を当てて、それぞれ(中学教師、いじめをした生徒の母、若い女性記者、亡くなった生徒の母、20代の検事、いじめをした生徒1名、女子生徒1名…計7名)の視点で物語が語られる。今回は、事件が起こった日を基点とし、4月からの過去を織りこみながら進んでいく。 この形で進んでいくことで、亡くなった生徒も含めた中学生たちの日常が徐々に明かになっていく。そしてクライマックスは…といっあ形だ。 奥田さんは本当に読者を引き込む力がある。他の著者と比べて、読みやすく、情景を頭に浮かべやすい。途中で読み止めても、続きが気になって仕方がなかった。通勤で行き交う学生たちを見るたびにこの本の続きが読みたくなった。それは本当に奥田さんの書くクセがあり、それにどっぷり浸かれるから。今回は登場人物が多く、舞台も切り替わることが多々あったので、自分の知り合いや有名人に当てはめながら物語に入っていくのに苦労したけど。 何事も白黒はっきりさせずにグレーにしておくのがいい、というフレーズが読了後に自分には一番残ったと思います。 クライマックスには賛否両論あるかと思うけれど、これでいいと感じます。あの締め方にして、その後は読者に投げて、色々と想像させる狙いがあるのかと。読了後まで読者の想像を掻き立てるのは、やはり奥田ワールド。スッキリしないかもしれませんが、1つの結論に収めない彼の意図を感じます。それこそまさにグレー。 こうやってまた、次の奥田さんの作品を期待してしまいます。この本との出会いにも本当に感謝です。これからも応援しています。 | ||||
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久しぶりに読み返しました。当時は読後に「いじめられる側にもそれなりの理由がある」というテーマを感じて、さすがの視点だな、と思いました。 そして15年後くらいの今読んでみて、「この主人公、現代でいえば、”発達障害”というのだな」と思いました。発達障害には詳しくないので違っていたらごめんなさい。でもそういう人間がいるということを、「発達障害」という言葉を使わずに描いたところが、さすがの奥田さん、プロの作家だなと思いました。 | ||||
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奥田英朗さんの本に最近ハマっています。 日常にありそうな設定で、キャラクターの心の動きの描写が絶品。 人の持っている陰陽、心の深いところの描写が読者にも当てはまるところが多々あり、物語に引き込まれて、読む手が止まりません。 | ||||
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伊良部先生シリーズ以来の奥田ファンです。この本はテーマが暗そうなので敬遠してきました。 いじめにあった中学生とその友人たち、それを取り巻く親たち、教師、警察、検察、新聞記者 が登場しますが、各々の人物の行動が「成程そう思ってそう行動するだろうな」という感じで 違和感がない。これがリアリティになっている反面、作品の単調さにもなっているようです。 暗くて重いテーマですが、奥田さんの軽い文体が、深刻さから救っているようにも思いました。 少なくとも社会問題を抉り出すといったタイプの作品でなく、中学生の日常描写的な作品です。 | ||||
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警察、母親、中学生、検事、教師、多種多様な登場人物、 イジメ問題からの自殺なのか事故なのか気になり、 読み始めたら止まりませんでした。 読まずにいるのは、勿体ない本です。 | ||||
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この作品はすごく地味だけど私としては、奥田ワールド中で「無理」か「邪魔」に続く素晴らしい作品だと思います。3回読みました。是非映画にしてください。 | ||||
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どこでも起こりそうな雰囲気を持ちながら進んでいく事件を通して、色々な考えや思惑が連結し増幅されていく様が描かれています。重い気持ちになりますが、引き込まれる様に読めるとは思います。 | ||||
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いつものとおり、続きが読みたくて仕方なくなり、一気読みでした。 | ||||
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中学2年生の転落死体が校内で見つかった。 それを巡る学校や地域の動揺を柱にしたストーリーである。 となると、いやでも宮部みゆきの『ソロモンの偽証』と比較してしまう。 確かに根本のシチュエーションは余りにも似ているのだけれど、そこはやはり奥田英朗である。 群像劇として、関係者の視点を交錯させつつ描き、宮部とは全く違う世界を描き出している。 最後にはちゃんと謎解きというか、真相解明もある。 けれども、読後感に宮部のようなカタルシスはない。 かといって、天童荒太のような不穏さもない。 この感覚は、ぼくは嫌いではない。 | ||||
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この小説に登場する人物は、どの町でもいそうな人ばかりです。そして、よくある中学生の集団心理を浮き彫りにしています。 登場人物のいずれかの人物に自分を投影してしまいそうなくらいな現実感があります。 ふとした落とし穴、そして人間の弱さの連鎖が悲劇を増幅して世間の耳目を集める有様を描いています。 おもわず、学校の先生にお勧めしたくなるような一冊です。 | ||||
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生々しいですが、これが中学生なんでしょうかね。 自分の子供は隠し事なく育ってほしいとこです。 | ||||
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最初はいまいちかなぁと思ったが、途中から引きずり込まれるように読み続け、突然に終わった…なかなか問題作と書かれているのが納得できる作品です。自分にも中学の子供がいるが、子供がこの本を読もうとしてたら止めるか迷う…読んで色々な事を学んだりしてほしいけど、反面心を深くえぐられて欲しくない…。子供達の赤裸々な感情が交錯して、大人のエゴと正義感と正論とが泥沼状態にうまく表現されている。この作者の作品はユーモラスな表現が多くて和むものも多いのだが、この作品に関しては少し違うと思った。 | ||||
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中学生のエゴ、親のエゴ、それぞれの立場が切なく書かれており、リアリティーのある作品になっている。いじめる側、いじめられる側にそれぞれ理由があり、なかなか読むのが辛かった。 | ||||
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奥田英朗ってこういう運命に翻弄されてドタバタする的なのが多いですね。この作品では異常人格だか多重人格だか知りませんがとにかくサイコパスに掻き回されて周りのみんなが不幸になる。子供たちは心の傷を負うし大人は愚かさを露呈する。これは単純にイジメ問題を主題にしてるわけじゃないと思います。誰が犯人かって話でもない。もっとも最後に読者には犯人(といえるかどうか?)がわかりますが、でもあんな化け物みたいな奴がいたらそりゃああなるよな、としか思わない。素人の、ましてや子供には対応できないですって。最後まで追求される前に終わってしまい煮え切らない感じもしますが、あれ以上続き書いてもしょうがないですもんね。じゃあ、何なんだろうなこの話っていう感じ。まあ正解はドタバタ感とかカタストロフを味わう作品かな。私は名取少年が何かやらかしてくれるたび次第に「カラマーゾフ」の父親で味わったような「ゾクゾク」を感じるようになりました。ワクワクした、といってもいい。不謹慎ですが。しかしそのようなエンタメ的な観点で評価すると「最悪」「邪魔」「無理」が☆5で、これは密度感とかスピード感とかが少し弱いので☆4つです。あと、密度感と書いたのにたぶん被りますが、主要人物が多くて、それぞれについて書き足りてない。この倍くらい長くてもよかったと思います。あるいは横山秀夫の「半落ち」みたいな形式にするとか。いやダメか。とにかくこれを読んで「イジメはよくない」とかいっても仕方がない。そんなのは言われなくたって当たり前だから。また逆に「イジメは誰が悪いわけでもないよね」とか「じゃあ、どうしたらなくせるの」とか。この小説がいかにリアル感あるといえどもこの中に答えはないでしょ。 | ||||
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いじめっ子、いじめられっ子、傍観者、それぞれの親たち。どの立場にも感情移入してしまう。幼いなりの正義感でかばったのに結果として加害者となったり、いじめられた経験がありながら(あるからこそ)傍観したり、子どもは子どもなりに自分の立ち位置を計算して学校の閉鎖空間で生きているんだなあ。それぞれの人物の経緯がフラッシュバックで明らかになっていく、その度にその人物の気持ちになり切なくなる。実際に起こる陰惨ないじめ事件に比べれば、本書では少年なりの正義感も垣間見えるのが救いか。一番知りたいのは名倉君の気持ちです。 | ||||
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いじめる側、いじめられる側、両方の立場の様子がリアルすぎて怖いくらい。印象に残る作品です。 | ||||
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小説も勿論読みますが、ノンフィクションなども読むのが好きなので、裏のあらすじを読み、購入。 「沈黙の町で」は一言で言えば、リアル感満載な1冊です。多感な年頃の中学生。多感なのに、内面・思考はやはりまだ子供。自分達の世界が全てで、とてもその世界観が強く、しかし流されやすく「周り」や「みんな」がとても気になり、それが心の大半を占める。ちょっとしたキッカケで自分の立場も周りの空気も一変する。 自分も中学時代を過ごしてきて、この「沈黙の町で」は本当にリアル感満載。 内容としては、事件に対する加害者・被害者遺族の葛藤と学校とのやり取りが多いですが、でも中学生だとしても、子供でも、何か事が起これば世の中に裁かれる。当事者だけでなく、その親や家族も。当事者と家族・被害者遺族のそれぞれの立場、警察の中学生相手の捜査や接し方の難しさ、我が子を思う親の心理や葛藤が、それぞれの立場で、良く描かれていると思います。この著書は現実の中学生が読むのも良いと思いますが、中学生に関わる立場の人、中学生の子を持つ親、そんな人達にお薦めじゃないかと感じました。人一人の命の重さや、事が起こるとここまでドロドロになる…など、小説として読むだけなら、少しくどいと感じる人も居るかも知れませんが、これが実際の事件だとしたら、本当にここまでなるのは間違いないと、ノンフィクションと錯覚する様な内容です。 いじめも事故も事件も、この著書で描かれている事は起こりうるので、私は多くの学生や親、大人に読まれていいのではないかと思います。 登場人物も、実際学校に居そうな、中学生の中でも色んな立場に居る人物が揃っています。 この著書を読んで改めて思ったのは、いじめは絶対良くない、は当たり前に一般論ですが、いじめられる側にも、やはり何かしら問題があるといった点でした。だからと言っていじめて良い訳ではありませんが、集中的にいじめられる子・人も、この著書を読んでも、現実でも、そうされる問題点がどこか大なり小なりあると言う事。それを改めて感じました。 長い小説…と思って読むのでなく、リアル感を考えながら読むと、読んで損はない、何か気づかされるものがあると感じました。 死亡事故・事件に限らず、現実に起こりうる内容なので、そう言った意味でもお薦めだと思います。 | ||||
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先週読んだ本が酷かったというのもあるのかもしれないけど、この本はとても面白く読むことができました。 途中、過去の逸話が挟まれている部分が、ちょっともっちゃりしててストーリーを分断しているようにも思えましたが、 まぁまぁ登場人物の関係性を表すためには必要だったというところでしょうか。 エンディングも、テレビドラマだったら・・・というのが目に浮かぶような終わり方で好感が持てました。 すごいぞ、奥田英朗先生! | ||||
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黒澤明監督の「天国と地獄」という映画を見てから、テレビや映画の刑事ものに全く興味が湧かなくなった。 映画では、殺人事件の特別対策本部が設置され、たくさんの刑事(デカ)が、それぞれ分担して聞き込みをしたり、皆で話し合ったり、少しずつ分かってきたことを積み上げて犯人を絞り込んでいったり、兎に角そのリアリティーが凄い。まあ、本当の警察を知っているわけではないので、リアリティー云々を言う立場にはないのだが、それほどに脚本に隙がない。 だから頭脳明晰な探偵や警察官が、一人で事件を解決してしまう映画やテレビを見る気にもならない。リアリティーがあればいいというわけではないが、それを感じさせてくれる隙のない話には、何かぞくぞくさせられる緊迫感がある。 ※この後、本文引用が入ります! さて、奥田英朗さんの「沈黙の町」は、いじめによる中学生の死を題材にした話で、検察や検事・被害者・学校現場・そして加害者の心理や描写のリアリティーが凄い。 「『中央新報さん、生徒の取材、するの?』『ええ、そのつもりですが』《略》『自粛しない?夕方の警察の会見まで全社休戦』早い話が談合の提案だった。《略》記者たちが事件現場で即席の記者クラブを作り、幹事を決め、過剰な取材合戦をしないよう取り決めをするのだ。横並びは役人だけではない。」 新聞記者の取材の様子がリアル。 「名倉祐一の死に関して供述を得られなくても、傷害を認めた場合は、十四歳の二名を傷害容疑で逮捕し、十三歳の二名を補導し児童相談所送りとする。」 刑事だけでなく、生活安全課の警官が出て来るくだりなど、警察の描き方や供述の迫り方がリアル。 「東京から左翼系の弁護士グループが乗り込んできて、加害者家族に取り入り、事件を引っ掻き回した。弁護士たちは、国家権力に一泡吹かせたいという意図がありありだった。」 「ヤメ検とは、検事から転身した弁護士のことだ。」 弁護士や検事の実態や描き方もリアル。本当にこんな弁護士がいそうだ。 でも、特筆すべきは、被害者の親ならこう思うであろう。加害者の親ならこういう気持ちであろう。事件の加害者とされた子どもたちはどんな心理なのだろうか。正義感のある生徒がいじめに加担し変貌していく経過。被害者の様子。中学生の揺れ動く心理の描写に隙が無い。 それが、この物語にさらなるリアリティーを与えている。いじめが、なぜ後を絶たないのかが、この小説を読むと浮かび上がってくる気がする。 警察、検事、教員、被害者の親、加害者の親、そして生徒、その仲間、それぞれの視点から物語が描かれ、そのどの立場にも感情移入してしまう。いったい悪いのは何なのだろうか?どの立場もわかり、却って真実が遠のいてしまう。正に藪の中だ。 目を背けてはいけない真実の匕首(あいくち)を喉元に突き付けられながら、一方で、真実の一面を見せられた快感がある。 「我が家の問題」や、「インザプール」、「サウスバウンド」には出てこないタイプの奥田作品。「ナオミとカナコ」が少しリアルだけれど、題材が題材だけに、これとは緊迫感が異なる。これを読むと、「いじめ」が一面的に捉えられない難しい問題であることを再度考えさせられる。全ての親、教師、警察、弁護士?、検事に読ませたいなあ。 | ||||
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分厚い作品だった気がしたが、読み始めるとあっという間に読み終えていた。作品に没頭していた時には中学生だった頃の自分がいて、子供を育てている自分がいた。読み終わった今、俺は何が言えるだろう。とにかく強くお薦めします。素晴らしい作品です! | ||||
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