■スポンサードリンク
ザ・ロード
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ザ・ロードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 1~20 1/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分が娘と旅をしているような感覚になる。絶望の中、たまに生き延び、でも確実に衰弱していく。読むのがツラくなるが、読み進めずにはいられない。グッと心を握られた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
当初、この作品を読み進めていく中で「世界観」がうまく描けていないように思われたので、非常に気を悪くした。 とりわけて、SF小説的にも映画的にも印象的な出来事がない中で、 次々と食料や物資を“補給できているところ”が余計つまらなさに拍車がかかり、 また自然描写が極端に少ないところ、現在地や時間性が削ぎ落とされているといった不自由の中、 決定的なのは訳者の力量不足、著者本人がどれくらいこういったSFの知識と技量を持っているのか 全く不明瞭なところが随所に見えてきたので、この作品との付き合いをやめてしまおうかと思った。 しかし、最後で父が亡くなるところを見ると、 急にヒトの親としての情緒が生まれ出し、乾いた涙が出てきた。 そこから作品を振り返るに、ショッピグカートというヴィークルに親子が乗り、 「善なるもの」という「火」を荒廃した灰色の極寒の地から“南へ”運ぶ直線的な動線が なんとも言えず、これは文学的なものに成っているのではないか?と ぐぐぐっと存在感が増してきた。 運命共同体という中での善なるものを求めての旅。 息子に現実を教えなくてはならない、あるいは見せたくない、 しかし最後は守らなくてはならない父親の背中。 おそらく太陽が出ていたころの青葉茂る頃の大地と空を知らない 善なる心を持っている息子の存在は子連れ狼を例に出すまでもなく、十分文学的である。 ただ、惜しむべくはそこまでの世界観と導線を読者に埋没させることに、 この著者と翻訳者は成功させることができたのか?という一点に尽きると思う。 描き方と舞台の演出、会話の構造やちょっとした過去について、、 これらの提示が足りてなかったことに非常に惜しまれるし、残念に思われた。 また、これが外国小説初めての方や名称や書店での売り込みについ購入してしまった読者諸氏には ハードルが高かったのではないだろうか? 映画もあるようなので、機会があったら観てみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ポストアポカリプス系のSF小説が好きなので期待して本書を取った 小説の内容はとてもよかった。荒廃した世界を乗り越えようとする二人の親子の信頼と愛情を描いた物語は読んでいて心地よかった しかし、翻訳がとにかく癖があり、Google翻訳ばりの違和感が残る文章だった。 dead treeを枯れ枝ではなく死んだ枝と訳しているのは酷すぎる。 原書の表現なのかもしれないが、「彼は死んだ枝を集め火を起こした」は訳がストレートすぎる 内容が良いだけに残念 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
灰で曇った空、冷たい雨と雪、薙ぎ倒された森、荒れた街、黒い海、溶けたアスファルトの道。この物語の世界の全てがよそよそしい。 そんな世界を善き者である親子が南を目指しひたすら旅をしている。 親子が安住できる場所はなく、常に飢えと寒さ危険と隣り合わせである。 このよそよそしく、タフな世界にあって、少年の底抜けの純粋さと、脆さの対比が印象的であった。 何故世界はこうも荒廃したのか、火を運ぶ者とは何なのか。想像力を掻き立てられる、素晴らしい作品であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
序盤の装飾された文体による詩的な情景描写の連続は このまま最後までこれが続くなら読みにくいなあとうんざりしていましたが、 この世界の設定に馴染み始めるころにはすっきりとした簡潔な文章になり、 気づいた時には物語にすっかり夢中になっていました。 親子以外の登場人物や視点が広がり始めると、 物語は断然おもしろくなっていきます。 「血と暴力の国」のような激烈さや鋭利な文体に比べるとはるかに読みやすいですが やはりマッカーシーにしか書けない魅力がこの本にも詰まっていました。 すばらしい小説でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昔からSFが好きで良く読んでいます。これは核戦争の後、絶望の中を彷徨う父と子の話ですが子供の汚れないまるで天使のような性格が救いになっています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
終始ほのかな絶望感を漂わす物語。 年齢を重ねるごとに味が出る小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冬の気配がし始めた荒野。彼と息子は、生き延びるために旅を続けていた。野宿しながら、廃墟の中から必要な品を探し出し、灰とほこりの焼け野原を、少しでも暖かい南を目指して進んでいく。生き物の気配のない世界だが、それでも時おり出会うのは人間で、彼は助け合おうとしないばかりか、警戒し、脅威となりそうなものはやり過ごすか戦うのだった。そしてその度に純真な息子は助けてあげてほしいと懇願する。灰色の雪が舞い始めた。明け方、隣の息子を起こさないよう野宿の場所から離れてする咳に血の味がした。 破滅した世界に生き残った父子の絶望的な旅(ロード)を描いた物語。 *******ここからはネタバレ******* この世界が、一体どんなものを表しているのか具体的な情報がとても少ないので、イメージしにくく読み進むのが困難でした。 要は、何らかの理由で世界が壊れて、ほとんどの生命も絶え、生き残った人間がそこに残った僅かな必要品や(食べるために)お互いの体を求めて争う世界に、生存のために旅する父子の姿を描いた作品のようです。 このお父さんは、すごいサバイバルスキルを持っていて、食料を含めた生活必需品を探すのも、ちょっとしたものなら作るのも直すのも、少しでも安全に過ごすことも、とても上手です。でも、この物語中ずーーーーーーーーーーーっっっっっと続く先の見えない旅の中では、卓越した生き延びるスキルがかえって苦しみを長引かせているような気がするのはヘタレな私だけでしょうか。 読むのも苦しい中、一生懸命完読しましたが、結局最後まで同じように苦しいことの連続で、この世界が破滅した理由もよくわかりませんでした。 最後に父親が亡くなった時、ほとんど間を置かずに他のグループの人たちが少年を受け入れてくれたのが希望です。父親がずっと他の人達を拒絶してきたからそれまで他の人たちと関わることがなかったけれど、人を助けたい気持ちが強い少年には、皮肉だけれど、これで良かったのかも知れませんね。 それにしても、肉体的にも精神的にも、こんな過酷な状況の中で生き延びられるってホントすごい、と驚きの連続でした。 読点のほとんどない文章で、結構長い文章もあって、これは意識的に読みにくくされていたのでしょうか? 正直、なんでこの本を読もうと思ったのか覚えていない(笑)のですが、これは完璧大人向けの本だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先ず世界があった。 世界は"二度とはもとには戻せないもの。ふたたび同じようには作れないもの。"であり、そこにある"すべてのものが人間より古い存在"である。 唯一無二にして完全無欠、奇跡のような。その世界の有り様を「善」と呼ぶ。 すべての生命はその出自である環境に適応することが生存の条件であり、人間も例外ではない。人間が他の生命と異なるのは、その欲望が肉体という檻を破り無制限に肥大してしまったことだ。 生まれたての人間はニュートラルな存在であり、生き延びるためにはその微妙なバランスを常に「善」の側に加重し続けなければならない。愛する者を守りたいなら、その者にも「善くあれ」と教え込まねばならない。自らと愛する者へのたゆまぬ働きかけ、「善」への駆動だけが人間と世界の共存を成立させる。 しかしその不断の努力を怠った瞬間、欲望を抑え込むことに失敗した瞬間、人間はいとも簡単に「悪」へと転落し、その罪業は自らの母体さえも地獄に変える。人間は世界を道連れに自滅しながら、初めて取り返しのつかない無知を自覚する。もはやすべてが手遅れであり、無意味である。 "おそらく世界は破壊されたときに初めてそれがどう作られているかが遂に見えるのだろう。" シビレている場合ではない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平成30年のベスト本として紹介されていたのでかなり期待して買ったのですが、 私の想像力不足のせいか、ただのディストピアの話だな、というだけでした。 敬愛する角幡さんも絶賛ですし賞もとっている作品だそうなので、本が悪いのでなく、私が悪いのだと思います。 ただ世紀末救世主も世紀末覇者も出てこない北斗の拳にしか思えなかったです。秒殺で図書館に寄贈しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
リドリー・スコットの『悪の法則』を観て衝撃を受けたので、脚本を書いたコーマック・マッカーシーの小説を読んでみた。 『ザ・ロード』は、多分戦争が原因で滅び、冷えていきつつある世界を、主人公の父と息子が、寒冷化から逃げるように南を目指して旅をするという話。 終末がテーマの映画や小説は数多あるが、これほど悲惨な終末世界の描写はなかなかないのではなかろうか。 そういう状況のなかで発生する葛藤は、善悪や生死の素因数分解をしているような感覚を味わえた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あまり作中の説明がないので、「何故人間が滅びたのか?」とか「どうして人々は文明の再建を諦め奪い合い殺しあってるのか」とか「何故殆どの生命が死に絶えた世界で人間がいきていられるのか?」という重大な疑問が突っかかって世界に入っていけない。 いずれ説明されるのかと思ったら、最後まで説明されないまま終わった。えぇ・・。 まず、その三つの疑問は絡み合っているので、一つの説明がなされたならほかの説明も無くてはおかしいわけで、それなしで話を進めているのは単にプロットが甘いのではと思ってしまう。 例えば核戦争で滅びたのなら、生物がいない理由もわかるが、そうなると今度は放射能まみれの世界で何故人間が平然と着の身着のままで歩いてるのかと突っ込んでしまう。病原菌が原因でも同様だ。 北斗の拳みたいな世紀末漫画なら突っ込むだけ野暮だろうが、この小説は他の描写にリアリティがあるだけそこがより気になる。 と言うか、どう言う理由で滅びたとしてもこの展開はおかしい。生き物が生きていけない世界で人間が着の身着のままで生きていけるわけがない。むしろ真っ先に滅びるだろうし、荒れ果てた世界では動物たちが我が物顔で跋扈するだろう。 ただそう言う世界だと、悪人より動物たちの方が余程脅威な訳で、そうなってくると「終末の世界で悪人から子供を守ろうとする父親」と言うものが描けなくなる。そんな事情でリアリティーは無視されているのだろうと邪推する。 人間を全く信用しない父親と言うのもよくわからない。てっきりゾンビウィルスが蔓延してるからとかそう言う理由かと思ったが、特に理由もなしに人々は狂暴化してるようだ。文明とかどうなってるのかの説明も無いし、悪い意味で漫画みたいなリアリティーのなさ。 これがベストセラーって言うのは不思議なようでそうでもない。家族を守る父、みたいなの出すと設定やストーリー展開が大甘でも大ヒットしてしまうのはハリウッド映画などを見てるとよくあるから。 だが私は受け入れられなかった。後訳もところどころおかしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何回か読んだ後でも、たまにパラパラと開いてそこに書いてある文章を読み返しています。 小説でありながら、全編がとても美しい詩を思わせます。 美しい文章だけではなく、物語もとても完成度が高いと思います。 たいていの物語は一度読んだきりですが、この本はこれから何度も読み返していこうと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何らかの理由で人類の文明が荒廃した世界で生きる親子二人の逃避行。 父親は息子に色々と言い聞かせるが、時には綺麗に生きられない時もある。 それでもなお、全うに生きようという意志が彼らの運んでいる火なのではないだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文明終焉後のアメリカでの、父と子のむごたらしく過酷な生存劇。 訳者のあとがきでも触れられてますが、おおまかなストーリーラインは、 日本で70年代に大ヒットし、アメリカでも80年代に影響を与えた、時代劇アクション漫画「子連れ狼」 (「新子連れ狼」の導入部分)を基にしています。 過酷な状況での父と子の彷徨と別れ、には普遍性があるのでしょうが、 いくらなんでも、小道具登場人物イベントまで、そのままやるはなかったと思いますが。 (ひょっとしてタイトルも、冥府魔道、ロードトゥパーディションからなのか) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
情景描写の文章が逸脱なので、話にぐいぐい引き込まれた。 読み進んでいくうちにわかると思うのだけど、これSF小説だと思った。 でも、単にSFだけではなく、生き残るためのサバイバルであり、父と子の 物語でもある。 父と子の会話のやりとりが結構好き。 誰がいっているのか、説明せずにわかるので、文字の位置が工夫されているのが良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夫が持っていた本を奪って一気に読みました。 人が壊してしまった地球で、アメリカをひたすら南に旅する話です。 父はショッピングカートを押し、息子はナップザックを背負い、大事なものは息子の背中にあります。 なにかが起こってしまうとき、カートは置き去りにせねばならないから。 子を持つ人は要注意で、読了後、子に頬ずりをし過ぎて鬱陶しがられます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テンポが良い作品が好きな人には、おそらく合わないでしょう。 読み終わりました。 全体として、クオリティは高いのだろうと思います。 現実味がある描写なのだろうと思います。 しかしながら、私にとっては退屈なシーンもありました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
モノクロームの世界を行く親子連れ=しとしとと雨が降り注ぐ灰色の世界:「」で括らないお互いの会話はまるで頭の中の独り言のようで寂寥感をいやますばかりだ…先のない二人の行く末が辛くてなんどもページを繰る手を止めてしまった。やがて訪れた海…父にとって息子は明日を生き抜く輝きだが、人々が孤立し自然界すら死に絶えたような世界で果たして息子に未来はあるのだろうか?いや人類にとっても… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おかしなことにアメリカの現代ゾンビドラマ『ウォーキングデッド』が重なる。WDの演出家たちは、本作と本作の映像化「ノーカントリー」を見たに違いない。父と幼い息子の設定、アポカリプスの時代設定等が重なる。もちろんあとがきにもあるように、日本の『子連れ狼』もどこかでつながっているような気がする。 父は息子を命がけで守り、時に人間的な決断に迫られる。息子はどこまでも神が愛した子のように純粋で、人間に最後は良心があることを我々読者にしらせてくれる。 最後の最後、誰もが涙するだろう。枯れるほど出る人もいるだろう。その涙の意味を考えながら、マッカーシーの次なる世界へと 私たちは旅するのだ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!