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残穢



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【この小説が収録されている参考書籍】
残穢
残穢(ざんえ) (新潮文庫)

残穢の評価: 3.38/5点 レビュー 306件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全165件 41~60 3/9ページ
No.125:
(4pt)

染みだす恐怖

皆さんは、今住んでいる土地の過去を知っていますか? 私はもちろん知りません。

でも、部屋で不可解な事が起きた時、まず怯えますよね。何度も起きると、「この家、呪われているんじゃね?」って思いますよね。

その時、とっとと引っ越しをするのか、もしくは過去を調べるか。どちらかになると思います。

これは後者の本です。

「過去にこういう事があったから、こんな現象が起きているんだ。お祓いしよ♪」で、終わるような内容ではございません。

読み終えた時、初めは戸惑うでしょう。ただ、自分の事と置き換えると「もう、逃げ切れないじゃん」という恐怖に陥ります。

何か怖いことがあったら、すぐに引っ越す事をお勧めします。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.124:
(4pt)

この本の何が怖いか?

最初は、マンションの一家から始まり、調べていくと周りにも何かがある。
怪異自体にも微妙な違いがあり、とにかく薄気味悪い印象。
根っこにある怪異の原因だと思われる話は、怪談界でも禁忌に属する一部では知られた話。
色々な怪談作家さんたちが、概要だけは色んな本で書いていたりします。
ある作家先生は、この話をいつか必ず公にしたいと考えているそうだが、少しでも行動に移すと必ず障りにあうそうです。
小野先生、別のラインから繋がった話とはいえ、作品にして大丈夫だったのだろうか?
そういえば、平山夢明先生がこの本に出てたなぁ。
たぶん、そっちに穢れが行ったんだな、うん。

ホラーをじっくりと読む人にオススメです。過去に遡って調べていく段階での、色んな人からの談話はジワジワきますよ。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.123:
(5pt)

面白いです

じわじわとくる怖さなので、派手な怖さを求める人には向いてません。
自分に置き換えて考えたりすると怖いです。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.122:
(5pt)

すごい話なのに、初めてうちに置いておきたくないと思ってしまった本

読者から手紙で送られてきた奇妙なぞっとする体験、具体的に何が起きているのか、そもそもその元は何なのかを調べていくうちに、作者自身の身に起こったことを実話風に淡々と記録した物語です。同時期に出版された「鬼談百景」は、これらの過程で収集した実話怪談を99話集めて収録したもので、百話目を話すと本当の怪異が現れるという百物語にちなんで、この「残穢」を百話目とみなしているそうです。「鬼談百景」を読んだ人は、「残穢」を読了した後に、何か現れるのかどうか・・・(汗)?

まず最初に読んだのは「鬼談百景」の方だったのですが、その時はだいぶ辛口のレビューを書いてしまいました。この「残穢」の後に読めば、だいぶ違った感想になったと思います。「残穢」の中の過程で集まった怪談実話が「鬼談百景」だったというわけで、それなら、話にオチがないものが多いのも、娯楽物として起承転結でまとまっていないのも理解できます。「残穢」は、私は先に映画を見たのですが、ほぼ原作に忠実に映画化されていました。これが全部実際に起きたことなのか、それともどこかから創作が入っているのかそのあたりはわかりませんが、かなり臨場感があり、ほとんどが実際にあったこと、作者が協力者たちと調べた過程をそのまま書いたものではないかと思わせられるほどです。

奇妙な音がするマンションの部屋、調べてみたらおかしなことが起きたのはその部屋だけではなかった、それどころかすぐ隣の一戸建ての地域までも。ということは、マンションや家が建てられる以前に何かあったのではないか?作者たちは古くからその土地に住んでいる人たちに事情を尋ねたり、古い地図を探したりして、何年にも渡って根気よく調査を続けます。そしてとうとうそれははるか昔の時代の、遠くの土地にまで遡って・・・。その間にも、それらの部屋に住んだ人たちに後日、いろんなことが起きていたことがわかります。

「残穢」の映画を見た時、普段ならよかったと思ったらダビングして残すのですが、これについてはどうしてもダビングする気になれませんでした。小説は山本周五郎賞を受賞したそうですが、その審査員たちが口々に「この本を自分の本棚にずっと置いておく気にはならない」「実は今、この本を手元に置いておくことすら怖い。どうしたらいいのか悩んでいる」と述べたのもわかるような気がします。元々陰惨な話がなかった土地にまで、それがついてくる、新築の家だろうがなんだろうがついてくる、というか連れてきてしまう、話を聞いただけでも”感染”する、だから本を読んだだけでも、後ろに何かいるのではないか、明日からうちでへんな音がし始めるのではないか、思わずそんなことを考えてしまいます。こけ脅しの怪談ではない、じわじわと迫ってくるかなり気持ちが悪い話です。小説自体は星5つ、読後感は怖さで星1つだったりして・・・。ちなみに、私は普段はこの種のものはまったく怖がらない人です。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.121:
(4pt)

自分のモードをどこに設定するのか

映画から入りました。
初見の時は退屈で、何が怖いのか全くわからず。
1年後くらいになぜかふと観たくなり再度視聴。
そしてこの度、原作を読みました。

先に映画を観ていなかったらなかなか理解が追いつかなかったかも知れません。
時系列と、それに合わせて人物がたくさん出てくるので(加えて◯◯◯号室のAさん、△△△号室のBさん、×××号室のCさん、Aさんの前に住んでいたDさん、など)
普段からドストエフスキーを読んでいる人ならそれほど難解ではないかもしれませんが。
地域図や相関図的なものが添付されていればもっとわかりやすいかもしれないですね。
まあメモは必須でしょう。

また、自分のモードをどこに合わせるかによって感じ方が変わってくる作品だと思います。
モードが間違っていると何も感じなかったり不愉快になったりします。
作中に出てくる多くは堕胎や精神疾患など現代の価値観でみると保護すべき対象が主ですので、現実的な目で見たときに怪異と結びつけて手放しで怖がるべきものなのか?という疑問も出てきます。
私宅監置や精神関係の法律の変遷など丁寧に描かれていますが、それだけに興味本位と差別偏見の歴史はリンクしているんだなぁ、と思いました。

登場人物的な視点で読み進めると面白いです。
俯瞰で見ると嫌な気分になるかも知れません(笑)
どうにも他人の家、地域の過去を興味本位でほじくりかえし勝手に結論づけて怖がって飽きたらやーめた、に見えて不愉快な部分もありました。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.120:
(4pt)

小説ならではの怖さ

この作品を映像化してしまうと良さが半分も伝わらないと思います。
活字という媒体を最大限に活かして謎が謎を呼ぶ展開がジワリとした恐怖を呼びますが、さらに真相に迫りたいという欲求に抗えずにはいられない。当初は傍観者であった主人公「私」が自らの身にも危険が降りかかる可能性がありながらは止まることができない心境は恐れながらページをめくる読者のそれと同じでしょう。
一つ一つは気のせいかも?で済ませられる些細な怪奇現象なのですが点と点を結ぶとこんなことに繋がるとはーって感じです。
ストーリー終盤で原因となった出来事に辿り着きますが、それが本当の始まりだったかどうかは確認しようがないわけで、見方によってはそれすらさらに過去の穢れによって起因していた可能性もあるわけで、そもそも原因なんかなく穢れとは意識してないだけで最初からそういうものとして世界に存在しているものなのかもしれません。作中の言葉を借りるならそういう世界観なのです。
穢れの汚染が広がっていく様はホラー超大作『リング』を連想した人も多いかと思いますが、そういう意味ではこちらの方が根本的な解決方法がない分はるかにタチの悪い性質だと言えるでしょう。
登場人物らはそんな中で落とし所をつけていくのですが、ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく人によっては尻切れとんぼな終わり方と感じるかもしれません。それが小野不由美先生の作品の味なのですが、人に勧めにくい作品ですので畏れ多いとは思いながら4をつけさせていただきました。。。。。
しかし、この作品を描き上げるためにどれだけの資料を漁ったのか想像絶します。年代別に社会情勢や時代背景を捉えそれらが世代を超えて人の心にどう影響を与え、複雑に絡みつく様をリアルに描くのはさすがとしか言いようがありません。実際見てきたの?って疑いたくなります。主上は化け物でしょうか(褒め言葉)。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.119:
(5pt)

最高のホラー小説

この本がきっかけで怪奇・怪談系の読み物に興味を持ち、ホラー小説や実話怪談をあれこれと読むようになったのですが、未だにこれ程完成度の高い長編には巡り会えていません。
実話怪談、実話の体を取った(特に長編の)怪奇ものは読み進めていくうちリアリティの面で ん?と思ってしまう、何か引っ掛かってしまう箇所が必ずと言っていい程あるのですがこの残穢にはとにかくそれが無い。
ストーリーの主となる部分は勿論、枝葉の部分に関してもその全てに説得力があり、読む側に疑問を抱かせることなくただただ怖さのみに没頭させる。そんな残穢のような一冊にはそうそう出会えるものではないと思います。

また、第六感・霊感のような個々人の感覚が軸や根拠になりがちなホラーものの中で資料やインタビューを元に土地の歴史を遡り、理詰めで核心に迫っていくというストーリーはとても自分好みでした。
怪奇に触れた著者たちの体験談が淡々とした筆致で綴られ、誰しもの傍に潜む普遍的な怖さ恐ろしさに収束していく様には本当にぞわりとさせられました。加えて、物語が進むにつれバラバラに思われた一つ一つの怪異が繋がっていき、終盤その出処に辿り着いた瞬間には怖さだけでなくある種の気持ちよさが感じられると思います。

怖さの質、文のタッチ共にとても自分のツボを抑えたものであり、ついつい繰り返し読んでしまう一冊です。
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4101240299
No.118:
(4pt)

抵抗できない「悪意なき怪異」の怖さ。

この話の怖さは、死んだ人間が本人の自覚なく「穢れ」として現場に残り、次の人間をとり殺してしまうという点にある気がします。とり殺された挙句、望む望まざるに関わらず自身も穢れとして次の人間に危害を加える〜という悪意の介在しない無目的な現象の連続は、明確な目的を持って行動する悪意ある殺人者よりはるかに恐ろしいと感じました。
オチが中途半端という批判はよくわかりますが、この現象が解決不能で、主人公たちの存在に関わらずこの先も続いていくという点もかなり怖いと感じます。
それはそうと、この本を読了したころから寝室の天井裏で時折ガタッと物音がするようになりました。小さい音なのですがやけに響くので少し気になります。
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4101240299
No.117:
(5pt)

聞いただけでも・・・・

これ、怖いです。
筆者はホラー小説を400冊から読んでいますが、文句なしに最恐です。

著者・小野不由美が、ファンの奇妙な体験について共に調査していく、迫真の実録もの。
何かが畳をこする音がする・・・・そんなショボい怪異に始まり、事態は芋づる式に拡大していきます。

徹底したリアリティで読者の心を囲い込むので、「どうせ作り話だ」という逃げ道がありません。
著者は懐疑主義を貫き、決して常識を踏み外さないし、平山夢明と福澤徹三も実名で登場。
譬えて言うなら、UWFスタイルですね。

だから、「勤め人の久保さんが、こうも私的な調査に打ち込めるか?」とか、
「クボ → ボクで、著者の分身だと示唆している?」などと、余計な事を考えてはいけないのでしょう。
ありのままの恐怖を、受け入れるのが正しい。

純真な筆者は「これを読んでしまった自分にも、害が及ぶのではないか」と、身の危険すら感じました。
そういえば、腰が痛い・・・・って、元々ヘルニアだけど。

なお、本書は映画化もされていますが、読書家が観る必要はないでしょう。
映画として悪くない出来でしたが、どんなに頑張っても、この小説の面白さにはかないっこありません。
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4101240299
No.116:
(5pt)

怖い…けど先が気になって仕方ない

ホラーは苦手ですが、小野不由美さんの作品が好きなので読んでみました…が、怖い、怖かったです。
夜読むと格段に怖かったので昼間に読みきりましたが、それでもゾッとします。
遭遇した怪異をどんどん調べていくというかんじなのですが、闇に侵食されていくような恐怖、蛍光灯や窓の光の影に何か映るんじゃないかとびくびくします。
きっと至るところを調べていけば過去に何らかのことが有るんでしょうが、知らなくていいこともあるのでしょう。
ただ自分はあらゆる人々と神様のお蔭でここにいることが出来る、そのことを忘れないでいたいです。
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4101240299
No.115:
(4pt)

初めて途中で読むのを中断した。

新耳袋的エピソードって量がまとまると怖い。私は前半分くらいで気分が悪くなり始めたので、本の届いたその日はもう読むのを止めました。ホラー好きの私としてはこんなのは初めてでした。あーもしかしてヤバい作品かなと思って、次の日は本にバレルコアをいっぱい振って、なおかつペンデュラムがYESとお墨付きを出してくれたのであと半分を読みました(笑)。九州の炭鉱が出てくるので、もしかして「Kの法則」も発動してるのか?なんて考えると、ますますおぞましくなる嫌な話でした。何よりも希望がない(リングシリーズみたいに突き抜けて開けていく感じがゼロ)ので、後味が悪いです。
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4101240299
No.114:
(4pt)

筆力がある

以前映画にもなり以前、話題になっていたので読んでみました。死者も出ていないのに事故物件、遠方の土地でおきた別々の惨事が、どういうわけか関わってくる超常現象。死の穢れ?を移さぬよう喪に服すことは、現代は簡略化していますが本当はきちんとやるべきなのかもしれない。「これを読んで知ってしまったら、自分にも起きてしまうかも?」という伝播の怖さがあります。幸い、何も起きませんでしたが。
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4101240299
No.113:
(4pt)

ジェフファンtama

じわじわ来ますね。読んでいる最中より読後のほうが怖いのかも。防ぎようのない怪異。淡々と描かれた事柄と冷静な分析。偶然や繋げすぎではという判断も読後の恐怖を後押しです。
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4101240299
No.112:
(4pt)

怖くない

作品自体は、怖くはないです。
原因の究明に過去へ遡り、ナゾを紐解いていく。
その過程は、ミステリっぽくて面白い。
ですが、読後、怖いものがメチャクチャ増える。
気にしなければ平気……
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4101240299
No.111:
(5pt)

全てはただ一文のため

この作品は意図的に作者自身の実体験を綴ったルポルタージュの様に書かれている。

どこまでが現実でどこからが創作なのかが非常に曖昧で『本当にあった怖い話』系が好きならばゾクゾクするかもしれない。

しかしこの作品の本質はそんな擬似リアリティーではなく、作中のたった一文を際立たせる為にこそある。

そこを読み流すか、それとも引っかかるかでこの作品の怖さは全く変わってしまう。ルポルタージュ形式で書いているのも変におどろおどろしく書いていないのもその一文を活かすが故だ。

この怖さはどこか『牛の首』の読後感に似ている。

『牛の首』も何も感じない人が読むと意味が分からないというか、その怖さに気づかない。しかしその怖さに気づける人は最終2ページに胃を掴まれる様な恐怖を感じるのだ。

なるほど、この作品は本当に恐ろしい…
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4101240299
No.110:
(5pt)

思った以上に怖かった!

あらすじを読んでたいして怖くなさそうと思ったのですが、めちゃ怖かったです!
えっ?これって本当にあった事なの?なかったの?どっちー!!?って調子で読み、何回も怖くて本を閉じ、また読みと続けてやっと読み終わりました(笑)
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4101240299
No.109:
(4pt)

捨てました・・怖いので・・

ホラー小説は、それを多少でも怖いと思うから読むのだと思う。全く怖くない人は面白くは感じないだろうから。
ホラーには、幽霊ものと、怪奇もの、モンスターもの、etcありますが、幽霊ものは自分でも遭遇する可能性がある故に、それを本当に怖いと思う人は避けるでしょう。たまたま店頭で手にして購入して失敗。飛行機中で読み終えて、空港ゴミ箱に捨てました。その晩から2日間原因不明の熱発に遭いました・・・幽霊が怖い人は読まない方が良い。しかし、怖くない人は読んでも面白くないか?
つい先日の座間SNS悪用連続殺人事件のニュースに関連して、「事故物件」という概念とそれに関するサイトがあることを知りました。それをみているうちに、この物語と同様の実話に目がとまりました。1つのマンションの中で、何部屋かが事故が連続する云々・・この小説より前のことのようなので、ひょっとしたら作者、これを題材にしたでしょうか。
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4101240299
No.108:
(5pt)

本棚には置けません(ネタバレ注意!)

生まれて初めて、気に入った本を手放しました……。

これを読んで怖くない、と言った人は、幸運にも現実世界と本の中の世界がダブらなかった人だと思います。

………
まず、物語の最初に一人の作家さんがでてきます。この作家さんは怪異をあまり信じていません。が、ホラーものを手掛けているため、読者さんから数多くの怪談を集めています。

(ここでひとつご参考までに、今作の小野不由美さんはTH悪霊シリーズ時代に、読者から怪談を募集していらっしゃいました。数多くの怪談が集まり、手元にあること、『ヘイキ下巻』最後のあとがきにもあります。そして小野さんご自身もどっぷりオカルト肯定派なわけではないこと、よくお体を壊されることなどのイメージがあるので、この主人公とよく似ている…?と感じることと思います)

そうして、(これはほんとの話?どこまで実際にあったお話なのかな…?)と思いながら、読んでゆくと思います。
そうして読み進めていくうちに、普段聞き流していた当たり前の音が気になり始めます。1歳の娘が天井見て手を振る、いつもの当たり前のことが気になり始めます。
つまり、現実と小説がリンクしはじめてしまうんです。

このあたりで、 和製ホラー好きのみなさんは怪談の【ロジック】を探そうとすると思います。
何が原因で、どうすれば解決するのか。
しかし考えれば考えるほど深みにはまり、それこそが怪異につながる行為だということに気がついてしまいます…。
つまり、読んでいる我々にも怪異が及ぶ、という結論に至ります。

あとは読みきって、どうすれば怪異から逃れられるのか考えてみれば…
背筋が凍ります。

私は階上にいるはずの赤ちゃんの泣き声が、すぐ隣の壁から響いてきたと感じたとき、本を手離すことを決めました。

これ以上本棚にはおいておけません…!
怪異をいただけません‼
ごめんなさい、作者さん!
つかコレ、作者さん大丈夫なの…??!無事でいて……!
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.107:
(5pt)

私の中でダントツで1番怖い本

いかにも、ホラー小説ですよという感じのドヨーンとした文章ではなくて、どちらかといえば淡々とした印象なのに、ものすごく怖い。
ホラー小説とか、怖い話のビデオとか大好きで
小さい頃からたくさん読んだり観たりしてきましたが、ダントツ、この小説が1番怖かったです。
フィクションなのか?ノンフィクションなのか?
全くわからなくて、書き方がものすごく上手いと思いました。
家に置いておくのが怖くなる本です。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299
No.106:
(5pt)

オチが分からないのが意味不明

この作品を読んでオチが分からず何が怖いのか分からないという人は、ホラーを読んでるもしくは小説を読んでいる自分が好きなんじゃないかと思う。
だって、普通に読んでりゃオチの意味は分かるし分からないのは、ただ字面を追っているだけでその意味を理解しないだけ、何のために読書してるの?って。
たしかに、この作品はリングや呪怨のような怨霊が現れるようなホラーではありません。
でも日常にある怖い話、誰でも聞いた事のある怖い話が実は一番恐ろしく根深いものである。というのが基本的なスタンスです。
ただ誰もがこの穢れに触れていながら、穢れに侵食される人も居れば、そうではなく成功する人も居り、それが不思議でゾクッとさせるのです。
例えば心霊スポットに行けば誰もが怖〜い幽霊に出会えるかといえば出会えないでしょう?
これは怖い幽霊が出て恐怖に慄く話ではなく、誰もが何気なく生活する中で、知らず知らずのうちに触れている穢れの恐ろしさの話です。
だって、現に作中の私も確実に穢れに触れています。でも特に命を落とす訳でもなく、無意識のうちに穢れから逃れている(一応、私は逃れたと解釈しました)。
日常の中で一度でも同じような体験をした事のある方には、恐ろしく震え上がるような作品なのではと思います。
ちなみに、私は大なり小なり同じ体験をした事がありましたので、身近に潜む恐怖という意味で恐ろしい作品だと感じました。
残穢(ざんえ) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:残穢(ざんえ) (新潮文庫)より
4101240299

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