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レディに捧げる殺人物語
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レディに捧げる殺人物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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窃盗、詐欺、女たらしの常習犯(殺人もしたらしい)にしがみつく女主人公。彼女の心理をどれほど精緻に描いたところで、何の意味があるのでしょうか。半分近く読みましたが、捨てました。 | ||||
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発刊後50年近く経過しているので品質にはあまり期待していなかったのですがそれにしても相当にひどい。写真でも乗っていればほしくても注文しませんでした。今までAmazon経由かなりの古本を購入しましたが、これは一番悪く加えて価格が極めて高い。この業者は入れるべきではないと思います。欲しかったのでつい手が出てしまいましたが。店頭でなら手を出しませんでした。 | ||||
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「リナ・アスガースは、八年近くも夫と暮らしてから、やっと自分が殺人者と結婚したことをさとった。」 フランシス・アイルズ『レディに捧げる殺人物語』はこの一文で幕を開ける。 リナは、ハンサムな青年ジョニーからの積極的なアプローチの末、結婚した。幸福を感じていたリナだったが、徐々にジョニーの浪費癖や虚言に振り回されていく。ギャンブルの借金や女性関係が明らかになるにつれ失望をつのらせるリナ。しかし、リナはジョニーが更生することを信じ、ジョニーへ手を差しのべ続けるのだった ・・・ 騙されても、ひどい扱いをされても、ジョニーを見捨てることなできないリナ。リナは、愛想を尽かす寸前で立ち止り、ジョニーへの愛をかきたてていく。依存症ともいうべき心理状態だ。 リナは、先天的なダメ人間ジョニーの行動に一喜一憂し、ジョニーの良い面を見つめ続けようとする。ジョニーのひんまがった性格より、リナのねちっこい心の動きが不気味である。イライラすら感じるだろう。やがてリナは、ジョニーを拒絶するために、別の男性に心を寄せることを試みるわけだが、このあたりの描き方は興味深い。 ジョニーが金のために殺人を犯した過去を持つことを知ったリナ。しかし、その時には、ジョニーにがんじがらめに心を縛られていたのだった。 本作品は、犯人探しをするたぐいの推理小説ではない。先に待ち受ける運命へ抗うことができなくなったリナと、リナが察知していることを知りながら終焉に向わざるをえないジョニーの捻じれた愛情を描いている。犯罪心理小説であり、恋愛小説でもあるのだ。 | ||||
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私が所属する推理小説研究会のメンバーの提案で課題作となったアイルズの別名であるバークリーの「ジャンピング・ジェニー」を読み、この作者の作品で私好みの作品を紹介して欲しいといったところ、この作品を紹介された。 非常に面白いと思ったが、主人公の煮え切らない態度が気になるところであった。初めて読む人には漫画が出版されているので、そちらから入る方がよいかも知れない。 | ||||
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物語の出だし部分から、結末がある程度予測がついたので、その程度の作品か、と思っていました。 1930年代という古い作品なので、当時は画期的であったかもしれないが現在はTVでよく見るありふれた話かと。 ところがラストの数ページまでたどり着き、もしかしたら作者は裏の意味をしかけているのでないか、と気づきました。 ねたばれになるのでやめますが、ヒントはヒッチコックの映画「断崖」ではこの原作をどのように解釈していたか、です。 | ||||
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最後まで犯罪の現場は出てこない。読者は最初の「わたしの夫は人殺しである」という言葉からぐいぐい引き付けられていく。仕事もせず、博打で借金を作り、家財を知らぬ間に売り、小切手も偽装。けれど魅力的で男性をも魅了し、豪快に遊び、甘い言葉巧みに妻や女性を惑わす。 怪しさはプンプンしているのに、妻が許してしまうその女性の弱さや「私がついていなければ」という母性本能が、もどかしいものの、彼女の中のせめぎあいが細やかに描かれ面白い。 結末は悲劇ではあるが、ある意味幸福なのではないでしょうか。 ハッピーエンドではないのに、納得の終わり方でした。 | ||||
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バークリーがアイルズ名義で書いた(「殺意」と同じ)サスペンス小説。被害者の目から見た殺人事件の進行という面白い題材を扱っている。倒述物というより、男と女の間の感情の不思議さを描いた文学作品と思っても良い。 女は富豪の男と結婚する。舞台は、ヒッチコックの映画「断崖」では海辺の断崖近くの家である。女はフトした事から男が殺人鬼である事を知る。当然、次のターゲットは自分だ。だが、女は男から離れられない。冷静に読めば、早い段階で男から逃げ出せば良いのになぁと思う。しかし、女は男に不思議な魅力を感じて逃げ出せない。男は、そんな女の様子に気付いているのかいないのか普通に振舞う。女の葛藤と男の余裕、サスペンスが盛り上がる場面でもあるし、男と女の間の業を感じさせる文学的な場面でもある。女には「自分だけは大丈夫」という過信・楽観があったのかもしれない。男は殺害計画を進める...。 事件を被害者の立場から見るという斬新な手法と、女と男の間の業を描いたサスペンス小説の傑作。 | ||||
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フランシス・アイルズこと、アントニイ・バークリーは、推理小説を、「古い型の純粋かつ単純な犯罪パズルから、心理学的な手法に重点を置いた文学作品にまで発展させるべき」と考え、フランシス・アイルズ名義で「殺意」を書くに至っているのだが、そうした彼が到達した究極の犯罪心理小説の野心作が、この「レディに捧げる殺人物語」といっていいだろう。 したがって、この小説を読む人は、この小説に、「犯罪行為を、探偵又は犯人側から描いていく」といった通常の推理小説の形は、期待しないでほしい。アイルズが到達した究極の犯罪心理小説の形であるこの小説では、もはや、純小説との境界線はなくなっており、従来の推理小説の形を期待して読むと、いらいらするだけなのだ。 しかし、推理小説を「文学作品にまで発展させるべき」と考えていただけあって、アイルズの筆力と心理描写能力には、推理小説作家には珍しいほどの卓越したものがあり、そんなアイルズだからこそ書けたこの小説は、通常の推理小説ではないことを承知の上で読めば、かなりレベルの高い犯罪心理小説なのだ。 さて、そんな作品であるこの小説は、生来の救いようのないワルでありながら、どういうわけか母性本能をくすぐり、女にはもてるという男と、そんな男から、どうしても別れられないという、哀しい「女の性」を背負った女を描いた物語である。実世界でも、こうした男女はいるものだが、アイルズは、そんな男女の心理の綾を、見事な描写力をもって描いているのだ。 ちなみに、この小説には、あのアルフレッド・ヒッチコックが目を付け、「断崖」のタイトル名で映画化しており、いかにもヒッチコックらしい、サスペンス色が前面に出た傑作に仕上げている。 | ||||
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見た目がよく会話も上手、人が集まれば必ずその中心になるような魅力に富んだ男ジョニーと結婚したリナ。幸せな生活を夢見るも、実は金にも女にもルーズ、あちこちに借金をつくり、勝手にリナの持ち物を古道具屋に売り、浮気をしと、どうしようもない男であることに気付く。離婚を決意し一度は家を出るものの、どうしても忘れることができずに戻ってきてしまう。そこでさらに、男は殺人者であったことを知る…。 不実な男を愛し愛されたい、殺人者であることを確信し、恐れおののきながらも誰にも知られないように何とかして守ってあげたいという複雑微妙な心の動きを、女性の視点から切々と語った犯罪小説です。男の自分勝手、自己中心的な考えや行動にイライラさせられ、そこから離れたくても離れられないでいる、女性の優柔不断さと自分に都合のよいような思い込みの激しさにさらにイライラさせられながら、最後まで一気読み。これはおもしろい! それにしても、女性とはダメな男・悪い男に弱いものなのでしょうか? | ||||
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