■スポンサードリンク
沈黙の町で
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
沈黙の町での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いとは思うが、やはり最後がかなり駆け込み気味だったのが残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これまで読んだ作品とは異質。ちょっとシアリアス。奥田はまた気楽な作品を読みたいね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奥田英朗さんの本です。 「いじめ」ネタですね。 いじめられていた男子生徒が、不審死をとげる。木に飛び移ろうとして失敗したのでは、と思えるが、突き落とされた可能性もある。 死んだ男子学生の背中につねった跡が無数にあったことから、「いじめ」と断定。 直前まで一緒にいたとされる男子生徒を、傷害で警察は逮捕する。 しかし、はたして、それが真相なのか…? 警察、マスコミ、生徒、それぞれの立場から、その事件が語られていき、やがて真相が明らかになる…。 とりあえず、あいからわず上手いので、飽きずに読めました。 面白いですね。 また、いじめられていた名倉がすべて「善」である、ということはなくて、 「そら、いじめられてもしゃーないわな」 というキャラだったりして、「かわいそうないじめられっ子」というキャラではないのよね。 また、名倉の叔父というのが、良いキャラしてまして、物語を遠慮なくかき回していきます。 ただ、話としては、瑛介が、いささかええ格好しいというか、 義理と人情系で、すべて罪をひっかぶる…的な描かれ方がされていて、それがためにいろいろと物語が複雑になっているのですが、 こいつが、なんというか、ご都合主義っぽく感じなくはないですね。 まあでも、暇つぶしには良い本でした。 あいかわらずの、うまさです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
学校で男子生徒の転落死体が発見された。当初事故かと思われたが状況の不可解さから他殺の可能性が浮上する。背中に残る無数の痣、携帯にはたかり・パシリのメール、気弱な男子生徒に対するいじめの証拠が数々発見され、4人の男子生徒が逮捕される…というところから始まる本作。こう書くとミステリーっぽいですが本編に謎らしい謎はなく、最初から最後までどんでん返しなしの直球勝負という印象でした。いじめや少年犯罪をテーマに、重苦しく濃厚な人間模様を楽しむ作品だと思います。 ストーリーの進行は非常にゆっくり。目撃証言も自白もない中で遅々として事件の解明は進まず、ほんと笑えるくらい展開が遅いです。ここまでノロノロやってて面白いのが逆にすごい。そしてなんと最初から最後まで真相が明かされないまま終わってしまいました。過去と現在が入り混じる形で進行するため読者は事件の真相がわかるようになっていますが、ストーリー自体は尻切れトンボなので「ここで終わり!?もしかして下巻があるの!?」と何度も確認してしまいました。読んでいて「これどうやって終わらせるんだろう…」と思いましたが、まさか起承転結の結だけ足りてないような終わり方だとは…。面白かっただけに畳み方でガクッときたのでその分マイナスしてます。☆3.5。 話の締め方はともかく、加害者家族・被害者家族のリアリティはすごいですね。「うちの子が一番大事」感をここまで生々しく書けるとは…。胸糞悪いけど、モヤモヤするけど、多分実際にこの立場になったら似たような思考と行動をしてしまうんだろうなと思います。 そのほか、検察、刑事、加害者の少年たち、同級生の少女たち、記者などなど、本作は視点が多数存在しコロコロ入れ替わります。しかも現在の話と過去の話が交互に差し挟まれるのでちょっと混乱しやすい構成でした。群像劇を読み慣れた方なら気にならないかも。 あらすじだけ読むと「最悪」を彷彿とさせるような重たさですが、「最悪」ほどの緩急の激しさや読んでいて息苦しくなるほどの泥沼感はなし。既読の中だと「ナオミとカナコ」が空気的に近いです。文章が上手いこともあって意外にあっさり読めてしまいました。展開はフラットで動きはほぼありませんが生の人間を感じたい人には打ってつけです。ただ「いじめ」「少年犯罪」というテーマからわかる通りスカッとはしません。題材的に「天使のナイフ」を思い出しましたが個人的に読後感はそれと似ていました。ただただ、やるせない…。そんな作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
(ネタばれ有り) 読了。 人物描写が、さすがの奥田さんクオリティ。 著者が奥田さんでなければ、★4つ。 群像劇として、ひとつの事件を多角的視点で展開するストーリーに引き込まれました。 ただ、ラストがあまりにもあっけなくて、なんのどんでん返しもなく、そのままストレートに終わってしまったので、なんだか物足りない感じ。 「日常生活に、そんなにどんでん返しはない」という著者のメッセージだったのだろうかとも思いつつ、奥田作品としてはなんとなく物足りないので★3つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新聞連載中に、リアルタイムで大津市中2いじめ自殺事件が発生し、加害者の悪質ぶりとそれを超える学校の無責任な隠蔽がバレて、ついに警察沙汰になったのを覚えています まさに事実は小説より奇なりでした そしてこの作品も、綺麗事で済ませるために打ち切って逃げた、という印象は拭えませんでした あれから5年、イジメと隠蔽はさらに悪質さを増しています 栃木県佐野市では、イジメが親にまで飛び火し、いじめられていた子の親とその友人までが「お前の育て方が悪い、母親失格だ」とイジメで追い込まれ、首を吊っています そして佐野市は「マスコミに余計なことをしゃべるな」という回状を回して街ぐるみで隠蔽を図り、学校側は調査どころか、遺族に圧力をかけてマスコミに「これ以上取材しないでください」というFAXをするよう強要しました 正直、「イジメられる方にも問題がある」などというこの作品自体、もはや綺麗事どころか、イジメる側にお墨付きを与えるような有害作品です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は奥田英朗のファンである。 私が抱くこの著者の作品の魅力は、 「スピード感」と巧みな「キャラクタの心情描写」である。 スピード感については、坂道を転げ落ちるがごとく物語が進む。 きりが良いところまで読もうとしても手が止まらないのだ。 心情描写については、老若男女、どんな人物を描いても、 「うわー、わかるわぁ」と思わずうなってしまうほどの巧みさである。 そういう点からすると本作は著者のいつものものではない。 スピーディな展開も、巧みな心理描写もあるのだが、 いつもの作品ではない。 中学生、中学校という非常に「生な」、 ほとんどの人が体験した(する)世界が舞台であることもその一端ではないだろうか。 読み進めていて、自身の中学生時代を思い出した。 「気絶ごっこ」のくだりなど、忘れていた記憶が匂いとともに浮かんできた。 本作を読んでいて、中学校というあの独特の世界に自分が三年間も住んでいたんだということを、 まざまざと思い出させられた。 青春の萌芽であり、それとともに刑務所のようである、 中学時代。 物語終盤で、それぞれ教師、刑事となったかつての同級生が語るセリフ、 「中学の三年間は、人生で一番のサバイバル期だな」を読んだとき、 無事そこをくぐり抜けて生活している今の自分がいること、 もう二度とあんなところに行かなくて良いのだということを認識して、 安心した。 爽快な読後感はない。 しかし、中学校を出てしばらく経った大人が読むと、 郷愁や嫌悪、一言では言えない自身の思春期と 属した社会について思うところがあるはずである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
思春期の生態が細かく描写されていて感心した。 イジメを真っ向から見据えた点は高く評価する。 しかし構成に難があり、特にエンディングは鼻白んだ。 この作家の文体に魅力を感じないのは個人的な嗜好の問題だが だからナニ?っていうオチの着け方はさすがに微妙すぎて、納得できない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中学生がいじめられて自殺にいたった、その原因と関係性を徹底したリアリズムで追った。たしかに、リアル。しかし、この小説を読んでリアリティは必ずしも小説に必要ではない、と考えを新たにした。なぜかって、心躍らんのよ。たしかに、日常の新聞記事で目にする苛め自殺。通常人は、その背景に目を向けない。事実がそこに横たわるのみである。しかし、この小説は一筋縄ではいかない、中学生という無法地帯が引き起こす悲劇を明らかにしている。しかし、これが小説である限りは、そこに救いや展開、なにか人を引き付けるものが必要だ。ただの、三面記事の事実を想像によってこまかに肉付けしたようなものとしか思えなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
たしかに力作。 読み進んでいる内に、考えさせられる場面はあり、なるほど作者はそう持ってきたかと感心する場面も多々。 しかし、奥田英朗にしては、どうしてこの程度のエンドシーンで終わってしまったのか、という不満もあった。 様々な性格の母親たち、横柄な弁護士、こすっからい被害者の叔父、中央紙記者と地方紙記者、反目しあう教師陣、等々の多彩な人物を登場させながら、その人物たちの描き方が、全て中途半端なままで終わった感があり、読後に作者の他の作品ほどの満足が得られなかった。 もし、続編の予定があり、その中で、上に述べたような人々をさらに描くというのなら、5点をつけるのだが、このままで終わり、ということなら3点。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめによる自殺。 今の日本では悲しいことに、珍しい事件ではなくなってしまった。 マスコミは事件を理解しやすく単純化し、 ステレオタイプの物語を作り上げてしまう。 そうやって、人はわかった気になってしまうのだ。 著者の奥田英郎は、そんなありきたりのイジメの物語をメスを入れる。 そして、新しい物語を描く。 小説だから、もちろん真実ではない。 しかし、どんなイジメのルポよりも、この物語はリアリティを持っている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
状況説明や人物の描写がリアルで、 被害者にも加害者にも感情移入しつつ、 自身の過去と重ね合わせながら、 一気に没頭して読みました。 文体にも癖がなく、とても読みやすかったです。 親たちも、最も難しい思春期のただ中にいる中学生たちも、 無理なく自然に描かれているように思います。 ただ、最初、読後は多少物足りなさが残りました。 あくまでも普通の中学生たちが 被害者との関係性や仲間同士の触発によって 少しずつ悪ノリしていった中で起こった事件。 それでも世間一般に「残虐」と言われるほどの レベルではない、真相と声高に告げるほどではないラスト。 ただ、少したって徐々に、 これは、 普通だからこそ、どこにでも誰にでも起こりうるのだ、 という、身近で静かな怖さ、問題の根深さをじわじわと感じてきました。 最近は、劇的なラストをもってきたいがための 無理ある設定や描写の荒さが目立つ小説も多く辟易としていましたが、 いつの間にかそういう「ラストの衝撃」の毒に、 私もおかされていたのかもしれませんね。。 起承転結やインパクトはない分、リアルで普通に徹した内容に、 自分自身の内側を常に投影させられるような小説でした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!