終りなき夜に生れつく

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

終りなき夜に生れつくの評価:

4.44/5点 レビュー 71件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.44pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全182件 81〜100 5/10ページ
No.102
(4pt)

期待通りの面白さ!

ある貧乏な若者が大富豪の娘と恋に落ち、
二人だけで密かに結婚式を挙げる。

そのことが彼女の親類縁者や財産管理者にしれることになり、大騒ぎになる。
ごくごく単純なストーリだ。
でもなぜか引き込まれて次ぎの展開が知りたくてたまらない。
きっとなにか起きるぞという期待感と不安がこころの隅でザワザワしだす。
当然、事件は起きるがそのザワザワ感がズーット最期まで続く。

ここがアガサ・クリスティーの魅力で期待通りの面白さであった。
終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)より
4151310959
No.101
(4pt)

期待通りの面白さ!

ある貧乏な若者が大富豪の娘と恋に落ち、
二人だけで密かに結婚式を挙げる。

そのことが彼女の親類縁者や財産管理者にしれることになり、大騒ぎになる。
ごくごく単純なストーリだ。
でもなぜか引き込まれて次ぎの展開が知りたくてたまらない。
きっとなにか起きるぞという期待感と不安がこころの隅でザワザワしだす。
当然、事件は起きるがそのザワザワ感がズーット最期まで続く。

ここがアガサ・クリスティーの魅力で期待通りの面白さであった。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300953
No.100
(4pt)

期待通りの面白さ!

ある貧乏な若者が大富豪の娘と恋に落ち、
二人だけで密かに結婚式を挙げる。

そのことが彼女の親類縁者や財産管理者にしれることになり、大騒ぎになる。
ごくごく単純なストーリだ。
でもなぜか引き込まれて次ぎの展開が知りたくてたまらない。
きっとなにか起きるぞという期待感と不安がこころの隅でザワザワしだす。
当然、事件は起きるがそのザワザワ感がズーット最期まで続く。

ここがアガサ・クリスティーの魅力で期待通りの面白さであった。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23)) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23))より
4150700230
No.99
(4pt)

余韻が残る

映像版を観てあらすじは知ってしまっていたのだけど、クリスティ作品は時折ドラマに反映の無いちょっとしたセリフの余韻を響かせるシーンがたまらないので、原作を読むことにした。

(「ポケットにライ麦を」の手紙の『だってほんとうに美しいでしょう?』とかね。)

この作品でもきましたね、「まるで愛しているみたいに」。
マイクには「いつから始まったのかわからない」分岐点を感じさせる、こういったエリーへの愛着を滲ませるセリフとシーンが、交差するラストが物悲しく…。
映像版のスリリングさも秀逸でしたが、本作の語り口がやたら素朴でするりと読ませてくるところと、それが何故なのかという結論も、「文体」である原作ならではでした。
終りなき夜に生れつく (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U42M
No.98
(4pt)

余韻が残る

映像版を観てあらすじは知ってしまっていたのだけど、クリスティ作品は時折ドラマに反映の無いちょっとしたセリフの余韻を響かせるシーンがたまらないので、原作を読むことにした。

(「ポケットにライ麦を」の手紙の『だってほんとうに美しいでしょう?』とかね。)

この作品でもきましたね、「まるで愛しているみたいに」。
マイクには「いつから始まったのかわからない」分岐点を感じさせる、こういったエリーへの愛着を滲ませるセリフとシーンが、交差するラストが物悲しく…。
映像版のスリリングさも秀逸でしたが、本作の語り口がやたら素朴でするりと読ませてくるところと、それが何故なのかという結論も、「文体」である原作ならではでした。
終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)より
4151310959
No.97
(4pt)

余韻が残る

映像版を観てあらすじは知ってしまっていたのだけど、クリスティ作品は時折ドラマに反映の無いちょっとしたセリフの余韻を響かせるシーンがたまらないので、原作を読むことにした。

(「ポケットにライ麦を」の手紙の『だってほんとうに美しいでしょう?』とかね。)

この作品でもきましたね、「まるで愛しているみたいに」。
マイクには「いつから始まったのかわからない」分岐点を感じさせる、こういったエリーへの愛着を滲ませるセリフとシーンが、交差するラストが物悲しく…。
映像版のスリリングさも秀逸でしたが、本作の語り口がやたら素朴でするりと読ませてくるところと、それが何故なのかという結論も、「文体」である原作ならではでした。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300953
No.96
(4pt)

余韻が残る

映像版を観てあらすじは知ってしまっていたのだけど、クリスティ作品は時折ドラマに反映の無いちょっとしたセリフの余韻を響かせるシーンがたまらないので、原作を読むことにした。

(「ポケットにライ麦を」の手紙の『だってほんとうに美しいでしょう?』とかね。)

この作品でもきましたね、「まるで愛しているみたいに」。
マイクには「いつから始まったのかわからない」分岐点を感じさせる、こういったエリーへの愛着を滲ませるセリフとシーンが、交差するラストが物悲しく…。
映像版のスリリングさも秀逸でしたが、本作の語り口がやたら素朴でするりと読ませてくるところと、それが何故なのかという結論も、「文体」である原作ならではでした。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23)) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23))より
4150700230
No.95
(4pt)

円熟の作品と言うにふさわしく

作者お気に入りの作品の一つということで手に取りました。初期のストーリー展開のまったり感は、やはり作者の晩年作からかなぁと思いながら、しかしその分心理描写の厚みはさすがだわと感じながら読み進めました。
最後には、それら全てが躍動感とともに渦を巻き、走り出ししてエンディングに到達するという…今回も技あり一本です。
終りなき夜に生れつく (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U42M
No.94
(4pt)

円熟の作品と言うにふさわしく

作者お気に入りの作品の一つということで手に取りました。初期のストーリー展開のまったり感は、やはり作者の晩年作からかなぁと思いながら、しかしその分心理描写の厚みはさすがだわと感じながら読み進めました。
最後には、それら全てが躍動感とともに渦を巻き、走り出ししてエンディングに到達するという…今回も技あり一本です。
終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)より
4151310959
No.93
(4pt)

円熟の作品と言うにふさわしく

作者お気に入りの作品の一つということで手に取りました。初期のストーリー展開のまったり感は、やはり作者の晩年作からかなぁと思いながら、しかしその分心理描写の厚みはさすがだわと感じながら読み進めました。
最後には、それら全てが躍動感とともに渦を巻き、走り出ししてエンディングに到達するという…今回も技あり一本です。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300953
No.92
(4pt)

円熟の作品と言うにふさわしく

作者お気に入りの作品の一つということで手に取りました。初期のストーリー展開のまったり感は、やはり作者の晩年作からかなぁと思いながら、しかしその分心理描写の厚みはさすがだわと感じながら読み進めました。
最後には、それら全てが躍動感とともに渦を巻き、走り出ししてエンディングに到達するという…今回も技あり一本です。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23)) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23))より
4150700230
No.91
(4pt)

若く溢れんばかりの曖昧な夢の跡

秋の夜長に一気読みしました。

物語は、若い男女が出会い、夢を共有し、お互いに通じ合うものがあり、結婚し、夢を実現して、幸せに暮らすが不幸が起きる。
最後に怒涛の展開があります。
ミステリー小説を沢山読み込んでいるわけではない私はトリックの焼き直し云々は気になりませんでした。
アガサクリスティはポアロさんや、ミスマープルが有名ですが、別名義で書かれたりした、特別な人が出てこない作品の方が良いと思うことがあります。
無名のキャラ設定されてない登場人物だからこそ書けたであろう、緻密に心の奥深くまで書かれた闇の描写が理解しやすいからです。

何でも出来る、何にでもなれる気がする若者の、溢れんばかりの、しかし曖昧な大きな夢を現実の形にしても、興奮が過ぎ去れば物でしか無い。本当に欲しかったのは…持ち続けたかったものは…

ヨーロッパの諺の
1日幸せでいたければ床屋に行け
1週間幸せでいたければ車を買え
1月幸せでいたければ結婚しろ
1年幸せでいたければ家を買え
一生幸せでいたければ正直でいろ
というのを思い出しました。

正直にも色々とありますが、人の心は簡単では無いですし、古今東西通じるものがあるからこそ、物でなく、人の心を描いたこの作品は時代が違えど読み続けられるのだろうなと思います
終りなき夜に生れつく (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U42M
No.90
(4pt)

若く溢れんばかりの曖昧な夢の跡

秋の夜長に一気読みしました。

物語は、若い男女が出会い、夢を共有し、お互いに通じ合うものがあり、結婚し、夢を実現して、幸せに暮らすが不幸が起きる。
最後に怒涛の展開があります。
ミステリー小説を沢山読み込んでいるわけではない私はトリックの焼き直し云々は気になりませんでした。
アガサクリスティはポアロさんや、ミスマープルが有名ですが、別名義で書かれたりした、特別な人が出てこない作品の方が良いと思うことがあります。
無名のキャラ設定されてない登場人物だからこそ書けたであろう、緻密に心の奥深くまで書かれた闇の描写が理解しやすいからです。

何でも出来る、何にでもなれる気がする若者の、溢れんばかりの、しかし曖昧な大きな夢を現実の形にしても、興奮が過ぎ去れば物でしか無い。本当に欲しかったのは…持ち続けたかったものは…

ヨーロッパの諺の
1日幸せでいたければ床屋に行け
1週間幸せでいたければ車を買え
1月幸せでいたければ結婚しろ
1年幸せでいたければ家を買え
一生幸せでいたければ正直でいろ
というのを思い出しました。

正直にも色々とありますが、人の心は簡単では無いですし、古今東西通じるものがあるからこそ、物でなく、人の心を描いたこの作品は時代が違えど読み続けられるのだろうなと思います
終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)より
4151310959
No.89
(4pt)

若く溢れんばかりの曖昧な夢の跡

秋の夜長に一気読みしました。

物語は、若い男女が出会い、夢を共有し、お互いに通じ合うものがあり、結婚し、夢を実現して、幸せに暮らすが不幸が起きる。
最後に怒涛の展開があります。
ミステリー小説を沢山読み込んでいるわけではない私はトリックの焼き直し云々は気になりませんでした。
アガサクリスティはポアロさんや、ミスマープルが有名ですが、別名義で書かれたりした、特別な人が出てこない作品の方が良いと思うことがあります。
無名のキャラ設定されてない登場人物だからこそ書けたであろう、緻密に心の奥深くまで書かれた闇の描写が理解しやすいからです。

何でも出来る、何にでもなれる気がする若者の、溢れんばかりの、しかし曖昧な大きな夢を現実の形にしても、興奮が過ぎ去れば物でしか無い。本当に欲しかったのは…持ち続けたかったものは…

ヨーロッパの諺の
1日幸せでいたければ床屋に行け
1週間幸せでいたければ車を買え
1月幸せでいたければ結婚しろ
1年幸せでいたければ家を買え
一生幸せでいたければ正直でいろ
というのを思い出しました。

正直にも色々とありますが、人の心は簡単では無いですし、古今東西通じるものがあるからこそ、物でなく、人の心を描いたこの作品は時代が違えど読み続けられるのだろうなと思います
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300953
No.88
(4pt)

若く溢れんばかりの曖昧な夢の跡

秋の夜長に一気読みしました。

物語は、若い男女が出会い、夢を共有し、お互いに通じ合うものがあり、結婚し、夢を実現して、幸せに暮らすが不幸が起きる。
最後に怒涛の展開があります。
ミステリー小説を沢山読み込んでいるわけではない私はトリックの焼き直し云々は気になりませんでした。
アガサクリスティはポアロさんや、ミスマープルが有名ですが、別名義で書かれたりした、特別な人が出てこない作品の方が良いと思うことがあります。
無名のキャラ設定されてない登場人物だからこそ書けたであろう、緻密に心の奥深くまで書かれた闇の描写が理解しやすいからです。

何でも出来る、何にでもなれる気がする若者の、溢れんばかりの、しかし曖昧な大きな夢を現実の形にしても、興奮が過ぎ去れば物でしか無い。本当に欲しかったのは…持ち続けたかったものは…

ヨーロッパの諺の
1日幸せでいたければ床屋に行け
1週間幸せでいたければ車を買え
1月幸せでいたければ結婚しろ
1年幸せでいたければ家を買え
一生幸せでいたければ正直でいろ
というのを思い出しました。

正直にも色々とありますが、人の心は簡単では無いですし、古今東西通じるものがあるからこそ、物でなく、人の心を描いたこの作品は時代が違えど読み続けられるのだろうなと思います
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23)) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23))より
4150700230
No.87
(5pt)

鳥肌の立つ傑作

旧訳版の方にレビューを書いてしまったので、こちらにも貼り付けておきます。読んだのはこちらの新訳版です。

------------------
これはすごい。名作だ。

トリックが別作品の焼き直しとの批判があるらしいが、そんな小さなことはどうでもよろしい。パズル解きではなく、文学作品として、重く、濃密で、完成度が高い。

老醜と評する人もいるか。とんでもない。クリスティのすべてを凝縮した、老集大成である。

テーマは、人はなぜ殺人を犯すのか? と同時に、人はなぜ人を愛するのか? 人を愛するとはどういうことなのか?

これら、直球ど真ん中のテーマとがっぷり正面から取り組んで、オカルト、サスペンス、ロマンス、ミステリーの要素を絶妙のバランスで取り入れ、配合している。

前半は、怪しげなジプシーばあさんの不気味な呪いを散りばめつつ、主人公カップルの恋愛物語が、むしろ淡々と語られる。不気味さが徐々に大きくなっていく雰囲気の描き方が、とてもうまい。

そして事件勃発。

ここから後半3分の1は一気にギヤが2段階ぐらい上がってテンポが早くなり、緊張感に満ちた手に汗握るサスペンスが展開していく。この場面転換、雰囲気の一瞬での変換がすばらしい。

トリックのことを言えば、途中でかなりバレバレである。だけど、だからといって物語の緊張感はまったく減ることなく、最後まで一気に突っ走る。この作品ではトリックそのものには重きはおかれていないのだ。むしろそのトリックを成り立たせている人間関係や心理描写の方が、クリスティーの描きたかったことなのだと思う。

そしてそれは、大成功している。クリスティー作品の中でも屈指の傑作だと思う。

(追記)霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』(クリスティー文庫)の中に、トリックについてこのような記述があった。「あの先行作品では、このトリックは「謎解きと驚愕」を生む以上の機能が与えられていなかった。しかし本作では、もっと大きな主題を描く道具としてこのトリックが活用されている」(p.462)。賛成である。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300953
No.86
(5pt)

鳥肌の立つ傑作

旧訳版の方にレビューを書いてしまったので、こちらにも貼り付けておきます。読んだのはこちらの新訳版です。

------------------
これはすごい。名作だ。

トリックが別作品の焼き直しとの批判があるらしいが、そんな小さなことはどうでもよろしい。パズル解きではなく、文学作品として、重く、濃密で、完成度が高い。

老醜と評する人もいるか。とんでもない。クリスティのすべてを凝縮した、老集大成である。

テーマは、人はなぜ殺人を犯すのか? と同時に、人はなぜ人を愛するのか? 人を愛するとはどういうことなのか?

これら、直球ど真ん中のテーマとがっぷり正面から取り組んで、オカルト、サスペンス、ロマンス、ミステリーの要素を絶妙のバランスで取り入れ、配合している。

前半は、怪しげなジプシーばあさんの不気味な呪いを散りばめつつ、主人公カップルの恋愛物語が、むしろ淡々と語られる。不気味さが徐々に大きくなっていく雰囲気の描き方が、とてもうまい。

そして事件勃発。

ここから後半3分の1は一気にギヤが2段階ぐらい上がってテンポが早くなり、緊張感に満ちた手に汗握るサスペンスが展開していく。この場面転換、雰囲気の一瞬での変換がすばらしい。

トリックのことを言えば、途中でかなりバレバレである。だけど、だからといって物語の緊張感はまったく減ることなく、最後まで一気に突っ走る。この作品ではトリックそのものには重きはおかれていないのだ。むしろそのトリックを成り立たせている人間関係や心理描写の方が、クリスティーの描きたかったことなのだと思う。

そしてそれは、大成功している。クリスティー作品の中でも屈指の傑作だと思う。

(追記)霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』(クリスティー文庫)の中に、トリックについてこのような記述があった。「あの先行作品では、このトリックは「謎解きと驚愕」を生む以上の機能が与えられていなかった。しかし本作では、もっと大きな主題を描く道具としてこのトリックが活用されている」(p.462)。賛成である。
終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)より
4151310959
No.85
(5pt)

鳥肌の立つ傑作

旧訳版の方にレビューを書いてしまったので、こちらにも貼り付けておきます。読んだのはこちらの新訳版です。

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これはすごい。名作だ。

トリックが別作品の焼き直しとの批判があるらしいが、そんな小さなことはどうでもよろしい。パズル解きではなく、文学作品として、重く、濃密で、完成度が高い。

老醜と評する人もいるか。とんでもない。クリスティのすべてを凝縮した、老集大成である。

テーマは、人はなぜ殺人を犯すのか? と同時に、人はなぜ人を愛するのか? 人を愛するとはどういうことなのか?

これら、直球ど真ん中のテーマとがっぷり正面から取り組んで、オカルト、サスペンス、ロマンス、ミステリーの要素を絶妙のバランスで取り入れ、配合している。

前半は、怪しげなジプシーばあさんの不気味な呪いを散りばめつつ、主人公カップルの恋愛物語が、むしろ淡々と語られる。不気味さが徐々に大きくなっていく雰囲気の描き方が、とてもうまい。

そして事件勃発。

ここから後半3分の1は一気にギヤが2段階ぐらい上がってテンポが早くなり、緊張感に満ちた手に汗握るサスペンスが展開していく。この場面転換、雰囲気の一瞬での変換がすばらしい。

トリックのことを言えば、途中でかなりバレバレである。だけど、だからといって物語の緊張感はまったく減ることなく、最後まで一気に突っ走る。この作品ではトリックそのものには重きはおかれていないのだ。むしろそのトリックを成り立たせている人間関係や心理描写の方が、クリスティーの描きたかったことなのだと思う。

そしてそれは、大成功している。クリスティー作品の中でも屈指の傑作だと思う。

(追記)霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』(クリスティー文庫)の中に、トリックについてこのような記述があった。「あの先行作品では、このトリックは「謎解きと驚愕」を生む以上の機能が与えられていなかった。しかし本作では、もっと大きな主題を描く道具としてこのトリックが活用されている」(p.462)。賛成である。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23)) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23))より
4150700230
No.84
(5pt)

鳥肌の立つ傑作

これはすごい。名作だ。

トリックが別作品の焼き直しとの批判があるらしいが、そんな小さなことはどうでもよろしい。パズル解きではなく、文学作品として、重く、濃密で、完成度が高い。

老醜と評する人もいるか。とんでもない。クリスティのすべてを凝縮した、老集大成である。

テーマは、人はなぜ殺人を犯すのか? と同時に、人はなぜ人を愛するのか? 人を愛するとはどういうことなのか?

これら、直球ど真ん中のテーマとがっぷり正面から取り組んで、オカルト、サスペンス、ロマンス、ミステリーの要素を絶妙のバランスで取り入れ、配合している。

前半は、怪しげなジプシーばあさんの不気味な呪いを散りばめつつ、主人公カップルの恋愛物語が、むしろ淡々と語られる。不気味さが徐々に大きくなっていく雰囲気の描き方が、とてもうまい。

そして事件勃発。

ここから後半3分の1は一気にギヤが2段階ぐらい上がってテンポが早くなり、緊張感に満ちた手に汗握るサスペンスが展開していく。この場面転換、雰囲気の一瞬での変換がすばらしい。

トリックのことを言えば、途中でかなりバレバレである。だけど、だからといって物語の緊張感はまったく減ることなく、最後まで一気に突っ走る。この作品ではトリックそのものには重きはおかれていないのだ。むしろそのトリックを成り立たせている人間関係や心理描写の方が、クリスティーの描きたかったことなのだと思う。

そしてそれは、大成功している。クリスティー作品の中でも屈指の傑作だと思う。

(追記)霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』(クリスティー文庫)の中に、トリックについてこのような記述があった。「あの先行作品では、このトリックは「謎解きと驚愕」を生む以上の機能が与えられていなかった。しかし本作では、もっと大きな主題を描く道具としてこのトリックが活用されている」(p.462)。賛成である。
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23)) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-23))より
4150700230
No.83
(5pt)

鳥肌の立つ傑作

これはすごい。名作だ。

トリックが別作品の焼き直しとの批判があるらしいが、そんな小さなことはどうでもよろしい。パズル解きではなく、文学作品として、重く、濃密で、完成度が高い。

老醜と評する人もいるか。とんでもない。クリスティのすべてを凝縮した、老集大成である。

テーマは、人はなぜ殺人を犯すのか? と同時に、人はなぜ人を愛するのか? 人を愛するとはどういうことなのか?

これら、直球ど真ん中のテーマとがっぷり正面から取り組んで、オカルト、サスペンス、ロマンス、ミステリーの要素を絶妙のバランスで取り入れ、配合している。

前半は、怪しげなジプシーばあさんの不気味な呪いを散りばめつつ、主人公カップルの恋愛物語が、むしろ淡々と語られる。不気味さが徐々に大きくなっていく雰囲気の描き方が、とてもうまい。

そして事件勃発。

ここから後半3分の1は一気にギヤが2段階ぐらい上がってテンポが早くなり、緊張感に満ちた手に汗握るサスペンスが展開していく。この場面転換、雰囲気の一瞬での変換がすばらしい。

トリックのことを言えば、途中でかなりバレバレである。だけど、だからといって物語の緊張感はまったく減ることなく、最後まで一気に突っ走る。この作品ではトリックそのものには重きはおかれていないのだ。むしろそのトリックを成り立たせている人間関係や心理描写の方が、クリスティーの描きたかったことなのだと思う。

そしてそれは、大成功している。クリスティー作品の中でも屈指の傑作だと思う。

(追記)霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』(クリスティー文庫)の中に、トリックについてこのような記述があった。「あの先行作品では、このトリックは「謎解きと驚愕」を生む以上の機能が与えられていなかった。しかし本作では、もっと大きな主題を描く道具としてこのトリックが活用されている」(p.462)。賛成である。
終りなき夜に生れつく (1968年) (世界ミステリシリーズ) Amazon書評・レビュー: 終りなき夜に生れつく (1968年) (世界ミステリシリーズ)より
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