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虎よ、虎よ!
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【この小説が収録されている参考書籍】
虎よ、虎よ!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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翻訳が古めかしいので、最初はとっつきにくいかもしれない。 読み進めれば怒涛の展開で、色々な作品の元ネタになっていることもわかり、面白く興味深い作品ではあります。 | ||||
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よくまあ最後まで集中したなと思う。交替交替でトルストイの『復活』を読んでいたら登場人物がゴッチャになった。ほぼ同時にフロイトの『精神分析入門』もメモをとりながら読んでいた。『モンテ・クリスト伯爵』もヤマハの5階で旺文社の抄訳を読んでいたが、関係性には気がつかなかった。 この作品をまたもとめたのは「最後の方の絵がどうなっているか」に興味があったからだ。コピーを繰り返したようになってだいぶ劣化しているが、懐かしかった。ブレイクの詩は寅年の年賀状につかったことを覚えている。 | ||||
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1968年の映画、「2001年宇宙の旅」が最高のSF映画なんて評価を受けている(選者によるが、個人的に異論はない)が、 1956年発表であるこの小説がこんなに凄いものだとは知らなかった。 自分の浅学を告白することになって恥ずかしいが、 本当にそうなのだから仕方ない。本なんか全然読んでこなかったのだから。 何と言うか、「漫画かよ!」「ラノベかよ!」みたいな。(誉めてます。) 石ノ森章太郎の漫画「仮面ライダー」で、改造手術を受けた本郷猛の顔に手術跡が浮かび上がる描写や、「サイボーグ009」の加速装置のネタ元はこれだったんじゃなかろうか?(と思ったら、先人のレビューにありましたね。) 「燃える男」が現れては消えるシーンでは漫画「AKIRA」で、アキラの起こした爆発の異空間に飲まれた金田が幻のように現れるシーンが思い出されてしまう。 サイバーパンク小説流行の折に小耳にはさんで、うっとりとなった「神経鋼化(ハードワイヤード)」などもさらりとやっている。 (人工素材の筋肉や神経、サイバネティクスのアイデアはもっと古かろうから、「ネーミング」こそが重要なのだとは思うけれど。) 近年のキャラクターデザインで常態化している常軌を逸したファッションや歪んだ人体改造のイメージ、ついでにアルビノの美少女なんてのも臆面もなく出てくる。 そんな描写を、後書きで作家が「パターンとリズムとテンポに憑かれており」と語るその文章で読んでいると、「テリー・ギリアム」監督映画の、ゴシック調にデザインされた独特なテンポの映像が脳裏に浮かんでしまう。 …つまり、それ自体が最先端とされるようなサブカルチャーメディアの要素で、 個人的に「新しい!」と思って心酔していたものは、とうに、すっかりこれに出ていたのだ。 この小説が小説の出来としてどうなのか、とかは正直私にはわかりません。 ただただ、読んでいて面白かったとしか。 ただ、サブカルメディア好きの方で、もし私のようにアニメとか漫画とかばかり見ているようなら、私のような爺になってから読んで恥じ入らないで済むように、「読んでおいた方が良い!」と強くお勧めしたいです。 蛇足ながらつけ加えると、近年の作品で、「人間に自由意志はあるのか」「時間や空間は我々が認識するような形で存在しているのか」などのテーマの作品を幾つか見ました。読んでいるときには最新科学論っぽいネタだなと、思っていたのですが、ぶっちゃけそれもこの作品に書いてある。 と言うか、それはこの作品に限ったことではなくて、ほかの古典作品(なんならギリシア悲劇にでも)にも見られることで、 結局、早いとか遅いとか、先だとか後だとかではなくて、いつの時代も同じことを繰り返しているのだなあ、と思った次第です。 | ||||
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虎よ!虎よ!ぬばたまの 夜の森に燦爛と燃え そもいかなる不死の手 はたは眼の 作りしや、汝がゆゆしき均整を 学生時代覚えたものです。 懐かしく購入して読みました。 テンポがよく読みやすい。 テレポートの仕組みなどが科学的に説明されており、今でも納得です。 SFの金字塔ともいえる作品です。 平凡な宇宙船ノリの主人公の中に凶暴な本能『虎』が目覚める。 復讐を! その後紆余曲折はあるものの。SF作品の金字塔です。 是非映画化してほしいものです。 面白い! | ||||
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今でこそ、 マンガのコマ送り、レイアウト、セリフ・・・ETCを まんま、文章に置き換えたような小説は 佃煮にして賞味期限切らしてゴミに出すほど 在りますが。 筒井康隆・編『SF教室』で紹介された 初出誌の挿絵と相俟って、ショッキングでした。 爾来、文庫版を手にするまで頭の中を 虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、虎よ 虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、 虎よ、虎よ、虎よ、虎よ 虎よ、虎よ、虎よ、 虎よ、虎よ、 ! と、まぁコンな感じで焦がれ続けたもんです。 本作とブラウン『火星人ゴーホーム』ブラッドベリ『火星年代記』は 出会ってから半世紀に手が届きそうになってきた今も、 数年周期で再読しており、ヘタリ具合もひとしお。 新しい版もありますが、表紙イラストは最初のヤツがいい! コレに尽きる!!!!!!!!! | ||||
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いやはやもの凄いSF小説である。超高速ローリングジェットコースターと呼べる凄まじい生きざま、主人公ガリー・フォイルの物語である。彼はジョウント,不定空間ジョウント、不定時間ジョウントができます。このことが惑星間戦争に影を落とし、ここに【ヴォーガ】に対する恨みを爆発させる。特に後半から、ピースがはまりだすとジェットコースターももの凄いで回りだし、振り落とされないよう注意が必要です。長く読み継がれる聖典でしょう。 | ||||
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粗野で怠惰な男は見殺しにされた怒りで虎と化した。 退廃、悪趣味、ガラクタのカオス。絢爛たる混乱。ワイドスクリーンバロック。極彩色の万華鏡。 物語は異様な熱気と迫力で爆走する。 宇宙を股に掛けた復讐は、やがて圧倒的なフィナーレへ。 繰り返す跳躍、湾曲する宇宙を、脈動する時空を。ありとあらゆる場所に燃える男が現れる。 遂に男は真の敵を見出し、力の壟断に辿り着く。 やがて、世界中の人々が男の呼びかけを聞くだろう。 シビレル。 | ||||
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日本が敗戦を迎えて間もない1950年に発刊された本書は最近ネット上で、その文書表現が"まるでライトノベルみたい!"とあらためて紹介されていたのを見て逆に興味をもったのだけど。実際に読んでみるとモンテ・クリスト伯をベースに超能力や怪物といったSF的ギミックをこれでもかと詰め込んでいて、これは当時の大量生産大量消費アメリカの空気感なのか?と思わせられる内容だった。 ただ、そういった複雑で本来ならまとまらない内容を、ただひたすら単純に【動いて突っ込んでいく】主人公を中心に置く事で、テンポよく最後まで話が進み、最後にはなんとなくキレイにまとまって終わった印象を残すのは流石だな。と。 そして、この作品に登場する設定が仮面ライダーやサイボーグ009に活かされたのを知り、ちょっと"なるほど。。"と、ビックリしました。 オススメ。 | ||||
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名作SFでよく名前が挙がるので、全く下調べせずにとりあえず手に取ってみることに。 これがまた、いつまで経っても面白くならない。 ほぼ破綻してる設定、突然の場面転換、全く感情移入できない登場人物達、盛り込みすぎて混乱した世界観。 しかし、我慢して読み続けてみると、突如としてギアが上がる。 気がつけば時空も想像力も小説としてのフォーマットもぶっ飛んで、 まるで三次元にばら撒かれていたガラクタが四次元の荒縄で無理やりゴチャゴチャに丸められて、 そのままポンと目の前に放り出されたような感覚。 これが、案外美しい。 よくよく考えてみれば小説の内容なんて、所詮はどうでもいい話である。 細かいディティールなんていちいち覚えてられず、後には体験だけが残るからだ。 そしてこの作品はその体験に全振りしたものである・・と、私は理解しました(人は選ぶと思います)。 | ||||
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虎よ、虎よ! このタイトルは上手い。単に顔の刺青が虎であると言う事とは別に、本作の主人公ガリー・フォイルの本質は正に虎、獣のような男だ。 他者に対する優しさ、愛情など道徳的な感情は一切持たず、触れるもの全てを傷つける男。目的のためには平気で他者を踏みにじり、殴り、殺す。ただの犯罪者だが、快楽の為にそうしているわけではない。彼の底にあるのは、野良犬のような攻撃性。自らを見捨てたものに対する、純粋な殺意。 徹底的なアウトロー、冷酷なアウトサイダー。この主人公にほれ込んで一気に読んでしまったが、この主人公をダークヒーローと考え、感情移入してしまったのは本作を読む上で致命的な過ちであったようである。 ここからちょっとネタバレするから注意。 要するに最後、改心してしまうのだ。主人公は愚鈍な凡人だったが、怒りにより虎となり、終盤で信仰者となってしまう。 まあ、人によっては感動する話かもしれない。それは重々わかるし、面白かったと言えば面白かったが、一方で虎である主人公に感情移入していた私としてはがっかりしてしまった。 無論、主人公が愛を知らない虎のままでは結末は主人公の破滅しかなかったと思うのだが、正にそれを望んでいたものとしてはがっかりだった。とは言え、それは全体の面白さを損なうものではなく、寧ろある種のカタルシスを与えてくれたので、それにより評価を減らす事はしていない。ただ前半を読んで主人公を気に入ってしまう人は注意が必要だ。 それと、女性キャラ達が主人公にあまりに都合よく動き過ぎである。 自分をレイプしたり見殺しにしたりする相手をあっさり許したり、何だかんだ尽くしたり、あろうことか愛したりもする。この辺はなろうと変わらんのでは。雄々しい男が主人公の話において主人公を好きになる都合の好いヒロインはいない方が良いと思う。 | ||||
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大友克洋が書いた帯につられて紀伊国屋で購入。アマゾンってどこのライダーですか。 金田のユーレイ?やタカシ=28号もここからオマージュ(発想を得たと言うにはそのまんまだが、パクリとは言えないくらい昇華されている)されており、思わずニヤニヤ。 この本のストーリーも岩窟王をベースにしていることを考えば「巨人の肩の上に立って、そのまた上に…」ということか。創造とは先人の偉業の先っぽに付け足すこと也。 そういえば加速装置なんてのも今や苔むしたSFガシェットだが、初出はここかな? 映画化も期待大だが、洞窟監獄やタイポグラフィの映像化なんてのはさすがにムリかねぇ。 1956年発表、いつ読んでも古さを微塵も感じない名作。読み倒してぼろぼろなのでココらで買い換えるか…。 | ||||
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古典的SFということで、読んでみた。 奇想天外で、しっちゃかめっちゃな展開だったが、 急展開する映像を観ているようで、ラストが気になりながら読み進んだ。 当初脇役かと感じたフォイルだが、最後まで全てを引っ掻き回す。 本書が世に出た1950年代は、国家間では冷戦による核開発競争、個人レベルでは技術革新により 物質的な生活水準が年々上がっていたころだろうか。 印象に残るセリフがあった。 『諸君はブタだ。ブタみたいに阿呆だ。諸君は自分の中に貴重なものを持っている。それなのに ほんのわずかしか使わないのだ。諸君は天才を持ってるのに阿呆なことしか考えない。精神を 持ちながら空虚を感じている。』 『何か信じるものをもつことは必要ではない。どこかに何か信ずるに値するものがあることを 信じることが必要なのだ。』 享楽主義に向かおうとする当時の世相に警鐘を鳴らすと共に、自分の人生を生き切るようメッセージを 込めたのだろうか。 | ||||
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どわーーー、面白いっっ!好みド真ん中だった。 誰もがテレポートできるようになった25世紀。下級エンジニアのガリバー・フォイルは、宇宙船の事故で漂流していた。 通りかかった豪華客船は、救助せず行ってしまった。フォイルは客船の関係者に復讐することを誓う。 暗い情熱の燃える復讐劇が幕を開ける。これだけでも十分に魅力的だが、敵側もフォイルの行方を追い求めている。 事件には裏があり、さらに裏がある。謎に包まれた真相が徐々に輪郭を表す興奮といったら、並みのサスペンス小説半ダース分に匹敵する。 ジェットコースター的プロットに負けず、大量のアイデアが投入されている。 病院の地下に院長の趣味で作られたフリーク動物園、科学を信奉する小惑星、五感を断ち切った生ける死人が暮らす宗教施設。 この世界では宗教はタブーなのだ。違法ポルノ売りは、「へへへ、神に祈りをささげる乙女の写真がありますぜ、旦那」と勧誘する。 なんて素敵な世界だ。 キャラクターが素晴らしい。主人公のタフガイぶりに熱狂した。敵役は放射能人間とか蛇男とか、変態ぞろいで嬉しい。 麗しいヒロインにも事欠かない。中でも電磁波を目視できるアルビノの娘が際立っている。 プロット良し、アクション良し、アイデア山盛り、キャラは立ちすぎ。小説としてもSFとしても最高である。 | ||||
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人類が宇宙に旅立つ時代。ジョウントという瞬間移動能力を誰もが使えるようになった時代。 ジョウントを使用した窃盗や殺人といった犯罪が世界中で頻発、やがては星間戦争に発展するまでに至った。 主人公ガリバー・フォイルはノーマッド号で1人救援を待っていたが偶然通りかかった輸送船ヴォーガはノーマッド号を無視してどこかへ向かってしまう。フォイルは自分を見捨てたヴォーガへ復讐の炎を燃やし、いつか必ず滅ぼしてやると誓う。 途中、小惑星地帯で奇妙な文明人に顔へタトゥーを施されて本当の虎のような紋様となったフォイル。 ヴォーガの船主プレスタインを殺そうとして失敗するも、復讐の怒りは消えず関わった女たちを道具のように利用しながら復讐達成のためにあらゆる手段を尽くす。 ジョウントをはじめ、激高すると顔に浮き上がる虎のタトゥー、テレパシー能力を持つ女性、場面場面で突如現れる燃える男、老人の顔をした少年科学者、歯に仕組まれた加速装置、世界を破滅にいたらす物質パイア、そして共感覚、と作者の持つすべてのアイデアをごった煮にして休む間もなく読者に驚きと興奮を与えてくる。 些細な矛盾点や破綻した部分など吹き飛ばすように情報とガジェットとイメージの洪水があふれかえり読者を最後まで離さない。 ただの野獣のような主人公の復讐嘆が、ここまで強烈なエネルギィに満ちた展開に昇華できたのは作者ベスタ―の非凡なSFストーリーテラーとしての手腕によるものだ。 古い作品だが古典SFとして今も読み継がれるのはそれだけSFの面白さが詰まっているからだろう。 フォイルの性格が合わず最後まで読めないという人もいるだろう。しかしSFファンにとってはこれほどまでに完成度の高い作品は他にない。 ガリバーフォイルは最後の最後まで復讐を果たすためだけにもがき続ける。顔に忌々しい虎の紋様を湧きあがらせながら。 | ||||
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久しぶりに読み返しました。 面白いですが、さすがに最後の突飛な表現技法は もう目新しくもなく、陳腐に感じられました。 でも、面白いです。 | ||||
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テレポーテーションが当たり前になった時代。 電話をするよりも直接会ったほうが早い、ということからもわかるように、テレポーテーション時代の社会は、経済や思想がテレポーテーションを基準に考えられるようになっている。そんなある日、ガリー・フォイルは宇宙船で宇宙空間を漂流する。半年も酸素のやりくりをして、孤独に生きて、やっとのことで別の宇宙船を発見する。のだが、何度も送った救難信号が無視されて素通りされてしまう。その宇宙船の名前はヴォーガ。フォイルはヴォーガに復讐を誓うのだった。お前を破滅させてやる。 序盤はこんな感じ。 うおお、と思いますよね。 なんてわくわくする世界観なんだ、と。 これからどんなことが起こるのだろうか、と。 しかもこれ、60年も前につくられたお話なんですね。両親もまだ生まれてないよ! 60年も前につくられたお話で興奮できるのだから、これだから小説というものはいいです。 とにかくテンポがよかった。 次から次へと展開が進んで、ほとんど飽きが来ない。フォイルの乗っていた難破船にはとある重要な物が載せてあり、それでフォイルが全世界から狙われることになる。フォイルにとっては復讐の邪魔だ。だから返り討ちにしてやる。このサスペンスと爽快なアクションが、飽きのこさせない要因なのではないかと思う。 個人的に、テレポーテーションで時差分だけ時間が戻るのがお得、という小話が好きだった。 そりゃそうだよなあ、と思いました。 一方で、勢いがいい分、心理描写に書き込みが少なくてキャラの行動が不可解な部分もあった。 キャラが強引すぎて、作者の吊り糸が見えちゃうんですよね。心理に飛躍というか、読者が置いてけぼりになるといったほうがわかりやすいか。展開重視の弊害でもありますね。もうちょっと丁寧に進めてもよかったのではないかなと思う。 フォイルの行動原理はわかりやすいんですけどね。決して共感できるようなキャラではないが、納得はできます。しかし他のキャラは、特に女キャラは吊り糸がひどい感じです。 まあそんな感じで良い部分も悪い部分もあるのですが、これは間違いなく傑作だと思います。 私はやることがたくさんあるので、休憩がてらに一章を読むという読書スタイルなのですが、これは一章で終わらせるはずが二章分まで読んでしまうということが多々ありました。もう夢中でした。こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、良い意味でライトノベル的であります。是非とも虎よ虎よの世界にどっぷり浸かってみてください。 おすすめです。 | ||||
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作品にみなぎるパワーやエネルギーがとても大きく、スケールの大きさとあいまって気持ちよく一気読みさせてくれ マイケルタイソンの自伝を読んでるような感じがしました 、瞬間移動や浮く刺青、加速装置という中二心があつくなる設定もかなりかっこよくまたそれを中二設定という形だけで終わらせるのではなくなるほどという形で、きちんと着地させてくれるのがとても好印象 sfアレルギーの方も読める最高に熱い一冊ではないかと! 進撃のキョジンはこれに影響うけてると思うんだけどなあ、、、、 | ||||
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とても凄い、力に満ち満ちた小説です。 溢れるように多彩な未来世界のイメージ……「ハイペリオン」にもそういう魅力がありましたが、こちらはもっと狂ったような、暴力的な感じすらする出し惜しみのなさを感じます。 50年以上も前に書かれた作品ですから、科学的考証には古くさいところがあるはずだし、荒唐無稽だとか破綻してるだとか、そういう見方も出て当然ですが、本作ではそういった点すら、不気味な魅力として鈍く光っているかのような印象です。 思いつく限りのアイデアと読者を楽しませようという情熱をねじ込みまくって、この一作で出し切ってしまおうという作者の姿勢こそが小説にここまで力を与えたのでしょうし、そうでなくては! と読者としては拍手を贈りたいです。 出し惜しみをしながら書かれたようなモノなんか所詮は小物にしかならない。 綺麗に整ってちっこい話なんかより、自分で自分でぶっ壊すようなパワーとか、速すぎるために歪んでしまうようなスピードとか、そういう超越感を感じ取りたいと思ってSFを読んでるんだ、と、初期衝動を思い出させてくれる貴重な一冊になりました。 学生時代に大好きだった傑作SF漫画「銃夢」が、まさにこの作品から多大な影響……というか、様々な要素の拝借というか、もはや部分的漫画化というか(笑)、そんな関係にあったのだということを読みながら気付いたのも面白い体験になりました。 | ||||
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旧版からの愛読書。さすがにぼろぼろになったので買い換えることにした。カバーイラストだけは、どうにも我慢ならず、ネットで生頼画伯の画をダウンロードして、表紙を貼り替えました。やはり、ムードは大事。 | ||||
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たまにはSFでも読んでみようということで、評判のよい本作品を手に とった。傑作との呼び声高い本作品は、デュマの『モンテクリスト伯』 から着想を得た復讐譚である。 人類が宇宙に進出し、めざましい発展を遂げた25世紀が舞台となって いる。そして、内惑星と外衛星の両連合による戦争のさなかで物語は 進んでいく。この戦争を引き起こしたのは、テレポーテーション能力 (通称ジョウント)の開発である。空間という制限から人類が部分的 に解放されたことで、従来の主従関係や権威システムは揺らいだ。そ れまで従属的立場にあった外衛星群と内惑星群との経済的な軋轢が衝 突をまねき、戦争へと突入した。 主人公はガリヴァー・フォイル、宇宙船の乗りである。外衛星連合の 攻撃によって航行不能となった宇宙船の生き残りとして物語は始まる。 からくも生き残った彼は復讐を果たすべく行動を起こしていく。 世界設定や人物の描写には非常に魅力を感じた。特に会話のなかに鋭 い台詞がちりばめられており、読みながらハッとするような気持ちに さえなった。 通常、復讐劇は前半の仕打ちに耐える展開で同情や共感を深め、後半 の復讐によって胸の支えがとれ、爽快感が得られるというシナリオだ ろう。しかし、この復讐譚はそうしたタイプの物語ではない。それに 復讐の元となった出来事は悲劇的ですらある。爽快感を生む内容かと 言えば、そうではないと言っておこう。 では、何が本書を傑作とさせているのかというと、それは結末の力強 いメッセージ性であろう。主人公が復讐に執着する状況をのりこえて、 社会あるいは世界そのものの変革を目指そうとするからである。もし かすると、悲劇を生んだ社会・世界に対する彼なりの仕返しと言える かもしれない。 | ||||
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