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リカーシブル



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【この小説が収録されている参考書籍】
リカーシブル
リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブルの評価: 3.76/5点 レビュー 45件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全45件 21~40 2/3ページ
No.25:
(3pt)

うーん

少し微妙でした
なんだか漫画を読んでいるような感じがしました
いろんな伏線がちりばめられていて、面白いことは面白いのですが、続きが気になるような感じはなかった
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No.24:
(3pt)

ちょっと期待はずれでした

いつもの米澤作品なら先が楽しみでページを繰るスピードが増して一気に読んでしまい、う~ん、そうだったのかと感嘆し、もう一度本の最初に戻って今度こそは騙されないように細部まで読み込んでやろうというパターンなのですが。
今回はなんとなくあまり話の展開に面白みを感じることができずとにかくストーリーを先急ぎ(後半さすがにちょっと読むスピードもアップしましたが)読み終えた後もなんだか今ひとつな印象しか抱くことができませんでした。
もう一度読みたいという気になれなかったのは米澤作品では初めてです。
いつもの徹底的に理詰めで結末に持っていくあの面白さがない。かといって謳い文句ににあるような青春ミステリーというほど青春してるようにも思えない。
中学生の女の子が主人公だけれどその鬱々した感情は伝わってくるけれど彼女も後、他の登場人物も魅力的でもない。
強いていえば母親がなんか怖いっていうか気持ち悪くって米澤先生の作品らしい気はしました。
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No.23:
(3pt)

中学生?

父親が失踪し,母親と弟とともに母の故郷に引っ越した中学生.
その地域にまつわる伝承と,弟に現れた不思議な予知能力の真相は?

高速道路誘致に見え隠れする地域の確執や
弟の予知能力,地元の古い伝承とちょっと散漫な要素を
最終的にはうまくまとめた真相にはなっている.

ただ,正直なところ,この真相にはあまり意外性が感じられない.
予知能力が超科学的なものでないとしたら,こういう真相しかあり得ないからである.
その意味では肩透かし感は否めない.

また,転居した先で学校に馴染もうとする中学生の心理を押し出しているものの,
イマドキの中学生はこんなに計算高いの?!と言いたくなるような部分が目立つ.
父親の犯罪や終盤に訪れる家族関係の破綻など,ストーリーとは直接関係ない設定やイベントも見られ,
罪のない中学生をストーリー上の必然もなく,ただ不幸にしているだけで後味の悪さだけが残る.
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No.22:
(2pt)

あきはしないが・・・

見知らぬ街に越してきてそこで住まう人々への
違和感、隠された秘密・・・民俗学的な意匠を
かりた使い古されたパタンだが、さすがにストーリ
テリングにたけていて飽きずに読ませはする。
そうした紋切型のパタンを踏まえたうえでのひねりも
くわえていてはいて、それがあまり恵まれている
とはいえない少女が世界に対処していく仕方と
リンクもしていて、主人公の魅力になっいる。
が、正直、読み返したくなるようなものではない。
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No.21:
(3pt)

うーん、面白くなかったです、わたしは

米澤先生の作品は、小市民シリーズが好きで、古典部シリーズも支持しているのですが、これは面白いとは思えませんでした。
主人公のハルカさんが、本当に気の毒な境遇のなか健気に生きていることには胸が詰まる思いですが、肝心のミステリ部分に感動できないのです。
高速道路が通ることで町が発展すると住民こぞって狂信し、誘致を目的に、建物を燃やし、人を殺し、傷害事件を起こし、子供を誘拐するというのは、いくら田舎でも現実離れしていないでしょうか?きょう日、時代錯誤のような気もします。
そもそも、高速道路が単に通るだけでなくインターができたとしても、町の発展に寄与するどころか、近くの大きな都市に出かける人が増えるだけだというのは、わたしですらかなり前から知っていたような気がします。ここにリアリティを抱けないと、以降の展開がどうしてもつまらなくなります。
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No.20:
(4pt)

どこか懐かしいような、謎に満ちた日常。

主人公の中学生が、ママとサトルと一緒にこの町に
連れられてきて生活することになり、
主人公の中学校生活、友人、町のイベントなどや
それらの背景に多少とも絡んでいる地域の伝承にまつわる
不可解なことがどんどんと起こって、
いろんな事件が起こっていくというストーリー。
主人公(少女)の女の子らしい、繊細でかつ直感が鋭い性格が
いっそうこの日常をミステリアスにとらえていて
読んでいてとても展開が気になり、後半は特にどんどん
読み進みました。

意外と、こういう町ってあるかもしれないなぁと
思い、日本の地域の伝承、祭などにも興味が湧き
図書館でそれらを調べてみたいと思いました。
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No.19:
(5pt)

こんな中学1年生いたら怖いわ!

鬼のように賢かったびっくりした。学校生活におけるこまやかな駆け引きは、まぁ、そこそこリアル。誤解されそうな言動を先回りして訂正できるところも、悪くない。頭が悪く読者に対して見え見えのミスをする登場人物は嫌いですが、語り手にそういう隙はあまりない。親の言動も距離を置いてきちんと分析してるのも、まぁ、それぐらいのことはその年代でも出来るだろう。
納得いかないのはMO! 中学生が扱うにはあまりにもマイナーなメディアじゃないかな! 年代を考えたって中学生が当たり前に手にするほど普及したメディアとも思えない!

それはさておき強引に民俗学的な方向にもっていかれたり(主人公が抵抗なく受け入れてるのは不自然といえばそうですね。明らかに教師による誘導が見られるというか)、サイキックな描写があったり(主人公の疑いはもうちょっときちんと描くべきじゃないかな。タマナヒメ伝承にはそこまで踏み込むのにサイキックには距離をおくのはアンバランスっていうか普通の感覚なら逆なんじゃないかと思いました。話の構成的にはベストポジションだっただけに余計に不自然にかじる)、いろいろわくわく興味をひきずって、この展開で現実的なオチは無理っしょ!と思っていたのに超現実的に着地して面白かったです。

特にラスボスとの一騎打ちが面白かった! でもその翌日から普通にラスボスとほのぼの学園生活始まるヨ!みたいな感じなんですかね。それはそれで読んでみたい…けどラスボスが非業の死を遂げる未来しか見えない。あと三浦先生とハルカの常井町フィードワークシリーズがちょっと読みたいです。具体的には3年分短編にして5編ぐらい。
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No.18:
(4pt)

リカーシブルってなるほど輪廻って造語?

主人公の一人称で話は進んでゆきます。
メインとなる謎から、小さなことまで少しずつベールが剥がされていきます。
加速するのはやはり後半から。
主題としては納得の終わり方ではあるのですが、副題には色々と。。。
バカバカと言い合っている義姉弟の愛を感じるのですが、同時に大人の身勝手も。
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No.17:
(4pt)

切ない家庭内SFミステリー

この作品大好きです。、
いとおしく、先に進むのがもったいなくて途中から何度も何度も読み返し、ページが先にいくのを自分で妨げていました。
この世界観がいつまでも続けば良いと言ったところでところでしょうか。
この姉弟のやりとりいとおしいです。母の優しい怪しさもすてき。
ミステリーと言うよりはミステリー仕立ての青春純文学?
残念なのは、最後の部分が一気に進んでしまうところ。
多分連載のおしりが決まっていたせいでしょうか、一気に終わります。
文庫化に当たっては、最後の部分を3倍ぐらい加筆して前半と同じようなペースで終わって欲しいと希望します。
最後が端折った感があるので5のところ4と致します。
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No.16:
(5pt)

久しぶりの長編

カタカナのタイトルですが、古くから伝わる風習が残る地方都市が舞台の作品です

著者の定番ともいうべき、学生が主人公(今回は中学生・女子)の青春もの
かつ、ミステリ

個人的には民俗学的要素があり、非常に好みでした

ネタバレがあります

超常現象の有無がミステリ的焦点になります
ある人物については否定され、謎が解けます

しかし、その後に別の人物については肯定されます

主人公が遭遇するメインの謎は組織的につくられたもので、理論的に解決されます
しかし、その後に別の事柄で超常現象が肯定されるとルールの基盤が覆れてしまう
最近、こうした不安定さを残したミステリが多いきがします
普通に終わってほしかったな
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No.15:
(3pt)

ある程度の満足感は得られた

読み進める事に対して疲れる箇所が殆どなく、一晩で一気に読んでしまいました。
読後の感想としては伏線が回収されるラストでちょっとすっきりしない部分もあったかなと思いましたが、そこは読者の想像に任せると行ったところなのだろうと思う事にしました。
「最近活字を読んでないから、読書でもしようかな、でも難しすぎる文章はしんどいなあ」
などと思っている方にはちょうど良い作品ではないかと思います。
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No.14:
(4pt)

その後を書いて欲しい

中学生女子の心情にしては、気持ち悪い文章だ。
3月まで小学校6年生だったようには思えない思考回路。
「12歳の少女が、そんな単語知っている!?」というのも多々あった。
だけど、筋書きが面白い。スイスイと一気に読めた。
ドラマになったら、すごく面白いミステリーモノになるんじゃないのだろうか。

主人公が大人になってから
「もうそばにいないサトルを思って」という形で進めて欲しかったな。
高速道路誘致がどうなったのか
それによって町がどうなったのか
大人になったリンカがどうなったのか
ハルカはどうやって今後生きていくのか
町にとって利用価値のなくなったサトル親子はどうなるのか
それも全部書いて欲しかった。

この作者さんの本を読んだのはこれが初めて
他のレビューを見ると、他の本も面白そうなので
そちらも読んでみようと思う作品でした。
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No.13:
(5pt)

姉と弟と母と不在の父と

主人公の意識の動きについて、新たな形式の小品です。

この作品では壊れてしまった家庭の中でかろうじて保たれる「きずな」とは何か、という課題が解決されています。

表象は、いくつかの場所、いくつかのイベントをめぐっての淡い色彩の幻燈となっています。
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No.12:
(5pt)

甘くない現実

超能力や怖い伝承絡みの物語かと思いきや、とても現実的な作品だった。

そして、読み始め、うっすら感じていたのよりもはるかに過酷な現実と主人公は向き合うことになる。
甘い環境に身を置いている私にとっては、主人公のたくましさにただただため息が出た。

古典部シリーズもだけど、著者は「決して甘くない現実」を描くのが巧すぎる。
そして今回は、ほろ苦いというよりは、痛いほどに苦々しい逃げ出したいほどの現実が描かれていた。
思わず脱力……。

おみくじの偶然の甘い文言にすがりたくなる気持ち、私にも分かる。
本当はまやかしだとも分かっていたけど、なぜか信じたくなる。
まやかしから目が覚めた少女は強くなる。

作品としてすごく面白かった。
どんどん先を読みたくなる。
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No.11:
(5pt)

ミステリ(謎解き)+青春のほろ苦さを味わう小説としては満点

商業や工業が発展しているわけでもなく、観光地でもない、何もない街に引っ越してきた女子中学生ハルカ。
目立たないように、かつ変わった子だとは思われないように、学校でうまく立ち回ろうとし、家庭でも気を抜かず良い子でいる。
唯一の例外が弟のサトルに対してで、バカ連発するわ冷たいわで、ハルカは容赦がない。
そんな折り、商店街で起こる事件のような事件でないような出来事。
万引き、置き引き、そして火事。
サトルの様子がおかしいことに気づいたハルカは、街に伝わる「タマナヒメ」の伝説を調べることにする。

ハルカの置かれた状況はとても過酷で、普通の中学生でいようとするのがいじらしく感じられます。
タマナヒメの話がサトルの謎に繋がるかどうかは読んでからのお楽しみなのですが、
ミステリらしくちゃんとヒントが散りばめられていたことが後でわかると、
「ミステリを読んだ!」という満足感がしっかり得られ、さすがは米澤穂信。
ハルカとママ、ハルカとサトル、ハルカとリンカ、ハルカと父親……それぞれの関係がなんだか悲しい。
でもハルカは自分の境遇に嘆いてばかりじゃなくて、強く生きていくと思えば、読後感は良かったです。

ミステリだけを求める読者さんにはおすすめしませんが、ほろ苦い米澤テイストを味わいたい方は読んでみてください。
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410128783X
No.10:
(3pt)

まあまあ

ボトルネックのような作品を期待していたので、少しがっかりしましたが、
米沢作品は好きなので、それなりに楽しめました。
リカーシブルAmazon書評・レビュー:リカーシブルより
4103014733
No.9:
(2pt)

わくわく感がなかった…

【既視感】【予知能力】があるのではないかと思わせる弟の行動に,謎解きを挑む姉。最後には,あれこれ伏線があったことに気づいて,謎解きのおもしろさもあるが、何となく「早く続きを読みたい」と思うようなわくわく感が私には無かった。かな。中学生の姉の視点で物語が進むが、「中学生がこんなこと考えるかな??」と思うことも多く、素直に読めなかった。最後の謎解明もやや強引な気がした。
リカーシブルAmazon書評・レビュー:リカーシブルより
4103014733
No.8:
(5pt)

現代のカーゴカルトを描く、目から鱗の新境地

これほどに心躍る読書体験は何年かぶりです。ラノベ時代の信者として鱗の如き分厚い色眼鏡越しの感想ではありますけれど、バカには見えないリドルなお召し物に彩られた謎解きの快楽に、読み終えてしばし呆然としました。
描かれるものは高速道路誘致を巡って地方都市でくすぶる不穏な空気であり、表紙のハイウェイナイトランはイメージ画像、なわけですが。なんかこう、発売から数ヶ月も経ってネット上にカーゴカルトに触れた感想の一つも見当たらないってなんなの?いや、僕だけが真髄に触れているんだぁなんて言いませんよ。はいはいカーゴカルトカーゴカルトと思う読者の百人や千人いないわけがない。そのごく浅い衒学すら取りこぼされて、イヤミスな地方都市で挫けないハルカの選択に勇気をもらいました(ほっこり)が支配的空気になるインターネット上の書評空間に絶望した!
なお、謎解き自体は明かしませんが、展開には触れますので以下【ネタバレ】気味です。

現代の事件の香りに古文書の記述がリンクし、神話的解釈が事実を浮かび上がらせ、伝説が今に通じる人間社会の生々しく苦い話として蘇る…という展開は、さよなら妖精や犬はどこだでも見せた十八番で、汎夢殿の面目躍如。しかし砂を噛むような散文的現実が暴かれたそれら過去作品と異なり、本作では合理的に解ける謎が仕分けされて明かされた結果、解けずに残った伝奇要素が不気味さを醸し出して終わります。これは新味、いやむしろ旧味な怪奇風味というべきか、今風でない新境地で驚きを感じさせてくれます。
合理的に謎が解決された後にオカルトをほのめかして終わるミステリは、横溝が完全にホラー扱いだった頃、合理性が疎んじられて「ミステリー」が怪異を意味した長い冬に、伝奇を装って本格をやりたかった先人の苦難の賜物。新本格の勃興で過去のものとなりましたが、冬の時代の産物です。本作はあえて冬の時代の記憶を呼び起こし、転入した女子中学生ハルカが地方都市で感じている不安感にシンクロさせてミステリマニアの肝胆を寒からしめる大技を繰り出して来ました。
いや、本作では一旦全てが無機質な論理のもとに暴かれ尽くすことさえなく、ミステリとして提示された謎まで解き残されてしまいます。ちょっと激しく戸惑いましたが、論理が尽くされない、すなわち「理不尽」。そう、これはまさに割り切れない理不尽さの演出なのです。ガチガチのミステリであったインシテミルをホラーとして再解釈した映画版に触発されたものか、よねぽ先生が土俗ホラーに挑んだ新境地と捉えることも可能でしょう。

全体の大きな真相は、ぶっちゃけそんな舞台設定を用意するなら何でもアリになってしまうもの、ではあります。しかしこれは、舞台が謎のために用意されている本格や新本格の系譜を継ぐという態度表明なのです。そして、新本格とは様相を異にするような、人が死ぬとはいえどちらかといえば日常の謎系に属する小さな謎解きを積み上げた上で出て来た大きな真相がそれであることには、館ものなどでは持ち得ない意味合いが生まれます。犯人個人が異常者という結末ではなく、そこまでやる犯人を抱える地方都市全体の闇が顕になる苦味。これは謎が物語に奉仕させられている状態でもあります。舞台は謎に、謎は物語に、相互に尽くすのです。物語が謎に奉仕するものでしかないと本格ミステリを非難してきた人々は、本作に絶大な拍手を送らねばならないでしょう。

衝撃のラスト一行も健在。素直に読むとある人物の行為と捉えて読み終えてしまう記述は、よくよく考えてみれば実は別の人物のそれなのです!その人物があの状況で平気でそんな行動をしているというのが、もう、衝撃と言えましょう。ボトルネックのあれが悪意かツンデレ善意か、という長い議論にも結論を出せるように思われます。

息もつかせぬ不穏で面白そうな展開、衒学趣味を軽く刺激してくれる伝説・神話の解釈に、露骨なものから何気ない記述まで張り巡らされた伏線から怒涛の畳み掛け。名推理披露が終わっても謎が解き残されていて初めて不安になりますが、よねぽ先生のことだから終章で・ラスト一行で処理してくれると信じて読み、最後の最後でだけ肩透かしを食らって呆然とするのです。
当然、その肩透かしさえも、趣向でしょう。文句なく面白かったと思う本でも導入がたるかったりエピローグがどうでもよかったりはしがちなところ、本作は本当に最後の最後の一行まで余すことなく楽しめてしまいました。謎がスカされたことで先への期待がラスト一行まで続きます。「天才作家はつまらない話を最終回に持ってくる。ワクワクして、最高で、幕引きだけちょっとショボい。そこまで楽しませてもらったのに文句を言うヤツの方がどうかしてる」という名言を実感します。読み終えると謎を未解決で放り出されたような、いや、ようなではなくまさにそのものの寂寥感が残るものの、それも味わい深い余韻。目から鱗が落ちました。また、読んでいる最中の満足度で言えば間違いなくピカイチでした。
リカーシブルAmazon書評・レビュー:リカーシブルより
4103014733
No.7:
(3pt)

大切なる疑似体験

遥か昔と思える中学生時代。しかし、主人公の目を通してそれは、全く違和感も時間的な距離感もなく感じられた。主人公と同じように不仲の両親に荒涼感を覚え、見知らぬ町に不安感を覚えた。
擬似体験として味わうとそれは、とても貴重で冒険に満ちた世界。そして何故か自分は、この世界に既視感すら感じてしまうのだ。読書体験としては、これは貴重に感じる。ラストの仕掛けとしては及第点だが、久し振りの米澤長編を楽しませてもらった。
リカーシブルAmazon書評・レビュー:リカーシブルより
4103014733
No.6:
(4pt)

面白かったです

地方都市の怖さを感じつつ、しめくくりも他作品より柔らかく…。
面白かったです。
リカーシブルAmazon書評・レビュー:リカーシブルより
4103014733

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