■スポンサードリンク
失脚/巫女の死
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
失脚/巫女の死の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
20世紀スイスの劇作家デュレンマット(1921-1990)による短編小説集。劇作家による小説らしく、いずれも読んでいると演劇を観ているような気分になる。 ① 現代は、世界には不変的/普遍的な意味秩序が貫徹しているという前提が不可能となった時代である。 ② つまり、世界から「もっともらしさ」が消失してしまった時代である。 ③ そこにあるのは、各サークルがそれぞれの真善美を喚きあう胡散臭い喧騒だけである。 ④ そして、「世界に真理はない」という言明自体が喧騒の一部としてしか成立し得ない。 ⑤ よって現代は、世界に関して有意味な表現が可能なのかが常に問題となる時代である。 彼の不条理で奇妙な作風の背後には、こうした現代という時代への痛切な問題意識があったように思う。現代において「まだ可能な物語」とはいかなるものなのか、と。 □ 「トンネル」 ① どうも何かが食い違っている気がする。 ② つまり、世界は既に破綻をきたしているのかもしれない。 ③ しかし、誰も世界の根源的なメカニズムを見通せない。 ④ だから、何もなす術がない。 ⑤ よって、誰もが世界の破綻を直視せず日常をそのまま継続しようとする。 ひとは日常という分厚い肉の内奥に押し込められて、世界の実相にまるで近づけなくなってしまったよう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!